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文楽人形を囲んで 

昨日、(いささか大げさですが)生涯行くことはないだろうと思っていた

    大阪北浜の料亭

「K楼」に行きました。
なんとなく「敷居が高く、値段も高く(笑)、縁のない世界」だと感じていました。
以前、姉妹店(インドネシア語で「美しい水辺のまち」を意味する名の店)で、文楽のある太夫さんの結婚式に出させていただきましたが、そのときはとてもリラックスできました。
でも、「ご本家の方に行くことはないだろうな」と、ずっと思っていたのです。

もとは加賀の伊助という人が開いた「加賀伊」という名の店だったのですが、明治8年にここで開かれた「大阪会議」の成功のあと、木戸孝允が名付け親となって今の店名になったのだそうです。
昔の建物の面影はありませんが、さすがに歴史の重みを感じる立派な料亭です。
水の都、船場とのかかわりで成長してきた町、それが

    北浜

です。
店の北側は土佐堀川。その向こうは中之島公園。
アーチ窓があって、ビルヂングと呼びたくなるようなレトロな雰囲気の建物が散在。
いいところですね・・・。

で、そんなところへ何をしに行ったのかと申しますと……。

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陽明文庫 

今日は文楽の話ではありません! ごめんなさい!

東京国立博物館では

  宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝

が展示されています。
近衛家は藤原氏の代表的な家柄で、いわゆる五摂家(近衛、九条、一条、二条、鷹司)の一。中世以降、摂政・関白になれるのは原則的にこの家柄の人だけだったわけです。
いまは陽明文庫が近衛家に伝わる名品の数々を収めています。近衛という名は、京都の近衛大路に面して邸を持ったからで、この大路は大内裏陽明門に行き当たるため、陽明家とも言われ、陽明文庫の名もそこから来ているわけです。

国宝では藤原道長の日記

    「御堂関白記」

や「倭漢抄」」「大手鑑」、その他ほんとうにさまざま出ているようです。
是非ご覧になってください。1400円はちと高い?(私と行くとタダかな)

2月2日には文庫長の名和修さんが講演をされるそうですが、名和さんには私もずいぶんお世話になっています。声の大きな、ちょっと怖そうで実はとても優しく繊細な方です。
こちらもお時間のある方は是非。

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文楽の「十三夜」その3 

もう一回この内容で失礼します。

明治百年を記念して、昭和四十三年に上演された

    十三夜

ではありましたが、どうやらその後は再演されていないようです。
この脚色を担当したのは、大西利夫氏。この人は当時の新作というと必ず顔を出したなかなか見識も能力もある方です。
この方が、十三夜を脚色するにあたって、こんなことをおっしゃっています(大西利夫『「十三夜」の脚色』昭和43年10月朝日座公演プログラムより)。

  かつてハムレットなどの赤毛ものを脚色して非難も受けた

  一葉の文章には魅せられてしまうが、制約もあるので追随し切れなかった

  人力車に乗り降りする場面は、三人遣いのため演出に困った

そしてもうひとつこんなことをおっしゃっています。

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文楽の「十三夜」その2 

以前、樋口一葉作『十三夜』が文楽になったことを取り上げましたが、中途半端になっていました。
読んでいただくようなものではありませんし「コメントの書きようがない」という内容ですが、覚書として書いておきます。

あらすじです。
原作とほぼ同じですが、念のために。

区役所に勤める斎藤主計(さいとう・かずえ)の娘、

    せ き

は望まれて奏任官の原田の妻になり、太郎という子も産んでいる。
夫は太郎の誕生後、それまでの態度が一変し、せきに冷酷な言動を繰り返すようになる。
思い余ったせきは父に離縁を申し出てもらおうと一人で実家に帰る。
母は原田の態度に憤るが、父は諄々とせきを説得する。
せきは自分の忍従が斎藤家のためになり、また我が子への限りない愛情も抑えがたく、原田に帰る決意をする。
帰り際に母がせきの髪を整えながら、

