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続・白雲仰臥録(5) 

9月29日
前夜10時頃から断続的に4~5時間眠れたような気がします。
ほんとうは9時過ぎに強い睡魔が来たのですが、その直後に看護師さんに起こされて「……の時間で~す」とやられちゃいました(笑)。

生まれてこのかた、タバコというものを口にしたことがない(遊び半分にくわえたことすらない)のに、病院では「タバコがいけませんよ」と指導される理不尽。

    どうしろっていうの?

とぼやきたくなります。

私がタバコを覚えなかった理由は簡単。貧しい学生で、手が出なかったのです。一箱200円(?)はほぼ昼食代、100円としても岩波文庫「☆1つ」は買えましたから。こうなると禁欲的というよりはケチ?(笑)
煙の濛々と立ちこめるところで遊ぶ(らしい)「雀荘」や「ゲーセン」にも行かず、落語や浄瑠璃やクラシックコンサートに通った(上品な生活!…笑)のに、どういう因果でしょう?
ま、もしこれでタバコを吸っていたら、今頃は

    生きてはいない

と思うことにしておきます。

平安貴族も、痢病(りびょう。赤痢などによる腹痛)、霍乱(かくらん。胃腸疾患)、腫物(しゅもつ。内臓疾患を原因とすることの多い膿病)などとともに咳病(がいびょう。呼吸器疾患)には苦しめられています。
私がその日記(御堂関白記)を読んでいる藤原道長という人もかなりの病持ちでした。
職場の同僚を見渡してもそれぞれ何らかの苦痛と闘っているように見受けられ、やはり皆さん、大変です。私だけが苦しいわけではありません。それだけに、迷惑をかける同僚に対しては余計に申し訳ない気持ちになります。

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続・白雲仰臥録(4) 

9月28日
睡眠が依然としてダメです。

授業の最初を休むのはプレッシャーです。学生の出鼻をくじいて、やる気を削ぐのではないか、というタテマエ的(?)理由に加えて、もう休めない、と追い詰められるからです。
このあたりの事情は何度か書きましたが、補講の必要があるため、休めば後日の

   負担が増える

わけです(休暇は有給、補講は無給)。10月中に補講を済ませないと、11月は忙しいですし、年末年始も気ぜわしくどうにもなりません。インフルエンザも心配ですし。

誰と話すわけでもない退屈な入院生活ですが、以前なら仮に話し相手がいなくても

  義太夫やモーツァルト

があれば快適で、心が慰められました。今はほんとうに何もありません。
心を豊かにすることが健康面のケアにとってどれほど重要か、身をもって知ります。これは看護学科の学生に話したいことです。
勤務先の大学における私の役割というか、存在意義は日々小さくなり、もはや風の前の塵に同じ。だからこそ、せめてこういう話をすることで寄与できないだろうかと思います。

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続・白雲仰臥録(3) 

9月27日
睡眠が取れないものの、かなり元気になってきました。

が、着替えをするとき、ふと足を見ると、またほっそりしていました。特にふくらはぎ。まるで「ふくら」という名に値しません。体重計測が怖いです。

昼間は授業や講演のイメージトレーニングとノート作りに励んでいます。
何とかもう少し授業がうまくなりたいです。

    『御堂関白記』(藤原道長の日記)

は、寛弘6年(1009)を読み終えて、今はその翌年。彼の生きた日々を、これもイメージで追体験しながら読んでいるので、なかなか進みません。

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続・白雲仰臥録(2) 

9月26日
3時間くらい眠れました。食事は完全に食べ、問題ありません。

閑話休題。私の20年余りの人生の中で(余りが長いですが)はじめて出会いました!

    ○○看護師さん!

さて、問題です。空欄に入る漢字は何でしょうか?
え? 「美人」? そんなのこれまでに掃いて捨てるほど出会ってきました(掃いたり捨てたりはしていません)。
「素人」? そんなオソロシイ…。

正解はもちろん「男性」です。
以前なら「看護士」、しかし、「看護婦」とまったく同じ教育を受け、同じ仕事をし、同じ呼称(看護師)で呼ばれるようになったのはここ7年ほどのことのようです。
とにかく私は初めて出会いました。
いろいろ世話をしてもらった印象は、

    ニコニコ、さわやか、元気、パワフル!

