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逃げた2月 

2月はいつもあっという間に終わってしまいます。
物理的に言っても、他の月より2~3日少ないのですから。
ローマ皇帝のアウグストスが8月に1日足したことで、当時のローマ暦の最終月であった2月から1日差っぴいたというのを聞きましたが、昔の人がそういうことをすると、後世の人が迷惑です(笑)。
太陰暦では2月も29日か30日ですから他の月と何ら変わらないのですけれどもね。

    ニッパチ

と言いますが、2月と8月は景気が悪いというか店の売り上げなどが落ち込む月だとされます。
デパートや飲食店などでよく聞きますよね。
暑過ぎ、寒過ぎ、というのがやはり要因でしょうか。最近なら花粉症も加わりますか?
大学に勤めていると、2月と8月は

    学生の顔を見ない月

ということになります。もっとも最近は授業をたくさんしなければならないので2月、8月とも月初めは学生もやってきますけれども。
それでも他の月に比べると学内は閑散としていて、不景気感は否めません。
皆様の業種ではいかがなのでしょうか?

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持ち方 

鬼千匹と言われそうな小舅ぶりですが、先日えらそうに書いてしまった「書き順」に続いて

    ペンの持ち方

にもひとこと。
ある友人が「書き順もひどいけど、ペンの持ち方もすごい人が増えている」と話してくれました。
そうなんです。私もそう感じることがあります。
ペン(鉛筆その他)を親指と人差し指の間の股のところに乗せたあと、人差し指と中指の股の部分に通して(要するに人差し指で上から押さえつけるようにして)書く人が増えています。
私の行く耳鼻科の事務の方もそうされます(若い人です)が、字はなかなかきれいなのです。
それならどんな持ち方でもいいのかなと思わないでもありませんが、やはり

  無理な力が入っている

ようで、長く書くのには適さないかもしれないと思えます。
また、この持ち方だと、手首を動かすようにして書きますので、つい「大変ですね」と声をかけたくなってきます(これは余計なお世話でしょうけど)。
小学校では今でも正しい持ち方をするための器具もあるのではないでしょうか?
もしベー娘先生がこの記事をご覧になったら教えてください。

私は左利きを無理に右手で書くように直されたのですが、その時「こうやって持ちなさい」と叩き込まれました。どうでもいいじゃん、と思いながらも、当時の小学校の先生は怖かったですから、泣きながらでも覚えました。

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切 

優曇華の花 咲大夫 切の春

豊竹咲大夫さんが切場語りに昇格されるというニュースはやはりうれしいものでした。
今後は咲大夫師匠と表記しようと思います。
昭和19年生まれでいらっしゃいますので今年で65歳になられます。私としては切場語りへの昇格は遅いくらい、と思っています。
19年生まれというと片岡仁左衛門丈と同い年。そしてお二人は長いお付き合いのお友達でいらっしゃるようです。
先代綱大夫の一粒種として子供の頃から太夫になることを志されて、山城少掾には孫のように愛され、その弟子となられて力をつけられました。
もともと

    竹本綱子大夫

を名乗っていらっしゃいましたが、山城少掾が「八重大夫か咲大夫」とおっしゃり、結局咲大夫を襲名されることになりました。竹本姓で九代目まで続いていたこの名前でしたが、画数の問題などもあって豊竹姓とすることになり、

    初代 豊竹咲大夫

となられました。

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咲くやこの花賞 

アカデミー賞はともかく、我らが文楽も賞が授与されることがあります。
勲章や褒章もありますが、これらはどうあがいても若手には無縁のものでしょう。
芸術祭賞、国立劇場文楽賞、文楽協会賞、大阪府民文化賞、咲くやこの花賞・・・。
この中で若手を中心に授与されるのが文楽協会賞と咲くやこの花賞でしょうか。
協会賞は文字通り文楽だけのものですが、

    咲くやこの花賞

は大阪文化に深く関わりを持つ若手(受賞対象者は40歳以下という決まりがある)に贈られるもので、今年の受賞者には芥川賞作家の津村記久子さんもいらっしゃいます。
「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」の古歌から取られた名のこの賞は大阪市から贈られるもので、お役所にしてはなかなかしゃれた名の賞といえるでしょう。

