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免許の更新 

今月は5年に一度の

    運転免許の更新

の月でした。
もう今回は無理だろうと思っておりましたので、うっちゃっておくつもりでした。
ところが、たまたま病院で「薬を使って潜在的にどれくらいの聴力があるのかを調べてみよう」ということになり、やや強引に試すことになりました。
その結果、現行の法律でも運転免許が得られるぎりぎりの範囲にまで数字が上がりました。
で。ふと思ったのです。これは一時的な聴力ともいえるけれど、この状態で更新手続きに行ったらどうなるのだろう、と。

そう思い立って、とりあえず先日更新センターに出かけてきました。
するともう、流されるように手続きが進み、気がついたら新しい

    ゴールド免許

を手にしていました。
こんなの、いいのかな、と思いつつ、また5年間運転可というお墨付きを得たわけです。
以前に書きましたが、来年施行される改正道路交通法で聴覚障害者が欠格とされることがなくなり、まったく聞こえなくても運転ができるようになるのは事実です。
しかしそれには条件も付き、

    聴覚障害者であることの標識の表示

が義務付けられます。
これについては不要論もありますし、私は理屈から言うとその必要はないのですが、やはりこういうところはきちんと守っていこうと思います。
また、ミラーを余分につける必要があるとも聞いていますので、法律が施行されたら免許には何も記されていなくても遵守するつもりです。

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The Longest Day 

ここ数日、なんだか混乱した日々でした。
今日は文楽ネタ以外に話を持っていきます(笑)。

昨日は過去に経験のない

    魔の一日

でした。

大学には集中講義というのがあります。
一日に3~4コマ授業をして4~5日で半年分をやっちゃうというものです。
私の学生時代は、みっちりされる方もありましたが、12コマくらいでごまかしてしまう(という言い方はいけないかな?)先生もありました。
「午後は皆さんと美術館に行きましょう」などといって講義をせず、現地集合現地解散で、「これって、先生のリクレーションにつきあってるだけ?」と思ったりもしたものです。
でもまあ、学生はサボれると嬉しいですから、誰も文句は言いませんでしたが。

昨日私はこの仕事に就いて初めて

    一日5コマ

という体験をしました。
平素の授業が4コマ、そして地元吹田市の市民講座が大学であり、その担当が回ってきたのです。

講演のタイトルは

    ある日の藤原道長

でした。

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けなげな子たち 

十一月公演で上演された『近江源氏先陣館』の

  小三郎、小四郎

はけなげな子供達で、観客の涙を誘います。
時代物の子供達はけなげです。けなげ過ぎてついていけなくらいけなげです。
佐々木盛綱も佐々木高綱も立派な子を持ち、そのこと自体は嬉しいでしょうが、反面あのような苦悩を抱えてしまうという皮肉になります。
『菅原』の小太郎も、「にっこり笑って死んでいった」からこそ松王夫婦は悲しくてなりません。
『先代萩』の千松も自ら進んで毒を口にして、政岡は号泣します。

しかし現実には出来の悪い子を持つ親もいるわけで、苦労が絶えない親も多いのです。
世話物の世界にはそういう息子がよく出てきます。

    女殺油地獄

の与兵衛はどうしようもない放蕩息子ですが、親たちはそれでも許そうあるいは我慢しようとしているように思います。

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吉田玉男を偲ぶ写真展 

2日続けて1000を超えるヒットがありました。
もちろん事件のためで、検索で来られている方が極めて多くなっていました。
でも、私は事件に関してはよく分かりませんので、ご期待には背いているだろうと思います。

気分を変えて・・・・。
今日から大阪で

    文楽の至宝 吉田玉男を偲ぶ写真展

が始まります。
河原久雄さんの写真展で、すでに東京ではおこなわれましたが、いよいよ関西でも開催になります。

  11月27日(火)~12月6日(木)

  大阪府立中之島図書館・文芸ホール

です。
私は都合で今週は行けませんので来週月曜日に行こうと思っています。

また、中之島図書館では

    世界遺産 IN OSAKA “THE BUNRAKU”

も、「第81回大阪資料・古典籍室小展示」として昨日から来年1月9日までおこなわれています。
世界遺産なのでこういうタイトルにしたのでしょうが、ウ~ン、私の好みには合わないタイトルです。ぱっと見て何のことかわかりませんでした。

