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連休 

いつからいつまでがゴールデンウィークなのか、人さまざまですが、私の場合は昨日から6日までの文字通り

    ウィーク

ということになりそうです。

28日はその谷間の一日で、授業に来る学生がいつもより少し少なめでした。。
早くもどこかへ旅立っているのでしょうか。

昨日は

    みどりの日

だとばかり思っていましたが、今は違うんですね・・・。「昭和の日」って、長続きしそうにない名前だなぁ。

さて、それでは今日はなぜ休みなのか?
実は

    何の根拠もない休み

なのです。
こんな日に授業をしても学生が困るだけ、ということでしょうか。
実際、過去には連休の谷間が授業にならなかったこともあります。
それにしても、どんどん休みを作って、そのくせ授業回数はふやせというおかみのいうことはさっぱり意味がわかりません。

授業は序盤が終了でこれからがいよいよ本格的なのです。
しかし早くも

  退屈そうな顔をされる授業

が増えてきました。

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楽天 

別にポータルサイトの話でもプロ野球の話でもないのです。
私は根っからの

    悲観家

です。もっとも、「悲観家」ということばはなくて、あえて言うなら「厭世家」なのでしょうけれども。
最近の言葉で言うと

    マイナス思考

でしょうか。この言葉も辞書にはあまり見かけませんが。
とにかく何でも悪いほうへ考えてしまいます。
まあ、なんとかなる、と思えない性分なのですね。
長生きできないタイプです(笑)。

だから、うらやましいのは

    楽天家

の人なのです。楽観主義者、プラス思考。ニュアンスは違うかもしれませんが、そういう人たち。
実際のところ、楽天家というのはどれくらいの割合でいらっしゃるものでしょう?

文楽を見ていると、プラス思考とは言いがたい人がしばしば出てくるように思えてなりません。

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空気、読めません 

視覚障害の方々は

    聴覚が研ぎ澄まされる

と、しばしばいわれます。
それは生きていく上での必要に迫られるからでもありましょう。

また、聴覚に障害がある人も

    勘が鋭くなる

といわれることがありますが、それは本当でしょうか?
もしそういうことがいえるなら、私はかなり敏感に空気が読めるはず。
ところがそうは行かないのが現実です。

空気が読めない者は

  仲間はずれにされる

というのが悪しき流行になっている(?)ようですが、私などすぐにそうなってしまいそうです。

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千秋楽です 

文楽4月公演は本日

    千秋楽

を迎えます。
桜の季節に始まって、造幣局の通り抜けを経て、ハナミズキの中で終わるような四月公演でした。

気候は一年で一番いいとは申せ、花粉症の皆様はきっとお辛いことだったでしょう。
でも語りながらくしゃみをされるわけでもなく、弾きながら目をこすられることもなく、遣いながら鼻をズルズルさせるはずもない技芸員のみなさまでした。
もっとも、人形遣いさんで、頭巾の下にマスクをしている人を見かけましたが(笑)。

この公演、客席は

    まあまあ入っていた

のではないでしょうか? 7割以上入っている日に私はよく出くわしました。
文楽劇場で7割入るとほぼ東京国立小劇場の満員に当たりますから、健闘していたのではないでしょうか。その理由はなんだったのでしょう?

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やる気が少しずつ 

まじめな書き出しです(笑)。

内閣府は5月を消費者月間として、毎年「消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業」をおこなっており、今年度も「活かそう 消費者・生活者の視点」を統一テーマとして各種事業が展開されます。
そして、各地方公共団体などが関連事業を催し、大阪府では「消費者フェア」が開催されてきました。
ところが今年は、府知事の方針で徹底的な経費の見直しがあり、開催も危ぶまれたのですが、なんとか

    大阪府消費者フェア

が実施の運びとなったようです。

内容は、講演会、消費者団体による活動発表などのほかに

  大学生による若者のための 消費者啓発講座

が次の予定でおこなわれます。

日時 5月17日(土) 10:30~12:30
場所 OMMサロン
    (地下鉄谷町線、京阪電車「天満橋」下車すぐ。OMMビル1F生活情報ぷらざ向かい)


それがどうした? このブログと何のかかわりがある?