でも、どこか物腰が柔らかく、女性的ですらありました(笑)。

20代のまだ若い男性看護師君! どうか今の気持ちを大事に頑張って下さい。期待しています。

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続・白雲仰臥録(1) 

9月24日
またこのシリーズ(5月下旬以来)を始めようなどとは思っていなかったのです。しかし、ついに倒れてしまい、しばらくは病院からの発信です。
この間の連休は「文楽評」の仕事のあとは完全に寝たきりでした。快晴の空を見上げながら、ひとり寝ていました。
因果です、殺生です、と神も仏も怨みつつ(因果と殺生なら仏だけ?)、流動食のようなものでカロリー補給していました。
で、またまた

    病院で点滴

という、大変まずいパターンを繰り返すことになってしまったのです。
以前、5月に入院した時にもご紹介した「動脈血酸素飽和度」(正常値97~100)は入院した夕方は83(動けないほどの低さ)でしたが、その後レントゲン、CTと連れ回されたのも災いしたのか、夜には78にまで落ち込みました。
ただただ苦しく、今日口に入れたものは、朝のリンゴジュース100CCほど、夕食の粥1ぱい、おでんの豆腐2かけら、温野菜のニンジン2切れ。以上。

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魁皇関 

この内容の記事もどこかに書いたかもしれませんが、例によって忘れていますので書きます(笑)。
テレビを見ないからでしょうが、最近の相撲をあまり知りません。
小中学生のころはけっこう好きで、小兵力士の

    海乃山(かいのやま)さん

のファンでした。
ご本名も出身地もお歳も覚えています。

    けたぐり名人

として知られた方です。
出羽の海部屋の兄弟弟子で、九重部屋の創設によって別れた北の富士さん(当時大関)が苦手にしていらっしゃいました。
立ち合い一瞬の突き落としやけたぐりは剃刀の切れ味でした。
最高位は関脇でした。

非力でも大きな人に立ち向かうところが自分自身(中学時代は大柄ではありませんでした)になぞらえられるようで好きになったのかも知れません。50代で亡くなったと記憶しています。

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後期始まる 

働いているか倒れているか(笑)のどちらかで、

     休 暇

を取っている、という実感がないのです。京都まででかけるとか、和歌山のほうへ行ってみるとか、そういうのが休暇、夏休みですよね。
それが何もないまま、早くも今日から

     後期授業

が始まります。
以前は10月1日からでしたが、1週間早まっています。何しろ人気のない授業ですので学生も苦痛、私もどうすればよいものか途方にくれているスタートです。
人気というのは学生に媚びることではないわけです。しかし、文楽のお客さんのように楽しもうと思っておいでになるのとは違って「何とかやり過ごそう」と思って来るのが半分(大半?)ほどいますから、これをひきつけるには多少の

    ケレン

も必要かなと思うこともあります。

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千秋楽 

東京公演は今日が千秋楽です。
皆様、お疲れさまでした。
時代物の大作、世話場の佳品、平成の新作、と、バラエティに富んだ番組でしたが、いかがでしたか?
ひところに比べると

    チケット争奪戦

が穏やかになったとも聞きますが、そんな感じでしょうか?
今回は体調不良のため行けませんでしたが、またいつかお邪魔したいと思っています。
東京の12月は「近江源氏」「伊達娘」に鑑賞教室が「忠臣蔵」の3、4段目。cocoさんがブログ(「楽しい☆おいしい☆……」)に書いていらっしゃいましたが、歌舞伎があちこちで「忠臣蔵」です。文楽もおつきあいでしょうか?

