老婆心 

私が(かなり田舎にあった)前任短大から今の勤務先に移ってきた時、さすがは大阪の学校だと思うことがいろいろありました。

  古典文学を担当

する者として、奈良や京都、あるいは伊勢や吉野や近江などがすぐそばにあるのはありがたかったです。
また、建物としてではなく、演ぜられる場としての文楽劇場が近くにあって、ひょいと通えるようになったのは嬉しかったですね。小さな催しにもどんどん参加できましたし。

前任短大では、文楽などほぼ無名の芸能で、地方公演に学生を誘っても反応はよくありませんでした。
ところが現勤務先に移ってみると、文楽、能、狂言、歌舞伎には何百枚もチケットを買って団体見学するのが恒例になっていました。
私は当然のように引率担当になり、チケットもしばしば取りました。その時感じたのは、劇場の

    対応のよさ

でした。

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ひきずる日々 

昼休みの研究室の窓から見る箕面の山の風景はなんとなく春の兆しを感じさせます。
雲の流れのせいなのか、日差しの明るさゆえなのか、理由ははっきりとは分かりませんが。

文楽初春公演が終わって一週間ほどになるのに、まだまだひきずっています。
ここであれこれ勝手なことを書いて、みなさんの失笑を買っているかとも思うのですが、そういう試行錯誤をしないと

  この3週間は何だったのか

という課題がまとまらなくなりそうなのです。
満足に会話ができれば、書かずにしゃべることであるていどまとまるだろうと思うのです。だし巻きの夕べ一回ですっきりするかもしれません(笑)。実際以前は公演中、公演後にいろんな人としゃべっていたのですが、今はもう書くことでしか頭の整理ができなくなっているようです。
書くことが苦手なら本当にどうしようもないところですが、幸い何の苦もない作業ですので、その点だけは助かっています。
このところ、文楽の見方がわがままというか、突拍子もないというか、

    私だけの文楽

になりつつあるような気がしています。
あまりにも極端な見方だと自覚した場合は黙っているのですが(笑)、いくらかはこのブログでもそういう「独特の見方」を書いていると思います。

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かむろかわいや 

文楽の演目のなかでも小品の部類に入る

    二人禿

ですが、今回の上演時間は10分でした。
舞台背景は京都島原。左を上に斜めに描かれています。中央に大門があって、奧が島原の遊郭。向かって右手(上手側)に柳、左(下手側)に桜。これはもう

  見渡せば柳桜をこきまぜて

            都ぞ春の錦なりける
                       (古今集・春上・素性法師)

の世界です。
そこで羽根をつき、鞠をもてあそぶ禿たち。
一緒になって羽根をついたり、鞠を隠していたずらしたり。やがて彼女たちも遊女になるのでしょうが、今はやはりあどけない少女たち。
そのいたいけな姿を精一杯見せてくれたのが清五郎さんと一輔さんでした。

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お里 

文楽で「お里」といえば、私はまず

    すしや

の娘を思い出します。
いじらしいまでに弥助を思うこの少女を何回見てきたことでしょうか。簑助さん、文雀さん、紋寿さん、一暢さん、当代勘十郎さん、若手会では簑二郎さんもありました。
そしてもうひとりの「お里」が

    壺坂観音霊験記

の主人公です。
この初春公演では文雀師匠、相手役の沢市は和生さんでした。
この二人が醸し出す雰囲気は独特のものでした。
なんというべきか、沢市の家によどんだ空気が漂っているのです。
実は私が壺坂を見る前にまゆみこさんとお話したのですが、まゆみこさんがまさにそういう感じを抱かれたとのことでした。まゆみこさんの炯眼につられてそう見えたということもまったくないかと言われると自信はありませんが、私も確かに同じように感じました。
沢市は妻を疑い、お里は純粋であるがゆえに言葉に出しては自分の行為を説明しない。そのことでよどむ空気が沢市の言葉によって切り裂かれました。
お里も初めて心の中を口説いてみせます。それが