とおぼしめしでしょうが・・・・。

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夜の部に 

昨日も忙しい一日でした。
朝、病院(大阪市福島区)へ行き、勤務先(吹田市)の会議に出て、夕方から文楽劇場(大阪市中央区)に回り、

    第二部

を見るというスケジュールでした。
ただ、病院が長引いて、会議は失礼してしまいました(もちろん連絡しました)。

3日連続での劇場通いで、授業のある期間の公演はあわただしいです(夏や初春はその意味ではまだしも楽です)。

この公演、ひょっとしたら第二部はこれで最後かもしれません(もう1回行けるかも)。

    競伊勢物語

は、また20年出ないのかな・・・。とすればもうこれが今生の見納めでしょうか(笑)。
いや、何事も一期一会です。むしろそう思って存分に楽しませていただいております。

この演目については、文楽評の相棒(槌谷さん)がどう考えているのか知らないのですが、カットの問題など、提起してみようかなと思ったりしています。

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学外実習 

昨日は勤務先の

    伝統芸能演習

の学外実習として国立文楽劇場見学をいたしました。
学生は午前中の授業を終えて、文楽劇場へ。
タテマエ上、電車の中でも勉強していることになっています(実際は??)。
そして、展示室で私があれこれ説明したあと、ケーキセットでお茶。
お約束の時間に、第一部の

    道行朧桂川

を語り終えられた非常勤講師の先生(笑)舞台裏や床、奈落、楽屋でお話をしていただき、さらに

    玉水淵

で左遣いをされていた人形の非常勤講師の先生(今回の役は義経!)が、お疲れのところ出て来てくださいました。さっと学生にパンフと絵葉書を下さいます(人気の秘訣!)。そして床山部屋、衣装部屋などを案内してくださいました。

とにかく、見るものすべてが珍しく、学生たちは口を開けたまま(笑)劇場を一周しました。

床山さん、首さん、衣装さんにはいつも本当に親切にしていただきます。
ありがとうございます。

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日吉丸と桂川 

がっくりです・・・・・

この記事、

    消してしまいました

24日の朝、携帯で記事を見ていた時にうっかり削除ボタンを押してしまいました。
コメントを書いてくださった方々(nanasinonaさん、紅娘さん、睡蓮さん、熊さんら)、申し訳ありません。

書いたことは・・・

4月23日はシェークスピアの誕生日&命日ですねというようなことをきっかけに・・
日吉丸は皆さん熱演されているのにどう評価していいのやら、というようなこと
桂川は人物が多彩でそれぞれが生き生きと描かれていること

などであったと記憶します。

全くもって悔やまれます。

nanasinonaさんは1月3日が先代綱大夫の誕生日&命日であることをご指摘いただきました。
熊さんからは半分くらい寝た、改作やカットもいいのではないかとのご意見でした。
紅娘さんはアクセスカウンタのことでご自身の体験をお教えいただきました。
睡蓮さんは日吉丸は徐々に聞けるようになってきた、と肯定的なご意見をいただきました。
もうお一方くらいコメントくださったでしょうか?失念しました。ごめんなさい。

パソコンからだと「本当に削除しますか?」という警告が出るのですが、携帯からだとあっという間に消えてしまいました。

ああ・・・後悔。

負傷、治療 

今日は火曜日。またまた朝から劇場へ行って夕方授業をするという離れ業デーです。
でも、演目入れ替えで先週より数分早く終わりますので、いくらかは楽です。
乗る電車は同じでも、駆け足で劇場を出るほどではりません。
このスケジュール、忙しくはありますが、充実感があるので好きだったりします(笑)。

