半年
今日で一年の半分が過ぎます。
こういうことを言うと、なんだか気があせるようでいやなのですが、事実は事実であります。
この半年、何をしたか、というと、もちろん何もまともなことはしていません。
したくてもできなかった
と言い訳をしてみたりするのですが、それは潔くありません。
ただ、これまた言い訳なのですが、息苦しさのために図書館にさえ行けなかった日々が続いたのです。私の勤務先の図書館はバリアフリーという点に関してはまったくダメ。車椅子の方などは事実上使えません。せめて基本的な辞書辞典を見るくらいのスペースが1階にあればいいのですが、階段を昇って2階まで行かねばならず、国文学関係の本は4階まで階段です。普通ならどうってことはありませんが、あの苦痛な日々は図書館4階を見上げながら、
あそこまで行きたいのに
と何度も思ったことでした。
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- [2009/06/30 00:00]
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弟子
今年は太宰治や松本清張の生誕100年にあたるのだそうで、本の売れない(ムラカミハルキは別として)出版社としてはそういう口実ででも売り上げを伸ばそうと頑張っているようです。
そのほかに大岡昇平も
中島敦
もまた生誕100年だそうです。彼は気管支喘息で亡くなったそうで、他人とも思えません。
高校時代に教科書で「山月記」を読むのは今も昔も変わらないようですが、私はこの人の作品は自分の好みとして高校時代にかなり読みました。
もちろん「山月記」は何度も読みました。
隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、
ついで江南尉に補せられたが、性狷介、自ら恃むところ頗る厚く、
賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。
という冒頭はいつの間にか暗誦して、今でも覚えています。「才穎」「虎榜」「狷介」「自ら恃む」などということばを教えてもらったのはこの小説です。
ほかにも「李陵」「弟子」「木乃伊」「名人伝」など、ほとんどわかっていなかったと思うのですが(笑)、とにかく読んでいました。
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- [2009/06/29 00:00]
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働く土曜日
もうこのところ、土曜日は働くのが当たり前になっています。
これで6月6日からずっと出勤です(一回は文楽劇場でしたが)。
なにしろ
補講の山
を切り崩していかねばなりません。毎週金曜日と土曜日は余分に働いています。
昨日(27日)の午後は授業の予習を2週間先までやっちゃおうと思ってその仕事もしていました。
終わって帰ろうと思ったら同僚が一人だけいまして、近くで講演に行った帰りだとのことでした。
働いているのは決して私だけではありません(笑)。
それにしても、昔は土曜日は
半ドン
だったわけですよね。
親の世代は働きづめだったわけです。
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- [2009/06/28 00:00]
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ルーヴル美術館展
この夏、関西ではふたつの
ルーヴル美術館展
が開催されます。
そのうち大阪中之島の国立国際美術館で開催されるのが
美の宮殿の子どもたち
という副題のついたものです(国立新美術館からの巡回)。私は早速先日行ってまいりました。
絵画ではヴェチェッリオの「聖母子と聖ステパノ、聖ヒエロニムス、聖マウリティウス」、シャルダンの「食前の祈り」、そして有名という意味ではもっとも親しみのあるレノルズの「マスター・ヘア」など。アモル(キューピッド)を描いた絵もいろいろありました。
彫刻ではドフェルネの「悲しみにくれる精霊」、古代ローマの「子どものサテュロス」など。
一種のおもちゃらしいのですが、古代オリエント美術の「台座に乗ったハリネズミ」はけっこう笑えました。ミイラが一体。紀元前12,3世紀のものだそうです。この展覧会の目玉のゃうに言われているようです。
いたるところに係員の女性が座っていますが、ミイラの奥に座っている女性(ミイラだけを担当)は「早く代わって~」と思っているのでしょうか?
