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お茶屋で浄瑠璃 

お茶屋に行ったことがおありでしょうか?
私は

    一度だけ

あります。
いやもう、国会議員にでもなった気分でした(笑)。

大阪の島之内には

    「たに川」

というお茶屋さんがあります。
ここの若旦那はまだ30代で、大阪大学を出られた俊才なのですが、着物の似合ういい男。あちこちでお茶屋を紹介するお話もなさっていて、なかなかの人気者なのですです。
新しい感性でお茶屋を営まれているようです。

私も一度行ってみたいと憧れているのです。

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久々の授業 

昨日、大学では久しぶりに

    伝統芸能演習

の授業がありました。
非常勤講師の先生が東京公演でご不在だったからです。
東京では玉露を演じ続けてこられ、6月鑑賞教室は与市兵衛とおかるという、なんとも不思議な二役をなさる、あの方です。
実は、月曜日はユニークな催しに出られて、昨日新幹線で帰ってこられて、荷物を持ったまま大学に直行されました。
それで3コマ(約4時間)の授業をしてくださるという、恐るべきパワー。
アシスタントのヒロ君(ときどき芸名を忘れそうになります)も結婚指輪をしたまま手伝ってくれました。

さて、昨日の授業は足と左の復習から主遣いの稽古。さらに最終回で発表する寸劇の稽古をしました。
その寸劇は、題して

    女子大生になりたい

私が即席で作ったのでもちろん笑いを取ろうという魂胆が見え見え。台本を見たヒロ君は冷ややかに笑っていました(笑)。

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ドキッ! 

私は月曜日が研究日にあたりますので、特に出勤の必要はないのです。
そこでその時間を使って病院に通っています。

で、昨日も行ったのですが、少し前に発症した中耳の炎症が収まっていないので、抗生剤が出るだろうな、と思っていました。
尾籠な話ですが、膿は排出されているので、痛みはないのです。
熱もなく、とにかく抗生剤で治すほかはないだろうなというのが私の診断でした(笑)。
ところが、医師の言うことは違いました!

  「思い切ってもっと出したほうがいいですね」

ということは・・???
「思い切って」じゃなくて・・メスで鼓膜を「切って」ということですか??

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東京公演千秋楽 

昨日5月東京公演は

    千秋楽

となりました。
今回は絵本太功記の通しということで、客席にいるとしんどい面もあり、しかしさすがに名作だけに随所に見どころあり、「通し」の醍醐味を味わえたのではないでしょうか?
昨日は関東の友人が技芸員さんを囲んで20人ばかりの大宴会をしたそうで、私も仲間に入れてほしかった…(笑)。

で、結局皆様の評価はいかが?
全体でなくても、あのシーン、あの一瞬の人形の動き、あの三味線のひと撥、などさまざまなご感想があるのではないでしょうか?

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芸能花舞台 

昨日の芸能花舞台(NHK)は

    四世 竹本津大夫

の特集でした。
「伝説の至芸」とのことでしたが、もう「伝説」の中に入っちゃったんでしょうか。
ゲストの久保田さんはどんなお話だったのか、私には分かりませんが、かつて津大夫を囲む会で長らくお話をお聞きになっている方ですから、面白いエピソードも飛び出していたのでしょうか?
すごい人ですよね。
誰に聞いてもそういいます。
幼少の咲甫君(幼稚園~小学校低学年くらいでしょう)が朝日座に行った時に「津大夫師匠の芸を見てカッコイイと思った」と話してくれたことがありました。
大きな体で大きな声で、ちょっと今ああいう人は見当たらないですね。

加えて先代の寛治師匠。この方は私の年代ではあまりよく知らないのです。ですから、ビデオを見てやっと

  この小柄なおじいさんが!