ただ、先週はお目にかかれるかなと思っていた方があったのですが、こういう事情もあって叶いませんでした。
    今週だったら

せめてご挨拶くらいはできたかな、と思うことしきりです。

今日は幕間に楽屋に行きます。
用があっての事なのです。
実は勤務先の文楽人形のうちツメ首の立役人形が右手首を

    骨 折

してしまいました。
カセ手(指は動かず、手首のみ動く)なのですが、その動きをつかさどる三味線の糸がプッツリ切れてしまったのです。

右手

↑わかりにくいのですが、糸が切れています

右手2

↑横から見るとこうなっています

右手3

↑本来は黄色で線を描き入れた所に三味線の糸が張ってあります

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左遣い 

文楽人形は三人遣い。
近松門左衛門没後10年の1734年(享保19年)に初演された

    芦屋道満大内鑑

の与勘平、野干平の人形で三人遣いが確認される(今とそっくり同じかどうかは別として)とのことですから、ずいぶん古い歴史を持っています。

中心になるのは主遣いですが、左遣いの技も並大抵ではありません。

    三つ差し (左手を広げて2~3度左方向に差し出す)

    山越え (道行の静御前などが遠くを見渡すように左手をかざして回る)

    石投げ (尼崎の光秀などが左手で石を投げるようにキマル見得)

などの動きは左手が鮮やかだと本当によく映えます。
左手をすっと隠すようにしてものを取り出す仕草もうまい人が見せるときれいなものです。

逆に、左遣いがうまく見せないと、がっくりすることがあります。

    カンヌキ (逆櫓の樋口などが両手を一気に横に広げる見得)

の左右のバランスなど大事ですね。

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花道 

歌舞伎の舞台構造において

    花 道

はきわめて重要な意味を持っています。

能の橋掛かりと似てはいるものの、発生的には別のもので、「はな(ご祝儀)を置く道」という役割があったようです。
そう考えると、花道は白洲梯子に似ているともいわれます。
また、観客の中から姿を現す名古屋山三郎の亡霊(『国女歌舞伎絵詞』)のごとき超現実的な存在が出現するのが起源であろうとも考えられているようです。

いずれにしても、役者が客席の後方から出てきたり、すっぽんから姿を見せたり、逆にそこを引っ込んで行ったり。
いわゆる額縁舞台を平面的に見るだけでなく、

    客席に溶け込む形

で垂直に設けられる不可思議な舞台。観客はこれによって芝居に同化することすらできそうです。
しかし一方、花道に役者が現れると「松嶋屋!」「天王寺屋!」と声がかかります。こうなると同化どころではない、むしろ異化ですね。

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アンニョンハセヨ 

韓国から友人たちがやってきました。
私どもの大学の姉妹校である韓国のさる女子大から、150名ほどの学生が修学旅行で日本を訪れ、我が大学を訪問しました。

こういうときに役に立つのが

    文楽人形

です。
娘首の人形が学長挨拶の前に挨拶に出て行くことになったのです。

遣い手はおととい初めて人形に触れた2年生たち。
もうドキドキしていました。
リハーサルでは大過なくできましたが、予定の時刻を過ぎてもお客さんが来ないのです。
人形もぼんやりと(?)出番を待っていました。

出番を待つ人形


すぐ横では表千家のお点前のリハーサルが行われていました。

お点前


日本の伝統文化のコラボレーションです。

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コンパクトに 

上演中の

    競伊勢物語

は、「玉水淵」が30分余り。そのあと「春日村」は2時間近くあります。
変化に富んでいてさほど時間は感じさせないとは言いながら、やはり長い。
どうしても切場で

    疲れる

ということになりがちです。
実際客席を見ていると、居眠りする人、立ち上がってロビーに出る人などが少なくありません。
なにしろ趣向が

    てんこ盛り

になっていますから。
しかし、プログラムの中で住大夫さんが

    ええ浄瑠璃

であるとおっしゃっています。
確かにしんみりとする場面あり、ダイナミックな場面あり、どんでん返しあり・・・春日村だけで三場面くらい見たような気もします(笑)。

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今年も伝統芸能演習 

千里金蘭大学人間社会学部の名物授業のひとつ

    伝統芸能演習

が今年も昨日スタートしました。
昨日は文楽の休演日で、せっかくのお休みなのに吉田K弥さんと吉田M次さんが来てくださいました。
おふたりとも奥さん孝行させないみたいで申し訳ありません。
昨日はレギュラーの授業に加えて
来月実施する人形劇の稽古までお願いし、時間外労働させてしまいました。

    訴えられたらどうしよう!?

