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1月いろいろ 

いろいろあった1月も今日限り。とにかく寒かったですね。
去年の夏は猛暑で、冬は暖冬じゃないかとも言われていましたが、なんのなんの、猛暑の分だけ寒かったという感じでした。
文楽は初春公演。満足なさいましたでしょうか。
勘十郎さんが、結局

  時間をどれだけ
    有効に使うか


で人形遣いとしての将来が決まってくる、というようなことをおっしゃっていたと思うのですが、どんな世界でも同じことで、若いうちになまけずにしっかり基礎を叩き込んで、あれこれ勉強した人が大きな花を開かせるのではないかと感じます。
若手の技芸員さんはどうか肝に銘じて励んでくださいますように。
私もつくづく若き日に勉強をもっとしておけばよかったと悔やむことがあります。
私が実際にしてきた勉強の

    3倍はできた

はずだ、と思います。
今月は後期の期末に当たりましたので、その意味でもあれこれ忙しくしていました。
後期試験、入試、卒業論文、留学生関係、公開講座などなど、常にバタバタしていた感じです。
卒業論文に関してはもう少し苦労しそうです。

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コリアンガールと文楽人形(続) 

私どもの大学には茶人の教授がおりまして、そのお点前は完全な

    本物

ですから、人気があるのです。今回の留学生たちも来週あたりお茶の時間があるようです。
本物はそちらにまかせまして、私の方はまがいもの(笑)、B級アート。
でも、文楽人形はそれなりのものですから、実演希望者を募りますと、次々に手が上がりました。10人以上が人形に触れたのではないでしょうか。
日本に来て、彼女たちが知った芸能が

    文楽(らしきもの)

であることは、まあ、よしとしていただきたいところです。
実は私は当日あまり体調がよくなくて、立ってうろうろするとすぐに息が切れる状態だったのです。それを知っているものですから、私どもの学生が大変協力的に動いてくれました。まもなく卒業する4年生の彼女たち、そういうところは以心伝心です。
そして留学生への何か質問はありませんか? という問いかけには

    先生は人形を遣わないのですか?

といわれてしまい、引っ込みがつかなくてやむを得ず私も人形遣いをさせていただきました。もちろん上手く行くはずがありませんが、少し反って笑ったり、袂を反して泣いたり(怒るのを忘れた!)の仕草を少しだけ。終わってからある留学生が「先生かっこいい」と言ってくれました。彼女が「かっこいい」の日本語の意味を正しく知っていることを祈ります。

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コリアンガールと文楽人形 

昨日(28日)は勤務先に来ている大韓民国のプサンにある女子大からの22名の留学生に文楽のお話をしました。といっても、韓国の言葉は出来ませんし、彼女たちの日本語を当てにしてのお話でした。
先ず最初に日本の代表的な伝統演劇である

    文楽歌舞伎

を簡単に紹介し、その中でも今日は文楽のお話しをします、という形で次の段階に進みました。
文楽人形は三人で遣うこと、三味線という楽器で情景や情感を描き出すこと、浄瑠璃語りという激しい感情表現の芸で人形が動くことなどを話しました。
そして人形の構造を私どもの大学にある

    ツメ人形

の首をはずして胴に付けて見せました。首をはずした時はビックリしていました。
あまりにも単純な人形の構造にも驚いていたようです。
女の人形には足がないことも紹介し。どうやって歩くように見せるのかを実演しました。ただし、このときの足遣いは私でしたので(笑)、まるで歩いているようには見えなかったと思います。

ビデオで見てもらったのは

    伊達娘恋緋鹿子

でした。私がいつも使っているビデオは竹本越路大夫・豊竹小松大夫・二世野澤喜左衛門・野澤勝平(三世喜左衛門)・吉田簑助という出演者によるものです。舞台中継ではなく、NHKのスタジオで録画されたものです。
雪の降らせ方など、さすがに凝っているというか、かなり多量の紙ふぶきが舞っています。
プサンの女子大生たちはまずまず見てくれていたように思います。
そしてそのあと、私どもの学生に人形の遣い方を学生に実演してもらいました。

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初春公演寸描(続) 