美術はよくわからないのでどこをどう見たら面白いなどということは何も書けないのですが、「子ども」に焦点を合わせたという点では、たとえばアモルや聖母子などを集中して見ることができた、というのがありがたくはありました。
気に入ったのはルイ・ル・ナン(またはアントワーヌ・ル・ナン)の「幸福な家族」でした。農家らしい一家の貧しいながらも満ち足りたような姿が魅力的でした。
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- [2009/06/27 00:00]
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体調、その後
一時、すっかり痩せこけておりましたが、私自身一番それを感じたのは
ふくらはぎ
だったのです。
当然ですが、ふつう足を見せることはありませんから、自分しかわかりません。
文字通り「ふくらんだ」部位であるはずなのに、本当に細くなってしまっていました。
何しろ、歩かない、食べないという日が続いていましたので、筋肉が落ちても当然ではあります。
太ももも「細もも」になっていましたし、何とかしようとまたぞろ歩き始めました。エレベーターを控えて階段を上り下りし、出勤は電車と徒歩、文楽劇場に行くときは地下鉄心斎橋から徒歩、病院に行くのも往復45分徒歩、休日は散歩・・・という具合にひたすら歩きました。
すると、からだは正直なものですね、先日ふと気がつくと、ふくらはぎが硬く、分厚くなっているではありませんか!
体重もかなり戻って、68kgくらいになっています。
ご心配くださった方々にお礼を申し上げます。
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- [2009/06/26 00:00]
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父の日
女優さんからプレゼントをもらいました。
今頃書くこともないのですが、文楽の記事が続いたため、日々のことを書けなくなっていました。
この間の日曜日は
父の日
だったそうですね。
自分が人の親であるという自覚に欠け、ほとんどそういうことに頓着しない私としては、言われないとわからないのです。
その日は文楽の若手会に行った日で、夕方6時過ぎに家に帰りました。
すると次女が財布をくれました。ああ、そうか、今日はそういう日だったんだ、とはじめて気がついたのです。次女はこういうことが好きで、誰かの誕生日だとか○○の日などという記念日には必ずプレゼントを買いたがるのです。
そして夕食の場で、長女がなにやら紙袋を取り出してくれました。
中味はグラス。ビールを注ぐときめ細やかな泡が出るという魔法の(?)グラスだそうです。
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- [2009/06/25 00:00]
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感動する学生
遅ればせながら、先日の鑑賞教室に行った学生からいくらかの感想を聞きましたのでご報告いたします。
「新口村」で寝たという学生はやはり何人かいたようです。残念ではありますが、やはりそんなものでしょうね。しかし、それまではまずまず元気に見ていたようです。
これまでに何度も文楽にいっている学生はさすがに「新口村」では感動したと言っていました。
覚悟きわめて名乗つて出い
今ぢやない・・
の部分で感極まったという者もいましたし、そのあとの“めんない千鳥”で泣きそうになったという者もいました。遠慮なく泣けばいいのですが、まだそこまではいかなかったようです。
文楽にはじめて行った学生の中にも、「新口村」で感動したと本心から言っていた者がありました。
こういうのは誘った教員としてはうれしいです。
その学生は来月から本格的に始まる文楽人形の稽古にも参加するのですが、この間早速試しに人形を持ってみて、とても興味を持ったと言っていました。
社会福祉
を専攻している学生ですので、いつか彼女の福祉活動に人形を生かせたらいいなと思っています。
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- [2009/06/24 00:00]
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道頓堀を歩いて
あまり歩きたいと思わないのです、
最近の 道頓堀
たしかに、「今井」も「たこ梅」も「づぼらや」も「かに道楽」もあります。
しかし、どう考えてもここは
芝居町
ではありません。松竹座がかろうじて威厳を保っていますが、それだけのことです。
かつては朝日座、中座があり、演芸の角座があり、映画の(のちに演芸の)浪花座があり。
芝居町があって、その周辺に食道楽の店があってこそ相乗作用で町が盛り上がるのに、今はなにやらごちゃごちゃした町になっています。
時の流れに逆らうようなことをいっても仕方ないのかもしれませんが、欲しいなぁ、芝居町。
とりあえず道頓堀へ行こう、それで面白そうな芝居があったら見よう。
この間歌舞伎を見たから、今日は小劇場にしよう
演芸で面白そうなものがあるよ
という雰囲気がこの町にあるといいのですが。
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- [2009/06/23 00:00]
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若手会終了
