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奥州安達原(第二の1) 

今回上演される二段目については書こうか書くまいか迷ったのですが、あまり上演されないものですから書いておきます。
端場の「外が浜」には
  南兵衛
  文治
  お谷
  長太
  鵜の目鷹右衛門
らが登場します。

奥州外が浜。青森県東津軽郡に今も外ヶ浜町があります。海女たちが仕事の合間に夫の浮気癖などについて悪口を言っています。そこに海女のひとりの夫で、やはり海士をしている長太が海から出てきたので、長太の妻以外の女たちは家に帰ります。
そこに文治の妻のお谷が通り掛かり、「長患いしている子供の千代童(清童とも)のために医者に薬をもらいに行く、私までが気疲れして癪を起こしそうだ」といいます。長太は癪の薬をやろうと言って引き留め、妻には海に入れと命じます。
そしていきなりお谷に抱き着きますが、ちょうど代官の鵜の目鷹右衛門が来かかったので海に逃げ込み、お谷も医者に急ぎます。
代官は同行した庄屋たちに「鎌倉で放たれた、

  金の札のついた鶴

は神鳥なので粗略にせぬように。特に山猟師には注意する」と言い付けて去り、庄屋たちも金の札の鶴は打つまいぞと話ながら帰って行きます。
そこにお谷が戻ってくるとまたも長太が現れ、激しく抵抗するお谷を舟に引きずり込み、縄を帯に付けて逃げられぬようにして抱きつきます。ところが、その縄は長太の妻の命綱で、反対側は海の中の長太の妻のからだに結び付けられているものでした。
そして、お谷が抵抗するので、

    縄を引っ張る

形となり、それが合図になって、海から長太の妻が上がってきます。怒り狂う妻は長太の腰蓑に縄をぐるぐる巻いて海に引きずり込みました。

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お谷が安堵していると、山猟師の夫、文治が通り掛かります。文治は鶴のことで宿老から呼び付けられた帰りだとのことです。文治は千代童の病を治す人参を買えるだけの

    儲け話

があると言い、お谷も喜んでいると、そこに南兵衛が現れ、貸した金を返せと夫婦を責め立てます。
お谷は子供の病気を理由に詫び、その隙に文治はその場から逃れます。
怒った南兵衛がお谷を代わりに連れていくと言って引っ立てようとすると長太が現れ、南兵衛の足を払って倒し、お谷は逃げていきます。
南兵衛が長太を海に投げ込むのですが、これは南兵衛の大失敗。なんといっても海では長太は自在です。南兵衛に悪口を言い、南兵衛は帰って行きました。

夕暮れです。鶴がいます。それに近づく人影。鶴を襲い、金の札を捩切って駆け出しました。5、6人の者が

    「鶴殺しのくせ者」

と取り巻きますが、その男は舟に乗って逃げて行きました。

ここまでが「外ヶ浜」の段です。

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