と驚くばかりでした。

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清少納言 

このところの記事、頻繁に文楽から離れています。
今日もまた。
ほんとにあれこれ忙しい日々で、自分を見失ってしまいそうです。
昨日は公開講座の開始。
私は、自分の頭のバランスをとりたいこともあって、こういうところではできるだけ平安時代のお話をすることにしています。
今回は

    清少納言集

を読みましょう、というのがテーマです。
受講者は全員女性。やはり中高年の方が多いですね。
熱心な方はもう何年もつきあって下さっているのです。
いわゆる変体仮名を読むので、それを楽しみにしてくださる方も多いようにお見受けします。

変体仮名がさらさらと書けるのはうらやましいです。

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天命を知る 

織田信長は幸若の「敦盛」を舞って桶狭間に出陣し、さらには本能寺で自刃したと伝えられます。

    人間五十年

下天の内をくらぶれば、夢幻のような時間を精一杯生きたとして、政治家などにとても人気のある人です。

私はどういうわけか、信長にせよ、秀吉、家康にせよ、子供の頃から関心はなかったのです。
比較的、あくまで比較的ですが、光秀にこそいくらかの興味があったくらいです。信長に挑むに際して、連歌の席に臨んで「ときは今 あめが下しる 五月かな」と詠んだというあたりが、その話を知った中学生の頃の心の琴線に触れたのかもしれません。

細川幽斎(藤孝)もそうですが、文人の香りのする人に関心があったということかもしれません。

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京都国立博物館 

先日東博(東京国立博物館)でレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」などを見てきましたが、一方の京博(京都国立博物館)では

  藤原道長

の特別展がまもなく終わります(27日まで)。
彼が金峯山に登ってから今年はちょうど1000年になります。
先日、尊敬する先達、朧谷寿先生(おぼろや ひさし。同志社女子大学教授)から新刊『藤原道長』(ミネルヴァ書房)をいただいて、読み始めたところでもあります。
実は、私もこの人物についていくらかものを書いているのです。
この人の日記の注釈も学生時代からお手伝いさせていただいてまいりました。
日記は『御堂関白記』というのです(本人が命名したわけではありません)が、もう私などには難解、難解。
99%漢字で、しかもきちんとした漢文ではありません。

  主上日来不御座尋常今頗重悩給

などと書いてあるのです。

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レオナルド 

東京から帰ってきました。
今回もいろんな方に助けていただいてお話を聞く仕事をしてきました。
以下、文楽の事は書けそうにありません。

昨日は上野にいました。朝ホテルを出て、開館と同時に東京国立博物館へ。
上野の公園口からかなり多くのお客さんが

  レオナルド・ダ・ヴィンチ -天才の実像

を目指していました。そして、

    受胎告知

のところでいきなり2~3分待たされました。でも、まあスムーズでした。
ところが、全部を見終わって出てくると、200人くらいの人が並んでいるではありませんか!

    20分待ち

の掲示も出ていました。11時半頃だったと思うのですがその頃はだめみたいですね。
「受胎告知」のあとは別館でレオナルドの秘密をさまざまに解剖する展示で、こちらもかなり面白かったですね。さすがは「博物館」の展示です。
絵という静止したものと動きの関係など、興味が湧きました。

私はそのあと東京都美術館の

    ロシア美術館展

に行きました。こちらはお客さんが少ないこと! ゆったりと拝見できました。
メインビジュアルとしてチラシに出ているレービンの「何という広がりだ!」はなかなか爽快でした。
その他、サヴラーソフの「冬」、クラムスコイの「ミーナ・モイセーエフの肖像」、クラムスコイの「ソフィア・クラムスカヤの肖像」等々、ステキなものが多々ありました。

そのあと、性懲りもなく、もういちど博物館へ。幸い待ち時間0分でしたので、もう二度と見る事はないであろう「受胎告知」を目に焼付けに行きました。

受胎告知は、テーマとしては珍しいものではないわけですが、あれこれ見比べるとやはりレオナルドのものが「圧巻」という気がしてなりません(私の鑑賞眼はあまり信用しないで下さい)。

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三か月ぶりの東京(3) 

昨日は東京の忠臣蔵関係の場所を二件ばかり回りました。
というとえらそうですが、実はこの道の専門家のお園師匠から細かいご指示をいただいて、そのとおりに歩いただけです。

  ○○まで来たら、辰巳の方角に三十六歩、
  丑寅に向きを変えて四十七歩、
  そこにあるクスノキの影の先端から戌亥に十六歩


という具合に(宝探しか!)。

さて、お目にかかった皆様、いろいろありがとうございました。
特に今回はチケットを譲ってくださった

    小豆さん

(↑いちおう小豆色っぽい。あ、「小豆色、っぽい」のつもりだったのですが、「小豆、色っぽい」とも読めますね)に感謝しなければなりません。
小豆さんならでは、と申しましょうか、ひたすら床を気にしながらの観劇でいらっしゃいました。
富助さんでは目にハートマークも。
おりんさんはまたまた泣いていらしたようです。