2日間にわたる文楽若手会が打ち上げとなりました。
皆さんお疲れ様でした。
団子売
の杵造はなかなかきれいに見せるのが難しい役ですが、紋吉さん、よく健闘されていたように思います。お臼の紋秀さんは人形を遣うぞ、という顔がもう少し消えてほしいところです。でも技自体はずいぶん進歩されました。
熊谷陣屋
では紋臣さんがなかなかいい藤の局を見せてくださいました。清三郎さんは相模でしたが、さすがに破綻なくきっちり遣われます。ややおっとりした相模だなという印象があります。梶原の玉勢さんに力を感じました。あの遣いにくい人形を実にバランスよく見せ、しかも梶原の嫌味なところを表現されたのには驚きました。勘市さんの弥陀六は予想通り、やはりこの人はこういう役がいいと思います。立役を意識されていると思うのですが、私としては弥陀六を極めてほしいという気持を抱きました。技のデパートのようなこの役柄は小手の利く勘市さんにはうってつけだろうと思います。文吾さんのようなタイプを目指してほしいという気持があります。玉翔さんの堤軍次はすっきりした二枚目でした。しかも「覆ひになり」のところは本当に奥様(相模)を案ずる気持が見えました。義経は清五郎さん。涼しい二枚目ですが、弥陀六(宗清)との応酬は何事も見通すような存在感がほしいところです。肝心の熊谷は玉志さん。立派に遣われるのですが、肚がやや薄いように思いました。もう少し肚に溜めるものがあると動きも変わってきそうな気がしました。終盤、糸が切れたのでしょうか?首がだらりと垂れていました。
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- [2009/06/22 00:00]
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BB会やいかに
さて、昨日は花かばさんやこだまりさん、まちるださんらが若手会にいらっしゃったと伺いました。
ほかにもきっとこのブログにおいでくださる多くの方がおいでになったことと拝察しております。
私は午前中仕事があったことと、そのほかにもわけがあって行けなかったのです。
後日ご報告いたしますが、勤務先で先週の鑑賞教室に関するまとめの話をして、リポートを学生から受け取るという、いちおう「授業」ということになっているをしてきました。
午後もほかに事情があって結局若手会は日曜だけということになりました。
そのこと自体はまあかまわないのですが、気になるのは
BB会
です。私がなんとなく言い出したことなのに、前回は体調不良で不参加、今回も昨日予定されていたのに行けなかったのがなんとも残念であります。
文楽ブログの会、ということで私が勝手に名づけたこの会ですが、当の私がいまだ参加していないというまことに申し訳ない事態が続いています。
昨日はいかがでしたでしょうか?
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- [2009/06/21 00:00]
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若手会
今日と明日、国立文楽劇場で
文楽若手会
が催されます。
あいにく私は大学で仕事があるため間に合いません。
しかし、本日は何人かの方が「行きます」とおっしゃっていますので、きっと劇場では多くのファンの皆さんの出会いがあることだろうと思います。
若手会のメンバーはあまり変わっていませんが、重要な役(場)は今や中堅となった方々から本当に若い(笑)方々に少しずつ世代交代しているようです。
床では
始大夫 清志郎
が熊谷陣屋の後半。とにかく豪快な語りを期待したものです。
相子大夫 清馗
が新口村の後半。孫右衛門の心情にどこまで迫れるでしょうか。
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- [2009/06/20 00:00]
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うきうき三番叟
鑑賞教室で上演された
二人三番叟
は、意味はわからなくても高校生たちもなんとなくうきうきしてくるのではないでしょうか。
今、午後の部では玉佳(又平首)、一輔(検非違使首)が遣っています。
私はお二人とも人形遣いの若手としてとても期待しているのです。
お二人ともデビューのときから見ていますし、十色会で三浦之助(玉佳)やお三輪(一輔)を遣ったときのお二人はなかなかよかったのです。
本公演でも左遣いとして重要な位置を占めると同時に、主遣いでも
しどころのある役
が付いてきて、いよいよこれから本格的に将来の見通しができるであろう時期にやってきた感じです。
そのためにも、多少大げさに見えてもいいから、今はひとまわり大きく動くような演技でもいいのではないかと思ったりするのです。
そして、今回の三番叟も激しく動いてくれることを期待していました。
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- [2009/06/19 00:00]
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濃い時間
この2週間、大変
濃い時間
を過ごしました。
総理大臣のように分刻みのスケジュールとまではいきませんが、なすべきことが多くて、よくいえば充実、悪く言えばバタバタしていました。
休んでいた間の仕事をカバー、フォローするだけで目が回りそうでしたが、それ以外の仕事もいくつかありました。
