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2015 初春公演の感想(1) 

文楽初春公演の感想(手摺のみ)を書いておきます。
第一部は花競四季寿で四季をひとめぐりして、毛谷村で椿と梅、そして千本の道行で桜を見せて春爛漫。
しかし、文楽の芝居を見たというには物足りなさも。
『花競四季壽』。
「万才」はもうひとつめでたさを感じないのです。お客さんに幸を振りまくような愛敬がもっとあってもいいのではないか。滑稽なしぐさや大げさな身ぶり、あるいは寓意のある珍しい動きなど

    非日常の空気

を漂わせるような。これは振り付けの問題なのです。おかしみだけではなく、どこまでもおめでたい、そんな空気が欲しいのです。
「海女」は簑二郎さんがきちんとした動きでさすがにうまいと思いましたが、夏の気だるさがあまりなかったような気がします。タコは動きがもっと粘っこくないのかな、と単純に思いました。ややバタバタした、カンガルーみたいな(笑)タコだったな、と思ってしまいました。
「関寺小町」は文雀師。がっかりでした。かつて文雀師の絶品の小町を観ただけに、いくらなんでも残念でした。朝日新聞で宮辻政夫さんが褒めていらっしゃいましたが、どうも納得できません。左遣いさんも機能できていないように感じました。文雀師のお姿を拝見できた、という喜びはあったとしても、観客が望むのはそれだけなのか。・・・となるとやはり寂しいものがあります。
「鷺娘」はさすがに見せてもらえました。私の観たときは左との連携がいささか危うかったことがあるのですが、公演を通してみれば問題はなかったのではないでしょうか。ただ、なんというか、鷺の飛翔する印象が薄く、まだもうひとまわり大きくできるのではないかと、これは清十郎さんだから望むことです。

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意外な反応 

「文学」という授業で、私は『竹取物語』を通読する授業をしたのです。実際は、(時間がありませんから)原文はいくらか朗読するという程度でしたが、それでも最初から終わりまで話は省略せずに読み通しました。
理系の学生が多いため、当初はあまり一生懸命聴いてくれない学生が目立ちました。教養科目の

    単位

を取らなければならないから、というのが受講動機だったと告白する学生もいました。
実際、感想を書いてもらうと最初の頃はひどくいい加減なのが多くて、かなり案じていたのです。しかし辛抱強く話すほかはないと思って方針は変えず、読み続けたのです。
できるだけ

    絵画資料

を用いて彼女たちに分かりやすく話すようにしました。質問には丁寧に答えるようにしました。
しかしそんな技術的なことではなく、どうも『竹取物語』という、千年間愛され続けてきた物語の力が彼女たちをとらえたようなのです。
「え? かぐや姫の話ってこんなのだったの?」という反応が次第に増えていきました。彼女たちは「竹の中からかわいい女の子が生まれて、大きくなって月に帰っていくお話」という、物語の枠組みだけをイメージしてこの授業に出てきたようなのです。それが全然違う。まさかこういう話だとは、と感じたようです。

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旅行がしたい 

末娘が大学に行くことになりました。ほんとうに勉強しない子なので、昔ならとても大学なんて、と思うところですが今は大学のほうからどうぞおいでくださいという時代ですから入れてくれるところがあったのです。長女と同じ大学で、彼女は6年ぶりの共学です。
で、彼女が言うには、

    旅行がしたい

とのこと。そう言われたとき、「そうだよな、とんと旅行に連れて行かなかったな」と気がついてギクッとしました。
貧しく、ふがいない親なのです。
やはりここは無理してでも彼女の望みをかなえてやりたいので、見栄を張って「いいよ。行っておいで」と言いました。
すると彼女は「行っておいで、って、みんなで行くんだよ」というのです。

    え? 