    高坂録之助 (こうさか・ろくのすけ)

の思い出話をする。それは、せきにとって胸の痛むような名であった。せきはやがて家を出て行く。(斎藤内の段)

せきが人力車を拾って家路を急いでいると、突然車夫が「降りてくれ、車を曳くのがいやになった」という。唐突なこととて不気味に思いながらも、せきは「せめて広小路まで行ってくれ」と頼む。
車夫も「では広小路まで」と納得したが、そのとき、

    十三夜の月明かり

で車夫の顔が見えた。
それはあの高坂録之助、幼馴染の録さんであった。録之助は小川町のたばこ屋の一人息子で、町内の娘たちに人気があった美男。せきも行く末はこの人のお内儀になるのだと思っていた。

    その録が車夫になっている・・

録は結婚して娘ももうけたが、飲んで遊んで身を持ち崩し、妻とは音信不通、娘は病死したと言う。しかし、録が酒におぼれだしたのはまさにせきが原田に嫁いだ直後なのであった。
ふたりは広小路のすぐ手前まで来る。せきはそっといくらかの金を渡して二人は別れた。(上野山内の段)

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四尺に足らぬ 

小柄な男性というと

    源義経

を思い出します。
能「船弁慶」では30男のはずの義経を子方が演じますし、文楽「五条橋」では弁慶の大男ぶりに対していかにも華奢な少年です。

鞍馬には義経の背比べ石というのがありますが、今で言えば小学生くらいの高さ。ほんとうにこの石と背比べをしたのかどうかなどわかりませんからなんともいえませんが、小柄と言い伝えられてきたことは間違いないわけです。

丈夫というのは一丈の身長を持つ男性ということですから、バレーボール選手くらいですね。
小柄というのは男性にとって身体的にはあまりよいことではなかったようです。

この間聞いたら、学生も知っていましたが、私がちょうど二十代の頃、よいお婿さんの条件といえば

    三高 (高収入、高学歴、高身長)

でした。
私は高身長というのだけは該当するのですが、当時どうあがいても振られるばかりでしたので、まるでこの説には賛成できませんでした。
あまりにも低収入でしたから問題にされていなかったのか、性格が悪すぎたのか。
やはり人間はハートなんでしょうね。

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ほたえる 

大阪にはとても実感にあふれる言葉が数々ありますが、

    ほたえる

という言葉もいい言葉です。「ふざける」「たわむれる」と辞書では説明していますが、何かニュアンスが違います。もうすこし狂気の混じったような・・。
大阪のみならず四国、九州などでも使われるようです。
今は落語家さんくらいしか使わないのでしょうか? 浜村淳さんは普通に使われますが(笑)。「なに、ほたえてんねん」「そない、ほたえてどないしまんねん」「せいだい、ほたえなはれ」というような使いかたでしょうか。

忠臣蔵ですと

    幇間仲居に送られて酒がほたえる雪転し

ということになります。
近松もこの言葉は結構使うのです。

    あたり隣もあるぞかし。よつぽどにほたえあがれ(女殺)

    留守の間でほたえさすことはなりませぬ(宵庚申)

など。


    七福神宝の入舩

のような作品を私は無内容の面白さだと思っています。
無内容などというと悪口のようですが、そんなつもりではありません。
花競四季寿では「万歳」にそれを感じます。
「まことにめでたう候ひける」というそれだけのもの。

    実にすばらしい!