初春公演の第二部はかなりすっきりとした番組で、終演後食事に行くのにも便利でした。

    だしまきの夕べ

も長時間で、ずいぶん充実したように承っております。「だしまき」はますます快調に回を重ねています。4月公演の集まり(9日の予定)の時はさらに新しいメンバーがおいでくださるかもしれないですね。
夏休み公演の「名作劇場」ならこれくらいの内容でかなり安く見られるなぁ、というのはいかにも意地悪ですね。あちらが安すぎるのだと思います。

    ★(ひばり)山姫捨松

は文雀師匠を殴りつける玉也さん(笑)。すさまじいですね。ただ、あのすさまじさは、痛めつけるようには見せながらも形式的でついには涙を見せる二人の奴とのコントラストがあればこそでしょうね。その意味では奴も大事だと思います。
木石という言葉があります。情を解さない人間をいやしめていう言葉ですが、奴というのはいわば身分の低い、主人の言うことなら何でも聞く木石のような存在と扱われる可能性がありますが、ここではその奴たちですら涙を流すのですね(もっとも、文楽に登場する奴にはかっこいい人が多いのですけどね)。
文雀師匠は82歳でいらっしゃいますが、細かい演技に心を配られるお姿はなんとも素晴らしいと思います。

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初春公演寸描 

文楽初春公演は23日が千秋楽でした。少しだけ思ったことを。

    壽式三番叟

は津駒さんの翁、文字久さんの千歳ほか。翁は格のある太夫さんの役目ですから、やはり津駒というお名前はそろそろ合わなくなっているのではと感じます(文字久さんも)。申し訳ありませんが、語りの中味はよくわかりません。
三番叟の人形はもうひとつ。特に玉志さん。あまり合わせようとせずにもっとダイナミックであってほしいと思いました。勘十郎・玉女さんの時は合わせようとせずに、それぞれが自在に動きつつおのずから合う感じが素晴らしかったと思うのです。もちろん、勘十郎・玉女さんの場合は何度も何度もコンビを組んでいらっしゃいますから、息がぴたりと合うのでしょうけれども。それから鈴もはっきり振ってほしいと思いました。スナップをもう少しはっきりと。和生さんの翁はさすがに風格が出てきていると思います。千秋楽では「長久円満」で文昇さん(左遣い)が左の袂を返すのが「足りない!」と思ったら袂を上げた直後に落下。惜しかった! 千歳の勘弥さんはそもそもニンとしては合う役柄。悠然とした姿は美しく立派でした。ただ、ちょっと硬かったかな、という印象を受けました。

    傾城反魂香

は結局は簑助師匠に目が行ってしまいます。玉女さんはそれでもなかなかいい又平だったと思います。自分で自分をコントロールできないもどかしさというか歯がゆさというか、その苦悶が感じられました。人形をむやみに振らずに、身体の中から出てくるような人生の苦味がありました。文司さんは硬骨の師匠。けっこうでした。文昇さんの雅楽之介は初日は精一杯、と言う印象でしたが、徐々に伝わるものが出てきました。型が次々に出てきますのでどうしても型と型の間に一瞬の切れ目が出てしまい、全体としての流れが物足りなく思われることがあり、その結果迫ってくるものが欠けるように思えました。ただ、千秋楽に拝見した時はその流れがかなり出てきていました。死に物狂いで人形を遣うだけでなく、むしろそこからひとつ力が抜けたときに人形の影に隠れることができるのかな、と思ったりもしたのです。

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公開講座から留学生講座へ 

授業終了。成績もほとんどつけて、あとは卒業研究(卒論)のみ。そして昨日(25日)は

    公開講座

の最終日でした。ながらく「伊勢物語」と「紫式部日記」を読み続けており、「伊勢」は125段のうち81段まで(約70%)、「紫」は敦成親王の五十日(いか)の祝いまで(約45%)読みました。受講者の皆さんは熱心で、気が抜けません。
昨日は朝の8時には出勤して、予習が終わったのは12時40分頃。プリント作りをしたら昼食抜きで本番に突入するはめに……。
平安時代の話になるとつい元気を出し過ぎ、夕方4時過ぎに終わると、へとへとになります。
しかし休む間もなく今週金曜日に予定されているコリアンガールズたちのための