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千秋楽 

文楽十一月公演が昨日千秋楽となりました。
長い3週間でした。
かつてないほど

    疲れる公演

だったかもしれません。
絡み合う二つの社会的な事件が出現してしまい、残念ではありましたが、膿がいくらか出たかもしれません。
雨降って地固まるという、状況の深刻さに比するといささか陳腐ではあることわざに、この際期待を寄せるしかありません。

ピントはずれのように思われるかもしれませんが、結局は

    世代交代の問題

なのではないかと私は考えています。

大学と言うところも、かつては象牙の塔などといわれ、閉鎖的な雰囲気がありました。
教員=研究者にとってはそのほうが楽でもありました。
しかし、今や

    開かれた大学

などというのは当たり前のことです。その分、教員の負担は増えてはいますが、これはもうやむをえないことでしょう。
大学でも、変革を起こそうとするととてつもなく大きな抵抗が起こります。
その抵抗の中味は、要するに我が身可愛さ。
  あんなやつに任せておけない!
  あんな若造に何が分かる!
  あいつは何も分かっていない!
たいていの人がそんなことを言います。
出てくる意見は総論賛成各論反対。
そうこうしている間に時代から取り残されていくわけです。

文楽は幸い、以前に比べると人気が安定しています。
この

    体力のある時期

にこそ、いろいろ試みて次の世代に渡すことが必要なのではないかと思うのです。

文楽関係者の皆さん、どうか真剣に考えてください。
四月公演の配役に期待していますよ!

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十九大夫さん 

豊竹十九大夫さんが文楽を去りました。
もちろん許されない行為によるものですし、住大夫さんは「はらわたが煮えくり返る」とおっしゃっていたようです。
が、荷物を一人で背負って辞めていかれました。
このブログでは十九大夫さんにただ愛惜の思いだけ伝えたいと考えています。

私が文楽に接し始めた頃は、越路大夫、津大夫に南部大夫、文字大夫が続く時代でした。
そのあとに織大夫、十九大夫、伊達路大夫がいました。
今で言うなら英大夫さんくらいの位置にいらしたのが十九大夫さんだったように思います。
とにかくどこからあれだけの声が出るのかというくらいよく響きました。
切れ味の点で物足りないことがあり、器用な感じもなく、やや間延びするとは思ったのですが、そういうことを忘れさせてくれるほどの力感は他の追随を許さぬものがありました。

    三段目の切場

が究極の位置になるであろうとは誰しも考えていたと思います。
四段目のイメージはあまりなく、たとえば「川連館」など特に聞いてみたいとは思わなかったのです。でも、「爪先鼠」を聴いた時にとてもよかったことを覚えています(来年の初春公演がこの演目だったのですね)。
70歳になるかならずかの頃から女性の表現もとてもすばらしいものになってきたように思いました。婆も老女形も娘も。
しかし、戸浪さんが東京での「盛綱陣屋」を絶賛されていたように、本来はやはりこちらのほうでしょう。
時代物の大きな語り、格調のある語り、これでお別れとはあまりに唐突です。

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近江源氏 

今日は

  近江源氏先陣館

について何か書こうと思っていたのです。それが、どうも具合の悪い話になってきました。
昨日の「盛綱陣屋」はなんとも落ち着かない雰囲気でした。
他のお客さんはそうでもなかったのかな?
新聞記者の方々の動きが客席であったのです。何かを追っているという感じの。
ただ私は落ち着かないな、という程度しか分からなかったのですが。

でも、千歳大夫・清治のすさまじい気迫は相変わらずでした。
千歳さんはどんな時でも語りに専念するのがすばらしと思います。
玉女さんも集中して師匠の追善の役目を果たそうとされていました。
玉輝、玉英、幸助さんあたりは、安心ですね。みなさん実力がありますから。
幸助さんの時政は厳然としつつ大きかったです。出色でした。

若手の玉佳、玉勢、玉誉さんたちも立派でした。
特に、玉誉さんの頑張りに拍手を送りたくなりました。
ただ、終演後黒衣のまま通りをうろつくのはやめてほしい(笑)。

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勤労に感謝 

後期が始まって2か月。我ながらよく働いています(笑)。
私の仕事は

  学生の教育 (授業など)
  職場の雑務 (会議など)
  自分の勉強 (文楽観劇を含む!)

