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新しいカメラ 

昨年末に次女が英語のスピーチコンテストでなんのはずみか入賞して、もらった賞品のひとつがデジカメ。ところが、彼女はすでに持っており、うちでたった一人

    持っていなかった

私に恵んでくれたのでした。
せっかくもらったのでなにか撮ろうと思うのです。昨年までなら文楽人形劇など、学生を撮ることがありましたが、今年はその類いはありません。
そのかわりにときどきミニニンジンを写したり、京都の史跡を撮ったりしています。
最近のはポケットに入る小さなものでもそれなりにきれいに写りますね。
犬を撮ろうとするとかなりいやがり、

    絶妙のタイミング

でそっぽを向かれてしまいます。
整理が下手ですので、以前のフィルム時代はすぐに写真をどこかにやってしまいました。
そろそろ部屋中を探してなんとかしないとほんとうにだめになってしまうような気がしています。

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久しぶりの講座 

タイトルに「久しぶりの講座」と書こうとして変換すると「久しぶりの高座」とでました。まあ、たしかにね、あながち間違ってはいません。
パソコンはときどき

    辛辣な誤変換

をしてくれます。
皆様はそういう経験はありませんか。
昨日からまた一般の方々を対象にした公開講座が始まりました。10回の長丁場です。隔週で「伊勢物語」と「紫式部日記」を5回ずつ。昨日は「伊勢物語」の第一回でした。この講座はもう長く続いており、ついにこの夏で「伊勢物語」を通読することになります。
最初からずっとお付きあいくださっている方もいらっしゃいます。
受講者は全員が女性。かなり高齢の方もいらっしゃるのですが、皆さん

    はつらつ

としていらっしゃいます。
昨日は直前にひどい嵐になり、一時的には前が見えないくらいの強い雨が降りました。にもかかわらず、たくさんおいでくださって、感謝しております。

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時間はあるはず 

今年度は時間に余裕があるはずなのです。なにしろ週休4日。これといってすることはありません。
それならこういう時にこそ忙しい時にはできない事をしたいわけです。
ところが不思議なものですね、時間があるとかえってできない(早い話が怠け者)。
まずひとつは

    原稿を書く

こと。これをやめてしまったらもうほんとうに生きている資格はないとさえ思っていますので。
往生際が悪かった「文楽評」はなんとか看板を下ろしましたが、下ろしただけでは何もなりません。それにかわることをしなければ。
きちんとした論文を書くこと、一般の方に読んでいただける歴史や文学の話を書くこと。ぜひなさねばならぬことだと思っています。

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2012.5東京公演千秋楽 

文楽東京公演が、本日千秋楽を迎えます。
新聞では、咲大夫・燕三、英大夫・清介、咲甫大夫・団七、簑助、勘十郎、玉女などを評価する文章が見られました。
ご覧になったかたはいかがでしたでしょうか。

    阿古屋琴責

はなんといっても曲がすばらしいので、寛治師匠はじめ三味線の皆さんが注目されたかもしれません。すっかり大人っぽくなった寛太郎君はさぞかし大活躍だったことと思います。詰襟できまりわるそうに劇場内外をうろうろしていた(笑)子供ではなくなり、立派になりましたよね。
そして勘十郎さんの阿古屋の遣い方が見事だったともうかがいました。また大阪でもお願いします。
東京公演はもうすっかりご無沙汰してしまいました。
あるいはもう行く機会はないかもしれません。個人的には、やはり大阪での公演の充実を期待したいところです。

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エンゲル係数 

小学校で習った

    エンゲル係数

というのは、日本やイギリスだとだいたい25%くらいのものらしいですね。アメリカでは5%ほど低いようですが。
あくまで、家計に占める食費の割合ですから、私の小遣いの使い道と一緒にはなりません。
しかし、以前の小遣いに占める食費の割合と今のそれはかなり違っています。
まず、小遣いの額が激減(笑)。つまり分母の数字が小さくなっているのです。
食費もかなり抑えていますが、限界があります。以前は朝と昼で500円くらい使っていましたが、最近は300円くらいかな。そして以前は文楽の公演があると何万円もつぎ込んだわけですから、エンゲル係数はかなり低かったのです。
しかし、この4月公演で使ったのは1万円ちょっとでしたし、今後は7000円くらいになるかな、と。
もうひとつ、激減したのが書籍費。今年になって、自腹で本を買ったかどうか。もともと雑誌は買わないので、ゼロ円が続いているかも知れません。読んだ本は大学に買わせたものと図書館で借りたものばかり。
お酒は食費に入るのでしょうか? これもほとんどゼロです。
じゃ、いったい、