こうなると優先順位を決めてこなしていかねばなりませんが、この2週間で優先第一位は
文楽評
でした。相棒の先生が、専門のご研究が大変な時期だったのに、私の不調をカバーして、お一人でほとんど書いて下さったのですが、私はそれに思いつきをポツリポツリと加えさせていただいたのでした。
やはり緊張しますし、重圧もありますが、かなりエキサイティングな時間でした。
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- [2009/06/18 00:00]
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「間」を見る
朝日座時代は「恋飛脚大和往来」、国立になって「傾城恋飛脚」で上演される「新口村」です。
千歳大夫の『新口村』に感動した
などと言うと「今のお前にわかるのか?」と叱られそうです。
確かに、私には義太夫節を聞きこなす能力はもはやありません。
しかし、先日の鑑賞教室で私は
間 (ま) を見る
という体験をしたのです。
「新口村」はもう何度聴いたかわからない演目です。
越路、文字(住)、織(綱)、十九、伊達、呂、嶋、英、津駒・・・
口はばったい言い方ですが、テキストも節もかなりしみついています。
先日書きましたように、私は今回かなり強く孫右衛門の気持を理解しえたように思います。
そのクライマックス、
覚悟きわめて名乗つて出い
覚悟きわめて 名乗つて 出い
ああ、今ぢやない今ぢやない
今のことではないはいやい
この部分にも私には私のイメージする息と間があります。
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- [2009/06/17 00:00]
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泣く力
先日、副手さんが「新口村」を見ていると近くの席の女性が涙を流していたというのです。
そして副手さんは「私も感動したけれども、あんなふうに素直に気持ちが出せたらいいなと思った」と言っていました。
さすがに学生よりはかなり(ほんの少し?)お姉さんです。
感動する、というところも嬉しいですが、
涙を流す人を見てうらやましく思う
というのもやはり彼女の心の豊かさの裏返しだろうと思います。もう少し文楽を見続けるときっと彼女も涙が出てくると思います。
私は
観客力
を舞台の要素として重んじたいと思うのです。
とにかく面白ければいい、というだけではなく、作品の力、技芸の力、演出の力、裏方の力などをきちんと感じ取って、よければ喝采し、笑い、泣き・・・。それが技芸をさらに向上させていくのだろうと思います。
先日見ていて、千歳大夫のすばらしさは、どんな観客でも全身全霊、受けようが居眠りされようが力を抜かない、そういう点にもあると思ったのです。
彼のような人が観客力を鍛え、観客がまた彼を鍛えていく。そういう火花を散らしてこそいい舞台が出来上がるのだろうと感じます。
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- [2009/06/16 00:00]
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孫右衛門で泣く
13日鑑賞教室に参りました。
土曜日とあって、午前の部は大阪の私立男子校の中学生が来ていましたが、午後は中高生の姿はありませんでした。ほとんどが一般の方で、大阪の某女子大がやはり鑑賞に来ていました。
この某女子大こそ、私が長年書かせていただいている
某雑誌の代表
が教授を務めていて、某人形遣いさんが(「某」ばっかり)授業を持っているという大学でした。
劇場から机を借りて「○○女子大受付」の看板も出され、某雑誌代表も受付をされていました。
私のところは人数が少ないので副手さんがまとめてチケットを買ってくれました。
ところが、この有能な副手さんが何を間違えたのか、その某女子大の受付のところへ行って「チケットください」……。それも、よりによって某雑誌代表に向かって。某雑誌代表のM西さん、チケット売り場のお姉さんに間違われて喜んで、いやいや、びっくりしていました。
何事にも有能で、礼儀正しく、頭も切れて、おまけに三味線まで弾いちゃう、まったく欠点のない副手さんだと思っていたのですが、ああ、この人も間違えることがあるんだとホッとしました。
この日はお歴々も見えていました。某雑誌代表のほか、某女子大教授で東京国立劇場の文楽パンフにずっと連載されている大先生、布施のほうの大学教授で歌舞伎研究で有名な先生も。
私はひたすら隠れておりました。
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- [2009/06/15 00:00]
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学生と鑑賞教室へ
昨日(13日)
文楽鑑賞教室
に行ってまいりました。
授業の一環ですので、13人の学生を連れて劇場の中をうろうろしました。
展示室の見学は各自で自由に。そして集合時間になると全員が1階のロビーへ。
そこでなんと、偶然にも
有能な副手さん
に会いました。
実は・・・「偶然」というのは建前でして、彼女は出張手当が出るわけでもないのに
興味があるから、勝手に行きます
と言って自主的に協力してくれたのでした。
私が満足に仕事ができず、学生任せもいささか不安ということで、本当に助かりました。
こういう方に支えられて私は仕事をさせていただいております。