が主なものです。

そして、上司にはナイショですが、その割合を3:1:6くらいにしたいというのがホンネです。
しかし、この2か月は

    4 : 4 : 2

くらいだったのではないか、と思えてなりません(おそらく上司は『それでいいのだ』とのたまうでしょうが)。
なんだかいつも授業が雑用をしているような気がしました。

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一応、近松忌 

貞享暦の享保9年(1724)11月22日に近松門左衛門は亡くなりました。
こんにちの暦とは「ずれ」がありますので、厳密に言えばまだ1か月以上先の事、今年は大晦日が11月22日のようです。
今は

    いい夫婦の日

なのだそうですが、心中ものを多く書いた近松の命日がそれに当たるというのも面白いものです。
昨年も書いたと思うのですが、近松は亡くなる直前、「中冬上旬」に辞世文を書いています。
その中に記された和歌は

  それぞ辞世 さるほどにさてもそののちに 残る桜が花しにほはば
  残れとは思ふもおろか 埋み火のけぬまあだなる朽ち木がきして

作品こそが辞世だと言い、それでも作品が後世まで残ってほしいと思うなどおろかなことだとも言っています。
もちろん愚かどころか、不滅の価値を今に伝えているわけですが。

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一夫多妻 

昔の男性は一夫多妻でうらやましい、などと言いますが、実際はそんなことができるのはごくわずかの

    お大尽

くらいのものでしょうね。
すべての男性が何人もの妻やおてかけさん(おめかけさん)を持っていたら、どう考えても女性の数が足りません。
平安時代の話ですが、内親王は皇族以外とは原則的に結婚できなかったのです。
ですから、配偶者を持たない内親王は極めて多かったようで、平安時代前半の約160人の内親王を調べると15%ほどしか有配偶者がいなかったという調査もあります。
ところが天皇はもちろん、親王でも多妻です。こりゃもうひどい差別的待遇ですね。
しかしこうやって男系の天皇を続けてきたということなのでしょう。
こんなことをすると、本当に奥さんがほしくても持てない人が出てくるわけで、女性の再婚、再々婚、あるいは密通などということがいきおい多くなります。
光源氏も藤壺中宮(父天皇の中宮)、六条御息所(元皇太子妃)、朧月夜(兄の配偶者の一人)などという女性と付き合ったりしているわけです。

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昨日も閲覧室 

このところ、毎週月曜日の午後は文楽劇場の

    閲覧室

にいます。
長時間机を占拠していると必ずと言ってよいほど来られるのが中堅人形遣い(今回は「近江源氏」に出演中)の

    K.K さん

です。
特にどうということはないのですが、ちらっと顔を出されてすぐに帰られます。もちろん黒衣姿です。
以前からよくここでお会いしますので、お好きなんでしょうね。
昨日は来られないかなと思っていたら、第一部の幕が下りた頃に人の気配が。やはりK.Kさんでした。

先日は某雑誌編集長の

    M.M さん

も来られていましたが、K.KとかM.Mとか頭文字がぞろ目(とはいわないか!)の人と会う宿命でしょうか。
そのうちに東京から来られる

    A.A さん

に会うんじゃないかと楽しみにしています。
え? 誰かって? 小豆餡子(あずき・あんこ)さんですよ。あの人そういうフルネームじゃなかったのかな?

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酒屋&岩波文庫 

ヒット数が元のようになって、時間が過ぎたんだな、と思います。

さて、文楽十一月公演はいよいよ最後の1週間に入ります。
おりんさんやしろくまさんがおいでになり、戸隠山の鬼女にさらわれていたらしい小豆さんも無事解放されてまもなくおいでになるようです。
第一部の

    酒 屋

は簑助さんが長い年月をかけて練り上げてこられた演目であり、隅々まで心の通った演技が繰り広げられます。
床は嶋大夫、宗助。

清介さんに代わって嶋大夫さんを弾くという重責を担った宗助さんです。
みなさんの心にどのように響いているのでしょうか?