    何を楽しみに

生きているのか、と言われそうですが、私自身も自問したいくらいです(笑)。

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続く微熱 

授業の予習は、骨の部分はもう来年の1月分まで終わっています。
ただ、毎回学生から出る意見や質問に次の時間に答えねばならず、そのための勉強にだいたいひとつの授業につき二三時間かかり、なかなかか面倒です。
来週からは公開講座も始まりますので、週に三日、あわせて36時間ほど仕事場にいることになります。
さすがに週の後半はくたびれます。
今週もそこそこ仕事をしたのですが、なんだか熱っぽくなり、そこまで熱中するほどでもないよなあ、と思いつつ、熱を測ったら

    36.9度

ありました。微熱の範囲でしょうが、いやな感じです。
しかも、だらだらとその熱が続くのが憂鬱です。
雨が降ったり晴れたり、気温が前日より5度くらい上がったり下がったり。それもよくないのでしょうね。

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ミニニンジン(5) 

プランター蹴っ飛ばし事故のショックからなかなか立ち直れないのですが、新しい芽生えに期待しています。
梅雨の走りのような雨が降ったり、いきなり気温が上がったり、日蝕があったり(関係ないか?)で、何かと不順でしたが、そろそろ初夏らしくなってきました。
このところは何も事故もなく、かなり伸びてきた葉もあります。
あとから蒔いたものも双葉が出て本葉になり、順調です。先日アゲハが飛んでいるのを見ました。こらっ! 卵を産み付けるんじゃないぞ! と、一応言っておいたのですが、わかってくれたかどうか。
さて、日記になります。

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プチだしまき?(告知) 

このブログではおなじみの

    だしまきの夕べ

が開催の危機に瀕しています(←おおげさ)。
常連の方がいろいろな事情がおありで参加されない方が続出。鑑賞教室ということもあって、必ずしも劇場に行こうという方が多くないかもしれません。
というわけで、今回はいつもに比べると小規模の

    プチだしまきの夕べ

のようになるかもしれませんが、ぜひとも実施したいところです。うわさでは、まったく初めての方が参加されるかもしれないともうかがっており、この際、新人をさらに発掘するのがよいかも、と思っております。
日時などは次の通りですのでなにとぞご検討くださいますように。

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傾城阿波の鳴門(第十の2) 

約束の刻限になり、小野田郡兵衛が現れます。高尾が一人になっているのを見て、得心したものと勝手に考えた郡兵衛は、高尾を抱き上げます。陶然としている郡兵衛の隙を見て、高尾は刀を改めようとします。気づいた郡兵衛が咎めると、高尾は郡兵衛の思い通りになるつもりはないから、この刀で

    尼になる

と言ってなおも刀にすがりますが、郡兵衛は引き離して家来の土手助を呼んで裏庭の木に縛り付けるよう命じます。高尾は軽々と連れ去られます。
そこに海蔵院が現れ、今日が調伏の満願にあたる七日目だから祈祷料をもらいたい、と言います。郡兵衛は、礼はあとですると追い返します。

場面は奥庭、高尾が咲き乱れる

    桜の木

に縛られています。
何とか十郎兵衛に連絡したいともがいていると、桜の花が散って泉水に落ち、自然に十郎兵衛への合図が整います。神仏の加護のおかげと高尾が感謝していると十郎兵衛が現れます。事情を聞いた十郎兵衛は、この上は高尾を郡兵衛に取り持つふりをして騙しましょう、と言い、家に入ろうとします。邪魔だてする土手助を井戸に放り込み、障子を開けるとそこには郡兵衛がいました。

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Bee Gees 

昨日の話題は金環食でもちきりでした。
そして、元禄十六年(1703)の今日は当時の暦では四月七日。お初と徳兵衛が心中した日です。夜中はまだ冷えることもあったでしょうね。特に17世紀後半から18世紀初めにかけては太陽の活動が弱まった時期だったそうですから、気温もいくらか低かったのでしょうか。
金環蝕の話題の陰に隠れて、私にはちょっと悲しいニュースがありました。
20日に、Bee Gees のボーカリスト、

  ロビン・ギブ Robin Gibb

が亡くなったそうです。まだ62歳でした。といっても、若い世代の方はあまりご存じないかも知れません。
Bee Gees はバリー、モーリス、そしてロビンの3兄弟を中心とする(メンバーは入れ替わりがあった)グループで、子供の頃から活動していたようです。10代の頃オーストラリア在住時代にレーサーのビル・グードにDJのビル・ゲイツを紹介され、彼らの頭文字B.G.にちなんで Bee Gees と名乗ったそうです。
一躍彼らを有名にしたのは「ニューヨーク炭鉱の悲劇 NEW YORK MINING DISASTER」や 