私は、いまどきの高校生ですから、卒業旅行と称して「友達同士で沖縄とか屋久島とかそういうところに行ってくるからお金を出して欲しい」という意味だと思っていたのです。そうではなく、家族旅行をしようと言うのです。

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アンケートをよろしく 

授業の最後には

    授業アンケート

というのがあります。
学生に、この授業はどうでしたか? と問うのです。たぶんHPあたりで公開されているものなので、ここに書いても問題はないと思います。
「この授業の内容を理解できている」「この授業によって学問への興味・関心が引き起こされた」「この授業に満足している」などをおおむね5点満点で評価してさらに自由に書きたいことを書くのです。
学生の様子を見ていると、手当たり次第に「○」をつけている(採点している)者もいます。はっきり言って何も考えずに

    テキトー

に答えているのです。こういうものにはそんな回答はつきものです。
ですからざっくりと受け取っておけば間違いないところです。
それでも、自由に書く感想のようなところは面倒なら書かなくていいわけですから、ある程度本音が出てくるだろうと思います。

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2014年度の授業は終わった 

2014年度の授業が昨日すべて終わりました。
今年もなんとか最後までからだがもちました。
結局病気で休むということはなかった一年でした。現実にはかなり危ないこともあったのですが、休むと補講という恐怖がありますので、いくらか無理をしてここまでたどりつきました。
今は立って板書しながら授業をするということが絶対条件ではありませんので楽です。私はすべての授業で

    パワーポイン

を用いますので、予習に時間はかかりますが、体調が悪ければすわったままでも授業できないわけではありません。
90分間しゃべりながら息を切らすことも多かったのですが、学生はまさかそんな状態だとは思わないでしょうから、気楽に聴いてくれます。そのほうが助かります。
日本語の授業では私は学生の

    質問に答える

ことを軸にしています。ですから場合によっては90分のうち70分くらい質問に答えて、残りでその日のテーマについて話す、ということもあります。そのほうが効果的だと思っているからです。
以前にも書きましたが、大半の学生はバイトをしていますので、そのバイト先で言葉遣いの問題があれこれ出てくるのです。それをいちいち解決していく。時には中学生並みというような質問もあるのですが、それでも丁寧に答えることにしています。教科書は彼女たちの生活の中にあるのです。

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2015初春公演 千秋楽 

本日(2015.1.26)は文楽初春公演の千秋楽です。

    インフルエンザ

が技芸員さんの間でもはやったようで、ある方は年末に罹って滑り込みで初日に間に合ったとおっしゃっていましたし。また公演期間中に罹病して休まれた方もいらっしゃいます。
並んで三味線を弾いていらした方が揃って休演ということになりますと、やはりそこでうつったのかな、と思ってしまいますが、そんなことはないのでしょうか。
長かったこの公演は、それでも幕を下ろすことができそうで、まずはおめでたいというところでしょう。
ずいぶん前は千秋楽にも手ぬぐいまきがあって、挨拶に出る若手の技芸員さんはあいかわらず

    「あけましておめでとう

ございます」とおっしゃっていました。しかし、この時期になるといささか違和感もありますね。
あの頃は客席もかなりまばらで、余計にしらけた感じになったものでした。でも、手ぬぐいゲットのチャンスはかなり高かったですね(笑)。

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第26回だしまきの夕べ 

昨日、大阪日本橋の季節料理の店、「両輪」で文楽ファンの集いである

    だしまきの夕べ

がおこなわれました。
私は当日の朝まではなんとか行けるかな、と思っていたのですが、なんだかふらつくのと、ちょっとした事情があって急遽欠席いたしました。皆様、失礼致しました。
実は、一昨日、文楽を観ただけでなく、研修生の発表会の稽古を見せてもらったりしてかなりしんどかったのです。その疲労が残ったのかな?
今回はちあきさんが四年ぶりにご参加くださり、ありがたいことでした。
出席された皆さん、いかがでしたでしょうか。
またこんな話をした、ということを教えてただけると幸いでございます。

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老化 

昨日の話には続きがあるのです。
単に物忘れをするだけではなく、日進月歩のパソコンの機能についていけなくなっているのではないかという不安もあるのです。
来年度のシラバスの

    Web登録

をするときは、ごちゃごちゃした画面が出てきて、各項目(どういう内容か、どういう成績の付け方をするか、各回の内容はどんなものか、授業時間以外にどういう勉強を必要とするか、どんな教科書を用いるか、履修する条件は何か、など)に次々に記入していくのです。
昨年度のものをある程度は踏襲する場合がありますので、それは昨年度のものを