もっとも、「無内容の美」というのは、折口信夫が使っていた言葉で、私の独創ではないのですが(笑)。

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口頭試問 

仕事はもうアップアップ状態の毎日です。
風邪と戦いながら授業を何とかごまかしてゴールになだれ込もうという算段です。
この後期は週7コマの授業でしたが、そのうち水曜日に4コマが集中するといういびつな時間割。

    魔の水曜日

でした。
しかしそれも23日を以て終わり、とりあえず大きな山は越えた感じがします。
次は本日おこなわれる卒業研究の

    口頭試問

そして最後に朗読演習の発表会という段取りです。
平行してリポートを読んだり成績をつけたり。とにかく休めませんので、だましだましの日々なのです。

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千秋楽 

昨日、朝のうちに200000ヒットを記録していました(私は全然気がつきませんでした)。
このブログはかなり早くカウンターをつけたはずです。
当初は一日に60とか80とか、それくらいだったのです。
学生や同僚がチラチラ覗いてくれるのが読者らしい読者でした。
そこでこちらから先輩ブログ(「大入り!」「バリバリ」「風知草」「楽しい☆」などなど)に押しかけてご挨拶をして回り(笑)、なんとか読んでいただく「営業」をしました。

そして1年で8万ヒットを越え、2年足らずで20万ヒットまで来ました。
このごろは200以下になることのない毎日で、新しい方も来てくださっていると伺います。とてもありがたいです。
ものを書く人間は要するに

    読んで欲しい

わけです。
私がありがたく思う気持ちもどうかわかってください(笑)。

さてさて、文楽初春公演はついに

    千秋楽

と相成ります。
途中、風邪で休まれた方もありましたが、みなさん節制されて見事に幕を下ろしてくださりそうです。

私はなんとか夜だけでも行きたいと思っております。

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師匠冥利 付200,000 

今回の公演で

    新口村

は1時間という時間があっという間に過ぎていきました。

    簑助 清之助

のコンビで梅川・忠兵衛。
清之助はまったく気後れすることもなく、いつものように自然体で演じています。
繊細な人だろうと想像するのですが、大胆さも持っていそうです。
とにかくちょっとした首の動き方にも二枚目の色香が漂います。
簑助師匠も一緒に演じられていて満足されているのではないでしょうか。
簑助門下からまたひとり巣立ちをする日も遠くないと思いました。

さらに驚くのは代役の

    勘十郎

孫右衛門の心が途切れずに一連のものとして目の前に現れます。
幕切れは先代がされたような(といっても私は拝見した覚えがないのですが)へなへなとへたり込む姿を見せます。
しびれました。終わってからしばらく立てないくらいです。
こんな二人に囲まれたら

     師匠冥利

でしょうね、簑助さん。

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復帰 

とにかく土日は家にこもって、あと1週間あまりの授業期間に備えて休みをとりました。
カンペキです!とはいかないのですが、昨日から復帰しました。

文楽初春公演もあと4日。木曜までですね。
こうなったら時間を作って3日は行こうと思っています(無理かな?)
それにしても、

    平日の夜

は、なかなか客席が埋まりません。
先日行った時は200人入っていたかどうか。

    3分の1以下

ですね。
東京では信じられない光景です。
昔の朝日座に比べたらまだいいほうですが、こういう時に何かお客さんを誘うことができませんかね~。
文楽応援団の皆さんは展示室を中心にいつも大活躍です。
このブログを御覧下さっている方もあり、私まで応援していただいている感じです。
いろいろ難しいのでしょうが、地下鉄の駅までつめ人形を持って出向いて、宣伝活動をするということはできないものでしょうかね。
職員さんじゃないから、とか、外での活動はちょっと、とか、いろいろ制約はあるのでしょうが、イベントとして応援団の皆さんの活動をもっと広げられたらいいのに、と思わないでもありません。もちろん人員確保は重要です。
私も手伝いに行きまっせ!