文楽では、これまでに咲大夫、簔太郎(勘十郎)、錦弥(錦糸)、呂勢大夫、玉佳、清二郎、幸助の各技芸員さんと床山の高橋晃子さんが受賞、今年は女義三味線の

    豊澤雛文 さん

が受賞されました。

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アカデミー賞 

 ※BB会情報、更新しました(→こちら

第81回アカデミー賞が発表されました。

日本映画の質の高さを象徴するかのような

    おくりびと

の「外国語映画賞」受賞でした(「つみきのいえ」も、もちろんです)。
私は日本映画を楽しめないことが残念です。ご覧になった方は多いでしょうね。うらやましいです。

個人的には、中村又五郎さんの影響ではないのですが、男女の助演賞が気になっていました。
助演女優賞の

    ペネロペ・クルス

はこのブログで何度か話題にした人ですので何だか嬉しいです。「それでも恋するバルセロナ」の公開が楽しみです。授賞式の彼女を見てまたまた目を瞠ってしまいました。夢に見そうです。
助演男優賞は

    ヒース・レジャー

昨年初めに亡くなり、遺作での受賞。嬉しくも哀しい話です。将来を嘱望されていただけに、今さらながら28歳という早世が惜しまれます。お姉さんが「弟はここに立ちたいと言っていました。この場にいてくれたらと思います。誇りを持って、この賞を受け取ります」とコメントされたのにも感銘を受けました。

実はこれでもう私は満足していたのです。そのあとに「おくりびと」の吉報があったわけです。直前情報では最有力と言われていましたので驚きは少なかったのですが、じんわりと嬉しさがこみ上げました。

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千秋楽を迎えました 

2月東京公演は昨日が

    千秋楽

でした。

久しぶりの演目あり、おなじみの演目ありでまずまずにぎわったほうでしょうか。
住大夫師匠、ほんとうにどこまでお元気なのでしょうか。
寛治師匠もますます人気が高いですね。
簔助師匠は久しぶりの助太郎でせつない人間模様を描かれました。
文雀師匠、和生さんは師弟でのおさゐ・権三。
勘十郎さん、何度も油で滑って大変でした。
清十郎さんは弓がかなり上達されたことと思います(ろあさんが注目されていました)。

とにかく技芸員の皆様、寒い中ご苦労様でした。

関東の方を中心に、このブログにいらしてくださる皆様も楽しまれたことと存じます。
しかしまた、なにか

    課 題

も感じられたかもしれません。
何か思い当たることがおありでしたらご意見をください。

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脇役 

歌舞伎の

    中村又五郎 さん

が94歳で亡くなったそうです。
大正三年生まれというと、文楽では先代燕三師匠と同年ですね。

  名脇役であり、指導者であり

私などこういう人生が好きなので、憧れてしまいます。
主役だけでは成り立たないのが芝居の世界。
日本アカデミー賞で山崎努さんが助演男優賞を受賞されましたが、主役の力がありながら脇役として存在感のある演技をされるのもまたすばらしいものです。同様に、先日見た「エレジー」の主演女優ペネロペ・クルスはまもなく発表されるアカデミー賞では助演女優賞にノミネートされています。
いえ、芝居の世界だけでなく、どんな世界でも脇役の存在は重要です。

私は、勤務先では脇役としてもその存在意義は日に日に薄れていきます。それでも、現役でいる間は、目立たないように、しかし「あいつがいないと困る」といわれるように徹底的に主役を陰から支える仕事をしたいと思います。

「勘九郎ちゃん、いいなぁ!」と思って舞台を見るその目で、その横にいる老人を見て、「あ、又五郎さんだ」と強く記憶する人は少なくないだろうと思います。
本当にあこがれます。

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書き順 

どういうタイトルなのかはわからないのですが、日曜の昼間にテレビで

  漢字の書き取りをする

という不思議な番組を見ました。
誰が誰やらさっぱり知らない(笑)タレントさんがグループになって、次々に出題される漢字を書いていくのです。ゲームセンターさながらの映像を前にして乗り物に乗って、失敗すると激しく揺れたりするのです(おわかりになりますか?)。

  概ね中学生レベル

だったと思うのですが、突然言われるとなかなか思うようにいかないものなのでしょうか、かなり苦戦していました。
面白いのは、2~3問連続で正解すると、得意満面の笑みになること。レベルがどうのこうのではなく、それなりの達成感があの笑みを生むのかなと思いました。

