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紫式部日記を読むこと 

学生時代に平安時代に関心を持ったものですから、その時代に書かれたものはできるだけ早いうちに読んでおきたいと思いました。
特に私は日記文学に興味がありましたので、土佐日記、かげろふ日記、和泉式部日記などとともに

    紫式部日記

はわりあいに早いうちに読みました。ところが、読んでも読んでも難しいばかりで面白みがどうにも分かりませんでした。
残されている本(テキスト)も誤りが多いようで、意味のわからないところが少なくありませんでした。また、あまり関心のなかった装束、色目などについての多くの記述はちんぷんかんぷんだったといってもよいくらいです。
桜襲がどうの葡萄染(えびぞめ)の織物がなんだの・・・もう、さっぱりでした。
その後も必要に応じて読みましたが、本当に面白いと実感することはなかったといってもよいのです。
始まり方もどうやら脱落があるらしく、終わり方もなんだかよくわからない。途中にある

  清少納言和泉式部

の人物批評などはかなりおもしろいのですが、全体は、となるとそうもいえなかったのです。

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ただ、大学院生のときに藤原道長の日記

    『御堂関白記』

に出会って、まさにその時代の同じ場面を違うアングルから描いているという意味ではなかなかおもしろいと思うようになりました。
特に冒頭に描かれている一条天皇の第二皇子敦成(あつひら)親王誕生の記事や敦成親王生誕五十日の祝宴の様子などは、『御堂関白記』ではわからないような細かいことがいろいろ書かれていて、読んでいると興奮するほどです。
しかしまあ、それやこれやで部分的には面白いのですが、なかなかその真髄に突っ込むところまでは行かなかったのです。
そんな状態でしたが、4年前に「一度

  きちんと全体を

読んでみよう」と決意し、しかし自分ひとりで読んでいたのではいい加減な読み方になるかもしれないと、公開講座にきてくださるかたに犠牲になっていただいて(笑)、このかたがたがおもしろいと思ってくださるような読みをしようと決めたのでした。
かつて大の苦手だった衣装のことなども逃げることなく徹底的に調べて、絵画史料などを駆使して理解していただくようにしました。これはつまり学生時代の自分に分からせることでもあったのです。
すると、本当に面白いものだと思えるようになりました。

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