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ターナー 

絵のことはよくわからない私ですが、この冬は神戸市立博物館で開催されている

    ターナー展

が気になっています。
イギリスの画家ターナーは、フルネームで書くと、Joseph Mallord William Turner(1775-1851)です。ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーでよいのでしょうか。ターナーの家は理髪店(かつら屋兼業)だったそうで、お父さんは息子の描いた絵を店に飾っていたのだとか。すごいですね。本物のターナーの絵がある理髪店!
ターナーというと夏目漱石の「坊っちゃん」を思い出す方も多いのです。「幹が真直で、上が傘のように開いてターナーの画にありそうだね」という赤シャツのせりふでしょう。赤シャツがいうのはおそらく「チャイルド・ハロルドの巡礼」に描かれる松の木だろうといわれます。確かに印象的です。
ターナーは絵になる風景を描くという面がありました。いわゆる

    ピクチャレスク

の画家としての一面です。言ってみれば北斎や広重と同じ発想。富嶽だの五十三次だのまさにピクチャレスク。
そういえば北斎(1760年生まれ)も広重(1798年生まれ)も近い年代ですね。ターナーはこの二人のちょうど真ん中の年代です。

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しかし、私がターナーといわれてまず思い出すのはもっとダイナミックな絵なのです。例えば国会議事堂の火事、例えば蒸気機関車、あるいは嵐に翻弄される船など。
初期の作品に「難破船」などがあり、静寂の海、荒れ狂う海、のどかに浮かぶ船、波に翻弄される船、そして海で生きる人がさまざまに描かれます。
「国会議事堂の火事」は1834年10月16日におこった実際の火事を素材にしたもので、この火事でウェストミンスター宮殿(国会議事堂)はほとんど焼失したのだそうですね。その後、貴族院議事堂、庶民院議事堂をはじめ、次々に再建されたのだそうです。
さて、ターナーが70歳の手前で描いたのが

    雨、蒸気、速度
     -グレート・ウェスタン鉄道

で、これはもう不思議なほど印象に残るものです。
機関車がこちらに向かって走ってくるのですが、向かって左側には小舟が浮かび、右隅には動物を連れた人のようなものが見えます。そして、よく観ないとわからないのですが、蒸気機関車の前にはウサギが描かれているのです。これはいったいどういう意味なのか。とてつもない力を持つ機関車の前を逃げるように飛び跳ねる小さなウサギ。人工の力と自然のか弱い命。私には説明はできませんが。

ただし、今回のターナー展はテート美術館のコレクションなのだそうで、「雨、蒸気、速度」などの私がもっとも観たい絵は来ていないようです。
それでも、ぜひ行ってみようと思っています。

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