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玉男師匠文楽協会葬 

昨日(10月30日)午前11時より、大阪府吹田市千里会館で、9月24日に長逝された

    吉田玉男 師匠

の文楽協会葬がおこなわれました。
まさに

    玉男晴れ

の大阪でした。

私は仕事の都合で行けないはずだったのですが、このブログに来て下さる皆様の多くはご列席できないと思われますので、代わりに参列してまいりました。
というより、どうにも気持ちがおさまらなかったからなのですが……。

会場には徳兵衛、忠兵衛、良弁、景清、熊谷、知盛、由良助、菅丞相などを遣われる玉男師匠の写真が飾られ、途中、ビデオで徳兵衛、熊谷、樋口、知盛、由良助、菅丞相、実盛などが上映されました。
文楽を代表しての弔辞は住大夫さん。大阪府知事さんも(代理でなく)ご本人がいらして弔辞を読まれました。
玉男師匠の長年のコンビであった簑助師匠と愛弟子の玉女さんが遣う「曽根崎心中・道行」のお初・徳兵衛による無言の弔辞もありました。徳兵衛は最後まで編笠を脱ぎませんでした。

かつて、徳兵衛を1,111回遣われた記念日に簑助師匠は花束と共に「いついつまでも添うてください」という恋文を玉男師匠に贈られました。
今もなおその思いを抱きつつ、あるいは逆に「もう添うてくれはりませんのんか」というお気持ちでお初を持たれたのではないかと忖度いたします。

技芸員のみなさんはほとんどお見えではなかったでしょうか。
お弟子さんたちが痛々しいですが、亡くなってから一か月以上がたちますのでその分落ち着いていらっしゃるようにお見受けしました。玉佳ちゃんが深々とお辞儀してくださったのがとても印象に残りました。

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近松祭 

昨日、兵庫県尼崎市で

    近松祭

がおこなわれました。
近松門左衛門の墓所は2か所が知られていますが、本墓とされるのが尼崎市久々知の

    日蓮宗広済寺

にあるものです(もうひとつは大阪市中央区谷町8丁目)。
墓石は緑泥片岩の自然石で、50センチに満たないものです。

20061028231630.jpg


ここでは近松の命日である11月22日(但し、旧暦。今の暦では翌年の1月6日)に近い日曜日に近松祭をおこなっています。
それが今年は昨日だったわけです。

20061028231045.gif


広済寺はJR宝塚線(福知山線)の塚口駅から徒歩で行けます。
上の地図の中央やや右寄りです。
地図の下の方のJRの線路が大きく曲がっているところが昨年の脱線事故の現場です。

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命日、そして 

個人的なことですが、昨日は父の命日でした。
当時私は広島市の大学に勤めており、最期を看取ることはできませんでした。
60代で、肝臓を悪くして亡くなったのですが、なにしろアルコール大好きで、飲まない日はない人でした。
私には兄と妹がいるのですが、アルコール好きを受け継いだのは私だけ。兄と妹は全く飲まず、彼らは母親似のようです。
もっとも私もたいしたことはなく、父の半分も飲まないので、血液検査をしても肝機能の数値が異常だった経験はありませんが。

その父が似ているのが

    玉男師匠

この話は以前書いたことがありました。
父が亡くなった直後に見た文楽が「沼津」。
住大夫・燕三(先代)両師匠の床でで玉男師匠が十兵衛でした。
ついつい玉男師匠に父を重ねて見たのは言うまでもありません。

昨日は父の墓に行ってまいりました。
そして、明日(30日)は玉男師匠の文楽協会葬です。
職場から遠からぬ場所でおこなわれるのですが、うかがいたくても仕事の都合で時間が許してくれません。少し離れたところからその時間に黙祷だけでもささげたいと思っています。

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解雇 

サラリーマンにとって憲法のようなものなのに、普段あまり気に留めないものが

      就業規則

私の勤務先にももちろんあります。
「勤務時間」。9時から5時50分まで(教員も事務職員も)。へ~、そうなんだ。午後から出勤してるのはルール違反。でも、学生の相談や自分の勉強などでいくら遅くまで残っても残業手当は出ません。
「表彰」。聞いたことないです、表彰された人。
「懲戒」。最近、ほかの大学では論文のデータ捏造とかあれこれありますが、これまた我が大学では聞いたことがありません。