    三つ違ひの兄さんと

であるわけです。
現世に絶望して阿弥陀の救済~浄土への往生~を願う沢市と観音の利生を信じて日参するお里。
障害を持った者にしか分からない社会との隔絶感は絶望となっても不思議ではありません。一方のお里の献身もまた偽りのないものです。
微妙に異なるベクトルがカチリと音を立てるように交差した時、事態の解決の糸口がわずかな光明として差し込んできたという印象を持ちました。
今までとは違った「壺坂」を見たように思います。

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ひとつの終わり 

3週間の文楽初春公演も終わりました。
技芸員の皆様は、それぞれ満足の行く成果を得られたでしょうか。100点などということはありえず、60点でもよしとせざるを得ない厳しい世界ですが、次のワンステップのためにも意義ある3週間だったと拝察いたします。
このあと、休むまもなくさまざまなお仕事がおありの方が多いのでしょう。
そして2月の

    東京公演

が待っています。
この公演は

  吉田簑助文化功労者顕彰記念

で、簑助師匠は「曽根崎心中」のお初。相手役は勘十郎さん、天満屋は嶋大夫師匠です。
おそらくチケットはもうほとんどないのでしょうね……。
このほか、「花競四季寿」「嬢景清八嶋日記」(以上第一部)「大経師昔暦」(第二部)の上演です。
玉女さんの景清も楽しみですね。玉英さんはこの公演まではお休みなのでしょうね(未発表?)。

それにしてもこれで5,700円はちょっと高いような気もします。

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理 

桐竹紋寿さんが大阪本公演で初めて政岡を遣われました。
文楽は歌舞伎と違って役者を見るという要素はあまり濃くないように思うのですが、今回ばかりは少し違いました。紋寿さんのこの役への

    思い入れの深さ

というか、愛着というか畏敬というか、とにかく凄まじいばかりの執着を感じ取ることができたからです。
紋寿さんはこれで女形の最高峰を持たれたことになり、ひとつの到達点に達せられたと思います。「これで終わり」のような書き方になっているとしたら、それはけっして私の本意ではありません。しかし紋寿さんはとにかく富士山登頂に成功なさった。そのことに関して心よりおめでとうございますと申し上げたい気持ちです。
紋寿さんは簑助師匠や文雀師匠の陰に隠れる面がおありだったと思います。今も番付では三位の位置にいらっしゃいますが、女形でも三位。それでも精進に精進を重ねられてここまで来られたのですから人形遣いとしての本懐ではないでしょうか。
ますますお元気で次の大役に挑んでくださいますよう期待いたしております。

さて、その

    伽羅先代萩

です。
政岡も八汐(玉也)も千松(簑紫郎)もよかったのです。
じっと持ちこたえた政岡は最後で感情を爆発させますが、その勢いは客席にびしびしと伝わりました。
相手によってころころ態度を変えて、八方を見渡してしたたかに生きていこうとする八汐も玉也さんの的確な動きで性根が見えました。
現代最高の子役は簑紫郎君。大きな立役もできる人ですが、小さく持って大きく遣うような千松は抜群の冴えでした。
が、私はもうひとり、目を瞠るような役があったように思ったのです。

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出世物語 

毛谷村というのは不思議な芝居です。
なにしろ、六助のもとにいきなり

    母になろう

というおばあさんとか

    あなたの女房です

という若い女性が出てきたりするのですから。
六助は母を失ってただただ菩提を弔う日々。そして四十九日を終え、母の魂は宙宇にさまようのをやめてあの世へと向かいます。この四十九日、彼は母とともにいた、というより、母の胎内に戻ったかのような時間を過ごしたのではないでしょうか。
母は確かにあの世へ行った、しかしこの日に彼は新たに生まれた、生まれ変わった、変身した、再生した、蘇生した。そんな印象も持ちます。