酒屋は『艶姿女舞衣』というのが正式のタイトルですが、こうすると女舞の三勝が主人公のようにも見えるわけです。
「酒屋」は下の巻ですから、今は上巻・中巻が上演されなくなっているわけです。
そして、上巻・中巻ではたしかに三勝が活躍します。

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曽根崎 

十一月公演の夜の部は

    曽根崎心中

で幕を閉じます。
玉男・簑助両師で長らく見て来た芝居が勘十郎さんと玉女さんによって演じられています。
鑑賞教室などではお二人とも馴れていらっしゃいますが、本公演での組合せとしては初めてで、さすがにフレッシュです。
なんとなくこれまでの曽根崎とは別のもののような気がしてしまいました。

    至 芸

の看板を背負うこともなく、とにかく精一杯芝居をしているご両人です。
いきなり芝居の中に入り込めました。
全段出遣いですが、あたかも黒衣を着ているような感じさえするのです。

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音羽山 

夜の部は

    源平布引瀧

で幕が開きます。

    松波琵琶

が眼目。三人上戸の面白さや小桜の哀れ、行綱の「琵琶責め」などが次々に展開します。
綱大夫、清二郎で、品のよい和生さんの行綱、玉也さんの悪役難波六郎、あどけない一輔さんの小桜が大活躍。

しかし今回私はどういうわけか

    音羽山

が印象に残っています。
ここは、ホンモノの松波検校が殺されて、行綱が検校の遺志を継いで鳥羽離宮に乗り込むわけです。

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玉男師匠の展示 

貴大夫さんのことがあって、ついいろいろと普段思うことを書いてしまいました。
改めて貴はんに感謝の気持ちを表します。昨日が初七日だったんですよね。

さて、この公演は吉田玉男一周忌追善公演です。
それにあわせて、文楽劇場展示室では

    吉田玉男を偲んで

が催されています。
ビデオ上映は玉男師匠40代の三浦之助を皮切りに、定高、知盛、忠兵衛、良弁、光秀、徳兵衛、尾上、大星、菅丞相、十兵衛のほか、珍しい

    玉藻前の妖狐

が見られます。あっと驚く首の早変わりはみものです。

写真は、立役では、ピンカートン(お蝶夫人)、ハムレット、求馬、徳兵衛、アルマン(椿姫)、五条橋の弁慶、長右衛門、忠兵衛、良弁、久我之助、三浦之助、光秀、政右衛門、大判事、盛綱、大星、熊谷、簑作の勝頼、団七、義平次、半兵衛、知盛、十兵衛、菅丞相。
女形では野崎のお染、伊勢音頭の

    万野

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大相撲と文楽 

大相撲九州場所がおこなわれています。
相撲の歴史は古く古事記にまでさかのぼりますが、そもそも取っ組み合いの勝負というのは競技云々ではなく古くからあったでしょう。
平安時代の貴族である藤原道長も相撲は好きでした。毎年秋の初めの七月に催される相撲の節会(すまひのせちえ)を楽しみにしていたようです。
鑑賞するスポーツという側面はずいぶん歴史を持っているわけです。
でも、今の大相撲の直接の源流である江戸時代、ということを考えると

    芸能の分野

に属する面もあります。
野球より、サッカーより、文楽や歌舞伎に近いとも言えるわけです。

ところで、大相撲が最近大揺れに揺れています。
その原因のひとつとして、

    相撲協会の閉鎖性

が指摘されることもあります。
伝統芸能という面から考えると、どうしても他者の入りにくい世界なのでしょうか。
文楽はどうなのでしょう? 協会もありますし劇場もあります。そこにいる人はほぼ技芸員出身でない人だと思います。
しかしどうも劇団がひとつしかないというのはいい面ばかりでないようにも思います。
伝統を守ることとともに、新しい考え方で少しずつ脱皮していくことも必要だとも思えます。

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二の替り 

一昨日、中堅の活躍する場を、という、生意気な意見を書きました。
ふと思い出したのですが、朝日座時代など、夏の公演は朝から晩までやっていなかったわけです。
暑くて芝居どころじゃないということがあったのかもしれません。
じゃあどうしたんだ、というと、いわゆる

    納涼公演

という形で、夜だけやっていたわけです。
そして、前半と後半は演目が変わるのです。
前半は

    お目見え

後半は

    二の替り

という形になります。
例えば、昭和47年は7月4日から15日までがお目見えで「朝顔」の笑ひ薬・宿屋・大井川。そして「小鍛冶」。16日から27日までが二の替りで「反魂香」「伊勢音頭」「桂川の道行」。
夕涼みがてら、道頓堀を歩きながら朝日座まで行って、終わったらまたぶらぶらと・・。