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ねずみ 

今さらですが、2008年は

    ねずみ年

です。
年男、年女の皆様、ご活躍をお祈り申し上げます。
ねずみに対する印象は昔と今ではかなり違うように思います。
子供の頃、まだ天井裏にねずみがいました。
古い家でしたので、外から入れる天井裏があって、ねずみにとっては広々とした運動場だったのでしょう。時には家の中にでも見かけました。ですから家にはねずみ取りの仕掛けがありました。不潔で、目障りな動物として忌避されてきたといっても過言ではなかったと思います。

しかし、ミッキー&ミニーマウス、トッポジージョ、ジェリーマウス(トムとジェリーのねずみ)など海外の愛すべきねずみが入ってきて、またねずみの仲間のリスやハムスターがペットとなるに及んで可愛い動物のイメージも持たれてきました。

ねずみは門歯の長さを調節するためにも、いつも

    何かをかじっている

わけですが、そこに目をつけた浄瑠璃作者もいたわけです。

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風邪ひきさんのうわごと 

今日はほとんどうわごとのような記事です(笑)。まるで面白くありませんので・・。
それなら書くなよ、といわれそうですが、そうするとかえって病状が悪くなりそうですのでご勘弁を(笑)。

100人の人がいるなら、ある月の生まれの人は100÷12と単純計算すると8人はいるわけです。
文楽にも今100人近い技芸員さん(はっきり調べずに書いています)がいらっしゃるので、4日に一人の割合でお誕生日を迎えられることになりますね。

でも、昔は年末に生まれた人を1月に届けて、誕生日まで1月としていたことがあるそうです。
私の父がそうで、実際は12月生まれなのに1月2日で届けられたと聞きました。

    先代 燕三

師匠も1月5日生まれとなっていますが、実は12月だったとこれはご本人からうかがいました。

  年末は役所が閉まってたんで、役所の開いた5日に届けたのやそうです

と。
となると、昔は12月生まれ(と届けられている)人は1月生まれよりかなり少なかったということになるでしょうか。
2月生まれは日にちが少ない分やはり少ないでしょうね。
おりんさんがお誕生日企画を進めていらっしゃって、清二郎さん、和右さん、津駒さんがすでに紹介されていました。
文楽の人は何月生まれの人が多いのでしょうね。
星座は何座が多いとか、太夫、三味線、人形別に分類するとそうだ、とか。

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負けられません 

某所で百人一首のお話をしているうちに、どうも気分が悪くなってきました。
会場は自宅から徒歩20分。交通費も出ないところなのですが(笑)、珍しく私はわずか一駅を電車に乗ってしまいました(タクシーに乗らないところが生活の貧困を象徴しています)。

どうも、風邪っぽい。本当に風邪みたいです。
文楽の夜の部に行くつもりが、からだがまるで動き出しません。

    今日は休むのが一番

そう思ってやめました。
授業はあと1週間あまり。ここで休むと「補講」という難行が待ち構えていますので、多少のことでは休めません。文部科学省は大学の教員をロボットだと思っているようです。
以前、最後の授業の日が大雪で臨時休講になったことがあります。
その日に試験を予定していた私は、やむを得ずレポートに切り替えてしのぎました。
今はこういう場合でも補講をしなければならないのでしょうね。

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震災と百人一首 

先日、義母(姑)の13回忌を済ませてきました。
と思ったら昨日は阪神大震災から13年がたった日です。
13回忌と丸13年ですから1年の違いがありますが、やはり何らかのつながりがあったかもしれないと思わないでもありません。
シンクロニシティとは言わないのかも知れませんが、私の中では連続性があるできごとなのです。
震災のために義母にはずいぶん心配をかけ、それが心労になったということもあるかもしれません。遠く離れているために自分は何もできないという思いがさらに病気を悪化させたかもしれません。
あの震災で直接亡くなった人に限らず、一種の後遺症で命を失った人も多いわけです。

    十六年もひと昔

ですが、十三年もまたひと昔というほどの時間を感じさせます。

    震災の記憶を風化させてはならない

と言われます。
たしかに、教訓としてやがてやってくる次の震災に生かさねばならないのです。
しかし、私個人にとっては阪神大震災は昔の出来事として胸の奥にしまっておこうという気持ちになっています。
このブログが来年も存在するとはあまり思えないのですが、仮に続いていたとするなら、もう来年は阪神大震災のことは書かなくてもいいかな、と、そんな気持ちです。

