道行は美しく?
昨日はおもに時代物の道行のことを書いたのですが、世話物にも道行はあります。
全てではないにせよ、多くは
心中の道行
ということになります。
11月に上演された『心中天網島』も網島大長寺に行くまでの「名残の橋尽し」がそれにあたります。
美しい文章で飾られ、切ない三味線の音もあって悲しみがいっそう募ります。
梅田橋、桜橋、緑橋、曽根崎橋、大江橋、難波小橋、天神橋、天満橋、京橋、御成橋など、多くの橋を眺めたり渡ったりしながら小春と治兵衛は大長寺に向かいます。
すでに書きましたが、この場面は近松の原作からは大幅にカットされています。
もったいないような気もするのですが、現在の上演方法ではやむをえないのでしょうか?
特にはなはだしいのは
心中場
です。二人の煩悶はほとんど描かれず、いつのまにか死んでいく、といった感じです。
こういう考え方もありそうです。心中場はあくまで美しく。それだけでじゅうぶんだ、と。
- [2009/11/24 00:00]
- 文楽 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
錦秋公演千秋楽
本日、時代ものと世話ものの通しで組まれた秋の公演が
千秋楽
を迎えます。
技芸員の皆様お疲れ様でした。
通いつめられたファンの皆様もご苦労様でした。
天皇・皇后両陛下も来られて、ひとときの芝居見物を楽しまれたことと思います。
英さん、団七さん、嶋さん、清友さん、文雀さん、和生さんほかの人形遣いさん、緊張されたでしょうね。
私は本当に時間を盗んでは劇場に行くということの繰り返しで、ちょっとまいってしまいました。
この公演につきましては、ブログにいくらか書きましたが、まだまだ書き切れていないこともあります。
明日以降、覚書として書き続けるつもりです。![]()
↑応援よろしく!
- [2009/11/23 00:00]
- 文楽 |
- トラックバック(0) |
- コメント(1)
- この記事のURL |
- TOP ▲
道行と中空
「ちゅうくう」ではなく「なかぞら」です。
道行という作劇法が大好きです。
初めて体験した道行は、やはり
道行初音の旅
ではなかったかと記憶します。
あれはもうエクスタシーでした。高い調子の三味線に、高音を響かせる太夫陣の声々。
そして目もくらむような舞台と人形。
ほかにも「旅路の嫁入」「恋の苧環」「似合の女夫丸」などの時代物、「天神森」「相合かご」そして「名残の橋尽し」などの世話物の道行があります。
道行の魅力
はどこにあるのだろう、と考えるのですが、ひとつには登場人物が何か心が落ち着かないまま旅をしているところにあるのではないか、と感じる事があります。
義経を思う静と初音の鼓に気をとられる狐忠信。同じ道を歩いても心はそれぞれ。
一途に力弥を慕いつつ都の空を思う小浪と困難な先行きを案ずる戸無瀬。
決着がどうなるのかわからないまま、とにかく歩みを進める、足は地についても心は中空。
私の思い込みかもしれませんが、なんとなく登場人物の視線は中空に向いているような気がするのです。![]()
↑応援よろしく!
- [2009/11/22 00:00]
- 文楽 |
- トラックバック(0) |
- コメント(2)
- この記事のURL |
- TOP ▲
待受画面
あの、つかぬことを伺いますが、携帯電話のトップに来るディスプレイのこと、あれは
待受画面
といえばいいのですか。
なにしろ会話ということをしませんので、こんななんでもないことでわからないことがいろいろあるのです。
私は長い間大阪府の知事さんのことを「ハシシタさん」だと思っていた、と以前書いた事がありますが、それも同様で、やはり言葉は声に出したり書いたりして使わないと身につかないものです。
それはともかく、私も携帯電話なるものを持つようになって、あの待受画面にもいろいろな写真を使ってきました。
もっとも長く使っていたのは(以前どこかで書いたかもしれませんが)
貝合の貝
です。
「貝合(かいあはせ)」は二枚貝を切り離して内側に同じ絵を描き、そういうものを何組も作り、伏せて同じ絵をあてるという遊びです。絵には源氏物語に取材したものを用いるなどなかなか高尚な遊びですね。武家のお姫様などが立派な貝合を嫁入り道具として持って行ったりしたようです。
その写真をずっと待受に使っていました。![]()
↑応援よろしく!
- [2009/11/21 00:00]
- 文楽 |
- トラックバック(0) |
- コメント(2)
- この記事のURL |
- TOP ▲
子別れ
父が自ら討った娘の首を抱いて行くのに対して、母は息子をあとに残して去る、というパターンが多いように思います。
重の井、お柳、葛の葉。
芦屋道満大内鑑 保名物狂
は、榊の前に死なれた安倍保名が狂人と化してさ迷い歩きます。
葛の葉姫のおかげで正気に戻った保名は、狐が石川悪右衛門に追われて逃げてきたところをかくまってやります。
それに恩を感じた狐は、そのあと悪右衛門に襲われた保名を葛の葉姫に姿を変えて介抱し、保名と手を携えて阿倍野に落ちていきます。
そして
童子 (のちの安倍晴明)
を産んで育てます。
詳細は略しますが、その後ついに別れの時が来て葛の葉となった狐は童子と別れることになります。![]()
↑応援よろしく!
- [2009/11/20 00:00]
- 文楽 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲


