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新作文楽に思うこと(3) 

鶴澤清介さんが「三谷さんに新作文楽を作ってほしい」とおっしゃっていたのはかなり前、おそらく平成17年あたりからでしょうから、7年越しの夢が実現するのです。
言い換えると、それくらいの年月がかかってしまうことを覚悟しないと実現は難しいのかもしれません。
清介さんは「悲劇はうち(文楽の古典)になんぼでもおますねん。喜劇がよろしいねん」とも。これはもう10年以上前に伺ったことです。
三谷さんが喜劇を作られるのも清介さんには

    我が意を得たり

だったのではないでしょうか。
演劇の台本は叙事詩の側面があると思うのですが、浄瑠璃の場合は特にそういう面が必要だと感じています。絶対に七五調でなければならないわけではありませんが、やはり三味線に乗ることは大事です。懸詞だの縁語だのといった和歌の技法も不可欠ではないにせよ、あればまた

    心地好い響き

になると思います。

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言魂という言葉がありますが、日本人はあらゆるものに

    

を観てきました。
こだまは木魂であり、火の玉も人魂であり、土にも水にも魂を観じてきたのだと思います。
三味線に乗って義太夫節として語れて、人形の動きのサイズやスケールに叶うものでなければ失敗する可能性が高いように思います。
文楽人形は浄瑠璃の世界を視覚的に表現するものなので、浄瑠璃がなければ動けないのが基本。
もちろんそうでなくても人形遣いさんたちは器用に動かれるでしょうが、やはり、文楽としての魅力は薄らぐと思います。でも、人形の動きを魅力的に見せる浄瑠璃の言葉に魂がなければ木偶に命を吹き込むことができるのでしょうか。
三谷さんのものは清介さんがアドバイスもされたのではないかと思うのです(うかがっていませんが)。
今後新作を作る作家の方も、太夫さん、

    三味線弾きさん

のご意見を積極的に取り入れていただきたいと思うのです。
新作は否定しません。ただどこまでも「文楽の新作を」お願いいたします。

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