いえいえ、それどころではありません。
根っからの芝居好きですね、おふたりとも。全然いやな顔もされずに熱心に指導してくださいました。

学生も両先生が来てくれるとなると、時間が空いていれば教えて欲しいと駆けつけます。
私の指導ではこうはいきません。

学生だけではありません。事務関係の部屋へいくとそこの女性たちもなんだかうっとりした顔で注目していました。

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落語と文楽 

大阪は水の都。
埋立て、埋立てで今や面影が薄れていますが、桜ノ宮近辺はやはり水が豊かです。
そして、サクラ、サクラ。もちろんソメイヨシノは終わっていますが、今は

    造幣局の通り抜け

何も大阪だけではありません。広島の造幣局でも「花のまわりみち」があります。
しかし、文楽のついでに行ける桜の楽しみとして、この1週間は嬉しいですね。
ただし、人だらけですのでご注意を。
春は心が浮き立ち、旅に出たくもなります。
上方落語の

    東の旅

も春の旅立ち。
喜六、清八がお伊勢参りをしようやないかと奈良で一泊して翌朝は早立ちでございます。向こうからの一行は西国辺の道者か、伊勢参宮の下向と見えまして、およそ人数は百人余り、銘々が揃えの笠をかぶって伊勢音頭を歌いながらやってまいります。その道中の陽気なこと。

    伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ ヨイヨイ

エライにぎやかな連中やったな。わしらもなんぞせなあかんな。というわけで彼らが始めるのはしりとり。

    そもそも妹背の始まりは

から始まり、「は(わ)」をとって「童、小賢し牛売らぬ」「うらぬ暮雪(比良の暮雪)の雪よりも」「より(夜)もちくちく愛らしや」「らしや(かしら)が回らにゃ尾が回らん」「回らぬ藤太(田原=俵=の藤太)秀郷は」「里は(卒塔婆)小町のももとせも」「もとせ(元銭あるいは元手)も薄い小商い」「商い(味ない)ものの煮え太り」「ふとり(ひとり)娘のお染とて」「そめ(住め)とてここに須磨の浦」・・・・・・

かなり苦しいのですが、この言葉遊びは実はとてもうまくできていると思います(別項を立てて書きたいと思っています)。
この次に

    のうらのおおすけ百六つ

というのが出てきます。初めて聞いたとき、これがわからなかったのです。

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道楽と仕事 

文楽4月公演の前半は今日までです。

    明日は休演日

ですので、お間違えなく。
以前は、前半と後半の間に休演日をもうけることはありませんでした。しかし長丁場ですから、技芸員の皆さんもいい休息になるのではないでしょうか。

ここまでの公演を御覧になった皆様はいかがでしたでしょうか。
ダブルキャストも交代です。

私、本日は第一部のみ参ります。
実は、火曜日は

    夕方4:20から

授業があるのです。
そこで、この2週間は、文楽の第一部に行って、大急ぎで出勤という離れ業をやってのけようかと思っています。

15:21 終演
15:27 日本橋駅発
16:02 北千里駅着
徒歩
16:15 研究室到着

1本遅れた場合は数分遅刻ですが、まあ、許容範囲かと。

最寄駅(北千里)からはバスもあるのですが、本数が少なく、わずか2停留所なので歩いた方が早いことのほうが多いのです。
タクシーならさすがに早く着きますがそこまでの情熱はありません。
ただし、歩いていくと、帰宅する学生と次々にすれ違い、奇妙な目で見られることは必定ですが。

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風呂敷狙う? 