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文吾さん 

ご承知のとおり、昨日

    吉田文吾 さん

が亡くなりました。
まだ、と申し上げるべきかとおもうのですが、73歳だったそうです。
玉男・(先代)勘十郎世代と(当代)勘十郎・玉女世代をつなぐ代表的な立役だったと思います。
文吾さんのあとに玉幸さん、一暢さんもいらっしゃいましたが、やはり若くして亡くなられました。なんだか辛い世代かな、と思えてなりません。
二代目玉五郎のお弟子さんで、お若いころは颯爽とした女形遣いとして人気があったようですがその頃のことはあまり存じません。
私にとってはやはり

    立役の文吾

さんでした。元は小玉と名乗っておられましたので、お弟子さんも若玉、秀玉とおっしゃっていました。秀玉さんは辞められましたが、若玉さんは今の文司さんです。
昭和57年、文吾を襲名されて、スター街道を驀進。
切れ味のある立役を次々とこなされ、

  勧進帳の弁慶   松王丸(寺子屋はもちろん車曳でもすばらしかった)

  濡髪長五郎    熊谷直実

  鱶七         貝田勘解由

  和藤内       団七

などの大きな人形のほか、慈悲蔵、又助、清水長左衛門、粉屋孫右衛門、武部源蔵、などの検非違使、孔明系もよかったですね。
狐忠信では精一杯ケレンも見せてくださいました。
晩年は老け役でも味があり、酒屋の半兵衛、同じく宗岸、弥兵兵衛宗清、平作、新口村の孫右衛門、上田村の平右衛門、合邦、久作等々。

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七福神 

世の中には三大テノールとか、三美人とか、三羽烏とか三で表現されるものがしばしば見られます。
では日本三美人とは誰なのでしょう?
小野小町・・で止まってしまいました。
昔の系図には「かげろふ日記」の作者道綱母を

  本朝三美人之一也

と記すものがありますが、そういわれてもピンと来ませんね・・・。
伝説の衣通姫、タカラヅカっぽい巴御前、お市の方、原節子、吉永小百合、熊さんの奥さん。
異論が多そうです。

文楽ブログ三美人というのはもっと困ります(多すぎて)。
文楽ブログ三美男は実に簡単です(ハハハ)。

日本三景は松島、天橋立、宮島。三大夜景は函館、神戸(六甲からの景色)、長崎。
三名鐘は三井寺(園城寺)、神護寺、平等院。
もちろん三大浄瑠璃といえば

    義経千本桜  仮名手本忠臣蔵  菅原伝授手習鑑

三大がっかりというのもありましたね。札幌時計台、はりまや橋、もうひとつは諸説あって那覇首礼門とか京都タワーとか東尋坊というのも聞きました。
三筆に三蹟に・・・きりがありません。
「五大・・・」といえば「五大明王」「五大力」「五街道」「京都五山」「鎌倉五山」・・・。

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おとなしく・・ 

忙しい毎日です。
この連休は劇場に通いました、と言いたいところなのですが、実は法事があって西国下りしておりました。

一日中、かなりつらい時間でした。
なにしろ、

    お経は聞こえない

ので、ただじっとしているだけ。
30分ほどの読経のあと、しなくていいのに説教まで始まって、結局50分仕事でした。

これで終わってくれればいいのですが、あまりよく知らない30人ほどの人たちとの「お斎」。
これがかなりの苦痛なのでした。

しかも弱り目に祟り目。
車のライトをつけっぱなしてしまって、

    バッテリー上がり

トンネルを出てすぐのところで車を停めたため、ライトを切り忘れたのです。つけっぱなしてドアを開けると「ピー」という警告音が鳴るのですが、私にはわかりません。
ご近所の方にお願いしてやっとエンジンをかけ、充電のためしばらくドライブ。
久し振りにこんなところまで行きました。