今は空調が完備されていて、劇場内は真夏でも快適そのもの。
朝からでも昼間でもいつでも上演できます。
でも、こういう前半後半を分ける形は可能かもしれません。
切語りの四人は夜の部限定で、前半は住大夫、十九大夫が出て、後半は綱大夫、嶋大夫が出る。
そして、中堅若手が抜擢されて、昼の部の大作でしのぎを削る。
若手は朝の部で子供達を大いに沸かせる。
こんなことなら今すぐにでも出来そうです。
同じ演目を前半と後半で交代で演ずるのももちろんいいでしょうね。

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面売り 

第一部の追い出しの演目は

    面売り

です。

番付記載の太夫7人が6人になっています。
そして華やかに演奏が繰り広げられています。
チケット売り場には

  竹本貴大夫さんがご逝去されました。
  謹んでご冥福をお祈りいたします。
  なお、「面売り」の床は左記のとおりといたします。(以下略)

という小さな紙が掲示されていました。
8日まで出ていらしたのですね。
「面売り」の人形は

    簑二郎 清三郎

のおふたり。
とても楽しい演技です。
面売り娘の簑二郎さんはうまいですね。面をかぶるとさっと性格が変わる。そういう人間の面白さを良く出しています。
まさに面はペルソナですね。
おしゃべり案山子の清三郎さんもいなせな感じがします。

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2日間の思い 付170,000 

昨日、一昨日と、このブログへのヒット数が急増しました。
貴大夫さんへの文楽ファンの思いを感じ取らざるを得ません。
私もまた、自分の中で貴大夫さんの存在がこれほど大きいとは思ってもいませんでした。
この二日間、ほかの事が考えられないほど貴大夫さんについて考えることが多かったのです。
59歳。団塊の世代で、世間ではそろそろ定年退職の時期なのです。
しかし、貴大夫さんは大きな場を任されることはなく不遇だったように思われます。
掛け合いの一役とか、道行のツレとか、今回も

    面売り

の五枚目でした。
しどころのある立端場などを目指して、存在感をきっと高められるだろうと思っていたのですが、つくづく残念です。
何が原因でこういうことになったのかは存じませんが、孤独感を漂わせた貴大夫さんのお姿になんとなく我が身を重ね合わせる気持ちも否定できません。
私もまた、職場では授業をすることでさえアップアップで、学会ではもう忘れられた存在になっていますので……。

自分の生きる場を見失うのは恐ろしいことです。

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貴大夫さん 

何も事情は知りません。
団塊の世代の、まもなく入門40年になろうという

    竹本貴大夫 さん

が文楽に殉ずるように亡くなりました。
美声でもなく、大きな声でもなく、器用な方でもなかったとは思います。でも、こういう人があればこその文楽です。
私は、貴さんのお若いころは失礼ながらほとんど関心を持っていなかったのですが、最近とても味のある、

    浄瑠璃のこころ

をつかまれたのではないかと思っていたのです。
東京で忠臣蔵・一力のおかるを語られたこともありました。
いずれ味のある端場を語られるだろうと思っていました。
とても誠実な方だとお見受けします。英大夫さんの義太夫教室の発表会で、英さんのお弟子さんと一緒になって一生懸命裏方を手伝っていらしたことが印象に残っています。
難波の喫茶店でお目にかかったとき、名刺をお渡ししたら

    ああそうですか

と言われて、名刺を返そうとされるので、持っていてくださいとお願いしたらなんだか不思議そうな顔をされていました。
なんでもないことなのですが、ちょっと浮世離れした、独特の雰囲気を感じさせて下さるかただと思ったのです。

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新作が芸を変える 

十一月公演のプログラムの中で倉田喜弘さんが、玉男師匠のことを書いていらっしゃいます。
倉田さんは玉男師匠の

    すんなりとした立ち姿

から発せられるオーラを賞賛されていますが、同時に「曽根崎心中」で

    情感ほとばしる演技

に感じ入ったことが記されています。
そして、新作を次々に手がけることで

    考える人形

に変わりはじめたとも言われています。
さらに驚いたのは

    お蝶夫人

で「泣けた」とおっしゃっていることでした。
倉田さんといえば文楽(に限らず芸能全般)の知識の宝庫のような方ですが、この方がこれほどまでに新作に思い入れを持っていらっしゃるとは知りませんでした。
確かに、新作時を上演しようとすると、演出の雛形がありませんから、すべて自分で工夫しなければなりません。
伝統的な様式を踏まえることはあるでしょうが、時代物のように型で見せるというわけには行かず、これはかなり骨の折れる仕事です。
玉男師匠は新作の上演という苦難を経ることでずいぶん成長されたのだと倉田さんは考えていらっしゃるようです。