東京(国立劇場)に来る事はもうないだろうと、1年ほど前は思っていました。
それが今年は連続で来ています。
これはもう100%ブログつながりの皆さんのおかげです。
9月はどうなりますやら。

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三か月ぶりの東京(2) 

昨日はさすが日曜日。はにかみやの(笑)小豆さん、おりんさん、mayaribeさん、まゆみこさん、mainaさんとご挨拶できてしまいました。
あまりの多さにちょっとびっくり。
そして、夜遅くまで(笑)国立劇場界隈におりました。
今日もまた三宅坂あたりをふらついております。夕方は六本木を目指します。夜はホテルに帰っちゃうかな?

それにしても東京はチケット代が高いですね。
普通に買えば6500円。大阪が5800円?

    1400円 の差

ができてしまいます(あ、通しで見た場合です)。

帰りの電車で食べる弁当+お茶でおつりが来るかも。

さて、今回の楽しみは「長左衛門切腹」「妙心寺」のほか、「局注進」「杉の森」「瓜献上」そしてやはり「尼崎」。

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三か月ぶりの東京(1) 

昨夜、同僚の訃報が入りました。
まだ50代の心理学者でした。
東京行きは中止しようかとも思ったのですが、多くの人に迷惑をかけることにもなり、後ろ髪を引かれる思いで旅立ちます。
以下、数日前に書いたものをそのまま載せます。いささか心の整理が付きかねて、書き改める余地もありませんので。

        ★   ★   ★

本日、東京に参ります。
2月に行って以来ですので、3か月ぶりになります。
もちろん仕事なのですが、時間を見つけてはどこか歩いてみようと思っています。
なにしろ日・月・火という日程ですので、どなたかつきあってくださいというわけにも行かず(笑)、汗をかきながらうろうろすることにします。
大学の授業のない日を選んで出かけることにしていますので、学生には特に迷惑にはならないはずです(かえって迷惑だったりして)。

できれば今回は新しいサントリー美術館を見に行こうと思っています。六本木ですね。
また、東京国立博物館の

  受胎告知

も見ていこうと思い、上野に宿を取ってこちらは火曜日の朝早く行こうと思っています。それでも多いでしょうけどね。

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予習とノート 

久しぶりの

    絵本太功記

なので、少しずつ予習をしています。こういう時にありがたいのは、おりんさんの

    らくらく文楽

で、あらすじなどびっしり書いていただいています。

各段の梗概も頭に入れておかねば、私の場合は多くを視覚から受け取りますので、特に混乱してしまいます。

でも、東京はいくらか気が楽です。
基本的に文楽評の範囲には入っていないからです。
でも、気になること、特筆すべき事は一言でも書くようにしています。
そのために、やっぱり持っていってしまうのが

    ノート

なのです。

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笑えない 

私の趣味は創作です。
泣けない悲劇や笑えない喜劇。
これはもう得意中の得意です。

これまで書いたものといえば

  新作浄瑠璃

  新作落語

  放送劇(ラジオドラマ)

が主なもの。つまりからだの動きより声を中心に勝負するものばかりです。
でも、もちろんほとんどがお蔵入り。素人の悲しさで、このまま埋もれていくでしょう。

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耳が痛い 

といっても、気にしていることを言われたわけではありません。
一昨日(火曜日)あたりからどうも右耳が痛く、やばいかなと思っていたのです。
このままだと、病院に行って

    鼓膜切開!