チラチラと眺めていて、ちょっと気になったのが

      解雇

という項目。

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池田の猪買い 

先日、大阪の本町界隈を歩いていました。
ふと行き当たったのが丼池筋。

    ああ、つかまった・・・・

こういう地名を見るともうだめなんです。

うちを表へ出るとこれが丼池筋。これを北へどーんと突き当たる。丼池の北浜には橋がない、橋ない川は渡れんな。しばらく西へ行くと淀屋橋。淀屋橋、大江橋、蜆橋と、橋を三つ渡る……。

落語「池田の猪買い」です。どうしてもその通りに歩きたくなってくるのです。
我ながら

    あほやなぁ

と思うのですが、ついつい足は北へ。

すぐに安土町。「曽根崎心中」には「安土町の紺屋へ寄って…」とあります。
しばらく行くと淡路町。ああ、「冥途の飛脚」。
吉野寿司も近くにあります。
まもなく道修町。田辺、武田、塩野義さんなどのホームタウン。
こんなことしてる場合じゃない、帰ろう、と思っていると今橋。少し東には鴻池さんのご本宅跡。
木造の愛珠幼稚園(明治13年創設)に緒方洪庵の適塾(重要文化財)。
とうとう丼池の北浜。どーんと突き当たって「おでこ」を打ちました。
栴檀の木橋のほうへは行かず(こっちへ行くと「米揚げいかき」になります)、淀屋橋へ。もう地下鉄に乗るぞ、と思ってるのに市役所を過ぎて足は大江橋を目指し、やがて今は跡形もない蜆橋界隈。
お初天神は東の方。「紅う」という鮨屋はありませんが、あとは北へ一本道。いつの間にか梅田まで歩いていたのです。

ほんとうに困った性格です。

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短歌の先生と 

私の大学にも非常勤講師の先生がたくさん来てくださっています。
安い手当てにもかかわらず、熱心に授業してくださっています。
毎週水曜日には

    「文芸創作演習」

という授業があり、ここでは短歌の指導に来ていただいています。
このK先生はまだ30代の若い女性で、2児のおかあさん。
お子様を置き去りにして(笑)来て下さっています。

なかなか人気があって、学生と一緒に創作に励み、最終的には

    ちょっとした歌集

を作ろうと企画してくださっているのです。

K先生はいわゆる「有名歌人」ではないのですが、角川短歌賞の最終選考まで残ったという実力の持ち主です。

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大ボケ 

今に始まったことではありませんが、時々大ボケをやっちゃいます。

今日は大学に行くつもりが、やはりあまり元気がないので休んで、研究日らしく

    勉強の旅

に出ました。
大阪府立中央図書館はなかなか立派な図書館なのですが、困るのは東大阪市にあること。
中央といえばなるほど大阪府の中央ではあります。
でも、やはり大阪市の中央であって欲しいというわがままな願いを持ってしまいます。
特別遠いわけではないのですが、「ついでに何かをする」ということができません(つまり回りになにもない)。中之島の図書館ならついでに美術館に寄るとかバラ園を歩くとか(笑)、いろいろできます。

とにかく今日はそこまで行って借りていた本を返して来ました。

    理科系の本

が見たいときなど、自分では持っていないので、ありがたいですね。統計なども助かります。

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できるか?朗読劇 

私のゼミの一つ

    朗読演習

は順調に(?)一ヶ月を経過。
今日は学生と一緒に

  「外郎売」の大合唱(?)

をしました。
けっこう爽快です。
まだまだ口が開かない学生が多い中、一生懸命口を開けようとしている学生がいるのがとても気持ちよく見えました。

ところで、この授業では、最終的に何をやってみたいかを学生に尋ねてみたのです。
すると、圧倒的に多かったのが「朗読劇の上演」でした。
一人で朗読するより、みんなで一緒にやってみたい、と言うことだったようです。
童話、民話などを題材に、自分たちに声に合うように脚色するのもいいと思います。
小説の群読もいいかもしれません。
森鷗外なんてやってみると案外ずっしり腹に応えるかもしれないと思うのですが、やらないかなぁ。