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面談 

今日は全くプライベートな記事です。

以前、私の勤務先では年に2回くらい学生との

    個人面談

をおこなっていました。
あまり実効がなかったのか、ほかの理由なのか、実は知らないのですが、ここ2年ほどは実施していません(いや、私が知らないだけで、実施しているのかも…笑)。
いずれにせよ、面談といえばこちらが聞き手になるのがあたりまえで、面談を受ける、というと、心療内科に行く時か、セクハラの罪を問い質される時くらいだろうと思っていました(セクハラ、してませんよ!)。

なかなか大きくなってくれない末娘が、やっと今春

    中学生

になるのです。
まだ中学生なの・・・? 10年くらい一度に歳をとってほしいです…。

で、ついこの間、入学予定の中学校でこの時期に面談があるというのです。たしか、入試のときに面談があるといってきちんとした服装をしていったように思うのです。それだけに「またやるの?」っていう感じでした。

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講演を一席 

相変わらずあちこちに出向いてはお話をしております。
ドサまわりというのでしょうか、旅興行というのでしょうか。
昨日は

    曽根崎心中

のお話をしてまいりました。
ご年配の方が対象だったのですが、こういう世代の方々はいつもながら熱心に聴いてくださいます。
文楽人形も持っていけばよかったのですが、何しろ遣い手がいませんのでどうにもなりませんでした。
学生はこの時期どこかへ行ってますし、かといって韓国の留学生にワザの数々を披露してくれた

    有能な副手さん

に、個人的な仕事に来ていただくわけにも参りません。
というわけで、90分間ずっと私がお話をしただけで、みなさん退屈だったのではないかと案じております。

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人気高ければこそ 

もう行く予定はありませんが、この2月公演のチケットの状況を見ようと思って、インターネット予約のページに行ってみました。
さすがですね、

    女殺油地獄

は、もう売り切れになっています。
大阪では通常夜の部は売れ行きが悪いのですが、6時半開演というのも仕事帰りの方には都合がいいのでしょうか、それともやはり作品、演者の魅力なのでしょうか。

『女殺』は、大阪・東京の本公演では平成に入ってからでは、元年(大阪)4年(大阪)9年(東京)15年(大阪)17年(東京)で、今回が6回目なのですね。地方公演があったりしますのでもっと多く感じますが。
『鑓の権三』は平成2年(大阪)3年(東京)7年(大阪)11年(東京)15年(大阪)20年(大阪)で、こちらは7回目です。
『権三』と同じ姦通ものの『堀川波の鼓』が平成以降東京ばかり3回、大阪ではなんと24年間上演がなく、『大経師昔暦』は平成以降大阪で2回と東京で1回。
いずれも文化デジタルライブラリーで調べたのですが、やはりかなり上演頻度が違いますね。
それでもなお人気があるのだから上演して当然、という感じなのでしょうか。一応その理屈はわかります。しかも今回は勘十郎さんが与兵衛を使うので新しさもありますし。

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久しぶりの「敵討・・」 

文楽2月公演の中では珍しい上演の部類に入る

    敵討襤褸錦

が注目されました。
簔助の春藤助太郎、玉女の次郎右衛門、勘十郎の高市武右衛門、清十郎の新七などでした。
簑助師匠は今回この一役だったのですね。
与兵衛も権三も遣われずに、かつての持ち役助太郎だけ。敵討という切実な話の中で社会的な弱者として、犠牲になることで結果的に尽すことになった男。間の抜けたことを言えばいうほど切ない人物ともいえるでしょうか。
ただ、上の巻の「先斗町貸座敷」が出ないので、助太郎の失態がはっきりしない面があるかもしれません。

次郎右衛門の人形は難しいでしょうね。特に「大安寺堤」では、痛風のため足が思うように立たない。肚の必要な役どころです。
清十郎さんは相変わらず涼しい二枚目です。
冒頭の弓の扱いはお客さんはかなり注目しますからもう少しなにか演技があってもいいかなと思ったのですが、浄瑠璃は上手の須藤家を描写しているので難しいところでしょうか。