私は麻酔がほとんど効かないのです。いつも涙をたらたら流しながらこらえています。

でも昨日は3コマ授業のある日。今サボるとしっぺ返しが大きくなります。で、何とか出勤したのですが、1時間目からズキズキ。
続く2時間目で熱っぽくなり、とうとうダウン。
学生にわけを言って半分くらいで切り上げさせてもらいました。で、横になって休んでいたら耳から痛みの元凶になるものが出て来ました。尾籠な話ですのではっきり書きませんが、ティッシュペーパーが何枚も必要なほどでした。

でもとりあえず痛みは収まり、もうひとつの授業もやってしまいました。

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上方芸能164号 

すでに書店に並んでいます。

    上方芸能 164号

今号の特集は「文化のチカラー大阪の明日へ」
大阪文化の再生には何が必要なのかがさまざまな方によって論ぜられています。また、上方歌舞伎と江戸歌舞伎を俯瞰しつつ、上方歌舞伎の復興のありかたについても述べられています。

文楽関係では吉田幸助さんのインタビューなど。

ついでながら、文楽評は私の単独執筆最後のものになります。
7年間辛抱して書かせてくださった編集部の皆様に感謝しております。
また、読者の皆様から「こんなヤツやめさせろ!」というお叱りもなく(あったのかもしれませんが)つとめさせていただきましたことは、・・って、人生幸朗さんみたいですね(わかる人だけわかって!)。

もう、とても義太夫に関して何かを書くということはできません。この一月の清治さんの「弁慶上使」がかろうじて聞けて、それについて書けましたことを喜びとしております。

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津大夫 付・届くか?111,111 

昨日の話題の中に入れなかったのが昭和62年4月に「杉の森」を語った方。

すでにあちこちのブログで話題になっていますが、今月26日のNHK『芸能花舞台』で

    四世 竹本津大夫

の番組があります。

71歳で亡くなられましたので、もっと活躍していただきたかった方ですね。
文楽の太夫さんには先代綱さんやこの津大夫さんのように太く短く(といっても津大夫さんは60余年の芸歴ですが)という方があります。
ご尊父は三世津太夫。
ご尊父が亡くなられたあと、山城少掾門下になり、

    豪放な語り

で知られました。

「弁慶上使」など、もう最高。
劇場の天井を揺さぶり、一瞬の静寂は客席の心をすべて浄化してしまいました。
しかし、名人というのはすごいものです。こういう豪放な方こそ繊細な表現をよくされます。

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昭和62年4月公演 

「尼崎」は上演頻度の多い作品です。
もちろん

  絵本太功記 十段目

です。
しかし、通し上演となるとなかなかたいへんです。
私が通しの太功記で思い出として鮮明に記憶にあるのは昭和62年四月公演。

  二代目 野澤喜左衛門 十三回忌追善

  三代目 野澤喜左衛門 襲名披露

の時です。
今日はその思い出話になります(歳とったなぁ・・)。

もう20年前なんですね。信じられません。

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鹿角座公演 

文楽とは違いますが、やはり人形浄瑠璃。
大阪府豊能郡能勢町の浄るりシアターには、各地に残っている伝統的な人形とは違って、伝統として残っていた義太夫節にあらたに人形の劇団が加わったカンパニーがあります。
この人形劇団は昨年から

  鹿角座 (ろっかくざ)

と名乗って活動しています。
なぜ「鹿」なのか、はっきりしたことは存じませんが、能勢町というところはかなり(!)山の中ですから、鹿はなじみの深い動物なのです。
能勢の銘酒に「秋鹿」がありますし(笑)。

素人の劇団と馬鹿にしてはいけません(だれもしてませんよね)。
まずは指導者がすばらしい。
千歳大夫、清介、清志郎らの義太夫陣。
勘十郎、簑二郎、簑一郎の人形陣。
うらやましいでしょう? この師匠方が手取り足取り教えてくださるのですから垂涎ものです。
そしてこの一座の副座長さんがこのブログにしょっちゅう来てくださっているyayoiさんなのです。

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東京公演開幕 付110,000 

昨日から東京公演が始まりました。
今回は

    絵本太功記

の通しです。第一部が妙心寺まで、第二部は杉の森から焼香まで。

    妙心寺

は、立端場なのですが、「尼崎」につながる重要な場面で大好きです。
ここは、たとえ住さんや綱さんが語られても「切」の字はつきません。
第一部の終わりに持ってこられているのも、本来は変なのですが、雰囲気としてはここで終わっても違和感はないでしょうね。
70代の越路大夫師匠が語られたことを覚えています。今回は

