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紫の上 

学生諸姉は迷惑に思っているかもしれませんが、私が今一番おもしろがっている授業は

    源氏物語

です。
前回は紫の上の人物像を感じ取ってもらおうと思って彼女にフォーカスして話をしました。
光源氏が25年ほど年少の内親王である女三宮と結婚します。紫の上は内心つらい思いは抱きながら、表面上は一生懸命光源氏の身だしなみなどを整えます。
お付きの女房たちが「そこまでなさらなくても」というくらいです。
当時の結婚は三日続けて通いますから、光源氏も紫の上のところから女三宮のところに三日間通い続けます。
その三日目、これで結婚が正式に成立するのです。光源氏がなんとなく行きにくくてぐずぐずしていると「見苦しいですからいらしてください」と紫の上はせかします。自分が引き止めているように思われるのがつらいのでしょう。
光源氏が「今日だけは許してください」などというと紫の上は

    少し微笑みて

話をそらして利します。この「微笑み」のニュアンス! 学生諸姉にはこういうところをどう読みますか、と問いかけています。

    目に近く移ればかはる世の中を
      行く末遠く頼みけるかな

以前にもご紹介したことがあると思うのですが、この歌は紫の上の心情の吐露としてとても有名なものです。彼女はこれを口ずさんだりはせず、古歌などを書いているところにさりげなく書き交えています。光源氏がそれを見て申し訳ない気持ちになります。

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女房達はこんな状態で何か面倒なことが起こったらこまりますよね」などと言っており、この後起こる出来事の複線のような発言になっています。
光源氏はその夜女三宮のところで紫の上の夢を見てあわてて帰ってきます。すると

  少し濡れたる御ひとへの袖

を引き隠して紫の上は光源氏を迎えます。
もちろん涙に濡れているのですが、それと書かずに表現しています。
学生は

  食物栄養学科 と 看護学科

ばかりで、古典文学に興味などなくてもおかしくなさそうなのですが、実際はかなり熱心に話を聞いてくれます。
紫式部の文章のうまさは直接感情表現をせずに、人物のさりげない動きを描写することでその心までを描いてしまうところにもありそうです。
前期の繰り返し授業で、私はこの部分を話すのは今年二回目ですが、またまた発見もあり、面白いと思っています。

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