  マサチューセッツ MASSACHUSETTS

だったでしょう。1967年の歌です。この「マサチューセッツ」を歌ったのがロビンでした。なんとも不思議な甘い声で、私は今でも歌詞を覚えています。
兄のバリーはファルセットで魅惑的な歌唱を披露し、ロビンとは双生児であるモーリスはさまざまな楽器を操り、ソロではあまり歌いませんでしたが、低音でした。そのモーリスは9年前にまだ53歳で亡くなったのでした。

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節電の夏 

節電や節水は夏になるといつも言われてきました。あまりにも言われすぎて

    またか

という気持ちになるのを恐れます。
若い世代の人たちは生まれたときからエアコンがあってパソコンがあって、それは生活必需品であるわけです。私の学生時代にはエアコンなんて贅沢品。買うのはかなり決断が要ったはずです。そういえば、今思えば不思議なものがありました。

    コインクーラー

という、エアコンのリース。家にエアコンを設置してもらって、使いたかったらお金(100円玉)を入れるのです。もちろん私の家にはそんなものはありませんでした。調べたら「エアロマスター」という名前だそうです。新珠三千代さんがCM に出ていらっしゃったのを覚えています。
ところが、価格も下がってどんどん一般家庭に普及するようになり、今では当たり前のようになっており、朝起きたらエアコンのスイッチを入れる、という家庭も多いように聞きます。
朝起きたら

    窓を開ける

という感覚はもう古いのでしょうか。

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2012能勢浄瑠璃月間 

大阪府豊能郡能勢町は京都府亀岡市などに隣接する、

    大阪のてっぺん

に位置します。とにかく山の中としかいいようのない町ですが、こういうところだからこそ「残る」ものがあります。唐突な喩えですが、世界遺産の白川郷のように、都会と結びつきながら断絶する、とでもいうような趣きを感じます。合掌造りの建物に特色を見せる白川郷とは違って、能勢町は200年来の浄瑠璃の町。こういう文化が残ったのですね。都会と結びついているから浄瑠璃が入り、断絶しているからそれが残り。
この地に、竹下内閣の「ふるさと創生」のお金を使って「浄るりシアター」が建設され、人形劇団も結成されてついに本格的に郷土芸能として人形浄瑠璃の公演が可能になったのです。地元のおっちゃん、おばちゃん、にいちゃん、ねえちゃんが出演者。町を挙げての公演です。
中でもオリジナルの

    能勢三番叟

はいわば一番人気。なんといっても各地で上演されていて、上演頻度からして能勢を代表するオリジナルということになるでしょう。これは地元の教員の方が詞章を作られたのだったと思います(曲は清介さん)。

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散歩 

仕事にあぶれた上、期待していたアルバイトも音沙汰がなくなって、ひょっとしたらまた騙されたのかと不安な日々です。
もう何回騙されたかわからないところですので、「またか」と思いつつ、いくらかは期待していますが。
そんなこんなでどうも何事もうまくいかず、仕方がないので犬の世話をしています(笑)。
子供の頃、

    犬を飼いたい

と、たいていのかわいげのある子は言うものでしょう。しかし私はそういうことを言った覚えがないのです。にもかかわらず、家には犬がいました。
しかしうちの家族は誰も世話をせず、どういうわけか私がその仕事をさせられるのです。しかし私も子供でした。つい自分の事に夢中になって十分な世話をしてやることができないまま、その犬は病気でやせて亡くなってしまいました。
その時のかわいそうな気持ちがトラウマになってそれ以後生き物を飼うことは避けてきたのです。
しかしなぜか今も家には犬がいます。私はさんざん嫌がったのですが、「必ず世話をするから」という、これほどあてにならない約束はない、というくらいの約束の上で飼ったのです。
で、結局例によって騙されるのです(笑)。
今はもう、この犬は私がいないとめったに散歩にも連れて行ってもらえないありさまです。
いつしか

    散歩に行く?