    コピペ

すればいいのです。しかしマイナーチェンジはしますので、結局はこつこつと時間をかけて書かねばなりません。昨年度のものを見ると誤字もあったりしますのでそれは訂正したり・・・。
自分流の勝手な書き方はできません。ある程度は決まりがあるのです。それは学校から配布される(もちろんメール添付で)説明書を見ながら書いていきます。例によって「英語表記」もあるのですが、これは一覧表があるので丸写しです。最初から書いておいてくれたらいいのに。

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来年度の準備 

廊下なんでしょうか、いやいや、ボケてはいけません。老化なのでしょうか。
このところいろいろなことを忘れたりわけが分からなくなっています。まずいなぁ。
先日、事務連絡のメールが来て、「新年度の

    シラバス

を明日までに記入してください」とのこと。
あ! 忘れてた!
これも老化のひとつでしょうか。完全に失念していたのです。
ですから、4月からどんな話をするのかを1日で考えて、しかも

    Web登録

しなければばなりません。
もう、大慌てでした。
私は半期に6コマ担当させてもらうので、一年で12コマ。これを書かねばなりません。しかし実際は前後期は同内容の繰り返しなので半分考えて、残りはコピペすればいいわけです。それでも大変です。

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人形を見せる 

昨日、日本の文化と歴史の授業が最終回でした。
最後の最後にまた文楽人形を見せてきました。
学生によって反応はまちまちで、ほとんど

    見向きもしない

者もいます。これはいつものとおりで、珍しいことではありません。彼女たちが悪いわけでもなく、芸術的センスがないというわけでもありません。ですから私はあまり気にならないのです。「なんかやってるわ」というくらいにでも見てくれていればそれでいいと思っています。少なくとも私が人形を持ってきたことくらいは覚えてくれるでしょう。
その一方で、

    興味津々

という顔を見せる学生もいます。
以前は人形をさわりたい人、いますか? と問いかけると、挙手して出てくる人がいたり、かと思うと誰も反応せず、「興味がないかな」と思っていたらあとになって「さわってもいいですか」と言ってくる人がいたりもしました。みんなの前で、というのは恥ずかしいのですね。
遠慮がちに写真をとってもいいですか、なんて、なかなかかわいい学生も多いのです。
で、昨日はどうだったかというと・・・

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文楽に行った卒業生 

卒業生の中には文楽の人形遣いさんから人形の遣い方を直々に習った学生がいます。
みんななかなか熱心でした。しかし卒業したらどうしても

    学生時代の思い出

になってしまいます。それはそれでいいと思うのです。またいつの日か、子育てが一段落した頃にでも「文楽劇場に行ってみようかな」という気持ちになってくれればそれでじゅうぶんです。
その頃には彼女たちの「先生」はトップクラスの人形遣いさんでしょうね。
あのころ(文楽人形の授業をしていた頃)の学生さんは、今二十代後半です。結婚して子供ができた人がかなりいます。
今も何人かの人とは

    Facebook

を通して交流があるのですが、だいたい2歳までのお子さんの写真をしょっちゅう見せてもらいます。
言葉を覚え、そろそろ絵のようなものも描き、走り回って遊ぶ。そんな日々を垣間見せてもらっています。
やはり手がかかりますから、なかなか自分の時間が作れず、悩むこともあるようですが、それもまた母親になった人がたいてい通る道ではあります。
夫君の仕事の都合などで関西を離れて全国に散らばっているため、関西のものに触れる機会はどうしても減ってしまいます。
時間と空間。文楽など見たくても見られない、という人が少なくないと思います。

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化粧 

若い男の子を見ているとおしゃれな子が増えているように感じます。
昔の大学生には汚いのが多かったなあ、と思い起こします。
服はよれよれ、髪はボサボサ、ひげは無精、顔など洗わない。さすがにあまり近寄りたくなかったです。
かくいう私もおしゃれとはほど遠く、

