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人形を動かすせりふ 

私は今大学で「創作と批評」という講座を持っています。
その中で、「文楽人形を動かすせりふ」を学生諸君に考えてもらっています。
といっても意味がわかりにくいかもしれません。
たとえば、

    そりや、きこえませぬ、伝兵衛さん

    伝兵衛さん、そりゃ、きこえませぬ

この二つはどう違うのか。

おそらく7・5調の問題ですね。
「そ・りゃ・き・こ・え・ま・せ・ぬ」「で・ん・べ・え・さ・ん」ですから、実際は8・6ですが、7・5のバリエーションでしょう。
こうすることで節がつけやすくなります。下のほうはやや散文的な、説明的な感じがしないでしょうか。

  そりゃきこえませぬ~、でんべ~~~~~さん~

という節がつくわけです。
こうして節にすることで、人形がたっぷり動けることになります。

女性がつれない男に訴える場面を想像してみてください。

  そりゃあんまりぢゃないか

  そりゃあんまりぢゃ、悲しうござんす、あんまりぢゃ、悲しうござんす、あんまり、あんまり、かなしうござんすわいなぁ

学生は、最初はどうしても上のように書いてしまうのです。それで意味が通じるからです。
でも、本当にその人形の感情を表現しようとしたら、無駄だとは思っても下のように書くことによって激しい動きが見せられ、それが感情の昂ぶりの表現につながります。
意味が通じるせりふだけでは人形は動いてくれません。動かないと感情は表現できません。
人形の動きとせりふ(地の文も含めて)が一体となって相互に作用しながら人形浄瑠璃というものが完成されてきたのではないのか。学生と一緒にそんなことを考えています。
私自身まだまだわからないことだらけなのです。上に書いたことはすべて間違いかもしれません。
だからこそ勉強したいし、議論したいのです。

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コメント

なるほど~

文楽はせりふが魅力でもあるのですね。

表現するのは難しい。
手話の表現にも通じるところがありますね。

えらそうに…

ずいぶんえらそうなことをいってますが、本当にまだわからないのです。
学生は徐々にいいアイデアを出すようになってきています。

面白い授業ですねぇ! 興味シンシンv-254

いささか、脱線しますが、近松や南北の作品って
新劇やTVドラマなどでも上演される機会がありますよね。
例えば、私も観た事のある「女殺油地獄」「盟三五大切」など。 
その時、古典作品を古典で上演する意味って「何じゃいなぁ~?」ってチラリ~~ンと頭をかすめました。

この記事で↑の「かすめた事」を解明するヒントが
「ピカリ~~ン」と点灯(^^vありがとうございました!

√出たいわぁ~出たいわぁ~授業に出たいわいなぁ~
でごさいますです(笑)

悩みながら

悩みながら話をしているのです。実際に人形を持って行って動かしながら、「このせりふじゃこんな風にしか動けない」という話し方で、さて、理解低くれているのやら…。

言葉のリズムですね。
確かに。リズムによっては方言に聞こえたり、江戸っ子に聞こえたりしますから・・奥が深いのですね☆
タダのセリフじゃなくて、言葉に魂がないと芸にはならない。そんな感じがしました☆
その授業・・・うけてみたいな・・・。

しでぇ

リズムは大事ですね。
あ、ところで、江戸っ子は方言です。
江戸っ子弁は方言だから面白いのだと思います。
「しでぇヤツだ」(ひどい人だ)みたいな・・

募集中!

ここに書いてもよいでしょうか。
いま、能勢人形浄瑠璃は新しい劇団名を募集しています。
よいもの思いつかれた方いらっしゃったら!
6/19までメールでも応募できます。
なんかね、一応のイメージは、
「能勢人形浄瑠璃 ○○座」みたいな感じのようです。
でもそれにこだわらず。
お1人様に賞金もでます!3万円!
詳しくは広報
http://www.town.nose.osaka.jp/
の中の26,27ページ
浄るりシアターHOT NEWSをご覧ください!
そういえば、今日は読売朝刊に
簑助さんがのってらっしゃいました。

お金持ち

何だか、能勢ってお金持ちですよね。
3万円。えっと、舞台下駄をM一郎さんに作ってもらおうかな。

目から鱗っ

藤十郎様、まいど!
そーですか!目から鱗っ。
って事は、戯作者はそれを充分に心得ていた。という事なのですね。感服。
人間芝居も、「間」が非常に大切で、それは”個人の”というより”作品の”「間」なので、創りだして身体に沁み込ませる事は大変です。
ちょっと油断すると演出家の「ダメ~」が飛んできますし…。
人間が動いて言う台詞の速度より、人形の方がより緻密な速度を求められるのかなぁ。
授業受けたいです!本にもして下さい!