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不調の週明け 

何だか調子の出ないこの数週間です。やっぱり文楽のない月は調子が悪いのかもしれません(笑)。
なんだか、体調が

    文楽を軸に回っている

ような気もします。

今週は元気に!と思ったのですが、昨夜は11時は寝てしまって、今朝は暗いうちに目覚めながら体がいうことが利かず、10:30頃までダウンしていました。
こういうところが大学に勤めている者の楽なところで、やっと起き出して出勤したのが12時。それでも「出勤」になって、誰も文句を言わないのです。
そもそも、「遅刻」や「早退」というものがないというか、あるのかもしれませんが、目に見えないのです。
事務方はきちんと○時から○時までときまっているのですけどね。
さて、今から『朗読演習』なのですが、呼吸がちょっぴりしんどいかも。
学生諸君に頑張ってもらうことにします。(笑)

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十三夜 

今日10月22日は、旧暦の9月1日。
いよいよ晩秋です。

    秋の夜長

というのはこれからでしょうか。
ほんとうにしみじみとした秋らしい風情は旧暦の9月ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
ついたち=月立ちということで、今は月がほとんど見えませんが、文化の日がいわゆる十三夜になります。
いい時期ですね。

文楽では新作をさかんに上演した時期がありましたが、

    樋口一葉作 「十三夜」

もありました。

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入試の季節 

大学入試は2月と3月。
私が学生の頃はなんとなくそういうイメージを持っていました。
共通一次だのセンター試験だのといったもののない、一発勝負の時期でしたから風邪をひかないように細心の注意を払ってその時期を迎えたものでした。
実際、入試の休憩時間に雪がちらつくのを目の当たりにした記憶があります。

もちろん当時から一部の大学には

      ☆推薦入試☆

はありました。
しかし、およそ推薦してもらえそうにない(涙)私などは自分しか頼るものがありません。

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なつかしの倉敷 

昨夜ブログの更新をしようと思ったら、まるでだめでした。
私の体調が悪いのかと思ったら、どうもPCというか、ブログ自体が変だったみたいで。
まあ、そういうこともありますね。

文楽の地方公演もいよいよ大詰めになりました。
今回の公演の掉尾は25日の倉敷市芸文館。
ここで文楽の公演がはじめておこなわれた時のことをふと思い出します。

    三番叟



    野崎村

の上演でした。
簑太郎(現勘十郎)、玉女の二人三番叟だったと記憶します。
40歳になるやならずのお二人の颯爽とした三番叟でした。
そして簑助さんの遣うおみつで「野崎村」。
当然けっこうなものでした。
ところでこのとき、お染を遣ったのは…。

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心配しないでね(笑) 

ちょっと今日はきちんとした記事が書けそうにありません。
実はこの3日間喘息発作で点滴に通い、ゼイゼイ、ヒューヒュー。
授業はかろうじてこなしているのですが、それ以外の仕事はサボリ気味(まあ、いつもと変わりませんが)。
点滴のおかげで、なんとか歩けるようにはなってきました。
心配しないでくださいね(え? してない? してくださいよ!)。

さらに今日は耳の病院も行かねばならず、午後は会議、会議。
会議には間に合わない可能性も大。
参ったなぁ、まずいなぁ、怒られるなぁ。

寝ている間はやはり本を読むのが一番。
歌舞伎ファンの方々にはおなじみの

      松井今朝子さん

の本(小説)を4冊ばかり読みました。この機会にまだあと2~3冊読むつもりですが。

松井さんは本当にいろいろよく調べられて、面白い小説をお書きになります。ただ、もうひとつ人物が浮かび上がってこないのはなぜなのでしょう? とてもいい作品なのですが、ほんの少し消化不良なのです。
つまるところは私の文学的センスのお粗末さのせいだと思いますが。

    仲蔵狂乱
    東洲しゃらくさし
    幕末あどれさん
    奴の小万と呼ばれた女
    一の富
    非道、行ずべからず
    似せ者
    二枚目
    銀座開化事件帖
    辰巳屋疑獄
    家、家にあらず


何かお読みになりましたか?