    文楽講座

の予習にかかりました。90分の予定ですが、人形を彼女たちに持ってもらう体験コーナーを充実させることにして、少し手抜きする(笑)つもりです。

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腰痛 

運動不足です。デスクワークばかりで身体が固まっています。
しかしやむを得ない昨今です。まるで休めない量の仕事がたまりにたまっています。というか毎日

    雪だるま式

に増えていく感じです。
授業は昨日で一応終わったのですが、そんな実感が湧かないくらいあれこれ残っています。
厄介なことに、そのために

    腰痛

があるのです。少し長く椅子に座るとダメで、立ち上がって腰を伸ばすなどの運動をしています。肩も凝りますし、全く冴えません。
整形外科に行くと腰を引っ張る機械がありますよね。あれが欲しいです。
やはり軽い運動、あるいは歩くことが大事ですね。

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シラバス 

学生時代、講義要項という薄っぺらな冊子がセメスターごとに配布されました。きわめていい加減なもので、極端な先生になると10字足らずで終わり。先生曰く「これを書くときはまだ何をするか決めてないんだよ」。つい、なるほど、と納得してしまいました。
それに比べると、今は厳密な

    シラバス

なるものが求められ、教員の立場からすると面倒です(私だけがそう思っているのかも)。英語のできない私は「白蓮」のことかと思い、思わず南無妙法蓮華経と唱えました(ウソ)。
年々それを作る作業がうるさくなり、今は

    英語表記

も必要。だからさあ、私は英語が苦手なんだって言ってるでしょ。こんなの英語の教員に作ってもらったら、文句も言わずにそれをありがたく使わせてもらいますよ……。

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初春公演千秋万歳 

文楽初春公演は、今日(23日)千秋楽を迎えます。
初春のめでたさに襲名の慶びも加わって、華やいだ21日間でした。次の東京公演も引き続き熱気ある舞台となりますように。

    「万歳千秋楽未央」(和漢朗詠集)

いついつまでも楽しみは尽きないのです。
2月はちょっと不思議な番組にみえるのですが、さて、実際に観るとどんな感じでしょうか。技芸員の皆さん、花粉症にご留意あって、どうぞご奮闘ください。
そのあと、地方巡業があって、4月は源大夫、藤蔵襲名の大阪公演。清二郎さんは立派にご尊祖父様の跡を継がれて、大変結構かとお慶び申し上げます。あくまで実力あってこその襲名です。新藤蔵さんには誰も文句をつけないでしょう。
錦糸、燕三、藤蔵。三味線陣には

    華やぎと重厚さ

のある名が揃ってめでたいです。

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学生はかわいい 

女子大生ですから、みんな溌剌として肌はツヤツヤ。そういう意味でももちろん

    学生はかわいい

のです。
しかし、そういうことだけではなく、教員にとっては格別の存在で、学生と接することで自分が生かされているのだ、といつも思います。
卒業がおぼつかない学生もいますし、アルバイトにうつつを抜かして大学に来ない学生もいます。
それでも、どんな学生であっても、私はやはりかわいい。「かわいい」という言葉に語弊があるなら、

    大切な存在

です。ひねくれた態度を取っていても、話すとみんないい子ばかりです。こちらがそう思って接すると必ず学生も心を開いてくれます。特に私は明確なコミュニケーションが取れないだけに、逆に気持ちが通ずることがあるように思われ(私の思い上がりでしょうが)るのです。

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人形を持つ 

私の部屋には文楽人形が2体あります。娘首とツメ首。これはいずれも学生が遣うために入手したもので、飾りのつもりではないのです。
ただ遣い手たる学生がこの春で姿を消すため、もう人形たちの役割がなくなります。
大学には

    児童学科

というのがあり、そこででも使ってくれればよいのですが、そういう話はありません。その学科の教員の皆さんも興味はなさそうですし。
私も学生と一緒に人形遣いのお師匠さんから遣い方を習いはしましたが、なかなかうまくいかず、学生のほうがはるかにうまいのです。
それでも授業で文楽の話をするときには、せっかくですから人形を紹介したいので、私が一人で持って見せています。
はなはだ

    頼りない人形遣い

です。

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大学らしい 

昨年11月から5回に亙って私の勤務先でおこなわれた

    吹田市民大学

のアンケート結果が私の手元に届きました。
この講座は5人の教員がそれぞれの専門分野の話をするもので、私は平安時代の天体の異変と人々の行動についてお話ししました。
私の時は参加者が多かったのです。いや自慢できる話ではありません。毎年前座を受け持つ私ですので、必ず最初の回が担当なのです。最初はどんなものか