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枝雀寄席で 

傾城恋飛脚

    新口村

というとどうしても先代勘十郎の孫右衛門の芸談を思い出してしまいます。
今回のプログラムに同じことを高木浩志さんが書いていらっしゃいますが、こういう話です。
孫右衛門を演じているうちに、最後の場面で傘をすぼめてとぼとぼ歩くという演技がどうもわざとらしく思えて、あるとき、へなへなとへたりこむようにしゃがんでしまった。
そして、

    これでええのやないか

と思われたそうです。
それをご覧になった高木さんも感動されたそうで、いわば勘十郎の

    日本一の芸

と高木さんの

    日本一の鑑賞眼

が火花を散らす話ですね。

生きて逃げることはかなうまい、と思いながら息子を逃がす親の心です。

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小むつ 

国性爺合戦の

    平戸浜

に和藤内の妻が登場します。今回は黒衣で演ぜられていますが、清三郎さんですね。

    小むつ

というこの女性はなんだか不思議な存在です。
大明国の復興だの、韃靼大王を滅ぼすだのといった壮大なスケールの話の中で、夫が栴檀皇女に怪しいそぶりを見せている、と言って一生懸命悋気しています。

和藤内が

    軍法の奥義

を知ったという鴫と蛤の諍いも

    鴫と蛤と口吸ふか、夫婦といふこと、今知つた

なんて言っています。
このギャップ!

平々凡々。幸せな日常そのもの。大願も野望も関係ない、いわばこの作品を見ているお客さんと同じ位相の人物。
こういう人物が描かれるところがいいなぁ。
いつもこの作品を見るといつも気になる人なのです。

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虎狩 

昔は家庭で散髪をする家が多く、かなり荒っぽい刈りかたをされたものです。これは

    虎刈り

ですね。均等に刈れずに虎の縞模様になってしまうということでした。
国性爺合戦の

    千里が竹虎狩

は緊張感のある後半の前におかれた、ユーモアもある、いささかリラックスする場面です。
この場面はトラの着ぐるみが出るため、舞台は船底を使いません。ですから、他の人形が宙に浮いてしまうのです。
特に、安大人が和藤内に平伏する場面など、安大人の人形はほんとうにふわりと浮いています。
以前は主遣いは普通に下駄を履いていらっしゃった(今回のプログラムをお持ちの方は17ページに写真があります)ので、余計に浮いて見えました。
また客席から舞台下駄も丸見えでしたので、やはり効果という点では不満がありました。近松時代には舞台下駄なんてありませんからね。
今回、主遣いは下駄を履いていらっしゃらないのでまだましともいえるのですが、その分、左遣い、足遣いはぐっと姿勢を低くしなければならず、大変です。

何か工夫はできないのでしょうか。

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50代 

先日、新聞に駅員に暴力を振るうのは

    50代の酔っ払い

が多い、と書かれていました。主に男性なのでしょうが、女性もないとは言えません。
まだ体力的にはいくらかの自信があり、それでも若くないという自覚が生まれ、とりあえず部下というものもできて社会的にはそこそこの地位に上っているが、酔っ払いでもしないと自分をさらけ出せない重圧の中に生き、というところでしょうか。
悪く言うと、謙虚さを忘れがちな年齢層であるかもしれませんね。
若い駅員さんに何か言われて、つい手を出してしまうのでしょう。
もちろんいけないことですが、少し哀しさも感じます。

女性は、今や

    50代は花盛り

とばかりに美しくなっています。
私の知友の50代の人も、それはそれは素敵な人が多いのです。
その年代で結婚(初婚も再婚も)する人も増えていますね。
もう、幸せいっぱいでのろけられることもあります。