というと、その「散歩」という言葉を覚えたらしく、ドアに向かって駆け出すようになりました。
で、朝と夕方はしょっちゅう散歩しています。
ところがこれがなかなか私にとっても有意義です。

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ミニニンジン(4) 

暑かったり冷えたり、変な気候です。それでボヤッとしたのか、

    アクシデント

を起こしてしまいました。
ちょっと躓いて、それはどうってことはなかったのですが、はずみでプランターを思いきり蹴飛ばしてしまい、土がごそっと揺れて形が崩れてしまいました。蹴飛ばしたといっても爪先ではなく、膝の下あたりでプランターをぐらつかせたのです。
植え替えたりするとよくない、と聞いてはいたものの、とにかく元の状態に戻すために、いくらか植え直すはめに。
ああ、ここまで頑張ったのに、もう

    ダメかなあ

と、心配です。
これからどんどん葉が繁るはずですが、さて、どうなることか。結末は下記の絵日記へ。

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傾城阿波の鳴門(第十の1) 

いよいよ大詰めの十段目です。ところは、小野田郡兵衛の下屋敷です。
桜井主膳と郡兵衛のやりとりから始まります。
「しばらくお待ちください。なるほど、刀の真贋を改めないで持参したのは拙者の誤りですが、殿の重宝を私が隠すはずがありません。盗賊はほかにいます」
「殿のお誕生日の三月三日に刀を飾るのは貴殿と拙者。今日は内見ということになったのに、ないでは済まぬ。ありのままを殿に申し上げるから、とりあえず大小を渡せ」
主膳はしかたなく腰の大小を投げ出し、軍兵衛に命ぜられて奥に行きます。
郡兵衛は一間を開けるとそこは

    高尾

の仮の座敷牢になっていました。
郡兵衛が言います。「家来の土手助に言いつけてそなたを連れてこさせ、ここに押し込めているのは人目を憚るため。拙者の妻になることを承知すればそんな遠慮は要らないのだ」と。
高尾はもちろん断ります。
郡兵衛は、それならつらい目を見せてやろうといって、土手助に命じて十郎兵衛を連れてこさせます。
すると高尾が意外なことを言います。

    「兄様、

どうして縄をかけられているのですか?」と。

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京都散策~史跡をちらほら 

国立博物館だけでもう胸がいっぱいになってしまいました。
しかし、せっかく京都まで行きましたので、授業に使う写真(主に世界遺産がらみ)を撮ってこようと思いました。

昨日(15日)は葵祭が延期になって今日おこなわれるようですが、これは賀茂社の祭。勅使が御所から下鴨、上賀茂へ向かいます。これがかなりの見ものなので、京の人々は昔から大いに楽しんだようです。
その下鴨神社、上賀茂神社へはずいぶん長らく行っておらず、写真もありませんので、今回の午後のテーマにしました。
博物館から河原町七条に出て、そこから205番のバスで糺の森まで行きます。そしていくらか歩いて下鴨の本殿へ。平安朝の文学や歴史を学ぶ者にとっては、やはりこの神社は忘れるわけにはいかないものです。翌日が御蔭祭(みかげまつり)でしたので、その準備もおこなわれていました。そのほか、今月は流鏑馬や歩射など葵祭に向けての神事があります。

下鴨神社
↑下鴨神社 ここで蹴鞠がおこなわれます

ほんとうに久しぶりです。ここでは以前行ったとき、時代劇の撮影中で、いきなり騎馬の武士に出くわしました。また、休憩中の役者さんが気軽にサインに応じていたのも記憶にあります。

そしてまたバス停に戻って、今度は4番のバスで上賀茂へ。かなりくねくねカーブしながらの道です。「上賀茂★★町」というバス停がいくつもあります。このあたりまで来るといかにも「北区」(笑)です。田舎なのに、きちんと都の風情を感じます。賀茂神社はこの時期がよろしいね。平日とあって、人も少なく、ゆっくり歩けました。しかし、こちらも賀茂競馬競馳がありましたし、私の行った翌日はさまざまな神事があり、そして葵祭がありますのでなんとなく雰囲気が違います。

上賀茂神社細殿
↑上賀茂神社細殿と立砂

というわけで、あっさり目的は達成しました。ここから賀茂川沿いを歩いていくとよさそうなのですが、今回は時間を効率的に使うことにして、少し時間に余裕があったので寄り道をすることにしました。

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京都散策~国立博物館(2) 

『御堂関白記』は別室にもう一点出ています。これが泣ける部分、寛弘八年(1011)六月の記事です。
一条天皇が重病になり、明日をも知れぬ状態です。天皇は譲位を決断し、居貞(おきさだ、いやさだ)親王に位を譲ります。居貞親王は一条天皇より年長なのですが、事情があって後回しにされていました。ここに三条天皇が誕生します。
ところが三条天皇は道長から見るとあまり親しみのない人。道長にすれば早く自分の孫でもある敦成(あつひら)親王を皇位に就けたいのです。
それはともかく、譲位の記事があります。そして上皇となった一条のところから道長が三条天皇のところに行こうとすると、上皇が心細そうになったと言うのです。そこで道長が「行きません」と伝えると上皇は喜ばれた、そんな記事もあります。ところがその翌日になると上皇の状態はさらに悪化し、