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世話物の道行 

世話物の道行は心中道行が多いですね。
  天神森(曽根崎)
  名残の橋尽し(天網島)
  思ひの短夜(宵庚申)
  霜夜の千日(艶姿)
  朧の桂川(桂川)
など。
死に場所を求めての「旅」なのですね。
「橋を渡る」という我々からするとなんでもないようなことが、当時の人にとっては此岸から彼岸に渡ることですらあったように思います。
『曽根崎』「天神森」の梅田橋は本当に重い意味を持つ橋だったと思います。堂島新地という、華やかな極めて現実的な街を抜けて、闇の深い北の曽根崎村へ入っていく。そこには寺も多く、彼岸をイメージするにはじゅうぶんな地だったのでしょう。

『網島』「橋尽し」もその意味で彼岸への旅路を橋の名に託して語り続けるのだと思います。

『桂川』の道行もまた轟々と流れる水の音に吸い込まれるような錯覚をしてしまいます。源氏物語における宇治川のようにも思えます。

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ある企画 

私の大学に文楽人形が「住んでいる」ことが地元ではかなり知られてきたようです。
それで、高齢者の方々、障害者の方々の集まりにこれまで何度か呼んでいただきましたが、11月と来年1月には小中学生の皆さんに見せてほしいという依頼が相次ぎ、私のゼミが企画することになりました。
ゼミというのは

    人間社会専門演習

という難しそうな名前なのですが、私のところには5人の学生が来ています。
このゼミではずばり

    文楽人形を使った公演の企画

を練ることをテーマにしていて、きわめて実践的な(社会でそのまま使えるような)内容の企画を出してもらうようにしています。

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昨日早速ある学生がなかなか充実した素案を持ってきました。これをもとに、予算や小道具の詳細などを綿密に書き加えることできちんとした企画書を作り上げてもらおうと思っています。
将来、文化ホールや児童施設、高齢者施設などに就職して、事務一般をこなしながらこういう企画が作れる人材に成長してくれればいいなとひそかに願っているのです。

朗読演習(続) 

今日は呼吸器の調子が悪くて、いささか元気がありません。
で、横着をして今日の日記を書きます。

「朗読演習」という授業があるのは以前も申しましたが、今日はウォーミングアップの後、

    おむすびころりん

を学生諸姉に読んでもらいました。

  コロコロコロコロコロコロコロコロ

これを言うだけでもけっこう大変。
さらにおじいさんの様子、今いる位置、誰に向かって話しているのかなどを意識しながら、そしてもっとも大事な「自分の声に気づく」ことを強く感じながら語ってもらいました。

まだまだ遠慮がち、と言うか、恥ずかしそうな感じもするのですが、徐々にその気になってくれればいいなと思っています。

ねずみの世界に行くとそこにはおじいさんねずみがいる、というパターンもあるようですが、女子学生ばかりなので、お姫様ねずみに変えて脚色してみました。
難しいもののひとつに笑いがあります。

    ははは

と書いてあるのですが、むしろ

    っはっはっは

    っかは っかは っかは

のような感じで笑ってもらいました。

それにしても、私は何でこんなことをやってるんだろうと思わないではありません(笑)。

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アートウォッチング(続) 

私の大学の奇妙なゼミ「アートウォッチング演習」。
先週は学生がこの夏に見た芝居について、裏方さん頑張れというメッセージつきの発表をしてくれました。
装置がややお粗末で、宣伝広報についてももっと考えることがあるというのです。
私ならこうする、という意見も出てきました。
もう一人発表する予定だったのですが、あいにく風邪気味で、かわりに私がまたまたでしゃばって話をしました。
内容は

    障害者と劇場、美術館

というものでした。

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文楽実験劇場(2) 

で、話は私が最初に覚えた「三つ違ひの兄さんと、言うて暮らしてゐるうちに」でおなじみの

    「壺坂観音霊験記」

に行くのです。
「壺坂」といえばお里・沢市。浪花亭綾太郎の

    妻は夫をいたわりつ

    夫は妻に慕いつつ~


でもおなじみで、子供のころ私は浄瑠璃と浪曲の区別も付かずに同じように覚えていました。
さて、あの沢市の首は「源太」ですね。
若い二枚目。それが疱瘡になって、目も不自由。
二枚目だけにいっそう哀れだ、という感じです。
妻のお里が夫の目が明きますようにと一生懸命観音様に祈願してくれているのに、自暴自棄になって別の男のところに通っているのではないかと疑ったりします。
お里は老女形。
老女形・源太というのは、おさん・治兵衛と同じ組み合わせです。

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最初の一歩 

ふと思いついて、思い出話(?)を。

私が最初に覚えた浄瑠璃の文句は

     三つちがひの兄さんと

です。
小学校低学年か、ひょっとしたら幼稚園の時から知っています。
そういうことを当たり前のように口にする近所のおばさんがいたのです。
いや、当時すでにおばあさんでした。
間違いなく明治生まれ。
私には兄がいるのですが、これが三つ違い。
自分の年は覚えていないのですが、兄が小学校3~4年生ではないかと思われるころのことです(兄が3年生なら私は幼稚園です)。
一緒に近所のお店にお使いに行くと、そこのおばあさんが我々兄弟を見て、

  年、なんぼ違うねん?

