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旧暦七夕 

2012年は8月24日が旧暦の7月7日、つまり七夕になります。
今の暦だと梅雨の末期で、なかなか星は拝めませんし、晴れても都会の夜は明るすぎて満天の星空というわけにはいかないのです。
昔は、どんなにきれいだったことか、こればっかりは古人が羨ましくて仕方がありません。
曽根崎心中で深夜にお初と徳兵衛が見上げた空は、七夕には三ヶ月も早いものの、何しろ深夜ですからちょうど七夕の頃の星が見えるわけです。
ですから「星の妹背の天の川、梅田の橋を鵲の橋と契りていつまでも我とそなたは

    夫婦星」

ということになります。
季節感は違いますが、今夜のあまり遅くない時間帯に夜空を眺めると、それがあの道行の時の夜空だということになります。
今の暦でいうと、彼らは5月下旬の深夜に心中していますので、さすがに暑くはない、あるいはいくらか冷えたかもしれません。生暖かい今夜とはその点だけは決定的に違いますね。
天体の時間なんて、我々の一生から見たら永遠に等しい長さなので、たかが300年前なんてついこの間のこと。私たちと彼らが

    つながっている

ことなど、星を見ただけでも明らかです。

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清少納言は、

  七月七日は、曇り暮らして、夕方は晴れたる。
  空に月いとあかく、星の数も見えたる。(枕草子)

と言っています。
昼間はずっと曇っていて、夕方は晴れているのがよい。空に月がとても明るく出て、星もたくさん見えているのがいいですね。
そんな感じでしょうか。
初秋とはいえ、まだ暑い時期昼間は涼しく曇っていて夜は晴れて欲しい、というのでしょうか。いや、むしろ、昼間は曇って「今夜、織女と牽牛は会えるのだろうか」とやきもきしていたら、夕方から晴れて、半月が明るく見えたあとを追うようにして二つの星が見える。いや、二つだけでなく、たくさんの星が見えるのがよい、とまで言っているように思います。
天の川があって、我々のいう白鳥座の嘴の星、

    アルビレオ

を挟んで二星が出逢う。
秋風がそよぐような夜です。

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コメント

「去年(こぞ)の初秋」

とってもごぶさたしております。
毎日ほぼ猛暑の中、ブログ記事拝見できてしあわせです。御身体おいといくださいませ。

さて、七夕って秋なんだ、と初めて私がちゃんと認識したのが「堀川猿廻し」を聴き入ってた時でした。冒頭部分おつるちゃんの鳥辺山のお稽古で「去年の初秋七夕の座敷踊をかこつけて…」という詞章が印象的だったので。だから「忍び逢う」のでしょうか。
カップルには大事な時ですね。

♪nanasinonaさん

長い歴史の中で、七夕はほとんど秋と思われてきて、ほんの最近、我々の時代だけが梅雨末期と思うようになったのか、と考えますと、なんとなくさびしいような気もします。
清少納言は、「星は、すばる。彦星。夕づつ。よばひ星、少しをかし」とも言います。すばる(プレアデス星団)は確かに美しいです。
ここにはシリウスもベガもデネブも入っていません。「彦星、夕づつ、よばひ星」は、すべて男が女を訪ねることに関わりますね。彦星が夕暮れに呼ばうのです。「よばひ星」は流れ星をいうようです。

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