    太波事

をおっしゃった、と記録されています。「たはごと」つまりうわごとを言われたというのですね。意識が混濁した状態です。上皇の様子が目に浮かびそうです。そして六月二十一日の記事はさらに泣けるのです。
一条上皇のそばに中宮彰子(道長の娘)が参って、そのとき上皇が歌を詠みます。

  露の身の草の宿りに君を置きて
    塵を出でぬることをこそ思へ

これも道長が書きとめています。露のようにはかない身の、かりそめの宿である草に、露ならぬ君を残して出塵してしまう(塵を出る、俗世間から離れる、出家する)ことを(今しみじみと)思うのである。もうこの世とのお別れだと悟っているのです。そしてこの歌を詠んだ上皇は「不覚」になってしまいます。意識を失ったのです。「人々流泣如雨」(人々が涙を流すことと言ったら雨のようであった)と道長は書きます。何度も何度も読んだ記事ですが、さすがに自筆を見るとまた感慨がひとしおで、つい目頭が熱くなりました。

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京都散策~国立博物館(1) 付690,000 

先日、京都を散歩してきました。
京都に行くととにかく便利なのは市バス。私は愛用しています。平日の昼間ならさほど混んでいませんし、なんと言っても

    安上がり

なのが私のような貧しい者にはありがたいです。
京都市バス一日乗車券(均一区間内のみ)は500円。少し規模の大きい京都観光一日乗車券なら1200円。
「観光」のほうは京都市バス全線、京都市営地下鉄全線(烏丸線・東西線)、京都バスの大原・岩倉村松・岩倉実相院・京都産業大学前・一条山・大覚寺・清滝・苔寺を限度とする範囲内の路線に使えます。
私は今回は均一区間内でうろつくだけでしたので「市バス一日乗車券」でした。バス停近くのチケットショップで495円で買いました(笑)。
東大路を祇園から国立博物館前まで。目的はこちらです。

京博
↑京都国立博物館入口付近

「王朝文化の華~陽明文庫名宝展」です。
すばらしい名品があります。
入っていきなりは、私にはもうおなじみのものなのですが

    春日鹿曼荼羅

がありました。藤原氏の氏神の奈良・春日神社。鹿が影向する様子を描いたもので、鹿の背中に榊が見えます。鹿に木が生えているというとミュンヒハウゼンのようですが(笑)、こういう絵はしばしば書かれ、MOA美術館や奈良国立博物館にもよく似たものがあります。この絵は陽明文庫のお蔵の中でも何度か拝見しました。
そして「後二条殿記(藤原師通の日記)」「殿暦(藤原忠実の日記)」「忠通書状(藤原忠通の手紙)」といった、藤原道長の子孫の書いたものが並んでいました。

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上方芸能184号 

宣伝します。上方の代表的な芸能雑誌

    『上方芸能』184号

は、ただいま発売中です。って、谷内六郎の表紙絵の雑誌ではありませんよ(これがわかる人はかなり古い)。
二つの意味で私には感慨無量の1冊です。
ひとつは私の関与する最後の文楽評が掲載されていること。平成12年から丸12年ほど紙面を汚し続けました。ここ数年は槌谷礁さん、森田美芽さんのお陰でかなりよくなったとは思いますが。
本当に長い間ありがとうございました。
いつまでも

    調子にのって

書いてんじゃねーよ! という、いわば神の思し召しで、聴力を持っていかれたのかな、と思うと納得がいくのです(笑)。
もうこれきりにします。文楽の神様、ごめんなさい。

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2012.5 東京公演初日 

文楽東京公演が今日から始まります。
この公演は、第一部(11時開演)で

    「八陣守護城」

の門前、毒酒、浪花入江、主計之介早討、正清本城が上演されます。
頻繁に出る演目ではないだけに、たまに出た時にこういう具合にある程度の段を見せてくれるのはありがたいです。 
「毒酒」は芳穂、相子、文字久と続き、「浪花入江」は英、三輪、清介ら。「早討」を咲甫、「本城」を咲。なかなかいいのではないでしょうか。人形も和生、玉女、清十郎、簑二郎、勘弥らが中心です。

