fc2ブログ

文楽 この一年(1) 

授業も終わって、あともうひと仕事で私の年内の責務は終わります。
少し余裕の出たところで、まもなく終わる平成20年を振り返ろうと思います。

昨年末、吉田玉幸さんが亡くなりました。そして、今年は

    吉田文吾さん、竹本伊達大夫さん

が鬼籍に入られました。
文吾さんと玉幸さんは、紋寿さん、一暢さんとともに次代を担うと期待された人形遣いさんでした。ところが、紋寿さんを除いてみなさん若くして亡くなり、世代が一つポンと飛んでしまうような感覚になります。
ただ和生、勘十郎、玉女、玉也、玉輝、清十郎さんなどが安定して、いくらか安堵はしているのです。
太夫陣では、住大夫、綱大夫、嶋大夫さんがご健在。第二世代の咲大夫、松香大夫、英大夫、津駒大夫さんあたりがかなりいいところまできたのでは?(私の場合床の評価はできませんが)。
それに続く人達にも期待がかかりますが、役がなかなか当たらないもどかしさの残る一年でした。
三味線では咲さんに引っ張られつつ、一見優男、実は豪腕・燕三さんの時代ものに磨きがかかってきたのではないでしょうか。

にほんブログ村 演劇ブログへ
 ↑応援よろしく!

それにつけても五世豊松清十郎の襲名はすがすがしいまでの幸せな気分を与えてくださいました。
簑助師匠の思いのこもった襲名であり、それに応えた清十郎さんの奮闘も見ていて目頭が熱くなるほどでした。
一月は

    新口村

で、梅川=簑助、孫右衛門=勘十郎、忠兵衛=清十郎というメンバーの上演でした。みずから「あがり症」とおっしゃる清十郎さんでなくても名人二人に囲まれての演技は緊張するでしょうね。
しかし私には立派に見えましたが。この上演がこの三人を主役にして行われたところに(そして孫右衛門の本役が文吾さんだったことも縁浅からず・・・)この一年の

    清之助から清十郎へ

の道筋が見えたようにも思いました。
四月にはまさに二枚目の堀尾茂助、鑑賞教室では尼崎の操、夏はお夏と仁三郎(東京ではこのほかに桐の谷、「戻り橋」の若菜)があって、九月東京公演。
まだちょっと硬かったかな、という印象もありましたが、ロビーではお客さんと写真に納まったり、ごひいきとの挨拶をこなされたり、ご苦労様でした。
そして感動の十一月。これについてはもうかなり書いてきました。 
今年の文楽のトップニュースはやはりこの慶(清十郎)弔(伊達大夫、文吾)に尽きるでしょうか。

スポンサーサイト



コメント

文楽は

私は初級者やけど、わずか1年の間に、若手に変わって行ってる様に感じます。
清十郎さんの襲名披露がありました。
初めての事でした。

残念なのは、「大入り!文楽手帳」と「らくらく文楽NEO」が今年で終わりや言う事です。
これも重大事件です。

♪花かばさん

ツチ子大夫さん、お園さんのところに続いておりんさんもご多忙どお休みとのこと。
文楽ブログには、かつては「墨色の日々」という楽しいブログもありましたが、個性の違いが奏でる文楽サポート協奏曲の色が減っていくのは残念です。
それにしても、私ももう止めないとだめだな、と思ってしまいます。

清十郎さん

 やはり待っていたものが実現した、という感じで、理屈抜きに嬉しいです。もう前のお名前が出てきにくくなりました。あとは御自身の芸境を開いていくことでしょうか。少し前に藤十郎さまが触れていられたように、良く遣っている、というところから、この人でなければといえる何かを表現することへの脱皮ですね。あと、お弟子さんを育てていかれることでしょうか。
 文楽の世代交代、いよいよ本格化しつつあるという感じでした。

♪まゆみこさん

清十郎のお名前がここまで早く馴染んだのは、この方の芸風が清十郎という華やぎとみずみずしさと威厳に満ちた名にいかにもよく合ったからだろうと思います。
お弟子さんを持つことは大事ですね。後輩に技芸を指導するのとはまるで違い、一人の若者の将来に責任を持つことですから、そのことでさらに自身が鍛えられますね。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/1042-77c096ad