彼女のお世話でチケットを買ったあと、楽屋に回ります。
勤務先の非常勤講師をお願いしている人形遣いさんがいつもの笑顔で迎えてくれました。
技芸員の皆さんには大変ご迷惑だと思いながら、廊下を学生がぞろぞろと歩いていきました。
二人三番叟
の舞台がすでに設営されているところで講義が行われました。人形遣いのK弥師匠、もう本当に講義も手馴れたものになってきました。
そのあと、奈落から大道具さん。さらには床山さん。
学生には、文楽劇場の構造をしっかり見ておくようにと話しておいたのですが、果たしてどうだったでしょうか。
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- [2009/06/14 00:00]
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父と息子の情愛
本日、学生と文楽鑑賞教室に行きます。
女子大ですから、学生はもちろん全員女性です。
文楽に関心がある学生はほとんどいないと思います。
文楽初体験の学生も少なくないだろうと思います。
その彼女たちは、「新口村」における
孫右衛門 と 忠兵衛
の父子の愛情を感じ取ることはできるのでしょうか?
父と息子は時としてお互いに憎しみの対象となりうるわけです。
嫉妬の対象にもなりうるでしょう。
無関心になる時期もあると思います。
しかし、父から見るといわば自分の雛型が息子であるわけで、腹立たしいほど自分に似ていることを感じることもありそうです。
息子が
封印切
という大罪を犯して、もはや死ぬよりほかはないことを父は理屈の上では納得しています。
そして、義理ある人のことを思えば息子は自首して出るべきだとも思っています。
理から言えば。それらはまったく火を見るよりも明らかなことです。
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- [2009/06/13 00:00]
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前に
文楽鑑賞教室で上演される「傾城恋飛脚」。その
新口村
を初めて見たのはいつだったのか、まるで覚えていません。
越路師匠だったのか、南部、文字(住)、織(綱)さんだったかも知れません。
しかし音としてもっとも強く私の記憶に残っているのはしょっちゅうテープで聴いていた越路・喜左衞門(二代目)です。
喜左衞門師匠は必ずしもよく手の回る方ではなかったと伝えられますし、実際そういうふうに聞こえました。しかし、住大夫師匠がいつも、あれほど義太夫を知り尽くした人は珍しかったとおっしゃいますよね。また、手が回るとか何とか、そういうことを別にしてなんとも情緒のある音を出されたように記憶します。
十世弥七、六世寛治、二世喜左衞門といった方々は、私の文楽体験の始まりの頃に亡くなっていますし、当時まだ三味線の味なんて全然理解できていなかった私としてはこういった世代のかたがたについてものを言うのはまったく責任が持てないのです。
当然その音についてはテープなどで知るよりほかはないわけです。
綱・弥七
越路・喜左衛門
津・寛治
と並べてみると、すごいですね、これらのコンビ。
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- [2009/06/12 00:00]
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瀬戸内限定じゃがりこ
いやぁ、野崎小町さん、ありがとうございました。
昨日、
瀬戸内限定 お好み焼き味 じゃがりこ
をいただきました。
実はかなり前に買ってくださっていたものを、私が体調を崩してしまったものですからいただくことができなかったわけです。
香ばしいソース風味
だそうです。最初に味見をしたのはおそらく「有能な副手さん」だと思います。彼女が預かってくれていたので、一袋差し上げましたから。
瀬戸内、とありますが広島風味ということでしょうね。
私にとっては懐かしい味です。
はじめて広島に行ったのが20年前。あちらの大学の職員さんがいきなり連れて行ってくれたのがお好み焼きの
みっちゃん
でした。
以後、あちこちで食べまくりました(笑)。
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- [2009/06/11 00:00]
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テンペスト 付380,000
翻訳の文体になじめなかったからか(と言い訳しているのです)、高校生の頃まで外国文学は敬して遠ざけていたのです。
大学生になって、いくらなんでも無知に過ぎる、と思って古典的な作品を手当たり次第に読んではみました。しかし、センスがないというか、よくわかりませんでした。
シェークスピア
も「読んだ」というだけならそこそこ読みました。
英文科の連中がシェークスピアを論じているのを聞くと、「あれを理解できるなんて、宇宙人のような才能を持っている!」と感心するばかりでした。
それをまとめて再読したのはいつのころか覚えていないのですが、今度はやたら面白かったのです。
The Tempest
も何度か読み直しましたが、そのつど面白いと感じるようになりました。
演劇史に詳しいわけではありませんので、歴史的にどういう位置にあるとか、シェークスピアの作品群の中でどういう価値があるとか、そういうことはいまだにわかりませんが、登場人物がやたら面白くてそのせりふがまた魅力的で。