    とりあえず行ってみよう

という方も多いでしょうから、参加者が多くなるのです。また、4回目、5回目になりますと年末も近く、寒さも増しますのでおいでになりにくくなるということもありそうなのです。
最終回に実施されたアンケートにはいろいろ書いていただきました。
嬉しいのは、「これからも毎年続けて欲しい」とおっしゃるかたが多いことです。「来年(今年のこと)も楽しみにしている」「(今回は登場しなかった)○○先生の話も聞きたい」などなど。
もちろん厳しいご意見もあるのです。「話に突っ込み方が足りない」というご忠告もいただきました。謹んで承りました。

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燃料切れ寸前 

職場では授業があと一週間になりました。
ゴールは目前なのですが、同時に息切れ寸前と言うか、燃料切れになりそうです。
今日は一つの授業が最終回を迎えます。
毎回この授業の最後には

    自殺する人々

という、ちょっと怖いテーマを選んでいます。
日本人にとって自殺の歴史はどんなものなのか、それを少しだけ話しています。
源氏物語の中には自殺を願う女性が出てきます。男性はそういうことをしていないのですが、作者は後の世の人から

    浮舟

と呼ばれるこの女性の絶望を描くことで物語の結末としたようです。彼女は二人の男性の間に揺れ、母親に遺書まで書いて自殺を考えています。しかし、夢に現れた人に誘われるように家を出ると意識を失い、比叡山横川の僧都に救われるのです。源氏物語は本当にさまざまな人間模様を描いていて秀逸だと思います。
戦場で相手に殺されることを嫌った武士は自害を選んだりしました。織田信長も光秀の手にかかることは拒みました。
切腹も自害ですが、これは強制的な自害ですから刑罰の一種ともみなせそうです。
宗教的で自殺は罪とされることもありますが、それでもこのところ毎年自殺者が3万人を超えているのはご承知の通りです。

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雅楽之介 

初めて「傾城反魂香」を見た時の雅楽之介はどなただったのだろう? 実はよく覚えていません。
玉昇さんや文吾さんなんてきっと映りますよね。
で、「文化デジタルライブラリー」で調べてみました。あった、ありましたよ、吉田玉昇さん。1967年。もちろん私は知りませんが、切れ味のよい雅楽之介だったでしょうね。
そのあと、72年桐竹紋弥(吉田玉松)、73年吉田簑助、78年・84年吉田玉松、80年桐竹一暢、88年・96年・05年吉田玉女、99年吉田簑太郎(桐竹勘十郎)、01年吉田玉幸。
ということは文吾さんはありませんね。
こうしてみると、私の最初の雅楽之介は玉松さんだったようです。フンフン、そういえばそんな気がしてきました(笑)。

狩野雅楽之介は唐突に現れて、「館の騒動」「伴左衛門」「姫君」などとこの段だけを見る者には「??」な台詞を言いますので、イヤホンガイドがないと(笑)わかりにくい人物ではあります。
しかし、型のオンパレードのような華があり、疾風のように現れて疾風のように去って行く、月光仮面(古い!)顔負けの爽快な

    いい役

ですよね。
今回はそれを

    三世 吉田文昇

さんがすさまじい意気込みで遣っていらっしゃいます。
文雀師匠もおっしゃっていますが、文昇さんにはよく映ると思います。

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16年も 

ついにあれから16年が経ちました。もう書かないでおこうと思ったことではあるのですが、いくらか思うこともあって、書いておきます。
もちろん

    阪神淡路大震災

のことです。
あのときほど「他人事」と思っていることがほんとうに自分にも降りかかるのだ、ということを実感したことはありませんでした。
地震は東海地方や関東地方、あるいは北海道や南海で起こるもの、少なくとも関西では起こるはずがないものと決め付けていたのです。
あれ以来、いろんなことが身の上に起こりましたが、もう何が起こっても珍しいことではないと受け入れるようになっていました。
ここ数年、特に次々にいろんな目に遭わされてきましたが、他人様が思ってくださるほど大変なことだとは認識していません。まるでこわくはないですね。