    普通のかっこう

をするのが精一杯でしたが。
昔の貴族は男性も化粧に熱心でした。髪はきちんと髷を結って、烏帽子の場合は烏帽子の内側にある紐を髷に結んで、冠の時はこうがいを冠から髷に突き刺して固定しました。
眉を描いて、薄化粧をして、香をたきしめて服装も儀式ばったところなら張ったもの、女性のところにいくならやわらかめのものを着て行きます。
平家物語を読むと、戦場に行く場合も化粧して歯ぐろめをして、見苦しからぬ出で立ちであったとか。首を取られたときに見苦しくないようにした、とも言われます。
今の高校生でも眉毛をきれいにしている男の子が多くなりました。
野球部などでは

    禁止する

ところもあるようですね。

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第26回 だしまきの夕べ(予告) 

文楽初春公演も後半から終盤に入ります。
そして、24日には

    だしまきの夕べ

がおこなわれます。
前回25回目だと思ったら、驚くなかれ、今回は26回目とのもっぱらの噂(植木屋娘みたい)。
というわけで、またまた参加者を募ります。
すでに、くみ会長代行にご連絡くださっている方もいらっしゃるとは存じますが、この記事のコメント欄に名乗りを上げてくださってもけっこうです。
この公演のご感想を話し合ったり、

    二代目玉男さん

について語ったり、いろいろできそうですね。
私も、参加したいのですが、果たしてどうなりますやら……。

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百鬼夜行 

絵巻物の夜の場面が明るい、ということを先日書きましたが、夜の絵巻物というと、その名もずばり

    百鬼夜行

を描いたものがあります。
京都大徳寺の塔頭の真珠庵(一休宗純が開祖)に伝わる絵巻が現存最古で、室町時代のものです。
実際はもっと古くから描かれていたでしょうが、伝わりません。
百鬼夜行は文字通り妖怪が夜の闇のなかを闊歩するのです。
魑魅魍魎の跳梁跋扈という、難読四字熟語を並べたような絵が次々に出てきます。
人が休んだあとの闇の中のことですから実際は何も見えないわけで、その

    見えないもの

を描くわけです。
いきなり鬼のようなものが鉾を持って疾走し、そのあとには沓(くつ)のお化けや楽器(琵琶、琴、笙など)の変化が現れます。

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20年もひと昔 

阪神淡路大震災から20年です。年号は平成になっていても、まだ二十世紀でした。この世の最後と感じたあの瞬間のことは忘れ得ません。
私の家は被害は小さく、近所の家も倒壊したところはありませんでしたから、まだしも平穏だったのです。しかし、西宮市から芦屋市、神戸市に行った時はあまりの惨状に目を覆いたくなりました。
新幹線の高架が阪急電車の線路上に落下していたり、阪神高速が倒れていたり、そごう百貨店がぐしゃぐしゃにつぶれていたり。
そして、何千もの命も奪われてしまいました。
時の兵庫県知事は、海外から侵略されるより確率が高いのが震災だ、という意味のことをおっしゃっていたように記憶します。
歴史も多くの震災を伝えています。
次なる大地震も近いと言われます。

しかし、あっという間ですね。教師をしている長男は三歳でした。あまりよくは覚えていないはずです。この春大学生になる末娘はまだ生まれてもいません。
このブログではもうこの震災については書くまいと思っていたのですが、20年という節目なので、メモしておきました。

闇と光 

伴大納言絵巻を観ていて、いろいろ考えることがありました。
冒頭の応天門火災の場面、人々が飛ぶが如くに朱雀大路を駆けていくのです。いったいこれは何時ごろなのか?
夜陰に紛れて伴大納言が放火したことになっており、また、駆けつける検非違使の先導役の

    火長(くわちやう)

松明を掲げているので夜なのだろうと思われます。しかし、画面には闇はなく、明るいことこの上ないのです。
闇を闇として描いたら何も見えないから当然だ、とも言えそうですが、リアルという観点からはやはり奇妙な感じがします。

同じ絵巻の最後は検非違使が伴大納言を連行する場面ですが、これは何時ごろなのか? 今度は、松明を持っていても良さそうな先導役の

    看督長(かどのをさ)

は何も持っていません。となると夜ではなさそうです。
というように、明るいのかどうかはあまり明確に表現されないのです。そういえば、文楽の舞台も闇でもかなり明るいですが、日本人好みなのでしょうか。