    「契情倭荘子(蝶の道行)」

は呂勢、清治、幸助、一輔ら。これまたフレッシュな感じです。
なかなか威勢のよさそうな第一部です。

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四月公演あれこれ(4) 

金閣が焼けて60年あまりになります。その日の国民のショックはいかほどだったのでしょうか。三島由紀夫作品は学生時代に一気に読みましたが、「金閣寺」も考えさせられました。水上勉の「金閣炎上」「五番町夕霧楼」を読んだのも学生時代でした。
文楽の春の演目である「金閣寺」。江戸時代の人は炎上する前の金閣を見ていたのですね。
この四月は和生さん、玉女さん、清十郎さんらの出演で見せていただきました。
呂勢さんが清介さんと組んでの床もよき成果だっただろうと思います。
玉女さんの

    松永大膳

はもう板についた感じ。それだけに一歩も二歩も公演のたびに工夫して前進していただきたいと思っています。
この演目でいつも気になるのが「四尺に足らぬ」「猿面冠者」の此下東吉。実際は検非違使首の颯爽たる姿。美丈夫といってもよさそうないい男です。これをほんとうに小柄な人形にしたらどんなイメージになるのだろうと思うことがしばしばです。今の感じだと、なんだかちょっと歌舞伎っぽく感じてしまうのです。
雪姫の清十郎さんはやはりきれいです。ただ、思うに任せぬ雪姫のもどかしさ、そこから来る大膳への憎しみなど、まだまだ激しく見せてもよさそうに思いました。
和生さんはニンが違うかな、と。清五郎さんにはもっと積極性を願います。幸助さんの正清、本性を隠して軍平となっているので、前半はもう少し粗野な感じでもよいのではないか、とも思いました。

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ミニニンジン(3) 

しばらくは葉が成長するのを見守るだけでしょうか。このあいだ隣に置いていた植木鉢を少し移動すると下に

    ダンゴムシ

がいました。私が子供の頃は「マルムシ」と言っていたように思います。土壌改良をしてくれる益虫という考え方もできるそうですし、私は何も被害を受けていませんのでそのまま放置しておきました。なんでもダンゴムシは食べられるのだそうで、Wikipedeiaには非常食としての説明があります。物好きな人の体験談もネットには散見されます。私は遠慮しますが、過熱するとポップコーンみたいにはじけるのだとか。残酷・・・。

このところは毎日観察しているだけですが、このゴールデンウィークあたりと言うのは野菜を植えるのに適当な時期のようで、あちこちでゴーヤとかナスとかトマトなどの苗を売っているのを見かけます。
私も以前ミニトマトは作ってよく食べていました。ニンジンだけでなく、もうひとつ何か作ろうかな。スペースがあるかどうかわかりませんが。
散歩をすると最近は花をいっぱいに植えている家が多いのに気づきます。私は今のところあまり関心はないのですが、そのうち仲間に入るかな?

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あほ連れて 

子供の頃、上方のお笑いが好きで、先代染丸、松鶴、米朝、いとこい、ダイラケ、はんけん、かしまし娘などの皆さんはほんとうにしょっちゅう耳にしていました。
あまりよくわからなかった芸というと宮川左近ショー。ある程度の年齢になるとたまらなく面白かったのですが、さすがに小学生くらいの時はわかりませんでした。
そして、不思議な面白さを感じていたのが

    平和ラッパ、日佐丸

のご両人でした。私が存じ上げているのは二代目平和ラッパさんと四代目、五代目の日佐丸さんです。
「天王寺の亀」とか「万歳を三唱した」とか、とにかく徹底的に

    アホ

を売り物にされていました。
ラッパさんがアホを言い尽くした漫才の最後には日佐丸さんが「こんなん(こんなアホ)つれてやってまんねん」というとラッパさんが性懲りもなく「気ぃつかいまっせぇ」と応じ、「ハハァ

    サイナラ

と言って舞台を降りられるのでした。
ナンセンスな面白さでかなり人気があったと思います。

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やっと終わった 

俗に言うゴールデンウィーク。大型連休がやっと終わりました。
それでなくても仕事のない私は12連休でした。もうこのまま休み続けようかと思うくらい、仕事のことを忘れてしまいました。
この連休があるため、けっきょくまた授業は一から出直しのようなところがあります。
私は昨日久しぶりに授業に行ってきました。
やはり感覚は鈍っていましたし、学生もまったく乗ってきませんでした。まあ、たいした内容の授業でもないのでボツボツ再スタートします。もっとも、乗ってきた頃には