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終焉の地あちらこちら 

12日は朝早くホテルを出て南千住に行きました。
かつては小塚原の処刑場のあったところで、地下鉄(南千住は地上を走っています)から見下ろした

    延命寺の首切り地蔵

が、この場所の歴史を語っているようでした。
回向院(両国回向院の別院)には両国と同じく「鼠小僧」の墓もあり、侠客の「腕の喜三郎」や明治の毒婦といわれた「高橋お伝」らの墓も並んでいます。「吉田松陰」「橋本左内」の墓もあります。
さて、その名も哀しい泪橋の交差点を左折してNTTを目印に、そのもう少し東側にある台東区橋場2-22の

    平賀源内の墓

を訪ねました。

源内墓外塀
↑平賀源内墓所の外塀

ところが、こういうところなのです。さて、中に入っていいものかどうか、ちょっと悩みそうでしょう?
で、あたりを気にしながら(笑)、重い扉をギギギッと開けると中には源内の墓があり、「智見霊雄居士」の戒名が彫られていました。彼は誤って人を殺したために獄死したといわれます。

源内墓
↑平賀源内の墓

とりあえず大きな目的を果たしましたのであとは気楽に歩きました。
すぐ近くにあるのが謡曲「隅田川」ゆかりの妙亀塚です。妙亀尼は梅若丸の母ですね。ここは彼女の墓だと伝えられるわけです。梅若に関しては隅田川左岸の木母寺に梅若塚などもありますが、今回はパスしました。

妙亀塚
↑妙亀塚(台東区橋場1-28)

そして南へ南へ。今戸1丁目にあるのが今戸神社。ここは今戸焼の発祥の地ということになっています。また、あの沖田総司の終焉の地ともされています。もっとも、総司は千駄ヶ谷で亡くなったといわれますが。

沖田総司終焉の地
↑今戸神社・沖田総司終焉の地の碑

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矢口渡・正覚寺 

今回東京に行ったテーマは、もちろん

    文楽2月公演

の取材でした。
そしてサブテーマは相も変わらず文楽散歩でした。
そんなの仕事じゃない、といわれそうですが、自分ではけっこう真剣です。
先日の記事といささか重複しますが、写真を入れて記録しておきます。

新幹線を品川で降りて蒲田へ。そして東急で矢口渡まで行って多摩川の方に歩きました。
春の初めの雰囲気で、家族連れで散策する人も少なくありませんでした。
ここが

    神霊矢口渡

のゆかりの地。国道1号線の多摩川大橋を少し上流へ行くと大田区教育委員会が設置している矢口渡跡(大田区矢口3丁目)の説明版があります。

矢口渡跡
↑矢口渡跡から多摩川大橋を望む

ここからは歩きました。東八幡神社、円応寺、延命寺、今泉神社、氷川神社、そして新田神社(大田区矢口1-21-23)。
矢口渡で謀殺された新田義興(1331~58。義貞の次男)は、菅原道真ばりに怨霊となったといわれ、その魂を鎮めるために新田神社に祀ったそうです。ここには立派なご神木の欅があります。

新田神社
↑新田神社。右側が欅

そして頓兵衛地蔵(大田区下丸子1-1)にも行きました。
本来は頓兵衛とは関係ないものですが、いつしか彼が新田義興謀殺に加担したことを後悔して建てたものだということになったようです。

頓兵衛地蔵
↑頓兵衛地蔵。この中にお地蔵様がおわします。

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バレンタインデー 

今日はバレンタインデーですね。
文楽の技芸員の皆さんは人気がありますので、たくさんプレゼントを受け取られるのではないでしょうか。
14日には行けないから、というので、すでに渡された方もいらっしゃるようです。
先日ある方からうかがったのですが、

    楽屋入り

を狙って渡されたとか。
ただ、そのターゲットは若い人形遣いさんだったので時間通りに来られたようです。でも、太夫さんとか三味線弾きさんとか、あるいはベテランの人形遣いさんになると、なかなか捕まえにくいですよね(笑)。
今日は「出待ち」も多いのかなぁ。楽屋見舞いをする人も普段より多いのかも。
楽屋口に女性の人だかりが出来ていて、技芸員さんが次々に出てくる場面を仮定します。「●●大夫さん!」「○十郎さん!」などという声とともに次々に手渡されて、ニヤニヤした師匠方がいらっしゃる中、ひとつももらえずにその人だかりの中を過ぎ去って行く人がいるとすると・・・それは気の毒(私みたい)。
どうぞみなさん、多めに持っていって、そういう人にも

    愛の手を!