と尋ねるんです。兄が「三つ」というと

  ほんなら三つ違いの兄さんと、やな

と、当たり前のことを言うのです。

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文楽実験劇場(1) 

文楽は

    伝統芸能

    古典芸能

といわれています。
しかし、各時代によって工夫も凝らされてきましたし、これからもマイナーチェンジはいくらでもありうると思います。
今では当たり前になっているものでも、初演の通りなどというものはないといってよいでしょう。
そこで、少し見方を変えるとこういうこともできるんじゃないか、ということを思いつくままに散発的に書いてみようかと思います。
もちろん簡単に実現するとは思っていませんし、実現しない方がいいかもしれません。
しかし、いろいろ書いているうちに瓢箪から駒が飛び出さないとも限りません。
たとえば……

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娘の演劇 

長女は中学2年生。
神戸市にある某女子中学に通っています。
小学校時代5年生くらいから

  あの中学の演劇部に入る

と言っていたのです。
で、どういう天の配剤か、その通りになって今はそこそこ熱心に部活に励んでいるようです。
昨日(10日)は彼女の発表会だったのだそうです。
全く知りませんでした。
話しても来てくれないだろう、という気持ちだったのでしょう。
私は火曜日は研究日(出勤の必要なし)なのですが、出勤することも多いので、そう思っていたのだろうと思います。

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時代物の道行 

道行というのは本当に誰が考えたのか面白いものですね。軍記ものにも能にもあり、それらの歴史を踏まえて、浄瑠璃作者がさらに工夫を重ねたすばらしい演劇の一場面だと思います。
三段目(に該当する段)でちょっと疲れたあとにあるからいいんでしょうね。
時代物の道行で有名なものと言えば

   初音の旅(千本桜)

   恋の苧環(妹背山)

   旅路の嫁入(忠臣蔵)

   似合の女夫丸(廿四孝)

   詞甘替(菅原。ただし二段目)

あたりでしょうか?
「どれが好き?」ということもないのですが、あえて言うなら私は「初音旅」「恋苧環」「似合女夫丸」の順になるかもしれません(その時の気分で変わりますが)。

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道行とは(2) 

    『本朝廿四孝』

は通し上演の難しい演目です。
時間の関係で大序から四段目までを二部に分けて上演するのが大変なのです。
そこで二段目と三段目を入れ替えて、しかも二段目の一部だけを切り離すなどと言う外科手術のような切った貼った(外科医の先生、失礼しました)がおこなわれています。
この上演方式ですと二段目の

    「勝頼切腹」

からすぐに

    「道行似合女夫丸」

に続きます。
「勝頼切腹」の最後で、蓑作(実は勝頼)と濡衣が旅立ちます。
そしてすぐに「女夫丸」で二人の道行となるのです。見ようによったらとても分かりやすく、連続性があるようにさえ見えます。しかしそんなに分かりよくていいものなのでしょうか。
以前この形で「廿四孝」を「通し」で見た時、あまりにも「道行」が薄っぺらに思えました。
道行っていうのはこういうものなのだろうか?
大きな疑問が湧きました。

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Up with People 

勤務先の千里金蘭大学に世界から若いお客様がこられました。
Up with people のみなさんです。
Up with people は、アメリカに本部のある国際教育団体、今回世界20余カ国60人ほどの若者がやってきたのです。
そして昨日、千里金蘭大学を訪問した彼らに、日本の伝統文化を紹介すべく、

 ☆茶道 (表千家の茶人が同僚におります)

 ☆なぎなた (この競技で有名な兵庫県伊丹市出身の学生がおります)

 ☆文楽人形

を体験してもらいました。

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道行とは(1) 

