末摘花 

源氏物語に出てくる女性はすべてが美女というわけではありません。また、美女だからいいというわけでもありません。
結局、人間は皆、似たようなものなのです。長所もあれば欠点もあります。
不美人の代表のように言われるのは

    末摘花

です。この人物については以前もちょっと書いたことがあります。
彼女は常陸宮の娘ですが、父はすでに他界しており、孤独で寂しい生活をしているのです。この「哀れな姫君」というのが光源氏の心を刺激します。おりしも彼は夕顔という女性を亡くしたばかりでしたから、またあのような女性はいないものか、と思っていたところなのです。
零落した姫君。シンデレラかスノウホワイトか。噂を聞きつけて早速出かけていきます。春まだき一月十六夜のことでした。
行ってみると、琴を演奏してくれるのですが、かなり引っ込み思案な様子です。
手紙を送っても反応が薄く、つかみどころがないのです。
その直後に光源氏は病気になって北山の聖に祈祷を頼みに行き、そこで

  かわいらしい女の子

を発見します。実はこの子も宮様のお嬢さん。ただし、まだ幼いので結婚という話にはなりません。
光源氏はその後も末摘花のところに通うのですが、あいかわらずはっきりしない人です。
そして早くも冬になります。このときすでに光源氏はあの北山の女の子を自分の屋敷に連れていき、同居して世話をしています。
雪の日に光源氏は末摘花を訪ね、今日はどんな顔の人か見てみようとわざと日が昇るまで滞在します。

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そして雪を御覧なさいと言って明るいところに誘い出すと、雪明りもあって彼女の顔が見えます。
道が長くて、痩せこけていて、面長で、そして何よりも驚いたのはその鼻があまりにも高く、長く、そして先が垂れていて赤くなっているのです。あたかも末摘花のようだ、と光源氏は思います(彼女を末摘花というのはここから)。鼻については、

    普賢菩薩の乗り物

のようだ、と描かれています。普賢菩薩は白い象に乗っているのです。
この描写については学生もさすがに「ちょっとひどすぎませんか?」と言うのですが「でも笑ってしまいました」とも。こうなると紫式部の思う壺でしょうね。
そして年末に彼女から光源氏に贈り物が届くのですが、これがまた古めかしい直衣でした。添えてある若も古めかしく、光源氏はがっかりします。そしてかわいい女の子の前で自分の鼻を赤く塗って「あれ、色が落ちないぞ」などとふざけたりします。
この女の子こそ、後の

    紫の上

つまり光源氏最愛の女性です。
この二人を保母同時に光源氏に出会わせる作者はなかなかしたたかな作家だと思います。

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