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団扇 

8月の立秋あたりから、残暑などというなまやさしいものではない暑さがやって来ました。
大平洋高気圧が強いだけでなく、もうひとつの高気圧が重なるようになり、強烈なまでに気温が上がりました。高知県の四万十市で

    41℃

という新記録が出るという異常さでした。
私の住む宝塚市でも室温が36℃前後。私の体温より高いです。
頭が頭痛で痛く、息が呼吸困難で難しくなるくらいでした(何だか混乱してるな)。
大阪はさらに暑く、京都はまたその上を行く暑さだったようです。
学生時代、お盆の時期に京都で1週間研究会があり、

    扇風機

だけの会場で朝から夕方まで勉強しました。夜はさすがに友人とビールを一杯だけ贅沢したこともありました。
それでも、最高で35℃くらい。今の京都なら最高で38℃くらいですから、大変な違いです。

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文楽夏休み公演の「夏祭浪花鑑」は舞台で人形が揺らす団扇や扇子が印象に残ります。
人形がじっとしていても団扇が揺れ、それによって舞台世界の空気が揺れているのです。あの「ゆらゆら」は

    陽炎

のようでもありました。
客席にいてもつい手が動きそうになりました。
琴浦(勘弥)と磯之丞(文昇)の団扇の揺れは心のさざめきのようであり、権(勘市)と八(玉佳)の荒っぽい団扇の扱いは彼らの粗雑さや平和をかき乱す悪意のあらわれで、お辰(簑助)の扇子は微妙な心の変化を写します。
団七(玉女)と徳兵衛(文司)は悠々と現れ、まだ彼らはお辰の悲劇も義平次の悪事も知りません。そのゆとりがあらわれているようです。
今回、和生さんの義平次はどうなんだろうと思っていました。
数日前に書きましたが、ねちっこい暑さというか、しつこくまとわりつくような暑さというか、義平次はそんな人物だと思っていたのですが、例えば団扇の使い方もおとなしい感じで、和生さんらしいといえばまさにその通りの人物だったように感じました。
祭は住吉ではなく高津さん。神輿を担ぐツメ人形の動きは激しく、舅殺しの直後の舞台の空気を荒々しく吹き飛ばすようで、あの神輿自体が

    大きな団扇

だったように思います。団七は神輿衆から団扇を取り、最後に空気を浄めるようにして「悪い人でも舅は親」と呟きました。
『夏祭浪花鑑』。不滅の名作です。

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コメント

文楽劇場で団扇をつかいたいなぁ…

「夏祭」は、小道具の団扇が大活躍しますね。そして団扇の遣いかたで役の性根も現わします。

夏狂言のときには、劇場客席で団扇をつかうのも風情がありますよね。名古屋で行われる大相撲七月場所は、多くの観客が団扇をつかっていて、テレビ観戦していても「夏やなぁ・・・」と思います。

でも文楽劇場では団扇はつかえないんです。正確にいうと団扇はつかってもいいのですが、冷房が効き過ぎていて寒くて団扇をつかうなどあり得ないのです。これまで何度かアンケート用紙に「冷房を弱めてください」と書き、また案内の女性にもご意見してきましたが、なぜだか改善していただけません・・・

♪やたけたの熊さん

ひざ掛けをしたり、カーディガンを羽織ったりするかたもいらっしゃいますね。
東京の国立劇場は最近ましになった、という感想をどこかで見たことがあります。
あれだけの建物、温度調節は大変かも知れませんが、来年はよくなっていますように。

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