私は私立学校に勤めていますが、そのおかげで文楽のチケットはかなり割安に買えるのです。
ところがこの4月からチケットを買う方法が変わったのを知りませんでした。
そして、引越しにまぎれて割引券に当たるものををうっかり捨ててしまった可能性があるのです!
今年は割引なし??
こうなったら仕方がありません。この1年間は長らく使っていなかった

    文楽劇場友の会

の2割引を使うことにします。
で、ふと思い出したのです。なんだか

    スタンプラリー

とかいうのがあったぞ、と。
あわてて友の会の会報をひっくり返してみると、ありました。
     ↓
友の会(表)

       (↑表紙)

友の会

 (↑スタンプを押すのはこちら)

友の会でチケットを買った上で会期中にスタンプをこれに押してそれを1年間ためると記念品がもらえるとか。
スタンプを押すだけではダメなんですね。あとできちんと友の会を使ったかどうかチェックした上で景品を発送するのだそうです。

割引が2割になってしまうので、せめて、これでも狙ってみるか!

で、何をくれるの?

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河鍋暁斎 

この春の京都はまず

    河鍋暁斎

でしょうか。
遠方からおいでになる方は、文楽のついでに

    京都国立博物館

の特別展覧会「絵画の冒険者 暁斎 Kyosai -近代へ架ける橋ー」(長いタイトル!)に立ち寄らてはいかがでしょうか。

    4月8日~5月11日

です。
伝統的な手法を用いながらあっと驚くような作品を描き続けて、むしろ海外で評価されてきたようですが、今回京博でまとまった展示が独自に開催されるわけです(巡回なし)。
肉筆絵画130点あまりを堪能できるまたとない機会ですね。
このところ京博は若冲といい、蕭白といい、なかなか個性的な画家の展覧会を催しています。学芸員さん、のってますね。

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酒 

文楽でも当然酒を飲むシーンは数々出てきます。

    大星由良之助

は一力茶屋でベロベロになるまで飲んでいます(でも、実はしらふ同然。強かったんでしょうね)。
菅原伝授・佐太村では

    茶筅酒

ですからこれは酒といえるのかどうか。

太功記ですと

    祝言と出陣を一緒の盃

ではありますが、

    こんな殿御を持ちながら、これが別れの盃か

とは哀れですね。

女殺油地獄では、吉左衛門が家を出るときに不吉なことが。

    注ぐも受くるも立酒

という縁起でもないことを姉娘と吉左衛門が演じてしまい、それをみつけたお吉は

    立酒飲んで誰を野送り

と自らの死を予言してしまうわけです。

酒の好きな女性というと、堀川波の鼓の

    お 種

でしょうか。
夫・小倉彦九郎がいない寂しさを酒で紛らす日々が積み重なり、それに加えて磯邊床右衛門の横恋慕から逃れんとして思わず口からでまかせをいい、さらにそれを聞かれたと鼓の師・宮地源右衛門に酒を飲ませ、みずからも杯を重ねる。そのうちについ・・・。
    
  「エヽあんまり恋知らず、さても辛気な男や」と

  両手を廻して男の帯、ほどけば解くる人心

  酒と色とに気も乱れ、互ひに締めつ締められつ

  思はず誠の恋となり

あるんでしょうねぇ、こういうこと。経験ありませんが。
「思わず誠の恋となり」なんて、簡単な言葉ですがなかなか書けそうにありません。

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茶 

上演中の

    競伊勢物語

の名場面といえば「はったい茶」です。

他に文楽でお茶というと

    生写朝顔話・笑ひ薬

があります。「ことのほか茶好きにて、道中にても茶箱を持参」するほどの祐仙だけに、袱紗捌きなどなかなかお見事なものです。

出茶屋(茶店)もしばしば登場します。
『千本桜』では小仙が出茶屋を経営していて、目の前には椎木。
『壺阪』では出茶屋で村人たちが話をしているところにお里が通りがかります。
『朝顔』ではすべてのきっかけが宇治川蛍狩の出茶屋。
『曽根崎』では生玉の出茶屋でお初が休んでいるところから始まります。
『女殺』では徳庵堤の出茶屋でお吉が与兵衛の世話を焼くあたりからおかしくなります。

