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20の拍手 

先日、文楽の某技芸員さんとふとしたことから道頓堀朝日座の頃の話をしていたのです。
昭和59年1月公演まで文楽のホームグラウンドだった朝日座です。
「何が一番記憶に残っていますか?」とうかがったら、「そら、なんというても

    ガラガラの客席

ですなあ」とのことでした(笑)。
「20人とか、そんなこともありましたやろ。舞台に人形が7体出てたら人形遣いのほうが数多かったりしてね」。

文楽劇場がガラガラのことがある、といっても、私は(多分・・・)150人以下の日に出くわしたことはありません。
観客20人の朝日座の舞台に立ったことのない技芸員さんもずいぶん増えてきましたが、彼らには想像できないかも知れませんね……。

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8月24日に上演した(というほどおおげさなものではありませんが)私どもの学生による

  無言劇  山

には教職員、学生12、3人の来客がありました。
で、ふと思ったのです。昔の文楽の技芸員さんはこういう人数相手に大きな声を出し、三味線を奏で、人形を遣われたことがあったのだなぁ、と。
しかも私どもの狭い舞台表現演習室(という部屋で上演しました)と違って、朝日座は2階席もある屋根の高い劇場でしたからガランとした感じが強かったですし。

さて、私たちのお粗末な無言劇には、その12人ほどの方から温かい拍手をいただきました。
朝日座の20人には負けたなぁ、と、ひとりで笑っていたのですが、先程、そのあらすじと写真を載せた日の記事(8月28日付)を見てびっくり!
なんと

   8拍手

をいただいているではありませんか!

    12+8=20

おっ、互角だ!(笑)

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コメント

鈴本演芸場

朝日座のことは知ってましたが、
「なんかうす汚い劇場やなあ」という
なんとも失礼な印象しかもっていませんでした。入ったことはありません。残念なことをしました。

「少ない観客編」では、5年前の上野鈴本演芸場。お客7名。舞台では夜の部だけでも、30~40人の噺家さんたちが出られたはずです。トリの入船亭扇橋師匠がマクラも振らずに、牡丹灯篭をキチンと演じられたことが印象に残ってます。

あっ、阪急ブレーブス時代の西宮球場も観客が少なかったです。3塁側内野に座ったときなど、お客が数十名くらいしかいなかったことがあります。応援団の人の視線が怖くて、途中で帰りにくかったこと(笑)。

♪やたけたの熊さん

寄席は前座さんあたりでは客席パラパラで、次第に増える、というのが普通ですが、トリまでそんな感じだったとは!
西宮球場、私もひまなときには、よくお客さんの数をかぞえたものでした(笑)。

映画館ですが

阪急淡路駅近くの映画館(ちかごろはやりのシネコンではなく、昔ながらのカラカラとフィルムの回る音のする映画館です)で、お一人様だったことがあります。館主が切符販売、もぎり爺、トイレの電気付け(?)を一人でやっておられました。映写機を回しているのももしかしたら、ご当人かも、とも思いましたが、なんといっても、お寒いでしょうといって、膝掛けを持ってきていただいたのには感激しました。ちなみに、見た映画は「オリヲン座からの招待状」でした。

♪sampeさん

映画館も地域や上映時刻などによってはさびしい状況がありますね。
私はもっぱら田舎町のシネコンに行きますが、「宮廷画家ゴヤは見た」は4人、「天使と悪魔」は7人でした。お1人様、というのはいまだに経験がありません。もちろんひざ掛けも。
しかし、ご覧になった映画が「オリヲン座からの招待」というのがみごとにオチになっていますね。

京劇で十人前後

十年ほど前、北京で京劇を見に行って、観客が十人前後しかいなかったことがありました。他の劇場で滅多に北京に来ない俳優さんの舞台があったからだと思いますが、劇場に入るときに劇場の人が「今日は見に来る人より演じている人の方が多い」とつぶやいていたのが耳に入ったので、聞き間違いだろうと思いながら客席に着いたら本当にその通りでした。途中から劇場の係員の人が5~6人やって来て客席に座りましたが、それでも客席には20人もいなかったように思います。
しかし舞台上は一切気を抜かない良いお芝居でした。私はその後、その日の舞台で主役を演じていた俳優さんが好きになり、今でも追っかけています。

♪紅娘さん

やたけたの熊さんもおっしゃっていましたが、やはりどんな時でも気を抜かないというのはたいしたものですね。
そういう人、好きになっちゃいますね。
ヨーロッパの王立劇場で、王様が「これは私の劇団だから」といって客を入れずに一人で見物したという話が残っていますが、それは王様の勘違いですね。

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