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1月は長い 

毎年思うことですが、一年で一番長く感じるつきは1月なのです。
今日で半ばですが、なんだか正月なんてもうずいぶん前のような気がしています。
今年の正月は(毎年そうなのですが)あまり正月らしくありませんでした。
朝からお酒を飲んで、ということもありませんし、

    初詣

も一人で神社までとぼとぼと歩いて、閑散としているお社に詣でただけでしたし。
ツイッターやフェイスブックをほとんど覗かなかったので、世間の様子もいまひとつ分かりません。
昔は

    FM放送

でオペラを聴いたり、ビバルディとドボルジャークもなぜか正月の音楽としてよく聴いたような気がします。
テレビの正月番組も伝統芸能を中心にけっこう観ていたように思うのです。
今はそれらが全くないので、余計に正月気分がしないのだろうと思います。

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公開講座終了 

昨日、無事平成26年度の公開講座が終わりました。
受講してくださった皆様、ありがとうございました。
この講座の副産物として小論も書けましたし、何よりも

    皆さんの熱意

からは感動するほどの喜びをいただきました。
この仕事の醍醐味です。
源氏物語の講座は昨年度までなさっていた森一郎先生(源氏物語研究の大先生です)の後継番組として設定したものでした。ですから、受講者の中には森先生の講義も受講していたというかたがいらっしゃいます。そのかたがたにとっては、私などきっと物足りない後継者だっただろうな、と申し訳ない気持ちです。
高齢の、80歳前後と思われる方もいらっしゃっていますので、「95歳まで来てください。全部読みましょう」と最後にお話しましたら、「その言葉に勇気付けられた。頑張る」とお答えをくださいました。
お互いに

    不定の世の中

ですが、だからこそ一生懸命に生きましょう。
そんな気持ちです。

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やっと活字に 

電子書籍の時代が静かに進んでいるような気がします。私は紙の本さえ買うお金がないのですから、機械を買うなんて今のところ夢のようなことで、生涯無縁のまま終わるかもしれません。
自分の書いた文章が紙の上に活字になる、というのは20代の頃は嬉しくて仕方がありませんでした。今でも時たまその頃書いたものを論文に引用してくださる方があって、若書きのものだけに気恥ずかしくなることがあります。
今はさすがに以前ほどの

    昂揚感

はありませんが、嬉しいことに変わりはありません。
もし電子書籍に残るようなことになったら、と想像するのもまたおもしろいものです。
電子書籍は電車に乗っていて前に座っている人が読んでいても、何を読んでいるのか分かりません。ですから、隣に座った人がたまたま読んでいるのをふと見てしまったときに身に覚えのある文章が出ていたら、どんな気持ちになるでしょうか。
つい

    覗き込み

たくなりそうな気がしますが、そんなことをしたらその人が嫌がるでしょうね。・・・とそんな場面を創造してみるのです。そのためには一般の方に読んでいただけるものを書かなければならないので、私には無縁な話ですが。

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体調、その後 

十一月に続いて

    「文楽月間

になると体調が悪くなる」という困ったジンクスが顔を出しています。
自宅に戻った日から、熱が出る、(以下、尾籠ですが)吐き気がする、下す、のどが痛い、くしゃみと咳と鼻水が出る、という状態が続いています。それでも仕事は待ってくれません。
先日の検査で陰性だったと書きましたが、もしインフルエンザであれ休まざるを得ず、学校が困るであろう仕事ができないところでした。それならいっそインフルならよかった(笑)と思わないでもありません。
そんな悪いことを考えたバチアタリということなのか、面倒な仕事をした夕方からまた熱が上がり、38度・・・。
翌朝も38度台で、今度こそインフルだろうな、と思いました。
仕方なくまた病院にいって鼻をゴニョゴニョされて検査。陽性なら仕事を休まねばならないのですが、翌日が公開講座の

    最終回

だったのです。こんどは心から陰性でありますように、と願ったところ、愛想のない医者なのですが、結果の紙をひょいと見せてくれただけ。「A型 陰性」「B型 陰性」。ホッとしました。しかも熱はいくらか下がり、37度台で翌日を迎えましたので、とにかく受講者の皆さんから離れて(笑)お話をしてきました。