天涯孤独で社会からも隔絶した六助でした。
その彼がこの日4つの出会いをしました。

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初春も千秋楽 

今日、文楽劇場では初春公演が千秋楽になります。
さすがに3週間経つと「初春」という感はなくなりますが、それは技芸員さんはじめ劇場職員の皆様が22日(休演日を含む)の長丁場を乗り切られた証でもあります。ご苦労様でした。
珍しい演目あり、よき配役あり。
ご贔屓を思うと物足りなさも、という方もいらっしゃるかも知れません。
珍しいという意味では

    寿連理の松

が久しぶりでした。どなたもがおっしゃいますように、結末に関してどうしても現代的な感覚では違和感を持ってしまいます。妾にしてもらうことで十分満足だという感覚は金輪際理解されそうにないですね。特に、この結末で

    しゃん しゃん

と手締めをするというのは現代人には無理やり、強引。「えっ? これでめでたいの?」と思われてもやむをえないように感じます。お梅が気の毒だ、かわいそうだ、しかし彼女は身を引いた、ということであれば「野崎」のおみつ同様それなりの結末にはなると思いますが。
ただ、今回の舞台は嶋大夫、清友、和生、勘十郎、玉女、玉輝、簑二郎、勘弥ら、今もっとも華のあるメンバーの総出演なので、舞台そのものはきわめて充実感がありました。佐治兵衛の人物像だけ見ていればそれなりに面白かったりするのですが。

今後この作品はどうなるのでしょうか?

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面白かった日高川 

豊竹英大夫さんほかの床、豊松清十郎さんの清姫、吉田幸助さんの船頭で

    日高川入相花王

が上演されています。
日高川の渡し場で、登場人物は二人だけ。背景は夜の闇。
なんだかがらんとした印象です。
清十郎さんの清姫は猛然と駆け込んでは来ません。疲れ果てたように必死の思いで渡し場にたどり着いたという感じです。彼女はまだ生身の人間、恋しい人を追う一人のお嬢さんであって、鬼でも蛇でもありません。そういうことを感じさせる清姫でした。
船頭は食えない男です。清姫をじらして嫌味を言うばかりでけっして渡してくれないのです。
清姫は低姿勢、

    お願いだから渡して

という態度ですが、いつしか彼女の思いが激しいものと化し、ついには船頭を追い詰めてしまいます。
このあたり、落語の「らくだ」じゃありませんが、立場の逆転、なかなか面白いです。
実は私は今回の上演でこの演目にとても強い芝居心を感じました。床のほうはよく分かりませんが、清十郎さんと幸助さんのやり取りがとても面白かったのです。景事のように華やかに見せればそれでいい、というのではなく、きちんとした芝居になっていた点に大いに感心したわけです。
公演が始まるまでは、清十郎さんも幸助さんもやや物足りない役だと、実は思っていたのです。しかしこのお二人はやはりただものではありませんでした。

さて、このあとの記事は舞台裏の話になりますので、客席から見た舞台だけに関心がある、という方はここまでということで・・・。

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ありがとう、朗読 付460,000 

私の教え子である学生諸姉は「なんともゆるい授業だな」くらいに思っていたでしょう(それは満足に仕事をこなせなかった私の責任なのです)。
しかし、私にとってはいとおしいまでに大事だったのが

  朗読演習

という授業でした。
短大で3年、四年制大学で4年。しかしこの7年は、急速に衰えて行く聴力と悪化する肺の苦しみと闘う日々でもありました。
肺から出した声を耳で受けるという授業は年々苦しくなり、ついには朗読担当としては「世界一ふさわしくない教員」によるゼミと化してしまいました。
ただ、個人的にはこのゼミをいとおしむことで生きがいが増すようでもありました。