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拍手 

拍手をしていただくのは気持のいいものです。
私などおよそそんな価値などないはずの講演をさせていただいたときに、終わった瞬間笑顔で拍手していただくことがあり、それはもう

    天にも昇る思い

がします。
学生が文楽人形を持って出かけることがありますが、彼女たちも不安で不安でしかたがないのです。ところが終わって拍手していただくとかなり大きな喜びを感じるようです。

文楽で拍手というと、太夫・三味線さんが登場したとき、太夫・三味線さんが紹介されたとき、人気のある人形遣いさんが登場したとき、語りが山場に差し掛かったとき、後ろ振りなどの派手な動きが決まったとき、幕切れ、などでしょう。あわせて声が掛かることもあります。

先月末、花かばさんがご自身のブログで触れていらしたのですが、

    人形遣いさんの登場

のときの拍手についてはいろいろと意見があるようです。
今、文句なしに拍手が来るのは簔助、文雀、勘十郎、玉女の四人でしょうか。
ところが、場合によっては太夫さんの語りを邪魔しかねず、せっかくすばらしい語りをされているときにかき消されてしまって残念、ということもなきにしもあらずです。
この四人は特別としても、端役の場合などはいくらひいきの人形遣いさんでもぜひタイミングを考えて、やめたほうがいいと思ったら我慢していただければと思ったりするのです。
一人だけが拍手する、というのはかえって目立ちますし、人形遣いさんも必ずしも嬉しくないかもしれません。
襲名のときの清十郎さんへの拍手はむしろ気持のいいものでしたけどね。

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今日帰ります 

昨日は予定通りのコースをたどりました。
矢口渡の説明板が読みにくくなっていました。大田区教育委員会のみなさん、なんとかしてください。新田神社はもう忘れていました。なかなか立派な欅のご神木(雷でかなり傷んでいますが)が印象的です。頓兵衛地蔵ははっきり覚えていました。中目黒の正覚寺は完璧に記憶していました。三沢初子の墓も覚えていて、じっと佇んでいたら、お寺の人が迷惑そうな顔をして閉門を伝えに来られました。失礼しました……。
今日は国立劇場で頑張っています。
第二部の

    敵討襤褸錦

が終わり次第帰ります。
この「敵討襤褸錦」の文字を出そうとすると「かたきうちぼろにしき」で出てきますね。
「ぼろは着てても心の錦」ですね。
春藤次郎右衛門は前回は文雀師匠で、今回は玉女さんですが、先日書きましたように、私はかすかに

    先代 桐竹勘十郎

を覚えているのです。とてもおぼろげな記憶ではあるのですが。

すぐに帰るのはもったいなくもあります。もっと技芸員さんとお話したりしたいのですが、それができないことを本当に残念に思っています。

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今日から東京 

今日、東京に参ります。
いろいろ考えた挙句、早めに家を出て、

    矢口渡

方面に行くことにしました。
矢口渡にはかつて兄が住んでいたこともあったのですが、ずいぶん前に行ったきりです。
目的は矢口渡跡と頓兵衛地蔵です(新田神社にも行きます)。もちろん

    神霊矢口渡

のゆかりの地の探訪ということです。
そのあと、東急で中目黒まで行って、これまた何年ぶりかで

    正覚寺 (中目黒3-1-6)

を訪ねるつもりです。

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ゆったり 付340,000 

本日、4年生の卒業研究のうち、最後の2人の口頭試問がおこなわれます(ほかは先週終了)。
これで平成20年度の仕事がほぼ終わりです。
いや、実際はまだいろいろあるのですが、成績を出し終えるとやはり

    ホッと一息

というところです。
これでもう学生とは四月までほぼ会うことはないでしょう。
徐々に暖かくなる日々、職場はがらんとしてゆとりが出てきます。

この半年、体調不振で、ある雑誌に連載していた歴史に関するエッセイを休載させてもらっていました。
しかし今年に入って何とかしようと決意を新たにして、本日締切の原稿を無事送付することが出来ました。
これから毎月10日締切を出来る限り守ろうと思っています。もう次の原稿に掛かっています。

