紙だらけ 

髪は減りましたが、紙は減りません。
特にちょっとコピーするともうこんがらがってしまいます。整理整頓をうまくできればいいのですが、それも苦手とあって、同じものを何度もコピーしたりするものですから余計にわけが分かりません。
このところずっと絵巻物のことを考える日々なのですが、ほんとうの意味で勉強するためには実物を手にするのが一番なのです。しかし相手は国宝で、しかも美術館の収蔵庫に入っていますから、そうはいかないのです。
やむをえず複製に頼るのですが、そうなると写真で撮ったものを冊子本にされることが多いので、すでに

    巻物

ではありません。
これは実はとても重要なことっで、巻物は巻物として観ないとわからないこともあるのです。巻物状のまま複製されたものもありますが、高価ですし、縮小されていてやはり見にくい面もあります。
やむなく実物大にコピーしてそれをつなぎ合わせたりしながら全体のイメージをたどっています。
巻物は気をつけなければならないことがあります。たとえば、現在上中下の三巻になっているとしても、本来は一巻であるかもしれません。ある程度のところで切って保存されたこともあるのです。そして、その分割する時に何らかの事情で部分的に切り取られたりすることもあったように思います。原本がそのまま残っているとは限らないのです。
源氏物語絵巻のような区切りのはっきりした

    段落式

の絵巻などであれば、完全に切り取られて分割保存され、絵巻物というよりは一幅の絵であるかのように残ることもあります。
伴大納言絵巻のような連続式の絵巻物(文字通り、できごとや情景を連続させて描いて長い画面を作るもの)は切り取りが難しいですから割合にそのまま残ります。しかしやはりあまりに長いと使いにくく、思いと言うこともあったのかもしれませんが、分割保存されることがあったようです。伴大納言絵巻も本来一巻であったものが三巻に分けられています。

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ですから、私はやはり本来の形、つまり一巻の形で見たいと思うのです。
そうなると伴大納言の場合、26メートルですから、大変なことになります(笑)。
もちろんそんな長い紙を使って絵を描いたわけではありません。一紙はタテ30cm×ヨコ60cm程度のもので、それをつなぎ合わせていくのです。
その継ぎ目の部分は要注目です。そこで切り取られたり補筆されたりしていることがあるのです。
伴大納言絵巻は

    子どもの喧嘩

の場面が有名ですが、もうひとつ不思議な人物が描かれていることでも知られます。上巻に沓(くつ)を履かずに庭を歩いている人物が描かれているのです。この人物が描かれているところも継ぎ目に秘密があってどうやら紙一枚が捨てられているようなのです。そんな事情によってなぞがなぞを産んできたと思われます。
トレースしたのではありませんのでいい加減ですが、こんな人物です。

file.jpg

この人物は誰を描いたものなのか、というのが随分長らく議論されてきました。結論が出たとは言いにくいですが、煮詰まってきたかな、という印象ではあります。
私もこの人物については学生時代に美術史のゼミで扱ったときに疑問を抱いたままでしたので、またいくらか考えてみようと思っています。

というわけで、また髪が、いや紙が増えます。

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