貴族のトイレ 

注意! 食事時にはお読みにならないようにお願いします。

源氏物語の話などをしている時にふと排泄のことを話題にすると学生の目がパッと輝きます。
別に教室はスカトロジーの集合体ではないのですが、貴族だろうが庶民だろうが、天皇だろうがお坊さんだろうが、現代人だろうが縄文人だろうが、人間だろうが芋虫だろうが、誰もが日々繰り返す行為でありながら、なかなかその

  実態が記録されにくい

のがこの排泄という行為です。
有名な話ですが、今昔物語集巻三十に「平定文、本院の侍従に懸想せし語」という話があります。平定(貞)文(871?~923)という好色な男が、本院侍従という麗しい女性に懸想して、盛んにアタックするのですが、いつもかわされてしまいます。彼はもうなんとかあきらめようと思うのです。そこで、彼女が排泄したものを見たらさすがに幻滅していやになるだろうと考ます。侍従のところにいる樋洗(ひすまし)が

    樋箱(ひばこ)

らしきものを持っているのをみつけた定文はそれを奪い取ってしまいます。樋洗は樋箱(清箱=しのはこ=ともいう)の中の汚物を捨てて洗う仕事をしていました。樋箱の汚物、それこそが排泄物だったのです。
おそるおそる定文がそれを開けると、中から丁子の芳香が漂ってきました。そして大きさは親指ほどで、長さが二、三寸くらいの黒ばんだ黄色っぽいものがありました。これが彼女の・・・と思った定文は思わずなめてしまうのです。するとなんとも甘いような苦いような味が。実は尿は丁子を煮た汁、糞は、薫物で作った細工物。またまたしてやられた、という話です。

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ここからわかるように、当時の貴族社会では樋箱、わかりやすくいうと

    おまる

を用いて排泄し、それを樋洗が処理していたということになります。それを洗った場所は「樋殿(ひどの)」といわれる屋敷の東北にあった一画だったと思われます。
この樋殿は湯殿の隣に配置されていたといわれ、ユニットバスじゃありませんが、やはりトイレと風呂は近い関係にあったということでしょうか。

それにしても、学生はびっくりします。平安貴族とおまるという組み合わせがあまりにも意外であるようです。
樋箱は主に糞便用、男子小用には尿筒(しとづつ)があり、女子小用には虎子(おおつぼ)がありました。本院の侍従の樋箱には金の漆が塗られていたとあり、実際、蒔絵の施されたものもあったとか。けっしてアヒルの頭などはついていません(笑)。汚物を入れるものだから逆にそれなりにきれいなもの、デザインの

    しゃれたもの

を用いるという発想はあったかもしれません。
排泄の方法としては着物をまくりあげて樋箱についている「きぬかけ」に着物の裾をかけておまるにまたがるようにして排泄したようです。ただ、小型ですから、見た目は樋箱を着物の中に入れてすっぽり覆うような形になるでしょう。

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コメント

まあえらく予算のかかる作戦ですこと!

♪えるさん

どうせなら徹底的に、というわけですね。色好みの平中(平定文)もかたなしです。

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