    咲大夫 清治

迫力がすさまじいでしょうね(越路師匠の時ももちろん40代の清治さんでした)。

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禹湯己を罪すれば 

今日もまた面倒な記事ですので適当にうっちゃってください。
紅娘さんから春秋左氏伝に

    禹湯罪己、其興也悖焉

    桀紂罪人、其亡也忽焉


と見える、とご教示いただきました。
家には春秋左氏伝がありません(ネット上にはありましたが)ので、「罪己」を「大漢和辞典」(大修館)で調べてみると確かに「春秋左氏伝・荘公十一年」に上記の文が引かれていました。直接か間接かはわかりませんが、これが出典のようですね。
紅娘さん、ほんとうにありがとうございました。
私は江戸時代の漢文受容の実態に疎いのでなんともいえませんが、他にもこの一節の引用はありそうな気もします。

    禹湯己を罪すれば、その興るや悖焉たり

    桀紂人を罪すれば、その亡ぶや忽焉たり

要するに

    禹と湯は自らを咎め、責めたので、興隆する事は盛んであり、

    桀と紂は人を責めたので、滅亡することはあっというまだった

ということですね。

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英語でBunraku 

何を隠そう!

    私は英語が苦手です

大学の入試でも理科、数学についでダメだったのが英語。
ところが、意外に多い仕事が

  外国の人に文楽を紹介すること

その都度、いろんな方にお世話になってきました。
たとえば同僚の英語ペラペラ教員。
たとえば某人形遣いさん夫人、女性床山さんのようなバイリンガル(燕三さんにもお願いしなきゃね)。

しかし、毎年のように苦しめられるのが留学生に文楽を紹介するクラスを担当すること。
通訳してもらっていたら時間がかかってしかたがありません。
やむをえず、おそろしくブロークンな英語で映像を頼りに話をするのです。
幸いにも(?)去年はなかったのですが、今年は、今月中ごろにハワイから何人かやってくるというのです!
息を潜めて知らん顔を決め込んでいたのですが、先日留学生担当教員から呼び出され、「これこれこういうことなので話をするように」といわれてしまいました!

    おりんさん助けて!

といいたいところをぐっとこらえて、英語の勉強をしています(なんでこんなことせなあかんの?)。

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今さら、玉藻前 

もう五月公演が目の前だというのに、こんな話で、恐縮です。
また、ちょいと面倒なので、今日は読み飛ばしていただいても・・。

実は、

    「らくらく文楽」のおりんさん

が『玉藻前』「清水寺」の冒頭

 禹湯己を罪して興桀す。紂人を罪して身を亡す

というのは変じゃないかとおっしゃいました。そして、これはむしろ

 禹湯己を罪して興す、桀紂人を罪して身を亡す

なのではないかと。
たしかに文の対比から見るとそのほうがすっきりします。
そもそも「興桀」ってどういう意味なのか?という疑問も。さすがに読みの深いおりんさんです。
ところで、禹は古代中国「夏」王朝のの創始者、湯は「夏」王朝最後の王であった桀を倒して「殷」王朝を興した王。紂は「殷」王朝最後の王で周の文王に倒されます。
禹と湯は名君で王朝を「興」した人物として、桀と紂は暴君で王朝を滅ぼした人物として伝えられています。
とすれば、おりんさんのおっしゃるように読むと実に分かりやすいです。

じゃあ、誰かが間違えて語ったのがそのまま伝わった? で、早速昨日丸本を確かめに文楽劇場に行ったのです。すると

  「禹湯己を罪て興桀す。紂人を罪して身を亡す。・・・」

とあります。やはりもともとこういう形なんですね。

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閲覧室 

昨夜は文楽史に残るかもしれない

    文楽太棹 鶴澤清治

が国立劇場で行われました。
こういう催しに参加できないことを本当に残念に思います。さまざまなブログで感想が飛び交うことでしょう。

さて、以前にも書いたかもしれませんが、もう忘れてしまっているので(笑)あらためて。

国立文楽劇場3階には図書を閲覧できる部屋があります。
丸本、稽古本、書籍、雑誌、プログラムなどが揃っています。

時々お邪魔するのですが、昨日も用があって行ってきました。
とにかく

    係員の方が親切

なのが嬉しいです。
昨日は丸本を2冊お願いしたのですが、「同じものがありますので、見やすいものをどうぞ」と、4冊も出してくださいました。
「写真は撮っちゃだめですか?」とお願いしたところそれもOKしてくださり、裏の文字が写らないようにと紙を挟みこむ手助けもしてくださいました。
仕事を終えて帰るときにはしばらく「丸本の文字は読みにくい」という雑談をさせていただき、とてもいい気分で帰ることができました。