その授業が、大学の学科再編のために本年度をもって消滅し、今日完全な

  最終回を迎えます

ほんのちょっぴり感傷的になります。

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駆け来る女たち 

この公演には熱い思いを抱いたまま舞台に登場する女たちがいます。

  お里

  お夏

  清姫

が、それぞれの想いを抱きながら駆け込んできます。
清姫(清十郎)は安珍を追いかけて全速力で掛けて来るかと思いきや、憔悴してたどり着いたかのように日高川へ。
そこでひとしきり船頭とのやり取りとなります。
私はかつてこれほど来いやり取りを見たことがあるだろうかというくらい、船頭の存在が大きかったように思いました。床はおなじみ津国さん(もうおなじみでなくなってもいいくらいですが)で、手摺はなんと幸助さん。
もう泳いでいいよ、っていう感じになかなかならない、おもしろい日高川だったと思っています。
清十郎さんはむしろおっとりとした少女の清姫が水鏡に自らを映すことで実と虚の二つの像を練り上げるように蛇身に変じ、一気に泳ぎに入りました。それにしても、文章上、清姫は

    火焔を吹き

というようなすさまじいことまでしているのですね。道真みたいです。

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年賀状の残り 

私の好きな和泉式部の歌に

  かぞふれば年の残りもなかりけり

        老いぬるばかり哀しきはなし

がありますが、そのこととは何の関係もありません(笑)。
年賀状の残りの話です。
地域社会との関係の深い研究分野にいる私の同僚は、役所の方々とのお付き合いがとめどなく広がって、年賀状の数がどんどん増えていったのだそうです。その結果、500枚だか600枚だかを作らねばならなくなり、とても不可能ということで、転勤をきっかけに

    年賀状をやめます宣言

をしたそうです。いっそ潔くていいですね。
確かにその枚数だとやめたくはなりそうです。郵便代(はがき代)だけでも3万円するわけで、私ならそのことだけでもお手上げになってしまいます。
私はそこまでの枚数を書いたことはありませんので、なんとかなっている感じです。しかし、最近気付くのですが枚数が毎年

    微減している

のです。

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壺阪の観音さん 

由緒あるお寺です。
壺阪山南法華寺、というよりはやはり

    壺坂寺

ですね。
本尊は十一面観音。お寺で見かける観音像の中では千手観音とともに印象に残りやすい像ではないでしょうか。

あの藤原道長が寛弘四年(1007)に吉野金峯山に参詣した時も、この寺には立ち寄っています。

先日も書きましたが、観音さんは現世利益を与えてくれます。ナントカ手当とか、上限いくらとか(笑)、その手で庶民を喜ばすのです。
それだけに、

  壺坂観音霊験記

も、はなはだわかりやすいお話です。

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六助 

『彦山権現誓助剣』は十一段の芝居で、「毛谷村」はクライマックス近くの一段。『忠臣蔵』でいうと「山科」のように仇討ちの条件がすべて整う場面でしょうか。
あまりにも発端がわからないので、初見の時は解説を読まないと

  手も足も出ない

かも知れません(私はそうでした)。

毛谷村六助は郡音成(こおり おとなり)の剣術師範、吉岡一味斎から剣術の秘伝を授かっています。一味斎(妻はお幸)の三子のうち、長子の三之丞は病弱、末娘のお菊には夫との間に一子弥三松がおり、お園は実子ではないものの、一味斎は六助を婿取りして跡を継がせようとします。
京極内匠(武智光秀の子)は、お菊に横恋慕するものの叶わず、一味斎との剣術の試合にも負けます。
一味斎は後日、京極内匠に暗殺されます。三之丞は足手まといになると切腹しますが、武芸をたしなむお園を中心に、お幸もお菊も仇討の旅に出ます。
お菊は弥三松と家来友平との旅の途次、京極内匠に出会い、返り討ちに遭います。
お園は夜鷹となって敵を捜していましたが、折りしも出逢った京極内匠と名剣を巡って瓢箪棚で争いました。
(この次が杉坂墓所、毛谷村)
六助は京極内匠と再試合をして勝ち、六助の助太刀でお園は本懐を遂げます。

だいたいこんな感じだと思うのです(ご訂正を乞います)が、我々はそのほぼ最後を見ているわけですね。

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観音さん 

あくまで感覚的なものでかまわないのですが、「観音」に敬称を付ける場合、

  観音様    観音君
  観音ちゃん  観音さん
  観音はん   観音殿
  観音どん   観音やん

などでは、どれがベストでしょうか?
私など、居住地(兵庫県宝塚市)の市内に安産祈願で知られる中山寺があり、昔からそれを

  中山の観音さん
     (本尊は十一面観音)