文楽はこのあと地方巡業になります。

    清十郎さんのお披露目

のフィナーレですね。またまた八重垣姫が見られます。

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敬老 

昨日は敬老の日だったのですね。今頃気づいています。
9月の第3月曜日がそれに当たるのだそうで、その結果こういう連休が生まれてくるのですね。
なんとも世間知らずというか、浮世離れしているというか、お恥ずかしいくらいです。

大学というところでは、40代半ばくらいまではなんとなく

    若手教員

といわれるような気がします。
教授の身分で言うならさらに「若手」は高齢化します。
大学や学部によって教授への昇進の年齢はさまざまですが、ざっと45~65歳を教授年齢とすると、40代は若手、50代は中堅、60代はベテランという感じかな?
いまどき、60歳そこそこの人を「老人」などと言うと叱られますから、大学には今や

    老教授

というのはいないといっても良いかもしれません。もっとも、定年の遅い大学(75歳くらいまでとか、終身教授とか)にはいらっしゃるのでしょうけれども。

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連休 

知りませんでした、こんなに長い連休があるとは。
職場でやろうと思っていた授業の予習が家ではうまくできず(書籍の関係で)弱っています。
5月の連休もけっこう厄介なのですが、この連休は予想外(私だけでしょうが)だった上に、後期開始直前なので余計に困ります。

世間の皆様方はどんな連休でしょうか。気候がいいですからアウトドア派の方々はキャンプにドライブにハイキングに・・・。

    栗拾い

    松茸狩

というのもこの時期の定番なのでしょうが、随分長らくそういうこともしていません。私の場合ですとどちらも大阪府能勢町がお決まりだったように思います。
能勢の人形浄瑠璃で知られるようになった、あの能勢町です。
能勢電鉄という電車があり、今はきれいになっているのですが、昔は阪急電車のお古、それもかなりガタのきているようなのが走っていておそろしく危なっかしかった(失礼)のです。
鉄橋を渡る時のスリルといったらなかなかのものでした。
小学校からそれに乗って栗拾いに行った記憶があります。こわかったです(笑)。

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声を出す 

このところ、ほとんど声を出していないような気がします。
耳が不自由になるとしゃべるのが極めて億劫になるように思います。個人差があるでしょう、性格によるのかもしれません。しかし少なくとも私はそうなっています。
しゃべると相手は返事をしますので、それを理解しなければならない、そのためには随分面倒なことになります。
それでつい

    逃げてしまう

わけです。
イエス・ノーの意思表示くらいは簡単にできますが、それ以上には本当にしゃべっていません。
しゃべりたくないわけではないのです。むしろしゃべりたい。でも・・・。

毎年、夏休み明けは声の調子が悪いのです。
どうしても大人数に向かって声を張り上げることをしていませんから、授業が始まってしばらくはすぐにのどが痛くなります。
そうならないためにも今のうちから声を出しておきたいのですが、なかなか相手もなく、困っています。
大学に行っても自分の部屋にこもっていますので、誰とも会いません。まれに副手さんのいる部屋に行く用があって二言三言声を交わすことはありますが、やはり長続きしません。

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10年 

十年ひと昔などと申しますが、長いような短いような時間でございます(落語のマクラみたいですが)。
平成11年の夏には、

    桂川連理柵

が上演されたのです。私はその初日に行きました。
お半は大津宿屋にも出てきますが、ここは黒衣、ナイショですが(そうでもないか)おそらく簑太郎さんが遣っていらしたと思います。
そしていよいよ「帯屋」。ここはもちろん出遣い。下駄の音とともに現れたのは吉田簑助師匠の遣われるお半です。

    万雷の拍手

とはこういうものかと思う、すさまじい音が劇場内に響きわたり、まったく止む気配がありません。長く、長く続いた拍手でした。その音は割れんばかりに大きいのに、不思議なことに静けさすら感じる、そうです、まさに時間が止まる、そんな感じでした。
身体をゆすって拍手する人、泣きながら手を打つ人、隣の人の肩をたたいて喜び合う人、客席は思い思いにその感動に身を委ねていたのです。
こんな瞬間にはもう二度と出会えないだろうと思うほどの感激を、私もまた味わっていました。
この感激・・・前年の秋に倒れられた簑助師匠が、懸命のリハビリを超えて9か月ぶりに帰ってこられたのでした。

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プロの技 

先月終わった

    伝統芸能演習

の稽古をしているときにつくづく思いました。
学生が悪戦苦闘しているのに、師匠の模範演技になると、突然人形に命が入るのです。人形が勝手に動いていて、師匠は後ろに立っているだけ、という印象です。
動かしているという作為がないのです。
これが