    傾城反魂香

の又平が「口こそ不自由なれ、心も腕も天下に恐いものがないわい」と言ったのも彼の強がりではないと思うのです。おそらくその吃音ゆえに、子供の頃からさんざん馬鹿にされ続けてきたであろう又平だからこそ、絵の道に熱中しつつ、武勇についても人後に落ちぬ腕を持っていたのではないかと想像します。そして、もはや何も怖いものがないというのも、落ちるところまで落ちた又平の強みでもあったかなと思うのです。

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悪夢 

変な夢を見て目を覚ますことが多いのです。
この間見た夢は、自転車に乗っている夢でした。勤務先まで行かねばならないので、どこか途中で電車に乗り換えたいのに、まったく山の中から抜け出せずに困っているのです。カーナビ(なぜかカーナビつきの自転車)ではこう行けばいい、ということになっているのに、新しい道が出来ていて、それが

    制限速度5km

の道だったりするのです。なぜかと思ったらおそろしい急カーブで、向こうにカーブの先が見えているのですが、自転車が壁にぶつかっているのが見える。自分も今からそこに行くわけで、行ったら案の定、壁にぶつかる(でも怪我はしない)。
それでさらに先まで行ってもどうしても違う道に出たり、

    名所旧跡

があってつい寄り道をしたり(笑)。
そのうちにそれが夢であることがはっきりするのです。目が覚めているわけです。でも眠いからもう少し寝たい、眠るとまた続きを見る、仕方なく起きる。
でぐったり疲れて目を覚ましたという次第です。

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つぶやきは苦手 

時の流れということもありますので、いちおう

    ツイッター (Twitter)

に登録はしてあります。
実はかなり以前に登録していまして、そのときはほとんど見向きもしないまま放置しておりました。
しかしそれでは意味がないと最近改めて顔を出すようになりました。
それで、このブログの「演劇ブログ」のバナーの下に「twitter」のバナーも仕掛けてあるわけです。
いわゆる「フォロー」している人、されている人は今のところ30人足らずで、入り方が文楽関係の方からだったので、大半はその方面の方です。
いまだに使い方がよくわからず、時々思いついたように

    つぶやいている

だけの横着なメンバーです。いわゆる著名人になりますとフォロワーが何十万人ということがあり、呟きが多くの反応を生むのだろうと思いますし、ニュースにもなったりしますね。
私が何をほざいても(笑)、ほとんど反応もありませんし、ニュースになったことはただの一度もありません(当たり前だっちゅうの)。

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追い込み 

目の色が変わってきたのは学生ばかりではありません。

卒業論文の提出が目の前に近づいてきますと、やはり自分がかつて提出したときのことを思い出さないではいられません。
私の卒業した大学は1月10日締切でしたので、前年の11、12月が追い込みの最終段階。学生同士が廊下をすれ違うとパシパシッ、ビカビカッと稲妻が走るくらい皆深刻な顔をしていると言われました(自分ではそうは思わなかったのですけどね)。
そして提出日は晴れ晴れとした顔で姿を現す者が大半。しかし、午後4時の締切なのに、3時半になってもひとりだけ来ない。風邪でもひいたのか、完成できずに泣いているのか、提出を済ませたメンバーが心配していました。すると

    3時50分頃

になって1台のタクシーが汗を流して走ってきました。その友人がお金を払うのももどかしげに飛び出し、私たちが窓から顔を出しているのに気付くと

    助けて!

と声を上げました。「事務室に提出の手続きに行ってくるから、貼り付けるのを手伝って!」と言うのです。意味が解りません。で、彼女が事務室に行って「これです」といって現物の表紙を見せて届けをして、受け付けてもらって「ちょっときれいに手直しだけさせてください」と言うや私たちのいるところに駆け込んできました。
当時は原稿用紙に手書きしていましたが、彼女は何も書いていない原稿用紙となにやら書きなぐったノートを出して、これを切り取って原稿用紙に貼れ、というのです。
原稿用紙に清書する時間がなく、ノートに下書きしたものを貼り付けて提出すると言うわけです。
口頭試問の時に指導教官にかなり嫌みを言われたらしい(笑)のですが、動じて泣き出すなどということのなかった、「立派な」同級生でした。

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障害と奇跡(2) 

師匠は絵の功だけで苗字を許してくれるのか?
又平はやはり信じられない思いでいっぱいだったのではないでしょうか?
そして妻に勧められて手水鉢に姿絵を描いて自害を覚悟する又平が筆を入れると絵が尺余の御影石を貫く

    奇跡!