来年度の近隣の町でおこなう講演の予定が入ってきまして、これについては先日少し書いたのですが、奈良・吉野方面に関わることですので、この春材料集めに探訪してこようと思っています。

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じゃがりこを食べながら 

先日ある方から

  東京限定じゃがりこ【カレー味】

  関西限定じゃがりこ【ねぎ焼き味】

をいただきました。早速学生が賞味して、私も味見させていただきました。
関東は「関東」とは言わずに「東京」というのですね。でも、なんとなく千葉や埼玉も含む、という感じがしないでもありません。
関西は「大阪」というと大阪だけのことになります。ですから、京都や神戸も含むとするなら「関西」といわねばなりません。
なぜ関東、じゃなくて東京は【カレー味】なんだろう、とひとしきり話題になったのですが、結論は出ませんでした。横須賀の

    海軍カレー

と関係があるんだろうか、とか、まあいろいろ話しながら小袋を2つばかり開けました。
私の教え子で海上自衛隊員と結婚した人がいるのですが、彼女いわく、今でも毎週金曜日は海自ではカレーが出るのだとか。

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上方芸能171号 

文化審議会委員などというとずいぶん難しそうな役職ですが、上方芸能誌の代表のお姉ちゃんが委員に任ぜられたというとすごく身近になります(笑)。
「お姉ちゃん」というのは多少(かなり?)おべんちゃらですが。

さて、その

    上方芸能 171号

が刊行されました。
今号の特集はなんともわかりやすい、

    壊すな! ワッハ上方

というものです。大阪府立上方演芸資料館、通称が「ワッハ上方」です。
日本経済新聞社の中沢義則氏、ワッハ上方館長の伊藤雄三氏のほか、元館長などが寄稿され、50ページ余りの大特集となっています。

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エレジー 

知性溢れる初老(60代らしい)の大学教授と30年の年齢差のある美貌のリカレント女子学生を描く映画

    エレジー (Elegy)

が公開されています。
監督はスペインの女性、イザベル・コイシェ、主演は「ガンジー」のベン・キングズリィと「オール・アバウト・マイ・マザー」「ボルベール」のペネロペ・クルス。
スペイン人の監督、スペイン人らしい目鼻立ちのクルスとイギリス人のキングズリィという組み合わせで、アメリカ映画とはいえエキゾチック。実際、ゴヤやプラド美術館が話題になるなどヨーロッパ色あるいはスペイン色が出ます。舞台がニューヨークであることをふと忘れる瞬間もありました。
実年齢で言うなら65歳のキングズリーとまもなく35歳になるクルスですが、まさにそういう年代の役柄で、魅力あふれる俳優力を見せてくれます。

先日、大阪梅田の“HEP NAVIO”8階にある

    TOHOシネマズ梅田

まで見に行ってきました。
さすがに梅田ですね、平日の昼間でしたが客席は90%埋まっていました。お客さんの年代はさまざまとは言いながら、かなり高年齢層が多かったように思います。
まさに

    大人の映画

です。

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2月公演初日 

 ※BB会情報、更新しました(→こちら

今日から東京・国立劇場小劇場で

    文楽二月公演

が始まります。
この公演は恒例の3部制。

  第一部 鑓の権三重帷子

  第二部 敵討襤褸錦

  第三部 女殺油地獄

という内容です。
「権三」と「女殺」はちょっと出すぎじゃないでしょうか?
「やりすぎの権三」・「おんなじ殺し」といわれそうです。
それに対して久しぶりなのが「敵討襤褸錦」です。

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門 

「門」といっても、「三四郎」「それから」との三部作・・・という話ではありません。

2月に兵庫県の芸術劇場でおこなわれる

  兵庫県立ピッコロ劇団

の公演の話です。
この劇団は公立劇団として着実な活動を続けており、まもなく15周年。昨年は第29回公演「モスラを待って」で「第62回文化庁芸術祭賞演劇部門」の優秀賞(10年ぶりの受賞)に輝きました。
この作品は私も拝見しましたが、社会の混乱がそのまま縮図として描かれているような印象を受けました(あまり細かいことはわかっていませんが)。
この四月からは劇団代表が別役実さんから