    プロの技

というものか、と目を瞠ります。
もうひとつ驚くのは、師匠が主遣いをすると左遣いの学生の動きが変わるのです。何も指示を出しているわけではないのに、次に何をすればいいのかが自然にわかるような感じです。足も自然に動き出します。
自分が動くことでおのずからリードする、指導の極意のようなものすら感じました。

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吉音会 

文楽は男性ばかりで上演されますが、女性による人形浄瑠璃もあります。
有名なところでは

   千里金蘭大学パペットパーティ

があります・・・というのはまあ冗談です(笑)。
正真正銘、本格的な女性人形浄瑠璃のグループに

    吉音会

のみなさんがいらっしゃいます。
野澤吉三さんを中心に、文楽の方のご指導も得ながら活動されています。
吉三さんは阪神大震災までは兵庫県にお住まいでしたが、今は関東に移られてご活躍です。

このグループがこのたび公演をなさいますのでご紹介する次第です。

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鬼一法眼三略巻 

この東京公演で、好きな演目ひとつだけ招待するよ、といわれたら、私はほとんどためらいなく

    鬼一法眼三略巻

を選ぶと思います。
第二部の「酒屋」と「沼津」というのはなんだかこってりしすぎて組み合わせとしてどうなのかなと思います。
住、綱、嶋、簑助、文雀、勘十郎・・・と揃っているのになんというもったいないことを、と言われそうです。実際、人気はこの第二部だそうで、チケットはもう取れないそうな。
関東の方から伺ったのですが、

  清二郎さんの三味線の手

が少し違う(鶴澤藤蔵師匠の手だとか)のだそうで、耳さえ元気ならそれはぜひ聴いてみたいところですがもうこれはしかたがありません。
第三部の「天変斯止」は大阪公演を経てどのように工夫が凝らされているのかなという関心とお客さんの反応がいいという話ですので、客席がどんな空気かなというのが気になるところです。しかしまあ、夏に大阪で堪能しましたのでまあ、いいかなと。

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イチローさん 

どこかでよく似た記事を書いた記憶があるのですが、忘れちゃいましたので、気にせずにまた書きます(笑)。

「一郎」とという名は、失礼ながら、個性の乏しい名前です。太郎ほどがっしりしたイメージもなく、大学浪人の「一浪」を喚起させ、「長男」を言い換えただけのような感じもします。
それをカタカナに変えて「ウ」を「ー」と伸ばして、

    魔法のように

個性的な名前にしたのがオリックスのイチロー選手、そして彼はそのままアメリカ・シアトルに行って世界に冠たるアスリートになったため、この没個性と思われた名前が海の向こうでも知られるようになってしまいました。
大リーグでの2000本安打を達成し、このたびは9年連続の200本安打まで達成されたそうで、立派な記録を打ち立てられました。

政治の世界では小沢さんが「イチロー」ですが、新総理大臣となる鳩山由紀夫さんも「一郎」の筋です。元総理大臣の「一郎」氏からその子息「威一郎」氏へと続き、由紀夫さんの息子さんがまた「紀一郎」さんだったと思います。

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人気がないにも 

時々書いたことがあると思うのですが、大学の教員は学生の採点を受けるのです。
で、その結果が手元に届くのですが、普段は

    まあ、こんなものか

と思っていたのです。
ところが、ちょっとわけがあって全教員の評価がネット上で一覧できる学内の資料を覗いたのです。
そうすると、もう、ビックリの親玉。
5点満点で授業全般について採点されるのですが、あるカテゴリでの平均点が

    4.0

さすがにいい教員が多いんだな、と感心、感心。そして、周りの教員の個別の点数を見ると4.1、4.0、3.9、4.2など、ほぼ平均点のあたりで固まっているわけです。4.9なんていう人はほとんどいません。まあ、学生の評価はこんなもんなんだなと納得。
で、私の点は?と思って見てみると、

