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玉女さん、がんばれ! 

ここ数年、文楽の人形遣いさんは桐竹勘十郎さんの目立ち方が尋常ではありません。
すさまじい人形遣いさんになられつつあると思います。
何かけなしてやろう(笑)と思うのですが、ついほめ言葉が出てしまうのです。今年に入ってからでも「染模様」の善六、「小鍛治」の稲荷明神、「女殺」の与兵衛、「布引」の瀬尾などどれもすばらしいものでした。しかも、勘十郎さん一人が浮くのではなく、周りを乗せてしまうというか、舞台全体が引き締まる感じがします。左遣いや足遣いも、何かに憑かれたように動きが良くなるような気がしてなりません。
勘十郎さんが勘十郎を襲名されたのは平成15年4月。あのときの演目は

    絵本太功記

で、勘十郎さんが光秀、「勘」の名ゆかりの勘弥さんと勘緑さんが交代で久吉(交代で光秀の左も)、勘市さんが加藤正清でした。そして玉男師匠が十次郎、簑助師匠が初菊、文雀師匠が操で花を添えられ、先代勘十郎師匠に兄事された紋壽さんがさつき。「尼崎」の床は嶋・清介から咲・富助でした。
口上は住大夫、咲大夫、寛治、玉男、簑助、そして簑助一門がずらりと並ぶ豪華版でした。

あれから8年、今度の夏の公演では

    吉田玉女 さん

が光秀を遣われます。初役だと伺っています。

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玉女さんの人形はとにかく背骨の太さを感じさせるような存在感があります。松永弾正や横蔵などふてぶてしくてけっこうです。「弁慶上使」の弁慶も。
無骨さが自然な色気を出す六助もすばらしい出来でした。
ただ、なんというか、もうひとつ人形の面白みと言うか、人形だからこそ表せる人情や性根、そういうもので迫ってくるという気持ちに私はいまひとつなれないのです。
私の見方の問題かもしれませんが、そのために人形から少し

  はみ出たところ

に影あるいは残像が欲しいような気がするのです。う~ん、なんと言えばいいのだろう。
光秀は単純な人間ではなく、主君春長から疎まれ、久吉とも相容れず、さらには母からも妻からも責められて、孤独になっていきます。しかも母を手にかけてしまい、息子も死なせる。自分の信念に生きれば生きるほど悪循環を生んでしまうようなところがあります。その理不尽をからだいっぱいに込めた人物のような気がするのです。いや、そうでなくてもかまいません。玉女さんなりの解釈で、この人物を精一杯見せていただきたく楽しみにしているのです。
そうそう、「妙心寺」の光秀は

   順逆無二門・・・

の字を書かねばなりません。まさか間違えるわけには参りませんからしっかり稽古されていると思います。
いろいろ期待していますので、どうかご健闘ください。
大げさかもしれませんが、これからの玉女さんを占う役になるのではないかとさえ思っています。

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コメント

初日

 玉女さんの光秀がよく見たくて前の方の席で拝見しました。大きさが出て、師匠の型を忠実に守っておられるだけでなく、今回の主題である「光秀の苦悩と孤独」が、これまで以上に感じられ、胸が熱くなりました。「二条城配膳」から通されたのもよかったと思います。「順逆」も見事でした。
 私は、玉女さんはどちらかというと型から入り、勘十郎さんは人物から入られて役作りをされるように思っていました。玉女さんは師匠の型を忠実に忠実にこなせるようになるまで繰り返し、その中からご自身の解釈がにじみ出てくるように思います。今回、4回目(本公演では初役)にして、光秀の大きさだけでなく、その苦悩をじっくりと遣えるようになってこられた、と感じました。

大奮闘であられました

藤十郎さま
辛抱の時間が長かったですね。また動いたら難しいことでんならん。ほんとに手に汗握りました。でも、ブラボーでした。

♪まゆみこさん

まずは真似て、やがてそこから自由になる。芸の奥義でしょうか。
これだけのことができるのに、いつまでも玉女ではダメでしょう、という声がおのずから沸き上がることをひそかに期待する夏公演です。

♪おとみさん

どうにもうまく言えないのですが、辛抱していても何か人形からはみ出すものが観たい、と思っています。
おそらくそれを性根というのだろうとは思うのですが、まったく何年観ても巧者な見方ができません。
玉女さんには遣う時の影のごとき表情を見せて欲しいとも。出遣いなのに黒衣のような、しかしきちんと見えている。玉男師匠が達した境地。
真の勘十郎・玉女時代を築くべく。玉男の二代目が許されるならそれもよし、とてつもなく大きな名跡を復活させていただけないかとも願います。

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♪管理人のみ……さん

コメント拝見しました。鍵付きなのがもったいないです。
中距離ヒッターで終わらないで、という感じです。

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