公開講座はあとひとつ、明日ありますので、頑張ります。
無理はダメ、というのと無理をしないとダメというのと、そのせめぎあいでいつも困ります。この仕事は代役が利かないので、そこがつらいところです。

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ビールはおいしい 

昨年末に4ヶ月ぶりにビールを飲みました。
ただ酒なので(笑)心置きなく。
発泡酒じゃありませんよ、ビール、ですよ、ビール!
せめてこの時期くらい贅沢(ただ酒だし)させてください。
正月も日に一杯ずつくらいはいただきました。
私は貧乏なくせにビールテイスト飲料というのがダメで、発泡酒も第三のビールも願い酒、じゃなくて願い下げです。そんなことを言ってるから発泡酒すら飲めないのですが。
酒税は高いだけでなく、ビールと発泡酒、第三のビールで税率が違うとかで、

    ビール文化

に悪影響を与えていると感じます。
某ビールメーカーは発泡酒は邪道だと言っていたとか聞きましたが、今やその会社も第三のビールまで続々と新商品を発売しています。
好みはそれぞれですから、発泡酒が悪いとか第三のビールは無価値だとは申しません。
あくまで個人の好みとして私は

    ビールはビール

というタイプ(?)です。

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新年早々 

実は、ここ数日、あまり元気がありません。長旅から帰った日、猛烈な悪寒に襲われ、熱が急上昇。
震えながら一晩過ごし、翌日やっと体温を計ると

    38.3℃

でした。
あちこち痛いし、吐き気はするし、これって

    インフルエンザ?

そういえば、人ごみも歩いたし、疲れもたまっていたし、覚悟を決めて病院に行きました。
医師に病状を話したら「インフルやな」とのこと。早速、例の、鼻を綿棒でこする、不愉快な検査をして、15分待ち。
今は一回吸入すれば済む薬(ウィルスの増殖を抑える)があるそうですので、それをもらってさっさと帰って寝ようと思いました。

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社会人の研究への参加 

公開講座は私にとってとても勉強になります。
なにしろ、開講しているのは私の本来の専門からは少しずれる、というかそれに関する論文をこれまでに書いたことのない

    絵巻物(今回は伴大納言絵巻)

    源氏物語

のふたつだからです。
そういう大胆なことしていますので、予習はかなり時間がかかります。おおむね一回おしゃべるするためには5~6時間は必要です。そのほかにレジュメ作りなどの時間もかかりますので、現実にはもっと時間を費やしています。
こういう具合にきちんと源氏物語や絵巻物に向き合ったのは初めてといってもいいくらいですので、受講者の皆さんより私が勉強させていただいている、という感じさえしています。

    授業料

払わなくちゃ(笑)。
一昨日書きましたように、皆さんとても熱心で、質問も下さいまして、中にはとても重要なご指摘もあるのです。それをきちんと学問的に処理するのは難しいのですが、発想としてはかなりいい線をいっているご意見をいただけます。
ご感想もありがたいです。
昨年末最後の講座では温かい励ましのお言葉もいただきました。
「言葉の解説がおもしろい」「文章の特徴の解説がおもしろい」「本を読むだけでは得られない知識が得られるのが楽しい」「源氏物語を現代語に直していくだけかと思っていたのだが、実際は行事や風俗などを画像つきで話してもらえるので楽しい」「絵巻物がこんなにおもしろいものだとは思わなかった」「あと一回で終わりなんて、寂しいです」などというお言葉をいただきました。さすがにけなしてはいけないと思われたのか(笑)、そういうご意見はなかったのですが、現実にはまだまだご不満があると思いますので、いただいたご意見を参考にさらにいい講座にしたいと思っています。

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時候の挨拶 

平安時代の貴族は手紙のやり取りをするとき、しばしば木の枝を添えることがありました。文付枝(ふみつきえだ)と言われることもあります。もみじの真っ赤になったのを添える、橘の花を付ける、梅の枝を託す。「木の枝」といいましたが草花でもかまわないのです(しおれやすいですけどね)。リンドウだのオミナエシだのキクだの、季節を感じさせるものです。松を添えることもありますが、この場合も雪持ち松にしたり、藤のかかるものにしたりして、