東京公演の余韻と言うべきか、まだまだ各ブログでは感想が次々アップされています。
じゅうぶんに見ることのできなかった私としてはうらやましさでいっぱいです。
ところで、ツチ子大夫さん、お園さんの「大入り! 文楽手帖」に気になる記事がありました(勝手に引用してすみません)。

お園さん
「1、2部観てても一瞬『この二人は誰だっけ?』 って思っちゃうよね」
ツチ子大夫さん
「一部はちょい出、二部は出番ナシ。誰だあんたら?って思うかも」

忠臣蔵八段目

    「道行旅路の嫁入」

の戸無瀬と小浪のことです。

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アートウォッチング演習 

ここ数日バタバタ、ウロウロしていたものですから、更新が遅れました。

ものはついで、とっても個人的な話が続きますが、私の担当するもうひとつの授業について書いてみます。
たぶん、こんな授業はどこの大学にもないと思います。

    アートウォッチング演習

バードウォッチングみたい、と思われたあなた!
正解です。
この授業のタイトルは、「バードウォッチングがあるなら、アートウォッチングがあってもいいんじゃない?」という意見(この意見を述べたのは私です)から生まれたものなのです。
私と美術の教員が交代で務めるゼミで、演劇と美術展をいかに「見るか(聞くか)」をテーマにしています。
その第一回の発表は私ともう一人勇気ある学生代表がが担当したのですが、タイトルは、私が

    文楽劇場の座席での飲食

学生が

    パリで見たジャン・レノの二人芝居

う~ん、なんだか差をつけられてしまった。

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後期授業は… 

大学はすでに後期の授業が始まっています。
長かった夏休みのあとということで、学生も不思議な感覚でスタートしていましたが、もうすっかりペースが確立されてきたようです。
私も休み明けは声が出にくく、舌も回らないので、朗読の授業に限らず「アメンボ赤いなアイウエオ」「拙者親方と申すは…」とやってから授業に行っています(笑)。

さて、私どもの学科の看板授業のひとつである

    伝統芸能演習

文楽人形の技法を体験的に学ぶというものです。
実はこの授業、

    9月27日が初日

のはずだったのです。



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朗読の目的 

昨日書きました

    朗読演習

について、続けます。
ご承知だと思いますが、今、朗読がブームです。
カルチャセンターでは朗読講座が人気。
朗読の会が催されると人がよく集まり、雑誌『上方芸能』が「語り文化はなお高揚するか」の特集を組むとよく売れます(笑)。
私も、もうかなり前から朗読と文章表現の授業を持っています。
これまでに朗読では
 夏の夜の夢(シェークスピア)
 雪女(ラフカディオ・ハーン)
 創作朗読劇『葵(afufi)』
などを取り上げてきました。

今回、朗読の講座に参加した学生は15人。福祉コースの学生の目立つのが特徴です。
いったい、彼女たちはどういう気持ちでこの授業に出てきたのでしょう?

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「朗読演習」にて 

大学で「朗読演習」という授業を持たされています。

    「どうして藤十郎が?」

と思われたでしょう。
たしかに私などに指導ができるのかはなはだあやしいものです。
ただ、かなり以前から古典文学の朗読について感心を持っており、授業の際も原文を読む時は棒読みはしないことを心がけてまいりましたし、以前の職場である短大でも朗読の研究と実践は経験済みなのです。
そんなわけで私に下命があったという次第です。
「あめんぼ赤いなあいうえお」から始まり、「寿限無」も「延陽伯」も取り入れ、「外郎売」も丸暗記していますので、学生と一緒にいつも声を出しています。
そうです、歌舞伎十八番。「拙者親方と申すは…」です。
演劇部御用達のネタばかりですね。

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文楽の字幕 

この記事もかなり前に書いたものです。
ちょっとタイミングがずれた気もしますがそのまま掲載します。


文楽は大阪公演でも東京公演でも字幕が出ます。
これについては当初予想通りの反発があり、今なお不要論も絶えません。
ただこれから文楽を見る人にとっては

  字幕があって当たり前

で、なくなると「復活してほしい」という希望が寄せられるのではないでしょうか。
大阪と東京では字幕に違いがあります。大阪は一文字の部分、つまり舞台の上、真正面の黒幕の部分に横書きで出ます。
一方東京では左右2箇所。床の上の辺りと下手側のその対称の位置に縦書きで。


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