もちろんそれだけではありません。
むしろあらゆる演目で出てきそうなくらいわれわれの生活とお茶は密接な結びつきがありますよね。

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新しい部屋 

このごろ、

    記事が長くなりがち

です(反省)。
ついつい何でも書きたくなる悪い癖であります。

さて、まだ片付かない研究室です。
仕事もしなければならないので、片付けはなかなか進みません。
そんな部屋を思い切ってご披露します。

DSC01637.jpg

↑文楽人形が助さん格さんとなって私を守ってくれます。向こう側が私のデスクです。
デスクは同じものが2つありますので(かつて2人部屋だった名残)、ひとつはパソコンのディスプレイとプリンタを置いています。もっぱらこちらを向いて仕事をしています。
人形の間に見えているデスクは本を開いたり手書きする場合に使ったり。

DSC01641.jpg

↑逆に、私のデスクからドアに向けてのアングルです。
お客さんが入ってくると、私より先に人形に目が行くようになっています。
両側に書架があります。
ちなみに、この部屋は日はあたりません。
人形はもちろんのこと、本に日が当たると無残なことになってしまいます。

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授業開始 付230,000 

職場では今日から授業が始まります。
実際は昨日からだったのですが、私は火曜日は今月は事実上行かなくてもいいのです。
5月になると公開講座が始まりますので火曜日も出勤が必要になりますが。

今日は

    日本文化と歴史

の授業。一時間目なので学生は少ないだろうと思っていたのですが、昨日教務部からもらった連絡では138人が登録しているのだそうです。

小さな大学なので、これだけの人数が入る教室はあまりありません。かろうじて階段教室に変更して第一回は実施することにしていますが、学生のざわざわした声が聞こえないだけにコントロールする自信がありません・・。
(実はもうひとつ、25人くらいの予定で設定していた「日本語表現」という授業にも130人ほどが登録しているのだそうです。 Oh,my God!!)

さて、「日本文化と歴史」の授業は、去年までは

    恋愛と結婚の文化史

という感じでお話ししていたのですが。今年は

    愛と死の文化史

という話にしようと思っています。今年から入ってくる看護学部の学生は愛と死を目の当たりにする仕事に就こうとしているわけで、それを出来事としてみるだけでなく、そのことをめぐる人間の心を文学の中からいくらか読んでもらおうと考えています。
もちろんそれ以外の学部の学生にとっても必要なことだと考えます。
アダムとエヴァが食べた善悪の知識の木の実、ノアの箱舟、パンドラの箱、キリストの死と復活、イザナギがのぞいた黄泉国のイザナミとそれゆえの二人の断絶……こんな古い話から始まって、

    源氏物語に描かれた愛と死

    平家物語の愛と死

    曽根崎心中の愛と死

などいくらでも素材があります。
哲学的な話は大阪市内の学校でまゆみこさんの講座に出ればいいわけですが(笑)、私の場合は主に文学を素材としてさまざまな愛と死の形を話してみようと思っています。

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春日村(2) 

昭和62年の「はったい茶」は嶋大夫・富助で人形は玉男(有常)・文雀(小よし)でした。
今回は千歳・富助に玉女・文雀ですね。思えば

    文雀さんも長い

です。
豆四郎・信夫は前回が玉松・一暢で今回は簑二郎・玉英。
玉英さんは前回「井筒姫」で最後にちょこっと出ていました。

さて、有常が奥へ入ったあと、信夫が帰ってきます。
最初豆四郎は浮気でもしてきたのではないかと疑っていました(こういうところが庶民的で面白いですね)が、彼女が取り出した

    神 鏡

を見てびっくり。ほんものじゃありませんか!!!

ところが、例の鐃八が来たことを思い合わせ、豆四郎は信夫に母と縁を切るように言います。
いわゆる愛想尽かしをしろというわけです。さもないと罪が母に及ぶというのです。
そこで彼女は心にもないことを言ったりしたりするのですが、母はまったく勘当してくれません。
そこに登場するのが紀有常。彼は、

  そろそろ娘を返してくれ

と言い出します。

  は? む、娘って??