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3等になること 

昨日、ひとりで映画

    運動靴 と 赤い金魚 (マジット・マジティ監督 イラン)

を見ました。
といっても、ビデオで見たのですが。
今日のゼミの討論の題材になっていますので、同僚が貸してくれたものを大学の教室で夕方見たのです。

アリは妹の靴を修理してもらった帰り道、その靴をなくしてしまう。
貧しい家庭で、そのことを親に言えず妹と一足の靴を交代で履いて学校に通う。
成績優秀なアリは先生からもらったご褒美のペンを妹に贈るが、靴のことは心に引っかかったまま。
父が庭師の仕事をするというと同行して手助けをし、うまくお金をかせぐ。そして「妹に靴を買ってやって」と願い、父も喜んで承知してくれるが、自転車のブレーキが壊れて散々な目に遭ってそれも夢に終わる。
やがて、マラソン大会で3等になると運動靴がもらえると知り、先生に懇願して出場させてもらう。
が、彼は1等になってしまった・・。
3等でいいんだ。3等じゃなきゃだめなんだ。1等になって先生は喜んでくれたが、妹は・・。
共同水道のある池に疲れた足を浸していると、金魚が足にまとわりついて、無言にしてアリの疲れた足と心を慰める。
妹のための赤い靴のような金魚が。

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立冬 

今日8日は

    立 冬

です。旧暦9月29日。
暦の上ではいよいよ冬の到来です。
しかし、職場ではまだ上着を脱いで話をしています。
10月の終わりごろから若い女性がマフラーを着けている姿を見ますが、あれはおしゃれ半分と言えばいいのでしょうか?

時々思うのですが、手ぬぐいって便利なものですね。夏は汗拭き、冬はマフラーになります。
文楽劇場に持って行くとお酒を隠す隠れ蓑にも早変わりします。
あれをひとつ腰にひっかけておくと年中快適に過ごせそうです。

文楽と手ぬぐいと言えば

    手ぬぐい撒き

ですが、次の初春公演の手ぬぐい撒きは1月3日から10日まで。8日間限定です。
以前は初春公演の間ずっとやってたんですよ。
1月20日過ぎに「明けましておめでとうございます」というのはさすがに変な感じでしたが、手ぬぐい撒きそのものは大いに喜ばれていました。

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上方芸能166号 

文楽、落語、漫才、浪曲、舞踊、邦楽、歌舞伎、能狂言、現代演劇、タカラヅカ等々、あらゆる上方の芸能にエールを送る!(これじゃコピーライターにはなれないな…)

    上方芸能 166号

が刊行されました。
この雑誌は、木津川計代表が創刊されたもので、来年40周年を迎えます。
そういう意味もあって、今回の特集は

    万博以前・以後の上方芸能界

です。文楽については生き字引のような山田庄一さんが書いていらっしゃいます。
40周年に関連しては記念行事も予定されており、書き手を育てるための論文や創作落語の募集もあります。
クッソー! 落語に応募したい! でもまあ、遠慮しておきます・・。

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雨は絵の具 

晴れの特異日の文化の日と翌日が好天だったあと、5日は時雨の夜の部でした。
劇場の閲覧室に用があったので、午後1時を目指して出かけました(閲覧室は12時から1時間昼休みになるのです)。
以前、閲覧室に入るときは入室時刻、所属、氏名を記入して入室証をもらったのですが、今は少し変わっています。
時刻と名前は書くのですが、所属先の記入欄がなくなっているのです。
以前は住所(といっても大阪府とか兵庫県とか、その程度です)も書いたような気がします。
結局書いたのは

    名前 と 入室時刻

だけでした(ところが、うっかり名前を書き忘れ、退館するとき注意されました。スミマセン…)。
やはり何かと個人情報の記入は不要になりつつあるのですね。
小学校の頃、年度始めに届ける書類の中に家族のことを書く欄があり、そこには家族の職業はもちろんのこと、最終学歴まで書くようになっていたと記憶します。
家族の学歴だの家柄だのが個人を知るのに重要な要素だった(少なくともそう信じられていた)のですね。
勤務先でも所や電話番号が明記された職員録なんてついこの間まで当たり前に発行されていましたし。
おかげで、私は同僚の住所をほとんど知りません。同僚に年賀状を出すという習慣もまったくありません(あ! 年賀状、もう売ってるんですね!)。