と言い慣れてきたこともあるのか、つい「さん」付けしてしまいます。
観世音とか観自在とか言われるこの菩薩は、歴史的に見ても庶民に広く愛されてきたため、私の感覚は珍しいものではないような気がしています。
しかも、どちらかというと女性的(特に日本で?)な印象もあり、はんなりと「観音さん」「観音はん」というあたりがよさそうに思うのです。
そこまで言わなくても、「おしゃかはん」「お大師っさん」「天神さん」のように仏神の類を近所のおっちゃんのように呼ぶのは関西では普通ですけどね(笑)。

で、観音さんは

  阿弥陀如来の脇侍

としても存在感がありますが、著名なお寺、お堂に本尊として美しい姿を見せてくれます。

  千手観音

というと奈良の興福寺、京都の清水寺、三十三間堂、和歌山の粉河寺、道成寺など、

  十一面観音

であれば奈良の東大寺二月堂、薬師寺、長谷寺、京都の観音寺、六波羅蜜寺、大阪の道明寺など。
このほか、法隆寺や四天王寺の救世観音、滋賀・石山寺の如意輪観音など、歴史の教科書などで見かけたりしますね。

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後半 

今年の文楽初春公演は3日~13日が前半で、昨日15日から24日までが後半です。
昨日1日の休暇を、技芸員の皆さんはどのようにお過ごしになったのでしょうか。
第一部と第二部が

    入れ替え

になって、客席の入りも雰囲気も微妙に変わりそうです。
うってがえで役の交替というと、

    毛谷村六助

があります。

    前半の 勘十郎 さん
に代わって

    後半はもちろん 玉女 さん

です。
再度見に行くという方もかなりいらっしゃるでしょう。どうせうってがえするなら、たとえば文雀師匠と和生さんの

    お里・沢市

をそっくり入れ替えるというのもファンならたまらないと思うのですが、そうはいかないでしょうか。

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中日(なかび) 

文楽初春公演は、

  昨日は休演

でした。中日(なかび)だったのですね。「ちゅうにち」じやにゃーよ、名古屋方面の方(笑)。
間違えて劇場に行っちゃった、という方はございませんでしたか?
技芸員の皆様方、後半も風邪などお召しにならずにご奮闘下さい。

  初芝居見物

はまだこれから、という読者の方もいらっしゃるでしょう。どうぞお楽しみ下さい。

このブログも、昨日の休演日にちなんで(どう「ちなむ」のかは知りませんが)各演目を初春の劇場風景などとともに「芝居句」として詠んでみます。お笑い種に。

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狆になりたい 

昨日の

  伽羅先代萩

の話の続きです。

「竹の間」で沖の井が持参した膳があります。それが気になる鶴喜代君。政岡は狆に食べさせます。鶴喜代は思わず「狆になりたい…」。
告白しますと、私もやはり笑っていました。そうすることが芝居の楽しみだとみずからに言い聞かせるかのように。

こうして、狆の人形の可愛さや鶴喜代の「狆になりたい」というあどけなくもあからさまな言い方に客席の緊張が揺らいだ直後、政岡は言います。

「限りなき人の果報を受け給ひ、五十四郡の御主と栄耀栄華は上もなき、なに暗からぬ御身にて、

  思ひがけなき御辛抱

たとへ卑しい下々でも、かういふ事があるものか……」

難しいですが、要するに、因果の善報によって何不足ない身の上に生まれたのに、身分卑しい者でもしないようなご辛抱をされることになった。…と歎いています。
それほどに切実な鶴喜代の状況なのですね。