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文楽と日本酒 

連休が終わりました。
この一週間、連日わずかながらアルコールを口にしました。
ビール、ワインも好きですが、このところ日本酒もしばしばいただいております。

もっぱら愛好しているのが剣菱(灘)と白鷹(灘)。どうしても灘を贔屓にしてしまいます。
しかし、各地のお酒ももちろん好きです。
最近飲んだのは

  賀茂鶴(西条) と 菊姫(金沢)

広島にいた頃は賀茂鶴は当たり前。ほかにも賀茂泉、白牡丹、福美人、亀齢などがあります。
日本海側は米どころが多く、銘酒は数知れませんね。

しかし、これまでは山形、新潟、富山のものは飲んでも金沢はあまり知りませんでした。で、名前に惹かれて菊姫を。なんだか懐かしい味でした。

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演劇部は成井さんがお好き 

うちの娘は中学3年生で、演劇部の端役女優(笑)。
神戸市にあるこの女子中学の演劇部はこのところ成井豊作品ばかり取り上げているようです。
5月3日、その演劇部の公演があったのですが、またまた

    ナツヤスミ語辞典

だったようです。
成井さんや鴻上さんのように、戯曲を次々出版する方もあれば、三谷さんのように一切しない(『オケピ!』は例外)人もあります。
出版する人は、演劇部などでどうぞ上演してください、ということなんでしょうね(私は純粋に読物として読んだりするのですが)。

中学生に訴える成井さんの魅力は何なのでしょう?

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天地会(2) 

野崎村の口上は頭巾を取った玉英さん。いうまでもなく口上のプロフェッショナルですが、頭巾を取っただけでなにやら不自然。玉英さんもどこを見ればよいのか戸惑っている様子。

人形もめまぐるしく変わります。
冒頭は大物の揃い踏み。

  おみつ・・住大夫(左和生、足紋吉)
  お染・・・綱大夫(左和右、足簑次)
  久作・・・嶋大夫(左玉志、足玉翔)
  久松・・・十九大夫(左清三郎、足文哉)

左と足は原則として変わりませんが和生→清五郎、和右→玉英などの交代はありました。

安定していたのは津駒さんの久作、文字栄さんの久松、清二郎さんのお染がそろったところ。
文楽人形は、慣れない人が持つと首が右(客席から向かって左)を向いてしまうのですが、このお三方はきれいに持ち続けられました。

もっとも贅沢だったのは駕籠屋。

    主 清治  咲大夫
    左 紋豊  和生
    足 勘十郎 玉女

いやぁ、勘十郎・玉女の足なんてめったに見られるものではありませんから、思わず真剣に見てしまいました。
最後は駕籠のてっぺんから「MK」のマークが飛び出して(タクシー会社ですね)、人形を放り出して清治さんと咲大夫さんが直接駕籠をかついで去っていきます。「MK」のマークは大きすぎず小さすぎず、小道具さんの技はさすがです。

段切のもうけ役といえば船頭。これが伊達大夫さん。玉輝さんや幸助さんがずっとサポート。人形遣いさんが動かしてくれるあとを伊達さんがついていってる感じ。左は玉一郎さん、そして足を持っているのは・・相子大夫さんでした。

人形の記録をしておきます。

おみつ・・住、錦糸、富助、始、喜一朗
久作・・・嶋、南都、津駒、文字久、新
久松・・・十九、津国、清友、文字栄、団吾
お染・・・綱、英、千歳、清二郎、咲甫、清志郎
およし・・松香(左簑一郎、足簑紫郎)
お勝・・・三輪(左亀次 足勘次郎?)
船頭・・・伊達、相子
駕籠屋・・清治
駕籠屋・・咲

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天地会(1) 