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春日村(1) 

昭和62年7月の文楽公演は

  二世 桐竹勘十郎 一周忌追善公演

でした。
当時34歳の吉田簑太郎(現勘十郎)さんが

  「夏祭」 の 団七 (義平次は簑助師匠)
  「道行初音旅」 の 狐忠信 (静御前は簑助師匠)

という、先代得意の役を勤めたのでした。

この時の狐忠信は花道を使ったものでした。
狐が木陰に入ったあと、忠信になって出ますよね。普通は人形遣いが衣装を替えてその場で忠信の人形に持ち替えますが、あの時はそこから奈落に下りて(滑り台でさ~っと移動するのだそうです)、

    すっぽんから出る

演出でした。派手ですねぇ。またやってほしいです。
団七も大きくてすばらしかったです。
後日簑太郎さんに「ぼく、立役と女形とどっちがええと思わはります?」と聞かれた時に私が思わず言ったのは「女形と思ってましたけど、団七を見せられましたから・・」でした。

そして、この公演では、なんと

    競伊勢物語 と 勧進帳

が上演されているのです。弁慶は今の勘十郎さんより若い文吾さんでした。
「伊勢」の「春日村」の切を語ったのは62歳の住大夫さんで三味線はなんと清治さん。
え? 清治さんといえば越路師匠でしょ? と疑問を持ちますが、越路師匠は、夏の公演にはもう出ていらっしゃらなかったので、こういう組み合わせが実現したわけです。
中が英・錦弥(現錦糸)、次が嶋・富助。
それにしても21年前と今回の切場を同じ人が語るというのはすごいものです。

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玉水淵 

上演中の

    競伊勢物語

はめったに出ない演目なので、少々覚書をしておきます。

上演される三段目は「玉水淵(たまみずのふち)」と「春日村」。
「春日村」は約115分。「妹山背山」に匹敵する大曲だけに、中・次・切とつないで行きます。
それに対して「玉水淵」は30分あまり。

文字摺売りの女達がかしましく歩いているところに、その一人信夫の夫豆四郎が追いつきます。
信夫の名は

  みちのくのしのぶ文字摺 誰ゆゑに乱れそめにし 我ならなくに
                                (古今集 恋四 源融)

にあるとおり、陸奥国信夫郡由来の名前でしょう。
豆四郎は伊勢物語の「まめ」な男から取った名前でしょうか。

現在京都府の井手町あたりにかつて六玉川の一とされた「井手の玉川」があります。
そしてJR奈良線には「玉水」の駅名があり、すぐそばを南北に奈良街道(国道24号線)が走っています。このあたりが舞台ということになるのでしょう。

イメージ 1

(拡大してください)

地図の中央を南北に流れるのが木津川。その右側が奈良街道。さらにその右側やや上にJR「玉水駅」。駅のすぐ南を東西に流れている小さな川が「玉川」です。井手町役場あたりが奈良街道と玉川の交差点になります。
このあとの春日村は奈良ですから、彼らは街道を南下するわけです。

参考  山城の井手の玉水手に掬(むす)び
            頼みしかひもなき世なりけり

     山城の国の井手の玉水を手にすくって飲むように(手飲み=たのみ)
            あてにしたこともかいのない私たちの仲ですね
                          (伊勢物語122段) 


(以下、あらすじを書きますので読みたくない方はここまで、ということで)

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初日です! 

おまちかね、本日

    2008年4月公演

が開演します。27日(日)までで、16日(水)は休演。
第一部が
『競伊勢物語』
    玉水渕の段 春日村の段
『勧進帳』

第2部が
『日吉丸稚桜』
    駒木山城中の段
『桂川連理柵』
    石部宿屋の段 六角堂の段 帯屋の段 道行朧の桂川

です。
地元の皆さん、久しぶりの演目(ということは今後まためったに出ない可能性がある)は見逃せませんし、名作もまた楽しみですね。
地元以外の皆さん、ぜひ一泊でもなさって大阪の春を堪能なさってください。

    造幣局の通り抜け

は4月16日(水曜日)から4月22日(火曜日)までです。

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入学式 

昨日は勤務先の

    入学式

でした。
平成元年(または2年)生まれのお嬢さんたちが勢ぞろいしていました。
そのうちに「阪神大震災の時に生まれた」「平成二桁の生まれの」などといって紹介していき、気がついたら私が退職していたということになるのでしょうね(笑)。