ただ、この「芝居の嘘」は、芸術の高みに達した者だけにおこりうることとして、私にはリアルにすら思えます。すると師匠は

    土佐又平光起

と名乗るべし、と言います。許された、絵の功だけで。自分の実力が、足枷となっていた

    障害を超えた!

治ったのではなく、超えたことに意義があったのだと思います。
ついでですが、この場面で将監はいったん奥に下がりますが、そのままそこに居てもいいかもしれないと思うことがあります。手水鉢の置場は上手がよさそうなので、又平には将監の視野から少し外れる上手隅で絵を描いてもらわねばなりませんが。
将監は、この勢いで銀杏の前を救え、と武功にも期待します。やはり又平は腕にも覚えがある人なのですね。

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障害と奇跡(1) 

かつてNHKの番組に出していただいた後に、多くの見知らぬ方からお手紙をいただきました。

    視聴率0.3%

だったそうで、単純計算で36万人の方がご覧になったことになり、1万人に1人が手紙を書いてくださっても36通になります。実際はそこまで多くはなかったのですが、かなりいただいたという記憶があります。
ほとんどが温かい内容でそれらすべてに私はお返事も書きました。ただ、失礼かも知れませんが、その時に大変目障りだったのは、宗教団体からの勧誘の手紙類(ほとんどが立派なパンフレット付き)でした。
同封された機関紙などには必ずといってよいほど

    奇跡

という字が踊り、ご丁寧に私と同じ病気が祈りで治ったという記事まで載せているものもありました。あそこだけ相手によって書き換えてるんだろうな……。
私も宗教の多くは肯定しており、信仰の有無を問わなければいくらかは勉強もしました。
ただ、奇跡の安売り団体だけは相手にする気にもなりませんでした。NHKのディレクターさんもそういう勧誘があることだけは気にしてくれました。

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治らない風邪 

先週の金曜日、勤務先で学生の卒論相談に追われてかなり体力を消耗してしまいました。
そして帰宅すると寒気がして、なんだかヤバイなあ、という感じだったのです。翌日は

    だしまきの夕べ

の予定でしたから、何としても治したく、ひたすら寝ていたのです。翌日の午前中は病院の予約をしていた日なので、行かないわけにはまいりませんから、独りとぼとぼと寒風に当たり、かえって悪かったようです。頭と喉が痛い上に胸はゼイゼイ、最悪の事態になりました。
そんなわけで、楽しみにしていた「だしまきの夕べ」を欠席することになったのです。初めておいでになったおとみさんとよしさんにはご挨拶もできませず、誠に残念に存じております。もちろん

    常連の皆様

にも失礼してしまいました。これで2回連続の欠席。もう私の席はないかもしれません(泣)。

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昔話 

年輩の大先生がしばしば「昔話をして悪いのだが」「昔のことを自慢するようになったら終わりだな」などとおっしゃいます。いえいえ、どうぞ話してください、とは思うものの、ご本人にしたらそんな気持ちになるのかな、と思い、また実際いくらなんでも昔のことを言い過ぎ、と文句の一つもいいたくなる人に出会わないでもないのです。

    昔はよかった

と言いますが、それは本当に今に比べて昔がよかったのではなくて、自分の青春や朱夏の時代が栄光に満ちていたと思いたい、という心のなせる業なのではないかとも思います。
私もいつかそういうものの言い方をするようになるかな、と思っていたのです。ところが最近、ふと自分が昔話を好んでしていることに気付くことがあるのです。大先生の昔話ならまだ価値もあるでしょうが、私がいくら昔の栄光(?)を話しても聞いている人はなんら面白くないだろうと自重するようにしているのです。しかしその意思とは裏腹にますます回顧病が重症化しているように思えてなりません。
過去が少なかった時期は話したくても「昔」そのものが存在しないわけです。しかしある程度生きると過去が積み重なり、しかも困ったことにそれが好ましいものであったかのように自分の中で美化されていき、加えて将来の展望(夢や希望)が薄れていくために余計にそれを話したくなっていくのかもしれません。