    岩松 了 さん

に代わります。
岩松さんはこれまでにも 『四人姉妹』や 『欲望という名の電車』の演出でこの劇団と関わりを持ってきましたが、別役さんからかなり若返り(岩松さん、56歳)、さて、どのような次の展開を見せてくれるのかが楽しみです。
正直言いまして、この劇団は県民にさほど親しまれているとはあまり思えないのです。県北部(日本海側)や西部(播磨地方)にも出て行って公演なさってるのかな?
なんとなく「阪神間の劇団」の印象を持ちますが、兵庫県というのはとても広い県なのです。

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春立ちぬ 

立春です。
まだまだ寒いとはいえ、ちらちらと春を感じることあります。
なんといっても

    道路工事 (笑)

いやになるほどあちこちでやってますね。
必要なものもあり、・・・・・・・もあり?

「野崎村」ではありませんが、

    早咲きの梅

が見られるようになり、一輪ほどの温かさを感じないでもありません。

学生の姿が大学から消えると後期も終了の証拠。変なところで春の訪れを感じます。
今週は数は減ってもまだ見かけますが、来週になるとふっつり、でしょうね。
みんなアルバイトだの旅行だのと忙しくなるようです。

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よしもと? 

先代桐竹勘十郎は私にとっては最高の人形遣いさんです。
動くときは動く、じっとしたらてこでも動かない。
「笑ひ薬」の祐仙やら「帯屋」の儀兵衛でさんざん笑わせる人であり、「石切梶原」の梶原ではびくともされなかった。
その先代は「人形は動かすもんや。動いたらええんや。それで、いらんもんをだんだんそぎ落としていったらええんや」とおっしゃっていました。
当代勘十郎さんは天才的としか言いようのないほどのすばらしい動きをされます。
初春公演では

    久三の小助

でその本領を発揮されました。
「座摩社」で山家屋をだますときの笑い顔。
右手で鼻の上あたりを押さえて、クックックッと笑う姿。声が聞こえそうでした。
あの、口から数センチ上に手を持っていくところが見事に小助の性根を捉えていた感じがします。

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筆跡は「人」 

作家の竹西寛子さんが、

    大学から国文科が消えていく

ことを懸念するという文章を書いていらしたことがあります。
竹西さんの言葉を待つまでもなく、これは多くの人が言っていることです。
資格取得が大事、実学が重要、といって(それらが無用だといっているのではありません)文化を論ずることを忘れるとしたら、それで大学の役割が果たせるのだろうかという思いがあります。

    国文学者を育てるため

の国文科は今でも続いています。
そうではなく、もっとゆったりと日本の言葉や文化を青春時代に味わい、それを素養として持ち続けるような人を育てる国文科がどんどん消えていくことが寂しい限りです。
私自身、短大の

    国文科廃止

に加担しました。それはもうまったく大学経営という極めて現実的な理由からで、まさに断腸の思いでした。
やむをえなかったとは思うのですが、今なお後悔の念は抱き続けています。

竹西さんはさらにこうも言われます。

  一国の文化の程度は国民の自国語に対する認識と運用の程度ではないか

ある国の文化の程度は国民が自分の国の言葉に対してどれほど深く認識をしてそのうえでそれを用いているかということに帰結するとおっしゃるわけです。
まことに的確だと思えてなりません。

まずは言葉を大事にしなければ文化というものは生まれない。私もそう思います。

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2月 

月が改まりました。
今年も一か月が経ってしまいましたね。
1月ってもっと長かったような気がするのですが、今年はあっという間でした。
2月は早いだろうな・・・。

先月も多くの著名人が亡くなりましたが、私にとって一番感慨が深かったのはNHK交響楽団コンサートマスターだった

    田中千香士さん

の訃報でした。
どういうわけか、N響コンマスというと、私は岩淵竜太郎さんでも徳永二男さんでも堀正文さんでもなく、田中さんをふと思い出してしまうのです。
私の長男は字は違うのですが田中さんと同じ名前。実は長男の名前を付けるとき、「この名前って変かな?」と悩んだのです。そのとき田中さんを思い出して、「ちっとも変じゃない」と命名したとくいわくもあるのです。
若きコンサートマスターももう69歳だったのですね。しかしまだまだお若いじゃないですか・・・。

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