    季節を感じさせる

こともあります。
手紙の内容とその枝(花、葉)がうまく響き合うと、手紙がさらに映えるのです。
植物は和歌を思い起こさせることもあります。
たとえば橘の花というと、平安時代の人は多くは

    さつき待つ花橘の香をかげば
     昔の人の袖の香ぞする
            (古今和歌集)

の一首を思い出します。橘の香りは昔の人の袖の香りなのです。
和泉式部は初夏のある日、前年の夏に亡くなったかつての愛人であった親王をしのんでいると、その弟宮から橘の花と「いかがみたまふ(これをどのようにご覧になりますか?)」という言葉が届けられます。
「昔の人」すなわち亡き兄宮の香りがするでしょう? という意味で、こういう具合に絶妙のタイミングで心を揺さぶられるとぐらぐらっときてしまうのです。

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質問用紙 

公開講座を実施していて受講者の皆様の熱心さにはほんとうに頭が下がります。
私のお話しすることなど三文の価値もないのですが、それでも一生懸命に聞いてくださり、時にはメモを取られます。
それでも私は常に「ほんとうにこういうお話をしていてみなさん満足してくださっているのだろうか」という

    疑心暗鬼

を抱いたまま進めているのです。
私はいつも「ご質問がありましたらおっしゃってください、次回の講座の最初にお返事差し上げますので」といって紙を配布して、ご意見やご感想、ご質問をいただいています。しかし現実にはなかなかみなさん書いてくださいません。まあそうですよね。学生ならほんとうにつまらないようなことでも平気で書いてきますが、さすがに社会人の皆さんはそうはいかないのです。そのお気持ちは分かります。
そこで、昨年末最後の講座の日に「今日で年内は終わりですから、私に

    冬休みの宿題

を出してくださってもかまいません。なんでも書いてください」とお願いしました。
するととても熱心な方がかなり難しい宿題を下さって、この冬休みはなかなか大変でした(笑)。
しかし、こうやってお互いを刺激し合えるならいいことだと思います。
大先生の講義ならかしこまって拝聴するというのも一つの姿勢でしょうが、何しろ「小物」の私ですからそんな大袈裟なものではありません。実際はわいわいと話しながら進めたいのです。

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有名人 

以前アメリカの「ライフ」誌が「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」を選定したことがありました。
第1位は

    トマス・エジソン

第2位はコロンブス、以下、ルター、ガリレオ、ダ・ヴィンチ、ニュートン、マゼラン、パスツール、ダーウィン、ジェファーソン、シェイクスピア、ナポレオンと続きます。
その他、フォード、フロイト、コペルニクス、アインシュタイン、ガンジー、毛沢東、レーニン、デカルト、ベートーヴェン、ミケランジェロ、ナイチンゲール、朱熹、メンデル、ロックフェラー、ルソー(ジャン・ジャック)、ジャンヌ・ダルクなどの名前が挙がっています。
根拠があるのでしょうが、なんだかよくわかりません。私ならバッハもモーツアルトもショパンも入れるでしょう。
なぜこんなことを書いたかといいますと、授業で使ったからなのです。「学生の皆さんは世界の有名人というか、重要人物としてどんな人を挙げるでしょう?」とほかの話のついでに振ってみたのです。あまり反応はありませんでしたが、
 エジソンが一位とは思わない
 ショパンを入れたい
 モーツアルトは?
など、私とよく似た感想でした。
「ほかの話のついでに」といいましたが、それはこのとき日本人で唯一この100人の中に入っている人物について話していたということです。「だれが入っていると思いますか? 西行? 義経? 信長? 家康? 竜馬? 西鶴? 芭蕉? 明治天皇? イチロー?」
正解はもちろん