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十日戎 

今日は十日戎です。
商人の町大阪は今宮戎などで

    ♪ 笹持って来い

の声が飛びます。
今宮戎は文楽劇場からも近い(私にとっては徒歩圏内)ので、劇場の行き帰りに立ち寄れます。
私は「今日の夕方にでも行ければ」と思っているのです。
大阪の人(京都の人も)は神様まで「さん」付けで、「戎神」などと言わずに「えべっさん」で通します。
なれなれしいというか、生活に密着しているというか。
でもそれが関西人の良さなんでしょうね。

総本社の兵庫県・西宮神社(海の近くにあります)はやはり漁業の神様という性格を強く持ち、戎神は鯛釣の名人ですね。ビール飲んでるだけではありません。
しかし今は漁業をする人もありませんから、やはり商売人の方が多く行かれるのでしょうね(やたけたの熊さんが詳しいはずです)。

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年賀状から その2 

お目にかかったことのない方から年賀状をいただくことがあるのです。
あるいはお目にかかったとしてもこちらはまるで存じ上げないままお別れした方(たとえば私の講演を聴きに来られたかたなど)からも。
大学宛だったり、何らかのつてで私の住所をご存知で自宅宛だったり。

ごく儀礼的に

    あなたの文章を読んでいる

    あなたの話を聴いた

という内容が記されている場合が多いのですが、中にはちょっとしたご意見を書いてくださる方もあります。

とはいっても年賀状ですから「おもしろくないぞ!」とか「ヘタクソ!」とか「やめちまえ!」とか、そういうのは(思われていても)めったにありません。
むしろ(思われてなくても)好意的にとても優しく書いて下ることが多いのです。
一応私としては50%差し引いて理解させていただいております(笑)。

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仕事始め~愚痴を含む 

ほんとうは昨日から仕事はじめなのですが、私はたまたま研究日でした。そこで

    文楽劇場に出勤(笑)

するつもりだったのですが、どうも調子が悪く、結局点滴に行っていました(涙)。
明日も点滴して体調を少しでもよくして、今週はできるだけ本職の合間を縫って劇場に精勤するつもりです。

そしていよいよ今日から新年の仕事が始まります。
授業は残り3週間。これで後期は終わりです。
試験を実施する科目は最後の授業でおこなうことになりそうです。
私は一切試験をしませんので、授業を3回です。
成績はすべて平常何度も提出させている短いレポートによってつけます。

始まったと思ったらもう終わり。大学はのんきだなぁ、と言われるのですが、これでもスケジュールは春までぎっしり。
教員は試験、成績提出、入試、来年度の準備、卒業関連など。自由になる時間はせめてこの時期くらいじっくり勉強したいという気持ちですが、果たしてどれくらいあるのか・・。
事務方は成績の整理、卒業関連、来年度の時間割の作成などでこれからも大変な忙しさになるのです。

授業を年間30週実施することが義務付けられて、はっきりいって迷惑です。半期15回という基準はいいと思うのですが、目安にすべきだと私は思っています。それでさぼるような教員や大学は自然淘汰されます。月曜日をさんざん休みにしておいて、月曜日の授業を30コマ実施せよとか、もうわけが分かりません。
授業は重要です。しかし回数さえ守らせればそれでいいというものではなかろうと思います。
代講が基本的にできない大学では、病気などできないのです。

各大学ではどんなふうに対処しているのでしょうか?

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君がため 

正月といえば、以前はこま回しに凧揚げに羽根つきでした。
今年も近くの河川敷に行けば凧は揚がっています。しかし、家の外で遊んでいる子どもはほんとうに少なくなりました。羽子板は飾りになっている感じですね。

かく言う私は不器用で、こま回しも凧揚げも苦手。性懲りもなく凧には挑みましたが、昔の凧はよほどうまくないと揚がりませんでしたよね。

両親、兄妹などは家庭マージャンをして過ごしていましたが、私は不調法で、まるでダメなのです。
付き合ってくれる人があれば

    百人一首

という手がありました。ところがマージャン組は相手にしてくれず、一人で札をながめている正月だった(サビシ~)ような気がします。
鬼っ子だったんですね。
しかしあの5音と7音のあやなす短詩は私の音感にぴたりとはまったのです。