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文楽の「十三夜」その1 

先日来いささか話題にしましたし、戸浪さんややたけたの熊さんからコメントもいただきましたので

    文楽の「十三夜」

について断続的に私自身の覚書として少々書いておこうと思います。

昭和43年(1968)は「明治百年」ということで、「遠くなり」つつあった明治に思いを馳せる機運が高まったのでした。
文楽はヨーロッパ公演も行いましたので、この年は「ヨーロッパ」と「明治」がキーワードの一年だったようです。
というわけで、

  明治百年を記念して

とプログラムに記載されて同年10月大阪公演で「十三夜」が上演されたわけです。
原作はもちろん

    樋口一葉

ですが、文楽の新作としては

   脚色:大西利夫
   作曲:野澤松之輔
   演出:鷲谷樗風
   装置:大塚克三

という、当時の「新作」には欠かせないスタッフで作られています。
登場人物は

  原田せき
  斎藤主計(さいとうかずえ)  せきの父
  主計女房           せきの母           
  高坂録之助          せきの幼馴染

の四人。原作通りの人物です。
出演は

  斎藤内の段  豊竹十九大夫(37歳) 鶴澤徳太郎(53歳)
  上野山内の段 竹本南部大夫(52歳) 野澤吉兵衛(65歳)
             (八雲 野澤勝之輔)

  人形
   せき    吉田簑助(35歳)
   せきの父親 桐竹勘十郎(48歳)
   せきの母親 吉田玉五郎(58歳)
   高坂録之助 吉田玉男(49歳)

という、中堅による上演だったようです。

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居候 

昨日早速

  花かばさん と おとみさん

がいらした11月公演ですが、この公演にはあまり関東からはおいでにならないような感じです(感じだけか!?)。
う~んちょっと残念ではあります。そのかわりに関西勢の皆さん、さらには中国、四国、九州、ほか各地からおいでの皆様方大いにリポートしていただくと幸いです。

ところで、昨日、私の家に居候がやってきました。
とても可愛い女の子です。

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初日 

本日文楽十一月公演が初日を迎えます。
時代物と世話物で玉男師匠の代表的な演目(といっても、あの師匠には「代表」が多すぎますが)を並べての追善公演。

同時に展示室では玉男師匠関係の企画展示

  吉田玉男を偲んで

がおこなわれます。
写真、映像、小道具、衣裳のほか、

  私生活の一端

が紹介されるそうです。
この展示に関するチラシには昭和31年の求馬、平成9年の知盛などが紹介されています。
室内ではきっと「あ、これ覚えてる!」「お若い時ってこんなんやったんか~!」などと話の花が咲くことでしょう。

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卒業研究 

今日、大学で卒業研究の中間報告をおこないます。
卒業のための単位というと

    卒業論文

というのが常識でしたが、私のところではいわゆる「論文」の形を取らなくてもかまわないのです。
実際、私のゼミに所属する5人の学生のうち「論文」にあたるものを書くのは2人。
そのテーマは社会学系なので、視野の狭い私にはさっぱり分かりません(笑)。
残る3人は創作系。
これがまた、私にはさっぱり分からないものばかりです。
文学関係が

    ファンタジー小説

    絵本

の創作。ファンタジーなんて読んだことないですよ! 絵本は、まあまあ分からなくもないですが、絵は苦手なので指導なんて出来るものではありません。
そしてもうひとりは、以前にも書いたように思うのですが・・・

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38.9 

ひどい熱です。
31日は休みました。
こんな高熱は久しぶりです。
「大入り!」のお園さんも風邪だったようですが、うつされたかな?
というわけで、何も書く元気がありませ~ん。

今、朝の十時半です。熱がかなり下がりました。
何とか出勤できなくもないのですが、あさっては入試がありますので休むわけには行かず、ここはぐっとこらえてもう一日休ませていただきます(サボる言い訳に過ぎない?)。

それにしても、

    文楽の人は丈夫

ですね。
それだけに、辞めていく人の理由には「体力がついていかない」というのが多いようです。
それだけハードなんでしょうね。
若い人形遣いさんなんて、役で出て、足持って、介錯して、師匠のお世話して、朝から晩まで働きづめ。私には勤まりません。
明日には元気に出勤したいと思っています。
さあ、今から頑張って

    寝るぞ!

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