    葛飾北斎

です。印象派の人々に影響を与えただけでなく、北斎は海外では日本人が思う以上に有名です、という話をしていました。
学生はびっくりしていました。

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石の楽器 

先日、叔母(母の妹)がおもしろいものを見せてくれました。
以前ここに書いたことのある印刷会社をしていた祖父は一時

    北京

にいたことがあったのだそうです。
「あんた、聞いてないの?」と言われたのですが、全く知りませんでした。祖父は私とは70年以上歳が離れていて、私が幼い頃に亡くなっていますのでその人生についてはほとんど知らないのです。母親は何も話さない、私も聞かない、というわけです。
で、叔母が今から30年ほど前に自分の父の跡を尋ねる旅をしたのだそうです。
どうやらその時に手に入れたもののようです。
それは石で作ったミニチュアの楽器で、大きさはすべて10cm前後。

石の楽器

実は私はこういうものが大好きで、見ていると飽きないのです。叔母は「そやろ、あんたはそうや思てた。私もおんなじやねん」と言っていました(梅田育ちの完璧な大阪言葉です)。

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帰ります 

正月を西の国で過ごして、今日帰ります。
実は、昨日帰る予定でしたが、高速にチェーン規制がかかり、ラッシュと相俟って危険が伴うと判断して1日ずらしました。
私は渋滞などが大嫌いで(好きな人はあまりいないでしょうが)、特に盆や正月の帰省ラッシュの時は例の

    「宝塚東(または西)トンネル」

あたりからだらだらと車が並ぶのです。ひどいときは山陽自動車道の三木ジャンクションの辺りまで続いています。最後の50kmで1時間以上かかることがあります。
それだけに宝塚の灯が見えてくるとホッとするのです。

    ああ、帰ってきた

という感じですね。
そして、無事だった、という気分にもなります。
車の長距離はやはり事故が怖いです。片道350kmを走りますので、その間には、たいてい1か所や2か所で事故を見ます。
小さな事故なら(ちょっとした追突など)まだいいのですが、車が大破しているのは見るのもつらいものです。
私が目の前で遭遇した事故は追突でした。目の前といっても5,6台前の車でしたが、渋滞していましたのでスピードが出ておらず、おそらく居眠りかそれに近い状態だったのだろうと思います。バンパーがはがれてポーンと飛び上がったのでびっくりしました。
私のところは長男が運転してくれますのでずいぶん楽になりました。なにしろ23歳。体力の塊ですから。半分以上走ってくれます。

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2015年1月(初春)公演初日 

平成27年の初春公演が本日初日です。
私は行けませんが、昼の部などきっと満員でしょう。
演目をメモしておきます。

第1部 11時開演
  花競四季寿(万才・海女・関寺小町・鷺娘)
  彦山権現誓助剣(杉坂墓所・毛谷村)
  義経千本桜(道行初音旅)

第2部 16時開演
  日吉丸稚桜(駒木山城中)
  冥途の飛脚(淡路町・封印切・道行相合かご)

ということで、初春は今年もミドリのようです。
花競があって、千本の道行があって。こりゃ、えるさんがまた怒りそうだな、と想像しています。
玉女さんがいよいよこの名前では大阪最後の本公演。玉男になるためにもこの公演はとても大事だと思います。
勘十郎さんも簑太郎最後の大阪はほんとうにすばらしかったので、玉女さんにも大いに期待しています。

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西の国での正月 

今年の正月も浮世の義理もあって西の国にいます。
普段住んでいる家は妹が来ていますので、ところてん式に押し出された格好でもあります。
年賀状は今年も元日には拝見できていません。
といっても枚数が激減しましたので申し訳なさも中くらいなり、といったところですが。
初詣はこちらの神社に行きましたが、なにしろ徒歩で40分かかります。往復で約90分。え? 計算が合わない? だって、帰りは強烈な上り坂ですから(笑)。
ほんとうは

    厳島神社

に行きたいのですが、半端ならぬ人出でしょうから、逃げています。
正月三が日には舞楽の奉納もあるのですが、ゆっくり拝見することはできません。
広島にいた頃、厳島神社では桃花祭、菊花祭で舞楽を拝見しました。とてもきさくな宮司さんや権宮司さんが「おやまあ、先生、ようきんさったな」と歓迎してくださって解説までしてもらいました(笑)。
いろんなことを思い巡らしながら、静かに正月を迎えました。
みなさまはどんな新年でしょうか・・・

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