それに気付かされた時、たった今笑みをもらしたことがなんとも後味の悪い、

  酸っぱいもの

が込み上げてくるような気になったことが、私にはありました。

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ひもじい 

兄の長男が幼い頃、私は大学生でした。兄嫁に次の子が産まれたので家の中が一時混乱して、誰がこの長男の世話をするのか、連絡が不足した日がありました。
兄は「早出」があって、5時過ぎに出勤(私は聞いていませんでした)。私はうっかり寝過ごして9時頃に家を出ようとしたら、ちょうどその長男が起きてきました。そして、でかけようとする私を見て縋り付き、「お兄ちゃん(私のこと)、お留守番は大丈夫だけど

  何か食べさせて!」

とひもじそうにいうのです。あまりにかわいそうで、私は大学に行くのをやめて、せっせと何かを作ってやりました(目玉焼き程度でしょうが)。
私も子供のころ、なんだか忘れましたが、

  ひもじい

気持ちになった日の周囲の風景を思い出すことがあります。

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化かされた? 

以下、申すまでもなく冗談です。

どうにも気になっています。9日夜の嶋大夫師匠の行動。
「だし巻き」ご一行が勢揃いして「さあ『季節料理R』へ行こう!」と移動を始めるや、ゆくてに忽然と(?)現れたのが

  福笹を抱いた

嶋大夫師匠だったそうです。そして、ひとしきり「悪役大好き!」「写真撮りましょ!」とやりとりがあって、師匠の満面の笑みに狂喜しつつご一行は師匠とお別れしたそうです。それだけの

  偶然のできこと

です。
でも、なんだかアヤシくないですか? だって、今回出演されている「寿連理の松」の太左衛門のスタイルで登場されて、福徳を振り撒くように徳左衛門のハートでお別れするなんて、あまりにも出来過ぎくんでは?

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外は十日の戎市 

嶋大夫エビスと季節料理Rに向かう「だし巻きの会」メンバーが遭遇した宵宮に続き、昨日は十日の本戎。
福男が走る総本社の兵庫・西宮、人出では西宮をはるかに凌ぐ大阪・今宮など、各戎社は商売繁盛を願う善男善女で賑わいました。
そういえば、私が子供の頃、大阪者の父は毎年いくらかの吉兆を付けた福笹や熊手(堀川戎でした)を片手に「商売繁盛で笹持って来い」とはやしながら帰ってきました。

お夏・清十郎というからには

  刃物沙汰

になる陰気な悲恋もの。はじめて

  寿連理の松

を観るときの先入観でした。しかしタイトルはなんともめでたげな。

お夏の兄徳次郎が小半を身請けするための金を、佐治兵衛・清十郎父子とおかね・お梅母娘がそれぞれに本心を隠しつつ算段しようとする筋があります。
それにからむのが、近所の子供も知っている

  お夏・清十郎

のストーリーというわけです。

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だし巻きの夕べ 

宵戎の9日夜、一般に言うオフ会、当方で言うところの

  だし巻きの夕べ

が行われました。会場はいつも国立文楽劇場から西へ歩いて0分の季節料理R。

ご参加くださると伺っていたのは、采配をふるって下さる、やたけたの熊実行委員長を初め、花かばさん、こでまりさん、まちるださん、えるさん、くみさん、の6人の方々でした。熊さん、お世話になりまして、ありがとうございました。
他にも

  当日参加

の方はいらっしゃったのでしょうか。アリバイ関係で秘密ならばともかく(笑)、差し支えなければお教えください。

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片外し 

昨日、禿の髪のことを書きましたが、実は女性の髪型のことなどさっぱりわかりません。
四天王寺さんの近くにある、名越昭司さんの

  鬘司庵

には何度もうかがい、鬘もずいぶん拝見しましたが、なかなか区別できません。あれがすべて頭の中に入っているという名越さんのキャリアはすごいものです。
私の大学所蔵の文楽人形の鬘(お染髷)を結って下さったのは名越さん、結い直しもしていただきました。