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- [2009/06/10 00:00]
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歩くこと
とにかく歩くことが好きなのです。
江戸時代に生まれていたら
水戸のご老公
とご一緒に旅をしていたと思います。
昔の人は健脚です。江戸日本橋から京三条に上るのに二週間あまりと言われますが、ざっと500kmとして、1日30km以上。それを毎日歩くわけですからすごいものです。
私も30kmくらい平気ですが、毎日となるとどうだろう? と疑問に思います。
呼吸不全の日々、歩きたいのに歩けないもどかしさはただごとではありませんでした。
やっといくらか楽になって、ここ数日、できる限り歩くようにしています。
日曜日は朝起きて水分だけ摂って1時間あまり歩いてきました。
ざっと6000歩でしょうか。
その前日に歩いたとき、足をくじきそうになって、しかも足がもつれて地面に手をついてしまうという、失態をおかしてしまい、情けなかったのです。
いかに長い間きちんと歩いていなかったかを感じました。
幸い日曜日には歩けば歩くほど手が振れてきて、視線も上がって快調でした。
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涼しい?
こんなことをうかがうのもどうかとは思うのですが、
今年って涼しい
ですか?
6月というともっと蒸し暑そうなのに、朝晩などひんやりと心地よいので驚いています。
病院は適温でしたから、今年が例年に比して暑いんだかそうでないんだか実感できなかったわけです。
病院での暮らしは実感としては意外に短かったのです。
治療で忙しいということもあったのでしょうけれども。
しかし、酸素吸入と点滴だけの時間を乗り越えると、いろいろ考えることもあり、また普段できないこともあれこれできました。
所詮えらそうなことを思惟できる賢者でも哲人でもないわけですが、人生の終着点というか、自分の生命のたぎらせどころというか、それをもう少しきちんと描いてみようかな、と思ったり。
教育や研究といいながら何だか政治家や官僚みたいな人の横行闊歩する世界にはさっさと見切りをつけて(すでに見切っているつもりですが)、純粋に書物の世界にのめりこみたいと思ったり……。
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芸術を見よう
復活早々、
集中講義
というのがありました!
といっても、今月の土曜日のうち3回で8コマを実施する授業ですので、集中講義と言うか分割授業と言うか。
今日(6日)は3コマ連続。1コマずつをそれぞれ少なめにさせてもらいました(要するにサボった)ので、実際は2コマ分くらいしゃべった感じです。
でもさすがにぐったりしました。授業終了間際にはギブアップ! と言いたかったです。
話がつまらない→学生が面白がらない→私はあせる→ますます疲れる
という状況でした。
実は来週学生と一緒に文楽鑑賞教室に行くのですが、そのための準備というか、劇場で何を見てきてほしいかの話を中心にしました。
ところが、あとで気がついたのですが、とんでもないミスをしてしまいました。
課題は「高校生の鑑賞態度をチェックして、どういう番組なら高校生の関心を引くと思うか考察せよ」というものなのですが、よく考えたら土曜日に行きますので高校生はいないかも(笑)。
まったくもってとぼけた教員です。
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- 研究・大学教育 |
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白雲之間見蒼天
謹んでご報告申し上げます。
過日、症状癒えて退院致しましたが、その際、いささか厄介な病気の疑いがあるとの告知を受けまして、再検査をしておりました。
本日(5日)検査結果が出たのですが、幸い陰性とのことで、無罪放免となりました。
退院しても何となくすっきりしないまま、かろうじて本を友として自室に籠っておりましたが、これで本格的に
社会復帰
できます。
ご心配くださったかたも多く、本当にありがたくも申し訳なくも存じております。
まずは平生からこのブログをご覧くださっている文楽ファン、関係者の皆様、聴覚障害者の活動に関心をお持ちの方々にお礼を申し上げます。
次に、多くの迷惑をおかけしたにもかかわらず何かと協力を惜しまれなかった同僚諸氏、学生諸姉にお詫びと深甚の謝意を表します。
家族にも当然迷惑をかけました。いてもいなくても変わらない(?)一家の大黒柱(かなり虫が喰ってます)ではありますが、やはり枯れ木も山のなんとかで寂しい気持ちもあったかもしれないと思います。
人間は人とのつながりの中でしか生きられない。当たり前のことですし、普段からもそう思ってはいますが、改めて実感しました。ロビンソン・クルーソーだってターザンだってひとりじゃ無理ですよね。
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鑑賞教室すでに
個人的なことばかり書いてきましたが、文楽に目を向けると、すでに
鑑賞教室
が始まっています。3日から18日までの16日間。
演目は
二人三番叟
新口村
ファンの皆様にとってはおなじみのものですが、高校生にはいかがなものでしょうか。
ところで、鑑賞教室のチケットは意外に取りにくいものでした。最近はいくらか楽になっているのではないでしょうか?