    ぴかぴかの

ということばが一時大流行しましたが、確かにそんな感じです。
どうかあなたの夢を実現できるように実り多い4年間を送ってください。


ところで、こういうセレモニーは私の場合大変苦手なものです。

理事長のあいさつだの来賓のあいさつだの入学者の代表の宣誓だの、とにかく話がわからない限り何の面白みもないものですね。

大学には聴覚障害者の入学が今後も考えられます。そんな場合は手話ができるかどうかを確認した上で

    手話通訳

を入れるくらいの配慮があってもいいでしょうね。
手話ができなければ

    字幕

だって出せるはずです。式辞なんてあらかじめ誰かが(笑)作るわけですから、

    プリント

して渡すこともできますしね。
ちなみに、私はこういうセレモニーでの挨拶文というのをよく作らされました。ただ、私が作ると古典の引用とか引き歌とかそういうのを散りばめますので、なんのこっちゃわからんという説もあります。

ただし、学長のあいさつはなんとしても自分で考えなければなりません。教学の長が、この大学で何を学ばせようとしているのかを学生本人と親たちに語る唯一の場ですから。

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窓を開ければ 

引越し完了しました。もとの部屋はこうなりました。

以前の部屋


部屋が変わると窓から見える風景が変わるのが一興です。
これまでの部屋は図書館が見えるだけだったのです。
今は、

箕面の山


こんな風景です。はるかに見渡せるのは箕面の山。ちょうど瀧のあるほうだと思います。
いかにも窓際に追いやられた(笑)って感じです。
北向きなのに、前の部屋(南向き)よりi明るい感じもします。やはり窓が大きいからかな。

部屋の名札には自分の名前とともに

  文楽人形劇団 PUPPET PARTY

を掲げておきました(↓写真がボケてます)。大学非公認団体です(笑)。

name plate


1日に辞令をもらったのですが、そこには

  現代社会学部の教員になりなはれ

と書いてありました。
これまでの所属の「人間社会学部」が「現代社会学部」に名称変更しつつ2つの学科が統合するわけです。規模縮小ですね。

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やっと引越し 

ずっと延期になっていた

    研究室の引越し

が昨日やっとできました。
なぜ遅れるのか、いつごろになるのかなどの情報が入ってこないため、ほんとうに鶴のように首を伸ばして待ち侘びました。
3月5日のつもりが引越し先が変わって「20日までには」と連絡があり、さらに17日あたりに「少し遅れて来週になる」といわれ、結局さらにさらに遅れて新年度に入ってしまいました。

この引越では、大変つらかったのですが、大量の廃棄物を出しました。
せめて有効にリサイクルされますように。

現在の勤務先でもどういうわけか時々研究室の移動があり、私は3階→2階→違う建物の8階→元の建物の2階(現在)、そして今回また違う建物の8階に移ります。
以前に書いたことがあるかもしれませんが、当初は2人1部屋で、私はこの2階の部屋で

    同年代の女性と相部屋

だったのです。

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うそ 

今日は

    April Fool

「四月馬鹿」と訳されていたこともありますが、最近はあまりそうは言わないのでしょうか。
うそをついてもいい、といわれても、なかなかつけないものです。
もし本気にされたら、もし怒られたら、と考えてしまうのは日本人の生真面目さでしょうか。
私自身この日にうそをついて遊んだとか、人にうそをつかれたとか、あまりそういう経験がないのです。
みなさんはなさるのでしょうか?
私の場合は結局

    気の利いたうそ

が思いつかない、という事情があるでしょうね。
あまりブラックなものはまずいし、つまらないうそは笑いに結びつかないし。
なんて考えているうちに4月1日は終わってしまう、というのが毎年のことです。

政治家の三木武吉は、政治で大事なのは

    誠心誠意、嘘をつくことだ

といったそうですが、わからないでもない箴言です。

文楽の芝居も、思えば思えば

    うそだらけ

ですね


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