    ガガガガガ~ン

とでもいうのでしょうか・・・

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感情表現 

いろいろ反省しているのです。
先月の私どもの

  無言劇 

について。
おそらく10分ほどで上演したと思うのですが(うっかり計り忘れました。記録をとっていた学生がいますのでまた教えてもらっておきます)、いくらかカットして、その上で膨らませるところをもっと膨らませないとダメだな、というのが一番の思いです。
そのキーになるのは

  人形が何を考えてその行動をするか

を表現できているかどうかです。
操るのではなく、人形の感情や思考を表現するのです。そこにいたることがどれほど大変なことかを思い知りました。
もちろん数回の稽古しかしていない学生にそこまで求めるつもりはありません。ただ、反省をしておくことは絶対に必要だなと思ったわけです。

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天変斯止の評判 

ある技芸員さんからお知らせいただいたのですが、東京公演では

  天変斯止嵐后晴

の評判が大変いいとか。少なくとも大阪での反応よりは上々ということのようです。
私もなんとなく関東の方のほうがより好意的に受け入れるだろうと思っていたのですが、まさにそんな感じだそうです。
関西人はこういうことになると

    何かとうるさい

です(笑)。
シェークスピアの人物は面白いですね。
あれだけの登場人物の中に必ず自分と同じ人がいる、と感じさせるところがすごいです。
私の場合、原作「テンペスト」」にいうキャリバン、文楽では泥亀丸(でがまる)として出てくる怪物こそが自分に一番近いと思えるのですが、みなさんは如何でしょうか?

「私は春太郎」「美登里かな~」などとおっしゃるあなた、
それは勘違いじゃないでしょうか(笑)。

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修理 

まったく、何でこんなことをやってるんだろう、と思うことがしばしばあります。
この夏、小道具作りに精を出したことは申しましたが、今度は後始末、人形の修理をしました。
もっとも、首の塗り替えとか、ウナヅキの糸のかけ替えとか、そんな難しいことができるわけではありません。
しかし、私にとってはかなりの難題です。

しばしば、小学校時代に図画工作が苦手だったことは申しましたが、実はそれ以上にダメだった科目があったことを告白せねばなりません。それは、

    家庭科

です。
針に糸を通すのはうまかったのですが(笑)、それからあとがどうにもなりません。
運針なんて言われてもまっすぐにはできません。またまた言い訳ですが、左利きの私になぜか家庭科の教師が

    針は右手でお持ちなさい

などとおぬかしあそばされたことも一因になっていると思います(ただし、実際は左手でもできませんでした)。あの頃はまだ左利きというだけで小さな差別があったようです。
ミシンなんて私に触らせると危険でしたね。足で踏むミシンがありましたが、前に進めているつもりが後ろに下がったりして。教師があまりの不出来に不思議がっていました。
料理に至っては包丁なんてアブナイの何の。どういうわけかご飯だけは炊けたのですけれども。
もうとにかく、家庭科で何かを作れと言われると真っ青になったものです。
ところが親に手伝ってもらうというのが嫌で、結局はまた友人たちから嘲笑を受けることになるのです。女の子にもよく笑われて哀しかった・・・。

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書類作成の日々 

私に限らないと思うのです、書類を書くのが苦手な人は。
それなのに、今目の前にあれもこれもと書かねばならないものが山積しています。
もっとも、昔はこれをいちいち

    手書き

していたのですね。それを思えば楽をさせていただいていると感謝すべきなのでしょう。
・・・にしても、やはりどうしてこんなに面倒なことをしなければならないのかと思います。
体調が悪くて休む、というのはやむをえないことですが、いつもその時頭に思い浮かぶのは増えていく仕事です。
バイトで人を雇いたいくらい(そんなお金はありませんが)ですが、他人に任せることのできない内容のものですので、結局締切が近づくだけで仕事はどんどん積み上がっていきます。
ここ数日、職場でしていることといったら、そんなものを書くことばかりです。

ああ、

  腱鞘炎になりそう・・・

ブログなんて書いてる場合じゃないです(笑)。しかも困ったことに一台しかない家のPCが不調で(というか、おそらく寿命が近いのだと思います)、もっぱら仕事は勤務先でせざるを得ません。

