fc2ブログ

大衆の力~文楽に2万5千人以上 

昨日、こんな新聞記事がありました。

  国立文楽劇場で行われた「夏休み特別
  公演」(7月21日~8月7日)の入場者
  数が、前年比で約4割増の2万5516人
  だったことが8日、同劇場のまとめで
  わかった。

そして見出しには「橋下効果?」とも書いていました。いささか誤解を招くような見出しだと思います。
私はそういうことではないと思っています。
私は芸能史に詳しくはありませんが、上方の芸能はお上に虐げられることが多かったはずです。
いわく、女歌舞伎はけしからん、若衆歌舞伎はけしからん、心中ものはけしからん。
その時、権力に屈して挫折したかと言うとそうではありません。
なんとか権力に対抗しようとしてきた。野郎歌舞伎を生み出し、タイトルに「心中」の言葉を入れない作品を作り・・・。
いわばお上に

    あかんべ

をする。それが

    上方の大衆の意気地

だったと考えています。お上には任せられないから民間が橋を架けたエネルギーをも持っていました。権力には屈服しないのが上方の土性骨。徳川家康を罵る会ができる土地柄。
文楽にとっての大衆とは芝居に関心のある人、劇場に来てくれる人、劇場に行ってみようかなという人、大阪の芸能の話を誰かから聞いて感心を持った人などだろうと思います。それが

    大衆の感覚。

文楽劇場は満席続きでも年間に延べ20万人も入りません。大阪市民は260万あまり、府民になると880万、劇場に行ける範囲に住む人となると奈良、和歌山北部、京都南部、兵庫南東部、滋賀南西部あたり、1000万ではきかないのです。仮に1200万としても60人に1人も来ないわけです。しかも毎公演行く方も少なくありませんし、各公演複数回という方も多く、さらに「遠征」してくるかたもあるのです。いいかげんな計算ですが、大阪近辺の人は100人に1人も来ないと言ってもよいのではないでしょうか。言い換えると99%が劇場に一度も行かないのです。それが言い過ぎでも90%は文楽劇場に行かないのが当たり前です(行きたくても行けない)。
大阪市長はその90%(以上)に向かって「あなたたちが大衆の感覚」と言い、これはまったくの詭弁。はっきり言うと彼の言う「大衆」とは

    「選挙民」

なのではないでしょうか。
その人たちに向かって「文楽は演出が悪い」「文楽は特権意識にまみれた人たち」「文楽は恐ろしい集団」などと吹聴するわけで、卑劣極まりない。

にほんブログ村 演劇ブログへ
 ↑応援よろしく!

kgaeonrjuiをフォローしましょう

ところで、くだんの新聞記事には劇場の話として、

  マスコミなどで大きく取り上げ
  られたことで、ふだん来られな
  い方が足を運んでくださったの
  では

と書かれていました。そういう面もあると思います。
それなら

    簡単なアンケート

くらいは取れたのではないでしょうか。前売りの段階で好調だったことはわかっていたはずです。
毎公演来ているのか、初めて来たのか、久しぶりに来たのか。なぜ初めて(久しぶりに)来たのか、初めて(久しぶりに)来ておもしろかったか、どういうところがおもしろかったか、改善点はあるか、毎回来ている人はいつもとどう違うと思ったか、どこが違ったか、文楽の将来をどう思うか。
いくらでも聴きたいですが、うまく絞って調査することはできなかっただろうかと思いました。

    大衆の力

は強い。いつもこうやってお上を超えてきた。
それに大阪市長や取巻きの「真正インテリさん」たちは気がついているでしょうか。・・・そんなはずはありませんね。

スポンサーサイト



コメント

MBSラジオ「たね蒔きジャーナル」

昨夜MBSラジオ「たね蒔きジャーナル」を聴いていたら、毎日新聞論説委員の近藤勝重さんが熱く語ってました。

・新大阪駅に着いたら、静御前の文楽人形が出迎えてくれますやん。文楽は、大阪が世界に誇る唯一の文化と言っても過言ではないです。
・ユネスコ世界遺産/文楽やから、もっともっと観客が増えて当然です。
・木津川計さん発行人の「上方芸能」では、文楽に対して冷たい態度をとる橋下市長に対して、100数十人の識者が熱いメッセージを寄せました。この号はすぐに売り切れたそうです。
・大阪の人は、もっと文楽を大切にしないと。今回の騒動を経て、文楽に高い関心が寄せられるように期待しています。

MBSラジオ「たね蒔きジャーナル」は、今秋の番組編成でなくなるかも・・・との情報が流れています。関西のマスコミでは、反権力の姿勢を貫いている数少ない番組ですが、圧力を受けてなくなるのかと、ささやかれているようです。


*いま48キロ級女子レスリングで、小原日登美さんが金メダルを獲りました! たまたま深夜に目覚めて、テレビをつけたらLiveでやってました。このところ、たまたまいいところで目覚めるケースが続いています(笑)

♪やたけたの熊さん

あのめんどくさそうな(笑)物言いをなさる近藤さん、お元気なようで何よりです。
あの人も上方人の意気地を感じる人だと思います。
観客が増えたのは大阪市長の思わく通り、と取り巻きのかたはおっしゃっています。やはり分かっていないようです。

アンケート

実は「だしまき」当日にアンケートが配られ、景品の「国立文楽劇場」と刻してあるボールペン欲しさにパパッと走り書きで書いてしまいました。
もうちょっと丁寧に書いて置けば、と思います。玉男師匠、伊達師匠、喜左衛門師匠、文吾師匠、ちゃんと存じてます、とか。

勇気あるジャーナリストを励ます会

>あのめんどくさそうな(笑)物言いをなさる近藤さん

ハハハッ。たしかにシャキシャキとは話されませんよね。

たね蒔きジャーナルは、いまや貴重な硬派の番組です。

http://www.mbs1179.com/tane/

http://hiroakikoide.wordpress.com/

ほんとうに放送中止なら寂しいですけど、よくもここまでがんばって放送を続けてきたものと頭が下がる思いもします。

勇気あるジャーナリストを励ます会会長として、番組あてに手紙を書くつもりです。会員は何人? そんな野暮なことを聞いてはいけません(笑) 

♪しろくまさん

あ、きちんとなさっていたのですか。劇場のかた、失礼いたしました。
私も以前三色ボールペンをいただきました。

♪やたけたの熊さん

いつごろからの放送なのでしょうね。私はラジオ派でしたから、古ければ知っているのですが、諸口あきらさんの番組に出ていらしたのは知っています。
熊さんはいくつ会長を勤められているのでしょうか。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/2466-752bd22b