さて、奥女中などの髪型の代表というと

  片外し

この役が遣えるようになると立女形遣いですね。
この公演の『伽羅先代萩』で政岡を遣われるのは

  桐竹紋寿

さん。大阪本公演での政岡ですから、名実ともに立女形遣いと認められた感があり、嬉しい限りです。

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二人禿 

毎年の初春公演の幕開きは「寿式三番叟」「七福神宝の入舩」「花競四季寿」「寿柱立万歳」などがありますが、今回の

   二人禿

も大事な演目です。
「禿」はもともとおかっぱ頭のこと。古典文学で有名なのは

   平家物語

冒頭近くの「かむろ(禿、禿童)」。清盛が「平家の悪口いうやつはいねがー」(「なまはげ」かい?)と都中にわざと目立つ禿頭(かむろあたま)の偵察隊を放ったという話。成り上がり権力者は怯えるのですね。

でも、江戸時代になると

  遊女見習い

の女の子を指すようになります。
太夫・おいらんの身の回りの世話をしたりして修業したんですね。もともとはやはりおかっぱで、やがて文楽「二人禿」のように禿島田を結うのですね。
「私が昔は、うき河竹の傾城」(嫗山姥)とか、「うき河竹のつとめ奉公」(落語「天神山」)とかいいますが、遊女のつとめは浮き沈みして流されるネンジュ藻(河竹)のように浮き(憂き)ものでした。

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私もお詫び 

先日、しろくまさんから「だし巻きの夕べ」への不参加のお知らせがありました。
恐縮してくださり、こちらがかえって申し訳ないくらいでした。
実は、もう一人欠席者が出ました。本人、いたって気が弱く、キリンのような身体を蟻さんのように小さくしております。
はい、欠席者は

  藤十郎さん

です。
昨日、技芸員さんもドーゾ、みたいなことを言っておきながらマッタク。
これで2回連続欠席、申し訳ないやらお恥ずかしいやらで、ひたすら平身低頭しております。
理由は、またか、と言われそうですが、肺が言うことを聞いてくれないのです(かなり言って聞かせたのですが)。
無理して出かけて、せっかくの楽しい場をぶち壊すわけには参りません。ご海容賜りますよう伏してお願い申し上げます。
こでまり・まちるだシスターズとは夏以来ですし、えるさん、くみさんとは初対面を楽しみにしていたのですが……
実は、私はこの会に

  参加しなければならない理由

があるのです。その理由とは……。

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反省会に 

私、気が弱いんです。
ですから、このブログは多くの方々に読んでいただきたいと思う反面、「読んでますよ」と言われると内心ドキッとするのです。
何か叱られるんじゃないか、こっぴどく罵倒されるのではないかとさえ思います。
この正月も面と向かって言われたのではないのですが、某技芸員さんからいただいた年賀状に

  時々読んでます

と書かれていて、ドキッとしたというか、「アッチャー」という気になったのです。
いらっしゃるんですよ、こうして読んで下さっている方々。楽屋でも評判らしいです(大ウソ)。
もちろんありがたく嬉しいのです。しかし心臓に悪いです(笑)。
で、ふと思うのです。ここに書けば数名の(?)技芸員さんへの一方通行の

    伝言板

にはなるな、と

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成果と希望 

※緊急連絡(再掲)
10日昼の部のチケットが1枚余っています。しろくまさんの購入されていたものですが、取り消せないそうで困っていらっしゃいます。12列35番です。
もちろん安全・安心・格安(多分)。お引き取りいただけるかたはまず一報ください。コメントでも(非公開も可)メールでも。よろしくお願い申し上げます。



昨年の1月4日に「初夢」という記事を書きました。2009年の夢として次のようなことを挙げています。

(1)333,333ヒットを目指す。2月には何とか
(2)丸3年間書き続ける。2月28日で達成します
(3)なんとか4年目に突入する
(4)ダラダラ書きがちなので、少しでも文章を洗練する
(5)関西を中心に文楽ゆかりの地をご紹介する
(6)最低1回合コン(?)を実施する
(7)少なくとももうひとつ、何か企画する
  (ご一緒にゆかりの地を歩く、学生の文楽人形劇を見学していただく・・・)

