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時代物の道行 

道行というのは本当に誰が考えたのか面白いものですね。軍記ものにも能にもあり、それらの歴史を踏まえて、浄瑠璃作者がさらに工夫を重ねたすばらしい演劇の一場面だと思います。
三段目(に該当する段)でちょっと疲れたあとにあるからいいんでしょうね。
時代物の道行で有名なものと言えば

   初音の旅(千本桜)

   恋の苧環(妹背山)

   旅路の嫁入(忠臣蔵)

   似合の女夫丸(廿四孝)

   詞甘替(菅原。ただし二段目)

あたりでしょうか?
「どれが好き?」ということもないのですが、あえて言うなら私は「初音旅」「恋苧環」「似合女夫丸」の順になるかもしれません(その時の気分で変わりますが)。

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はじめて「初音旅」を見て聴いた時、とにかく呆然としてしまいました。
冒頭の三味線の合奏で早くも吸い込まれるようなエクスタシーを感じ、「恋と忠義はいづれが重い」というこの一言でもうだめでした。
そして浅葱が落とされると桜に静御前。やがて狐が現れ、忠信に変身。
「雁と燕はどちらが可愛ひ」で冒頭に返るようにはっとして、そこからは物語があって山越えで扇を投げ、やがてテンポが上がって「芦原峠かうの里、土田六田も遠からぬ」……。

    これはいったい何なのだ!?

とにかくしびれてしまいました。
すべてが素晴らしい。甘美でさえある! 忘我。快感。恍惚。
伏見稲荷で義経と別れた静と忠信がはるかな記憶から呼び起こされ、やがて義経のいる吉野にたどり着こうとしている。
切なくなるほど美しいものを見たような気がします。
歌舞伎の「吉野山」は芝居が入りますが、文楽はただただ道行!
幕が引かれるや、胸がドキドキしてたまりませんでした。
今なお、道行といえばこれ。とにかく大好きです。

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コメント

道行いいですね

「初音の旅」いずれ観てみたいです。藤十郎さんの文章を拝見していると期待が膨らみます。
9月の忠臣蔵の「旅路の嫁入」もよかったです。小浪がかわいらしくて。確かにどれほど力弥を慕っているかは、二人のシーンが省略されてしまっているのでわかりにくいです。あれだけ見ると、ただのストーカーのようにも見えます。(嘘です…)
11月の大阪の公演を見に行くことに致しました。国立文楽劇場の公演記録上映会?にも行こうと思っておりますが、並んだりするのでしょうか?
無事お休みをいただけるのか、が目下の問題です。

>mainaさん

何度みてもすばらしいです。
わくわくします。
絶対にご期待を裏切るようなことはないと思います。曲がまた素晴らしいです。
小浪。たしかに、ちょっとした関係ならあそこまで熱心に追いかけませんよね。見詰め合う場面がみたいですね。
11月、おいでになるのですね。
公演記録映画会は、入場の時は並んでいらっしゃると思いますが、多分入れると思いますよ。私も以前はしょっちゅう行っていました。
上司のかた、mainaさんにぜひぜひお休みを!

やはり千本道行

ですよねぇv-218私も一番好きです。歌舞伎版を先に観ていた私は
静のお転婆ぶり(失礼!)にビックリ!シコロ引きまでしちゃう彼女にお目目パチクリ状態でした(アッハハ)
あぁ~また観たくなりました!!中毒か!!!

>詞甘替
は一昨年・12月の若手公演で初めて観ました。ここは通しでもあまり出ませんよね。他の「道行」に比べてう~~~ん、という感じですねぇ。上演が少ないのが何となく分かる様な気がします。それにしても桜丸は力持ち!あんなに優男なのに。二人も飴桶(?)に隠して運ぶのだから・・・(笑)

>似合の女夫丸
これは観ていて切なくなりました・・・。千本道行の桜が咲き乱れる華やかさと異なりススキが生い茂る寂しい信濃路(でしたよね)相愛の夫婦に見える美男・美女・・。もうこれだけで濡衣が可哀そう(私、濡衣が好きなんですよ)歌舞伎版も一度観ましたがホボ文楽と同じだったように思います。

>戸浪さん

たしかに静はよく見たら暴れまくってますね(笑)。
力持ちです、桜クン。ひょいと持ちますね。私も一度のような気がします、これを見たのは。
「女夫丸」を見るとさらに濡衣が好きになりますよね。
せつない、ほんとそうです。
「恋苧環」が好きなのは単なる憧れかも(笑)。

文楽では恋の苧環です。

>藤十郎さま
歌舞伎の人形振りもいいですね。
どれも音曲が素晴らしいですね。歌舞伎にしかない道行旅路の花婿もいいです。見たいものが一杯です。

>おとみさん

人形振りといえばついこのあいだ「伊達娘」の舞踊版を見ました。
文楽では正面から櫓に登りますが、こちらは横からですね。
「恋の苧環」女性ファンがいらして安堵しました(笑)。

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