能勢って、演劇とか芸術活動が活発なところですよね?
劇場もありましたよね?…曖昧な記憶ですみません…。

能勢って

農産物の豊かなところですが、ほかにはな~~んにもない山の中です。
ところが、それが幸いして、200年来浄瑠璃の歴史が続いてきたのです。
劇場が浄るりシアター。
このブログにきてくださるyayoiさんはそこの人形遣いさんでもあるのです。
女人形を遣わせるとこの人は花形でございます。
ま、簑助さんみたいなもんですね。

かしまし娘さんはもと女優さんでしたよね?

>人間が動いて言う台詞の速度より、人形の方がより緻
 密な速度を求められるのかなぁ。

私はまさにそう思っているのですが、いかがなもんでしょうか?
そんな本作ってくれる出版社、ありませんよ(笑)。

ええ!本出ないの(笑)

藤十郎様、まいど!
能勢、そうなんですか!すごい!能勢電に何十年も乗っていないので知識がなかった…。

いやぁ”女優”という程きらびやかな舞台には立たなかったので、自称”元演劇人”です(笑)
人形劇団の人にその昔、「あんたには無理」と言われました(笑)「情感」を人形に一旦込めて、そこから出す。という作業が私にはゼッタイに出来ないそうです。(自分が前に前に出てしまうんでしょうね)
文楽はその作業を3人で演るんだから、余計緻密ですよね。やっぱり。
その統率を取る為に大夫と三味線が必要なのでしょうか。
なかなか息が合わない分、ビシッと合う瞬間がある。その快感を体験すると辞められないんかな…。
いやはや、文楽には寝に行ってるようなもんなので、今まで深く考えたことがなかったです。失礼しました。

やっぱりかしまし娘さんは人形遣いタイプでなく、本質的に女優さんなんでしょうね。

>なかなか息が合わない分、ビシッと合う瞬間がある。
 その快感を体験すると辞められないんかな…。

まさにそんなかんじですね。さすが、評論家としてもいけますね。

かしまし娘さん、すごい!能勢電のったことがあるんですね!
私も能勢住人ではないので、能勢電は日々乗っているけど、
能勢というとこは人形やることになるまで未知の世界でした。
電車だけではいけないとこですもん。
デビューした年に、解説やることになったとき、
人形遣いつつ「こんにちは」と言う予定が、人形動かず自分が動いてしまって、
師匠方に笑われました。
それ以来、人形はヒトにまかせてしゃべることに集中してます。
いまならひょっとしたら、なんとかなるかな~。
3人で遣うってのは、ほんとに大変だな~と思います。
人形だけやってたら、私なんて、もうやだ~って
飛び出してるような気がしますもの。

> ま、簑助さんみたいなもんですね。
おそれおおすぎて、コトバもでない・・。

yayoi様、初めまして!

yayoi様、初めまして!
>能勢電のったことがあるんですね!
もう随分前の事で記憶はほとんどないんですよ。ただ「乗った」ってだけで…トホホ。
だからほとんど未知の国です!
ヅカに行く時に「川西能勢口」を通過するんで「あっちには何があるんだろう」って(笑)
浄瑠るりシアターがあったんですね!1度行ってみたいです♪

行ってください

10月に能勢では浄瑠璃の催しがあれこれあります。
21、22日 全国人形芝居サミット&フェスチバル
28、29日 能勢人形浄瑠璃公演
もちろんyayoiさんも出演! 初菊かな?

能勢電というのは、能勢電鉄という電車なのですが、昔はひどかったんです。私が子供の頃、遠足で能勢に栗拾いに行くんですが、この電車に乗るともうがけから落ちそうでこわいのなんの。
今はとてもきれいな電車になっていますが。

宝塚もご覧になるんですね。
トンネルいっぱいののどかな電車にもぜひ。
浄るりシアターはなかなかきれいなとこですよ!
藤十郎サマ、宣伝ありがとうございます!
21日は、たぶん文楽の方々も出演されるかもです。
私は、やっぱり初菊ちゃんです!

やっぱり

能勢の簑助、あるいは能勢の勘十郎ですね。

きゃ~!!

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