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だしまき新年会 

昨日、8日の夜は大阪日本橋、国立文楽劇場近くの季節料理の店で恒例の

    だしまきの夕べ

がおこなわれました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
関東から初参加のよしさんに加えて、地元と言いながら遠来のおとみさんもおいでくださったのは

    終演が早かった

からだと存じます。
おなじみの皆さんはもちろんのこと、新しい方がおいでくださると本当に嬉しいです。

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仕事始 

仕事と日常生活の区別がつきにくいのです。
ですから今年の仕事はいつからかと言われてもはっきりしません。
職場は6日までは一応正月休みなので、行くと迷惑にもなりそうですから出勤しませんでした。というわけで、昨日7日が名実ともに

    仕事始

だったのです。学生とは3週間ぶりに会い、卒業研究の仕上げの話をしました。何もないところからひとつのまとまった研究を形にするというのは、出来上がりの巧拙はともかく、一度は体験すべきものだと思います。
思い返せば、私の卒論なんてひどいものでした。あれでよく卒業させてもらったものです。優秀な人は卒業論文で学界にデビューするわけですが、私はとてもそんなレベルではなかったのです。今思えば本当に何もわかっていなかったなぁ(今も対して変わらないのですが)。
これから果たしてどれくらいのまともな研究が出来るのかわかりません。ゼロである可能性もかなり高いのです。しかしせっかくこれまでこういう仕事をさせてもらってきましたので、

    研究のまとめ

くらいはしておいてもいいのではないかと思うようになっています。
もっとも私の場合は文楽関係ではなく、平安時代の文化史研究とでも言えば適当かもしれません。

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小粒 

『傾城反魂香』の冒頭に出て来る虎はもちろんフルサイズではなく、頭だけの小道具。張り子の虎の首を引っこ抜いたようなものに少し布を垂らしてあります。
そばで見ると意外なほど

    小粒

で、『国性爺合戦』で和藤内と戦う着ぐるみとはまるで違います。でも、小さいとは言っても客席から虎であることを判別できなければ意味がありませんから、そこは計算されているはず。それにしてもあの大きさは誰がどうやって決めたのだろうかと思います。
一度本番で持たせてほしい(笑)のですが、うまく頭を振ることで虎の獰猛さを出したり、逆にじっとしている必要もありますから、私のような素人にはやはり無理です。
小粒でもピリリとした

    存在感

が必要なのでしょうね。

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週末は日本橋 

今年の元旦は土曜日だったようで、文楽初春公演が始まって事実上の最初の週末は8日と言ってよいでしょう。その日の夜の部終演後はお約束通り

    だしまき新年会

が行われる予定です。この公演は7時半頃の終演ですので、多少ご自宅が遠い方でもご参加いただけると思います。短時間でもおいでになりませんか?
いつも申しますように、決まったメンバーだけで内向きにおこなっているのではなく、どなたでも加わっていただけます。
文楽の好きな人、というのが唯一の条件ですが、だからといって文楽通である必要などはありません。

    初観劇

の方でも問題ありませんよ。
で、今年の「だしまき初め」においで下さる方を一応チェックさせていただきたいのです。

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鏡抜き 

1月3日午前10時過ぎから国立文楽劇場前で恒例の

    鏡抜き

がおこなわれました。
私は朝の9時半頃に現場に行ったのですが、その時点ですでに30人くらいの方がお集まりでした。多くは劇場でしばしばお見かけする(笑)ファンの方々でしたが。テレビカメラ、新聞社のカメラマン、劇場関係者もうろうろ。
しばらく現場を離れた私が戻ってみると、100人になんなんとする(あるいは超えていた?)長蛇の列になっていました。
鏡抜きに先立って、舞台直前の寛治師匠を除く人間国宝5人衆の住大夫、綱大夫、清治、簑助、文雀の各師匠が壇に上がられ、ひとことずつご挨拶なさいました。住師匠はお元気です。86、とはお若う見える。どうみても70前後。本当にそんな感じです。

