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初春公演つれづれ(その1) 

文楽初春公演が終わりました。
また思いつきをあれこれ書いてみます。

    『二人禿』

楽しそうな娘の羽根つきやまりつき。でも彼女たちにはつらい廓勤めがあって・・という解説がお決まりになっています。もちろんその通りなのですが、私などは天邪鬼なのでどちらかと言うとその逆。どんなつらい勤めをしていても、若い娘というだけでやはり美しい、かわいい、あどけない、いじらしい。そういう若さを見せてくれればいいのではないかと思っています。
今回の禿は一人が紋臣、もう一人は紋秀・簑紫郎のダブルキャストでした。私がもっとも印象に残ったのは簑紫郎さんでした。あとのお2人がどうのこうのというのではなく、簑紫郎さんの首の遣い方を見ているうちにあっという間に時間が経ってしまったという体験をしたことを申し上げるのです。傾けるだけでなく、手首を使ってなめらかに動かすので、愛らしさがまさって見えました。
簑紫郎さんは立ち役もいけます。というより、私はそっちに期待をしてるのです。大柄な人形を持たせてもさまになります。大団七とか口アキ文七とかあるいは検非違使なども。意外なのですが、端敵首を観ていないような気がするのです。彼のちょっとやんちゃっぽい(失礼!)ところを見ると合いそうな気もするのですが、実はかえって映らないのではないかとも想像しています。
子役はしばらくこの人の

    独擅場

でした。あの頃も小さなサイズの人形をうまく目いっぱい使って見せてくれたと思っています。あの動きは頭で覚えているというより身に染み付いているのだろうと感じます。
もちろん、紋臣さん、紋秀さんもきちんと見せてくれました。

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昼の部のメインは

    『源平布引瀧』

でした。前回が源大夫、藤蔵襲名披露でしたから約3年前ですね。ついこの間だと思ったのですが。あの時は「糸つむぎ」「瀬尾詮議」「実盛物語」の三分割でしたが、今回は「物語」からさらに「糸繰馬」を分けました。交代が頻繁なのはブツブツ切れるようでいやだというかたも多いのですが、その一方、変化もあるので退屈しないというかあまり時間を感じないというメリットもあります。
人形は玉女、玉志、玉翔という

    玉男門下

の勢ぞろい。玉女さんは、何かと比較される勘十郎さんに比べると動きの激しさよりも肚で見せる役が映ると思います。ですから、実盛などはよく映る役だと思うのです。いわゆる「ニン」ですね。
玉志さんが瀬尾で好演しました。老人でありながら意気は高く、血がたぎるような人物。最後の最後までゆるがぬ強い意志と激しい情熱をバランスの良い姿勢と厳しい視線、そして首の奔放なまでの動きによって見せてくれました。私はこの人形遣いさんにかなり前から期待を持ってきたのですが、今回やっと納得させてもらったという思いです。
玉翔さんは今が「子役の季節」。簑紫郎さんが子役を持っていた時もそうでしたが、かわいい、やんちゃな、あどけない、いじらしい、そういうレベルではない意志のはっきりした子供を感じさせてくれました。
いつも思うのですが、小まんの手から白旗を放すとき、太郎吉は指を一本一本はずせばいいと主張し、実際人形もそういう動きをします。でもあそこは生意気に「一本一本」といいながら、結局はそんなことをせずとも太郎吉が触れるとあっというまに離れてしまう、という見せ方はできないものでしょうか。太郎吉の主張する理屈さえ無用だった奇跡、母親の子を思う心の篤さのなせる業。
簑二郎さんがけだるそうなしかし品のある葵御前を見せてくださいました。臨月の妊婦、しかも危機も迫っているという立場がよく表れていたと思います。
文司さんの九郎助、文昇さんの九郎助女房もよく、総じて中堅から若手で占めた人形陣はなかなかの成果を上げられたのではないでしょうか。

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