    前期終了

ということになっているかもしれませんが(笑)。
芸は身を助く、といいますが、文章表現が好きでどうすれば面白い文章が書けるかを考えてきたことや敬語の使い方にはある程度気を遣ってきたことが今になって生活の糧になっている状態です。まるで面白くない仕事ですが、生きるためにはやむをえませんので、昨日もひとしきり

    若者言葉

などの話をしてきました。

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傾城阿波の鳴門(第九) 

場所は変わって四国、阿波の国です。町外れの弓矢神の神社。権威を見せながら鼻高々と行くのは国家老の

    小野田郡兵衛

です。同行するのは悪僧海蔵院。
郡兵衛は、家来に「もし十郎兵衛が姿を現したら知らせよ」と命じて座を離れさせ、海蔵院と密談します。
郡兵衛は依頼したいことを打ち明けようとしますが、「事情を話した後で背かれたら一大事だ、他言しないと約束するなら話す」と言い、海蔵院は誓詞に血判を押して約束します。
郡兵衛の依頼とは、海蔵院の行力をもって主君玉木衛門之助を調伏してほしい、ということです。もちろん自らの出世が目的です。
海蔵院は「七日の内に落命させて見せます」と言い、当座の金を受け取って帰って行きます。
そこに家来が来て、十郎兵衛を見つけたとのこと。郡兵衛は姿を隠して十郎兵衛を捕えようとします。
十郎兵衛が現れます。郡兵衛とその家来が捕えようとしますが、なかなか手に合いません。
そこに十郎兵衛の旧主

    桜井主繕

がやってきて、十郎兵衛に「郡兵衛殿に刃向かうとはけしからぬ。捕えて屋敷に連れ帰って拷問する」と、心とは裏腹に腕をねじ上げ、縄をかけます。

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四月公演あれこれ(3) 

『加賀見山旧錦絵』は貼り交ぜで上演されるため、「又助住家」と「長局」では別の芝居のようです。でも、あまり連続性を意識しないで味わえるので、同じ題材を仕組んだアラカルトと思うと、私は続けて上演してもらってもあまり気になりません。
実は、それよりも

  「長局」 と 「奥庭」

の繋ぎかたにしっくりこないものがあります。
このところ(遅まきながら)有朋堂文庫で加賀見山の全体を読んでいるのですが、「長局」のあとは実際はどうなっているのか、が気になりましたのでその部分だけ先に読みました。
お初は

    真一文字に

奥御殿の岩藤目指して飛んでいきますが、彼女は奥庭で待機するのではないのですね。
奥御殿へ行くとうまい具合に岩藤が現れるようです。
現行の「奥庭」は忍び当馬(縁起のいい馬券みたいな名前ですね)が厭物を埋めるところから始まりますが、そんな場面はないようです。あれって、必要ですかね?
当馬はあっさり斬られて、そこにお初が姿を見せます。そのときお初は誰何されて、「私は中老尾上が召使ひの初と申す者でござります」と名乗りますが、岩藤はお初のことを知っているので奇妙な名乗りに思えます。「廊下」で岩藤のほうからお初を呼び止めていましたし。

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格安 

飛行機の格安チケットというのが出回っていて、ほんとうにこの値段でいいの? と思うくらい安いようです。座席を狭くしてたくさんの人を乗せるようにするとか、機内サービスを有料にするとか、いろいろな手を使って実現されているようです。
学生時代、学会に行くお金がないものですから、長距離バスや鈍行列車のお世話になりました。

    東京~大垣

の夜行も使いました。かなりくたびれましたが、ありがたい電車でした。
とにかく入ってくるお金が少ない(笑)ので、就職してからも岡山なんて新幹線では行きませんでしたし、名古屋も近鉄を使ったりしました。
ただ、長距離バスは大阪~東京では使ったことがないのです。
最近はこのバスの値段が激しく下落し、試みにネットで大阪~東京の高速バス料金を見ますと3000円台というのもあるようです。かつての鈍行よりずっと安い!
しかし、当然どこかにしわよせが行くわけで、先日の関越自動車道での悲しい出来事は、

  起こるべくして起こった

などとも言われたようです。
とにかく下請けです。いつもひどい目に遭うのは下請け。いいようにあしらわれてそれこそ格安の悪条件で仕事をさせられるわけです。

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四月公演あれこれ(2) 

さて、皆様は文楽四月公演の中で何がお気に召したでしょうか。

    桂川連理柵

では勘十郎さんが書置きを持ってうろたえていました。身につまされる人物造型。いつもながら背筋が寒くなりました。
「祇園祭礼信仰記」は趣向に満ちた作品で春らしい味わいもありました。
しかし私は結局