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どうしても思い出す日 付410,000 

今日は五代目豊竹呂大夫さんのご命日。あの日から9年になります。
親の命日でも忘れそうになるのに、呂大夫さんとそして今月24日の玉男師匠のご命日も不思議に思い出すのです。

呂大夫さんはご存命ならまだ64歳です。これから、という年代ですよね。

    9年前の9月9日

に、55歳で亡くなったのは若すぎるというほかはありませんでした。
ご幼少の頃の十代若大夫宅での厳しい修行から始まって、最後は堂々たる三段目を語られる太夫になりつつあられたのに。
実は私は身近にお話を伺っていません(セミナーのような場では謦咳に接することができましたが)ので、呂大夫さんのお人柄など、必ずしも詳しくは存じません。なぜか、あの方とは縁がなかったのです。今、時折後輩の方からお話を伺って、改めて惜しいと思うばかりです。

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予防接種 

とにかく新型インフルエンザの脅威が巷でも感じられるほどです。
病院などに行きますと看護師さんも受付の人もマスクをしていらっしゃいます。
当然のことなのでしょうが、実はこれは私にとっては大変な問題です。
呼び出されるとき、「と~じゅ~ろ~さ~ん」と言われる、その

    口の形

を私はいつも見ているからです。
よく知ってくれている人ですとマスクをはずしてくれますが、たとえば血液検査室へ行って下さい、といわれたりすると、そこのナースはまず知りませんから困ります。こういうときはあらかじめお願いしておいて、入口の一番近くに座って待っているようにしています。
もっとも、最近は名前を呼ばずに(プライバシー保護のためだとか)機械を持たされて、その画面に「シンサツシツヘ」「カイケイヘ」という文字が出る方式の病院もありますが。

文楽のみなさんもかなりデリケートになっていらっしゃる方がおありのようにお見受けいたします。
特に太夫さんは

    声が出ない

というのではどうしようもありませんしね。若いから罹らない、ということはありませんし、持病のおありの方など、どうぞご自愛下さい。

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ネットの世界 

実は先月から体調不良で特にお盆あたりから最低限の仕事以外はダウンしています。
ダウンしているときは、ゼイゼイ言いながら(笑)ネットの掲示板やニュースへのコメントを眺めていました。
普段そういうことをしないので、なかなか新鮮、しかも社会勉強になりました。
おりしも

  覚醒剤事件 と 総選挙

が重なり、「事情通」の皆さんがこの両者をからめて舌鋒鋭く意見を書き込んでいました。
タレントの覚醒剤事件に「某大物政治家」(ほぼ実名に近い表記がなされていました)が暗躍しているとか、フィクサーがうごめいているとか、それらが表沙汰にならないのは面白いと言ってはいけないかもしれませんが、新聞には載らない情報が氾濫していました。スポーツ紙なんかには載るのかなぁ(それも読まない私です)。

ぐっと「やわらかいところ」では元野球選手のお嬢さんが

  20年以上も年長

の、しかもかなりのプレイボーイの俳優さんと付き合っているのはけしからん、お父さんが気の毒だ、彼女はだまされている、というような。私などは、近い世代の俳優さんだけに「まだ30代女性と付き合えるのか!」と自信を持てた(?)のですが(見た目に甚だしい違いがありますから一緒にできないことは承知しています)、なんでも離婚を繰り返している人らしく、それは手厳しい批判でした。
叩く時はここぞとばかりに叩くんですね。

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20の拍手 

先日、文楽の某技芸員さんとふとしたことから道頓堀朝日座の頃の話をしていたのです。
昭和59年1月公演まで文楽のホームグラウンドだった朝日座です。
「何が一番記憶に残っていますか?」とうかがったら、「そら、なんというても

    ガラガラの客席

ですなあ」とのことでした(笑)。
「20人とか、そんなこともありましたやろ。舞台に人形が7体出てたら人形遣いのほうが数多かったりしてね」。

文楽劇場がガラガラのことがある、といっても、私は(多分・・・)150人以下の日に出くわしたことはありません。
観客20人の朝日座の舞台に立ったことのない技芸員さんもずいぶん増えてきましたが、彼らには想像できないかも知れませんね……。