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年賀状から その1 

昨日も文楽劇場に行けませんでした。
昨年の秋からずっと呼吸器の状態が悪く、遠距離を歩くのが苦痛なのです。
その気になれば文楽劇場から梅田まででも歩いてしまうほど(笑)

    歩くこと、大好き

の私としてはまことにつらいのです。
おりんさんが強行軍でいらしたはずですし、熊さんもおりんさんに会うために(?)いらしたはずですし、個人的に「行きますよ」とメールを下さった方もあって、とても残念に思いました。
月曜日には何としても行くつもりです。来週は最低でも3回と考えております。

どうも正月早々元気がなくていけません。

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幸先よく 

昨日は劇場に行く元気がありませんでした。
どなたかが行っていらっしゃると伺っていたはずなのですが、いかがでしたでしょうか?
一月公演は風邪の季節でもあり、のどをやられる技芸員さんも毎年いらっしゃるようです。
そういえば「博多座で風邪をもらった」という方もありました。
客席からも、どうしても「ゴホゴホッ」という声がします。マスクをしながらの観劇もやむをえませんね。
とにかく要注意です。

昨日は一応御用始の日でしたが、今年は金曜日ということで、形式的なものに終わったか、いっそ休日になったのか。職種によって違うでしょうが、皆様はどんなご様子なのでしょうか。
学校はまだ冬休み中ですので、何の問題もなくお休みです。

ところで、新年早々、パソコン内の住所録がなぜか不具合で、

    修復不能

年賀状のお返事をするのに、出したかどうかがはっきりしないのです。
相手のご住所、お名前を手書きしておればなんとなく覚えているかもしれないのですが、手書きは裏書だけなのであやふやです。
結局、昨日は

    同じ人に2通出してしまう

ことも覚悟でお返事を書きました。それにしても、住所録はコピーしておくべきでした。

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帰りました 

新年を山の中で迎えるのももう15年くらい続いているでしょうか。
昨日、無事に自宅に戻ってまいりました。
今年はUターンが分散するとはいえ、やはり普段とは違った道の混み方でした。

お酒も控えめ、食べるものも質素。あちこちでかけるわけでもない、ほんとうになにもない正月でした。

帰宅して早速いただいた年賀状を拝見。
下さった方々、ありがとうございました。
ここに貼り付けてご紹介したいくらいの力作も多いのですが、もちろんやめておきます。
文楽のみなさんはかなりの年賀状を書かれると思います。
中には絵心がおありで、とてもすてきな絵を描かれる方もあり、感激致します。
ひとこと自筆で何か書いてくださる方もあり、これまた大感激です。

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初春公演 

平成20年文楽初春公演が

    初  日

を迎えました。
歌舞伎の役者さんも、噺家さんも、こういう時に休めないのはお気の毒ですが、こういう方々の寿ぎが一年を幸せにスタートさせてくれるのです。
技芸員の皆さん、ことしもどうかよろしくお願いします。

恒例の鏡割りで正月気分にあふれる中、
初春公演は

  七福神宝の入舩

で幕開け。
なんとここに清治さんが出演されています。
文楽はほとんど三味線に始まります。
今年は清治さんに祝われてのスタートです!

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どんなお正月でしょうか? 

新年二日目。
二日酔いされてはいませんか?
私はいたって下戸ですので(ほんと?)、二日酔いとはもう何年も縁がありません。

    年賀メール

を下さった方、ありがとうございました。
年賀状・・・は、まだ拝見しておりません。

文楽の皆さんはもう明日から初日ですからのんびりしてはいられません。
束の間のお正月ですね。こういうところは芸人さんの気の毒なところではあります。
でもそれだけに元日などは初詣などきちんとされて、我々よりは(少なくとも私よりは)かえって充実しているのではないでしょうか。

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