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最初の一歩 

ふと思いついて、思い出話(?)を。

私が最初に覚えた浄瑠璃の文句は

     三つちがひの兄さんと

です。
小学校低学年か、ひょっとしたら幼稚園の時から知っています。
そういうことを当たり前のように口にする近所のおばさんがいたのです。
いや、当時すでにおばあさんでした。
間違いなく明治生まれ。
私には兄がいるのですが、これが三つ違い。
自分の年は覚えていないのですが、兄が小学校3~4年生ではないかと思われるころのことです(兄が3年生なら私は幼稚園です)。
一緒に近所のお店にお使いに行くと、そこのおばあさんが我々兄弟を見て、

  年、なんぼ違うねん?

と尋ねるんです。兄が「三つ」というと

  ほんなら三つ違いの兄さんと、やな

と、当たり前のことを言うのです。

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ところがこの言葉が頭にこびりついて離れない。ついでに、その店の位置も店先の様子もおばあさんの嬉しそうな顔も覚えています。
まさかそれが浄瑠璃などというものだと分かるはずもないのですが、それ以後もいろんな人から同じことをいわれました。
そしてそのうちに同じ質問をされると、私のほうから「三つ違いの兄さんです」と言うようになり、これが大人に受けたのです。

  なぜ受けるのか

  この言葉にどういう意味があるのか

とずっと思い続けていました。
いわば魔法の呪文のようなものでした。

  「(勘平さんは)三十になるやならずで」
  「天野屋利平は男でござる」
    (天河屋じゃないので、講談から覚えたのでしょう)
  「由良助、待ちかねたわやい」
  「今頃は半七つあん」

などもすべて小学校時代です。
それがどういう人で、どういう意味なのかはさっぱり分からないのに、言葉だけが頭に入ってくるのです。
不思議なことに、兄はあまりそういうことに関心がなかったらしく、今でも浄瑠璃の「じ」の字も知りません。
当時から兄は「運転手さんになる」が夢で、今も空を飛んでいます。
私のやっていることなど意味不明のようです。

それにしても、大阪の(大阪じゃありませんけど)おばあさんというのはすらすら浄瑠璃の文句が出てきたんですね。
でも、

  「そりや聞こえませぬ」
  「せまじきものは」

などはなぜか覚えてなかったなぁ……。あのおばあさん、あんまり好きじゃなかったのかも。

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コメント

せまじきものは、

宮仕えと・・・。ことばだけはずっと前から知ってましたが、寺子屋からきているとは、文楽に親しむまで知りませんでした。

むかしは、誰もが知っていたんでしょうね。流行語のように。われわれで、また流行らせましょうか。

>やたけたの熊さん

日常生活の中でできるだけ使いましょう。
特に小さな子供に向かって。印象に残るかもしれませんよ。
でも、少子化で三つ違いの兄さんが減っているでしょうね……。

今思えば…

小さい頃からお転婆だった私は
「もう!『姫御前のあられもない』~!」と
叱られて育ちました…。

>睡蓮さん

「ほんならグリコかチョコレートにしとき」と突っ込んだんじゃありませんか?

藤十郎様は早熟だったんですね。そしてお兄様ともども三つ子の魂何とかまで、のようで。
私も小学校にあがる前は幼稚園の先生かピアノの先生が夢で、近所の年少の子どもに本を読んであげるのが大好きでした。小学校高学年になるとユニセフで働きたいの厚生大臣!になるのと言っていました。
足して二で割ると現在の仕事・・・とまでは言えませんけれどね。

>野崎小唄さん

勉強はできなかったのですが、ことばにこだわるところはあったようです。
とにかく気になる言葉が出てくるとチェックする癖は三つ子の魂のようです。
野崎小唄さんは夢が大きいですね。
厚生(労働)大臣や文部科学大臣への夢はまだまだ叶えられるかもしれません。

藤十郎様

はじめまして
文楽初心者です。いつも、拝見させていただいております。

三つ違いの兄さんと
おおーと思いまして、、、。
私も、小学生の頃から知っている言葉ででした。作年文楽を見始めて、あれ、これだったのかとびっくり。同じく、
天野屋利平は男でござるこちらは、その後、映画などで聞いていましたけど。
ほかにも、柳ごうりに入ったような言葉がいくつかあるのですが、同年代の人に聞いても、あまり、反応がなくて、、。

>kinakoさん

はじめまして。
見てくださってるならもっと早くコメントしてくださればよかったのに(笑)。
つまらないことばかり書いていますがどうぞよろしく。

>柳ごうりに入ったような言葉

なんて、いいですねぇ。
私は普段20歳前後の女の子とばかり接しているのですが、骨董品扱いされています。

待てしばしがないよって

最近では、「夫婦善哉」のこの科白をよく息子に向かって使います。夕食の支度をしているとき、「ご飯まだ?」「今日は何?」と何回も聞いてくるので、「ほんまにもう、あんたら待てしばしがないよって!」息子たちもこのフレーズを覚えてしまいました。これ、流行らせられないかしら?

大阪の子やったけど・・・

>藤十郎さま
大阪の船場の子でしたが,当時は文楽公演と歌舞伎は上演が少なく,親が連れて行ってくれるのは新劇ばかりでした。
「弱きもの,汝の名は女なり。」,「いいは悪いで悪いはいい。」,「この世は全て七幕芝居。」,「光よ,これが見納めだ。」,「働かなくっちゃ。」…。どんなガキや?
ウチの文楽ライフはこれからや~。

>まゆみこさん

さすがに素晴らしい教育ですねぇ。
そうやって語彙を増やしてあげるのはいいですね。
いい日本語はいっぱいあります。
こういうのいろいろ見つけたいですね。
「まてしばし」はこのブログでも極力使うようにしましょう。

>おとみさん

すげぇ船場のお嬢様!
シェークスピアなんて私の小学生時代は無縁でした。
でも、芝居に連れて行ってくださるご両親とはうらやましいです。
船場なら「お店一統で芝居行き」というのはなかったんですか? 時代が違いましたね(笑)。

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船場言葉で文字アート・北船場くらぶの取組

昨日,国立文楽劇場に出向き,大阪言葉を洪水のように浴びたので船場の子の地金が出