国宝5人
↑挨拶される住大夫師。後ろに文雀、簑助、清治、綱大夫各師

ご一同が下がられると、玉志(玉佳、玉翔)、幸助(勘市、簑次)による三番叟の鏡抜き。おめでたく「大関」の樽が抜かれました。

三番叟2

逆光で人形遣いさんは大変です。真正面から陽を受けつつも身動きできない足遣いさんが特に気の毒。ま、まぶしい……。

三番叟

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さあ、スタート 

正月も一段落。新たな気持ちで生活にめりはりをつけて頑張ろうと思います。
この冬休みはまず

    からだを休める

こと、その上でできる勉強をすることを考えていました。
休めるのは簡単にできました(笑)が、勉強はなかなかです。
専門の平安時代については、紫式部の作品や貴族の日記など少し読むことができましたが、文楽は初春公演の床本もあまり読めていません。特に「中将姫」が全然。

昨年の正月は体調不良でお屠蘇以外口にしませんでしたが、今年は三が日で日本酒を五合近くとビール(500cc)2缶。皆様からご覧になるとカワイイものでしょうが、私にしてはこれだけ飲めるのは

    上上吉

でした。
日本酒の銘柄は灘・御影郷の「黒松剣菱」。学生時代から馴染んだもので、なかなか結構でした。灘・西宮郷の「白鷹」も飲みたかったのですが、節約のため(笑)断念。でも、「白鷹」は初詣に行った宝塚・清荒神に奉納されていましたので、気分だけいただきました(笑)。

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初日は初願 

初春の文楽公演がいよいよ

    幕を開けます

昨日も書きましたが、今回の公演では吉田清三郎さんの三世文昇襲名という慶事があります。

みずみずしい「三番叟」(幸助、玉志)がわくわくします。
「土佐閑居」の文昇さんの雅楽之介はぜひともバサッと(笑)髪を洗ってください。
昨年末にいささか不満も書きましたが、それを吹っ飛ばしてくださると信じたい「染模様」の善六(勘十郎)、お染(清十郎)、久松(簑二郎、勘弥)の充実ぶりが見たいです。
「雪責」の岩根御前(玉也)はウヒヒ、って感じでしょうか。
「新口村」の孫右衛門(玉女)は勘十郎さんのものとは違ったものが出てくると思っています。
「小鍛治」では襲名を祝うように勘十郎、清十郎が相槌を打ってくれることでしょう。
もちろん大師匠方の貫禄も、若手の精進も楽しみこの上ありません。

床もまた、多くの楽しみがおありだと思います。こちらは皆様にお任せしようと思いますが、「新口村」の前、呂勢大夫、清治なんて是非聴いてみたかったです。大阪本公演では綱大夫、清二郎の名前はこれが最後になりますので、その切場も期待は大きいですね。

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文昇さんの明日 

文楽公演も明日から。いよいよ吉田清三郎改め

    三世 吉田文昇 さん

が舞台に立たれます。この公演ではぜひとも注目したいと思っています。
先代文昇さんといえばとても清潔で品のある女形のイメージが強く、立役の場合も二枚目系のすっきりした味わいと深い情趣が想い出にあります。
女形としては先代清十郎師、簑助師、文雀師に次ぎ、紋壽さん、一暢さんの上に位置していらしたと記憶しています。ご健在なら今頃どんな役でもこなされていただろうと思えてなりません。

「一谷」の藤の局、「菅原」の千代や戸浪、「太功記」の操、「妹背山」の橘姫、「冥途の飛脚」「恋飛脚の新口村」の梅川や忠兵衛、「朝顔話」の駒沢などなどのお姿が浮かんできます。最後に拝見したのは平成12年の東京・国立劇場での葵御前(布引瀧)で、その後は休演されたまま平成13年にお亡くなりになりました。
それらの役々は三代目となられる新文昇さんに受け継がれ、さらに深められていくことと信じています。

私は、デビュー以来ずっと拝見しているのに、文昇さん(以下、新文昇さんのこと)とはまるでお付き合いがありません。

    地下鉄日本橋駅

でお会いすることはしょっちゅう、劇場からの帰り道によく乗り合わせるのですが(笑)、自在にお話ができないことを残念に思っています。
洋画がお好きでクールなイメージの文昇さんですが、心の温かい気配りの人とお見受けします。この襲名につきましても、泉下の師匠もほんとうにお慶びなのではないかとお察ししております。師弟の絆の深さという意味でもすばらしいご関係であったことと承知いたしております。

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