高校の先生にも「どうせ居眠りするだけなら、文楽に行くより有効なお金の使い方がある」と考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、たとえば兵庫県の高校生(私もそうでした)は機会すら与えられないわけですから、大阪の高校であることを誇りに思ってお出かけになっていただきたいものです。
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- [2009/06/05 00:00]
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眠り彦
「こ」(男子)の対語は「め」(女子)。
「おとこ」に対して「おとめ」です。
もちろん「ひこ(彦)」に対しては「ひめ(姫)」。「眠れる美女」「眠り姫」というのがありますが、私はさながら
眠り彦
になっています。
帰宅後、とにかくあれだけ眠れなかったのがうそのように眠くて仕方がないわけです。
実際、少し何かをすると眠り、また目を覚ましてもしばらくするとうとうと。
病院というところがいかに眠りにくかったのか、思い知ります。
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- [2009/06/04 00:00]
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帰ってみます
急なのですが、病院を出ることになり、
6月2日夕方
帰宅しました。
そのあとの見通しが立たないままなのですが、まずは2週間余の生活に区切りをつけます。
晴れて無罪放免と言えるまでしばらくおとなしくしております。
ご報告できることにつきましてはまた後日ということで。
皆様のいつもながらのご厚意に感謝申し上げつつ。
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- [2009/06/03 00:00]
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白雲仰臥録(15)
6月1日
はじめて服用した
睡眠導入剤
が効いた。4時間ほど続けて、全体で6時間くらい眠れた。さすがに気分が楽。
朝の点滴のあと、管を抜いてもらって、退院ではなく、「外出」として授業に行く。
昼休み、いつも私の部屋を食堂として使っている(笑)学生が3名来る。何事もなかったかのようにふるまってくれるのがかえって嬉しい。
午後、授業。今日の相手は名前も知らない学生(いわゆる一般教育)ばかりなので気楽。
同僚とはほとんど会わない。こういうところが会社勤めとの違い。
授業の前後に研究室で雑用も多々。とにかく書くべき書類、送るべきメールがいろいろある。
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- [2009/06/02 00:00]
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白雲仰臥録(14)
5月31日
昨日(30日)は雷雨だったとか。今日は好天で気持ち良さそうだ。
戦国時代の歴史小説を読んでいる。
何を隠そう、私は戦国時代(だけではないが)の歴史にひどく疎い。ところが、文楽では当たり前のように出てくるので、いつも人物関係に悩む。しかも文楽の場合、北条時政が家康のことだったり、信長は春永(長)だったりでややこしい(「信」の「ニンベン」を「言」に混ぜて書くと「春」になる)。
だいたい、あの合戦というのが性に合わず、大河ドラマなどを見てもああいう場面は子供の頃から苦手だった。戦争映画を見るのも戦争ごっこをするのもだめだった(剣道は好きだったけど)。
しかしまあ、こういう機会に少しくらい人間関係だけでも知っておこうと思って読んでいる。
高校時代の歴史なんてほんの上っ面の知識に過ぎない。江戸時代の人はいろんなことを知っているなあ、と感心。
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- [2009/06/01 00:00]
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