(1)~(3)は皆様のおかげをもちまして無事に達成できました。
(4)はまるでダメでした逆にダラダラ度が増したようにさえ思います。
(5)はごく一部、年末に「橋尽し」をご紹介したくらいでしょうか。
(6)は私は参加できなかったものの、やたけたの熊実行委員長のおかげで季節料理「R」で無事開催されました。
(7)は何もできませんでした。

2年越しの課題になる(4)は無理かなぁ? 多分今年もダラダラ書きそうな気がします。
(6)は今年も新年早々、実施されそうで嬉しいです。
(7)は私の体調が振るわなかったことが原因で身動きが取れませず、断念せざるを得ませんでした。

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インフルエンザ 

誰が鶴澤燕三やねん!と突っ込みたくなる病気です(文楽ファン以外の方、わかりにくくてすみません)が、この正月の寒さのせいであるいは体調を崩して罹病される方がいらっしゃるのではないかと案じております。
もちろん私自身も決して安心できません。
昨年5月の大騒ぎのときは勤務先の大学もマスクだらけ、今もマスクを常時着用している同僚がいます。
私はどうもあれはうっとうしくて、しかも

  手洗いのほうが重要

という信念(笑)を持っていますので、めったにマスクは着けません。
私は肺に爆弾を抱えていますので、インフルエンザなどに罹るとやはりやっかいです。医者も「絶対に」という言葉を使って予防接種を勧めますので、やむを得ず先月してきました。

なんでも、ワクチンは当初2回といわれていたのが1回でも有効だということになり、さらに流行慣れ(?)してしまったのか、罹ったらリレンザでも吸えば治る、ということなのか、必ずしも希望者が殺到しているとはいえないそうです。
私は、12月の半ば頃に病院から「●月○日に接種がありますので来ませんか?」という

  エイギョウの(笑)電話

がありまして、事前の医者の「絶対に」という脅迫(うそです)もありましたので行ってきました。時間も指定されているのは、どうやらある程度の人数に接種する分量の「大瓶」のようなものがあって、それを消化しないとまずいから、というような事情もあるようです。

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初春の初日 付450,000 

※緊急連絡
突然ですが、10日昼の部のチケットが1枚余っています。しろくまさんの購入されていたものですが、取り消せないそうで困っていらっしゃいます。12列35番です。
お引き取りいただけるかたはまず一報ください。コメントでも(非公開も可)メールでも。よろしくお願い申し上げます。



新年最初の文楽です。
劇場の飾りつけも、客席の装いもあでやかに本日めでたく幕が開きます。
早速初日からおいでのみなさま、朝早くからの

    鏡開き

ではお酒をゲットできましたか? 初日の手ぬぐいはどなたの手に?
春から縁起がいいといいですねぇ。
この初春公演の演目は

第一部
  二人禿
  彦山権現誓助剣(杉坂墓所・毛谷村六助住家)
  壺坂観音霊験記(土佐町松原・沢市内より山)
第二部
  伽羅先代萩(竹の間・御殿)
  寿連理の松(湊町)
  日高川入相花王(渡し場)

です。
政岡を遣われる紋寿さんはどのようなお気持ちでこの新年をお迎えになったでしょうか。
玉也さんの八汐、悪そう~(笑)。

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のんびり 

元日は

    ぐうたらのんびり

の一日でした。
とても寒い元旦でしたが、皆様は如何でしたでしょうか。
この寒い中でもけなげに植物は華やぎを見せています。
庭を巡ってみるとなかなかきれいなものです。
花を知らない私には似合わないですが、写真を撮りましたので今日はそれだけご紹介します。
ぐうたらのんびりの記事です(笑)。

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赤系統を並べてみました。落椿もかなりありました。

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DSC02030.jpg

これは柑橘系。

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なんてんは正月の雰囲気に欠かせません。

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葉牡丹もやはりこの時期の風物詩でしょうか。

DSC02027.jpg

おお、美少年。

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