成田屋
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私は歌舞伎についてはものを言うほどの熱心なファンでありません。
それでも、市川新之助時代から知っていましたし、辰之助、菊之助(現菊五郎)とともに三之助と呼ばれていたことよく憶えています。
十二代 市川団十郎 丈
が亡くなりました。66歳とはまだまだお若い。
新しい歌舞伎座開場直前に梨園に訃報が続きます。
父親は十一代目でしたが、その父は七代目幸四郎。あの九代目団十郎とは血という意味では断絶があり、だからこそ新しい団十郎を作り上げる気概に満ちていらしたのかも知れません。
個人的には、成田屋の口跡がやや苦手なことや歌舞伎でも丸本ものが好きなこともあって、江戸の立役の歌舞伎役者としては圧倒的に播磨屋ファンなのです。
それでも、『毛抜』『助六』『暫』『勧進帳』などになると圧巻でした。演技とともに団十郎の名の持つ神威を感じることがありました。
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こういうことは無責任に発言はできませんから何も書きませんでしたが、私は昨年末に団十郎丈が南座を休演された時、えも言わぬ不安を感じました。もう二度とこの人の舞台姿は見られないのではないか、と。さらに無責任を重ねるなら、その不安が何ともリアルな感覚だったのです。勘三郎丈が亡くなった直後だったからかも知れませんが。
文楽もそうですが、歌舞伎役者は忙し過ぎる。
会社もファンも長い目で見て役者を育ててほしいし、何よりもご本人も大事にしていただきたい。
またぞろ、週刊誌やワイドショーからおもしろおかしいネタを仕入れるだけの「アンチ」のような連中が海老蔵丈の悪口を言っているのをネットで見ましたが、あまりにも不謹慎としか思えません。
十二代目は20歳にならぬうちに父を亡くして、想像もできないような苦労もなさった末に団十郎を継いだのです。海老蔵丈もあるいは5年、10年かかるかも知れないけれど、きっと精進して十三代目を継いでくれると信じます。
ふる年に春立ちける日、詠める
年のうちに夏は逝にけり大成田
(蛇足)旧暦十二月のうちに立春がきた日に詠んだ
年内に春が来ることはあるが、今日は夏(団十郎丈)が去っていった。豊かに実った大きな田を残して。
( 蛇足の爪)年のうちに春は来にけりひととせをこぞとやいはむ今年とやいはむ
(古今和歌集・春上・1・在原元方)
- [2013/02/05 00:00]
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