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「朗読演習」にて 

大学で「朗読演習」という授業を持たされています。

    「どうして藤十郎が?」

と思われたでしょう。
たしかに私などに指導ができるのかはなはだあやしいものです。
ただ、かなり以前から古典文学の朗読について感心を持っており、授業の際も原文を読む時は棒読みはしないことを心がけてまいりましたし、以前の職場である短大でも朗読の研究と実践は経験済みなのです。
そんなわけで私に下命があったという次第です。
「あめんぼ赤いなあいうえお」から始まり、「寿限無」も「延陽伯」も取り入れ、「外郎売」も丸暗記していますので、学生と一緒にいつも声を出しています。
そうです、歌舞伎十八番。「拙者親方と申すは…」です。
演劇部御用達のネタばかりですね。

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今日は伝統的な芸能の語りについても少し話しました。
謡曲にしても、義太夫にしても、子音を生かしていることに注目してみよう、などと。

    もとよりもこの島は

であれば、「mmmもtとyyよrrりmmmも、kkこnnのssしmmまwwわ」と語ってみようという感じです。
住大夫さんがよくおっしゃる「眉間から声を出す」は頭蓋骨に音を響かせること、と話しています。
その上で今日は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の冒頭の4つのセンテンスを厳密に解釈して読んでみようというテーマにしました。

  ある日の事でございます。お釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りで
  ぶらぶらお歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている
  蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊
  からは、何とも云えない好い匂いが、絶え間なくあたりへ溢れて居
  ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。


たったこれだけ。
学生の反応は…。意外に私などの話をよく聞いてくれるようです。
今後は朗読劇にまで進んでいけばいいのだが、と思っているのです。
こんなところでも文楽が役に立っています。

    芸は身を助く?

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コメント

落第生徒。

藤十郎先生!
「もとよりもこの島は」の朗読の仕方が分かりません!
眉間から声を出す??
声が頭蓋骨に響きませ~ん!

お園は落第、決定!

古い言葉ってなかなか舌が回らないです。今現在の話し言葉でない言葉をきちんと朗読するのって難しいですよね。
私もこの授業受けてみたいです。

>お園クン

え~、お園クン。
要するにですね、義太夫でいう「音遣い」をするということですね。
子音を溶かして、たとえば「なんだよぉ」を「あんだおぉ」と発音すると、志村けんのガクラン兄ちゃんふうになります。
子音はかくも言葉の雰囲気を決定付けてしまいます。
「もとよりも」は「むむむもおおといいよおおりいいいむむもおおお」とやってみてください。
頭蓋骨に響きませんか? 頭のてっぺんから声を出すっていう感じです。
義太夫体験豊富なお園クンならできるはずですぞ。

>さとうきびさん

そうですね。
まずきちんと解釈しておかないと古典の朗読は無理ですね。言葉の意味だけでなくリズムも。
平家物語などは読んでいると嬉しくなってしまいます。
学生には「敦盛最期」を読ませるつもりです。
昔の発音と今の発音は違いますし、昔の京言葉で書かれたものを今の共通語イントネーションで発音するのもそぐわない部分もあるかもしれませんが、そういうことを抜きにして声に出すのは気持ちいいですね。

言語学概論

確か10年程前の言語学概論という授業で、似た事を習った様な気が…

内容は覚えていないのですが(泣)、授業を受けながら
「k,s,t,n...」という子音のみの発音って「ウ行」のオンに近いなぁとか考えていた事を覚えています。
それでいくと
もとよりも」が
むぉ(も)とぅお(と)ゆぉ(よ)るぃ(り)むぉ(も)」
という発音となり、

「むむむもおおといいよおおりいいいむむもおおお」

に聴こえる気がするのですが…

勝手解釈してますね…。

>mayaribeさん

おお、それそれ、それです。そういう感じ。
助け舟をありがとうございます。
言語学概論ですか。私は文学部ですけれども取りませんでした。
お園さん、mayaribe先生の方が確かなようです。

やってみました!

いつもよりも口をうごかさないと、でない微妙な音でした。昔のひとは今の人よりも微妙な発音を聞き分けられたんでしょうね。
朗読、むずかしそうですが、意味を理解して読むと絶対忘れませんし財産になりますよね!

>mainaさん

そうそう、口を動かすんです。
私、いつも学生の前で口や舌を精一杯動かして、ロレロレラレルレルレロラリルレ、クワーッペッチャチョングリ(まるで意味がない)とやって見せます。
学生は最初不思議な顔をしていましたが、口を動かすという趣旨はわかってくれたようです。
この授業が終わるとほんとうに疲れます。

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