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東京公演 

文楽東京公演が始まります。
今回は三部制なんですね。

第一部は

  鬼一法眼三略巻

から「播州書写山」「清盛館兵法」「菊畑」「五條橋」。
播磨国書写山は古くから知られた名刹で、私などにとっては弁慶より和泉式部が円教寺の性空上人に送った「冥きより冥き途にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月」と詠んだことのほうがなじみが深いのです。その書写山での弁慶の話に始まって義経が「六韜三略」を手に入れて、五条橋で出会うまでを描くことになるようですね。咲大夫さんの「菊畑」は綱子大夫からの改名の時の演目ではなかったでしょうか? 今回は堂々たる「切」ですね。

第二部はいわば名作劇場。

  伊賀越道中双六  「沼津」

  艶容女舞衣  「酒屋」

「沼津」は綱・住のリレーです。私は津大夫の沼津をいまだに忘れられないのですが、いつ聴いても泣かされる演目です。
今回は簑助師匠が十兵衛ですね。
一方、「酒屋」のお園は文雀師匠で、これは文五郎型のお園ですね。床は英・嶋のリレー。嶋師匠はいつぞや越路師匠の代役で拝聴したのが記憶に残っています。

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長い・暗い・ゆるい 

最近このブログのヒット数、コメント数がかなり減っています。
演劇ブログランキングも40位前後で、

  凋落の一途

をたどっています(笑)。

まぁ、それはしかたないのですが、やはり原因はありそうです。

◆ニッパチで、万事不景気
◆選挙でブログどころじゃない
◆文楽がしばらくお休み
◆学生も夏休みでバイトや旅行で多忙

など、他人のせいにできなくもない(笑)のですが、やはり自分の責任も考えねばなりません。

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冬の講演に向けて 

私などにもときどき話をして欲しいという依頼が来ます。
書くものの依頼なら喜んで、なのですが、話はやはり苦手です。
しかし原則的にお引き受けすることにしており、この秋から冬にかけてもいくつかあります。
私の場合、多くは

  平安時代の文学と歴史

についての話で、このところネタにさせていただいているのは藤原道長とその周辺の人々です。
この秋にもお話しすることになっています。
ところが、珍しく依頼者側から

  日本の文化

という大テーマで、私に「文楽」「近松」の話をして欲しいという依頼も来ています。
そういわれても、江戸時代文学や演劇についてきちんと勉強したことのない者ですから、正直申しまして困るのです。

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内子も松方も 

神戸新聞は申すまでもなく神戸の地方紙。
私は購読したことはありませんが、やはりなじみがあります。
阪神大震災のときはサンテレビとともに地元のメディアとして

  直接の被害を受けながらの報道

という離れ業をやってのけました。
神戸新聞そのものより、高校時代は神戸新聞会館のほうが親しみがあったのです。略して新聞会館と言っていたのですが、要するに映画館、「神戸で映画」といえば私の場合は国際会館かこの新聞会館でした。
神戸新聞社は震災後ハーバーランドに新社屋を建てましたが、そこにあるのが

    松方ホール

神戸新聞生みの親の松方幸次郎を記念しての命名です。
普段はクラシック演奏会が多いと思うのですが、8月27日には文楽が上演されました。
手ごろな大きさの(1,2階あわせて706席)音楽ホールですから音響は当然よいはずです。今後も恒例化するのでしょうか?

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9月 

東日本方面の皆様、台風のお見舞いを申し上げます。
あまり使わなくなった言葉ですが、今日は

    二百十日

ですね。関東大震災の日でもありました。

さて、9月は文楽東京公演の月です。
そして、その前後に関東地方各地に技芸員さんが招かれての、

  小さな公演やワークショップ


などがおこなわれるようです。
このところあまりあちこちのブログを拝見していないのですが、かしまし娘さんの

    アッパレじゃ!

で、いくつかの催しがあることを知りました。まったく情報に疎いのです。
インフルエンザが流行していますので、皆さんどうぞ気をつけてお励み下さい。
さて、私は9月公演は厳しいかもしれません。何の役職も持たない、必然的に会議など無縁の私なのに、何だか忙しいのです。
関東の文楽ファンの皆さんとなかなか会えないのが寂しい限りです。

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