    加賀見山旧錦絵

を挙げます。
「筑摩川」の段がなかったことについては、気にならない、というかたもいらっしゃると思うのですが、私はいささか不満です。せっかくの「又助物語」が生きないように思ったからです。
しかし、その「又助住家」の段はなかなかのものでした。あまりにも展開がめまぐるしくて、荒唐無稽な感もなきにしもあらずですが、いわばそれは文楽の常套。その荒唐無稽から真実を描き出せればそれなりの面白さもあると思います。
玉女さんの「物語」はさすがに大きく、人形がダラッとしないところがさすがです。立役人形独特のツキアゲがうまく使われ、大きさがよく見えました。あのツキアゲという棒、誰が考えたんですか? しかし、この段は勘弥さんのお大に尽きました。いったいこの人はいつの間にあんなに人形が遣えるようになったのかと思います。動かすことはできても遣うことはなかなかできるものではありません。それを見事にやってのけた。初春公演の八重(佐太村)も立派でしたが、まだまだ工夫のしどころはあるものでした。そういう体験を超えて、母親像を立派に描き出されました。東京で「勢州阿漕浦」が出た時、お春を遣われましたが、立派な動きなのにどうも淡白な印象を持ちました。母親としてほんとうに子をかわいく思っているのか、ちょっと疑問に思えたのでした。ところが今回はそういう点を見事に克服されていたように思いました。

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ミニニンジン(2) 

さて、成長してやがて双葉から本葉になります。
間引き、というのはなんだかかわいそうな気がします。元気なものを残して弱そうなのは排除するのですから。
まるでわが身のことのようで、結局力のあるものが勝つ世の中なのかな、と妙な感慨を抱いてしまいます。
しかし、心を鬼にして間引きをおこない、それでもどうにもかわいそうなので、弱そうなのをちょっと残して強そうなのを間引いたりもしました(笑)。

    間引き菜

もなかなか栄養があって、食べるとよいのだそうです。やはり一寸の虫にも魂があるごとく、間引き菜にも栄養がぎっしりです。本葉を間引いた時は必ず食べようと思っています。ちょっと嬉しいです。
ニンジンの葉には根に比べると3倍のたんぱく質、5倍のカルシウム、ビタミンAや鉄分も根より多いのだそうです。朝など、きれいに洗ってそのままパンにはさんで食べてもよさそうです。手数を掛けるなら炒め物とか揚げてもよいようです。
どんどん成長してくれるのは嬉しいのですが、気になるのは虫です。
ニンジンの場合はアブラムシほか、アゲハの幼虫に要注意なんて、シャレにもなりませんかね。
実は、アブラムシ対策には

    ナスタチウム(キンレンカ)

をコンパニオンプランツとして植えてあります。ニンジンだけだと葉の緑だけで彩りもいまひとつなので、花の色の鮮やかなナスタチウムを選びました。

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傾城阿波の鳴門(第八の3) 

十郎兵衛はうろたえます。そこに妻のお弓が帰ってきた様子。あわてて十郎兵衛はお鶴の亡骸を布団で覆います。
お弓は夫を見つけて、「お鶴が一人でここに来ました。でも私もあなたもお尋ね者。娘に難儀をかけるのがつらく、帰してしまったのですが、どうしても捨てては置けぬと思い直し、あとを追ったのですが見つかりません。早く一緒に探して」と事情を話します。
十郎兵衛は「俺に知らさず追い返すとは、鬼でもそのようなことはしないぞ」と妻を責め、「歳はいくつだ、何を着ている?」と駆け出そうとしながら尋ねます。「歳は九つに決まっています。着ているのは二親があるのですから、

    両方茜染の笈摺」。

余談ですが、両親がいる場合は笈摺の両側を茜染めにして、片親の場合は真ん中を茜染めにし、両親とも亡き場合は真っ白な笈摺を着ける、と「天保新増西国巡礼道中細見大全」という書物に見えます。
その姿を聞いて十郎兵衛はすべてを察します。いま自分が命を絶ってしまったのが我が子だったのです。「その子ならふとんの中にいる」と十郎兵衛に言われ、お弓がふとんを開けるとそこには冷たくなった娘がいたのでした。
十郎兵衛は正直にありのままを話します。お弓は動転して、「無理に帰してしまったが、あの時留めていればこんなことにはならなかったのに。殺されたのも私のせい」と夫を恨むより

    わが身を責める

のでした。

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