この会の、呼び物は久々の

    天地会

でした。
天と地がひっくり返るように、太夫や三味線が人形を遣ったり、人形遣いが語ったりという、別名

    スカタン会

です。
かつて『絵本太功記』「尼崎」を玉男、簑助、文雀、文昇、玉松、文吾らが語り、住大夫、織大夫(現綱大夫)らが人形を遣い、津国大夫、文字久大夫、玉英、勘弥ら研修生出身の太夫、人形遣いがメリヤスを弾き、というのがありましたがそれ以来かもしれません(少なくとも私は知りません)。

今回は

    野崎村

「尼崎」の時は三味線を弾いたのはホンモノの三味線弾きさんでした。
今回は勘十郎、呂勢大夫、玉勢、勘緑、玉誉(高音)の面々。
勘十郎さん、オクリだけ弾いて入っちゃいました。あとは

    最後まで 呂勢大夫さん

が見事に弾き通されました。普通に弾くだけでも大変なのに、この太夫陣を弾きこなすのはたいしたものでした。
勘緑さん、玉勢さんは段切のツレ。

ひそかに受けたのが玉勢君のちょっとしたしぐさ。
三味線の膝あて(これで三味線がすべらないように安定させます)を手に取ったかと思うと、膝に置かずに三味線の胴の右手を置くところにさっと置きました。本人、実にまじめに、何の疑いもなく。そして、最後までそのままでした。誠実でまじめな彼だけに笑っては気の毒ですが、誠実でまじめなだけに笑っちゃうのです。

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元気な人たち 

座談会について少し付け加えておきます。
住大夫師匠、お元気です。よくお話しになります。
4人の師匠、先生がいらっしゃるのに、

    半分は住大夫師匠

がお話しでした。寛治師匠が何かお話しになっても、司会者が引き取る前にさっと言葉を挟まれるのも住師匠。やっぱり太夫さんならでは、ということなのでしょうか(たぶん住師匠ならでは、だと思いますが)。

    寛治師匠のたたずまい

はすてきですねぇ。アルカイックスマイルのような笑みをたたえられてお座りになっているお姿は、なんともいえない品や情緒があります。住大夫師匠がことあるごとに寛治師匠に同意を求められるとにっこり笑って「はい」とおっしゃる、そのお姿も悟りの境地のようでした。

    文雀師匠はマイペース

問われれば丁寧にお答えになりますが、それ以外はにこりともされず(笑)。

    鳥越先生もお元気

で嬉しいです。さほど何度もお話をうかがった方ではありませんが、ご研究の成果は山のように頂戴している大先生です。

少し時間が逆戻りするのですが、この日は朝から小雨の中を天王寺から文楽劇場まで歩いたのです。
すでに「大入り!文楽手帖」に書かれているとおり、お園さんほかの方が文楽史跡めぐりをしたいとのことで、嬉しいことにガイド役を仰せ付けられたのです(「ほか」、のかたはお名前を書いていいのかどうか分からないので、一応伏せておきます)。

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NPO文楽座の集い 

文楽劇場がいつもと違う。
濃い、明らかに濃い。

    空気が濃い

昨日、NPO法人文楽座の「御贔屓様の集い」なる催しが国立文楽劇場で行われました。
あの(!)文楽劇場がごった返すという、珍しい光景が見られました。

住大夫師匠のご挨拶のあと、「三味線組曲」

富助さん以下、中堅若手の16人による合奏です。
ひな壇の上段に

 清二郎 燕三  清介  富助  清友  錦糸  宗助  団吾

下段に

 寛太郎 龍聿  清馗  喜一朗 清志郎 清丈  龍爾  清公 

見た目も華があります。
続いて文楽「二人禿」。
なんと、人形が簑助、勘十郎。
簑助さんの人形は動く、動く。大きいこと、大きいこと。左は一輔、足は簑紫郎。勘十郎さんはもちろん動きますが、清楚そのもの、正統派禿の代表のような演技でした。左は簑二郎、足は簑次。

そして、住大夫、寛治、文雀、鳥越先生(NPO理事長)の座談会(司会・森西真弓さん)。この詳細は

    おりんさんのブログ

でどうぞ。

ここで30分の休憩。私ね、思ったんですよ。30分も休憩してどうするの、と。それは大きな誤りでした。この30分の短いこと。

だって……

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