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春立ちぬ 

今年の旧正月は先月の31日だったそうで、今日は旧暦でいうと一月五日。立春です。
まだあとたっぷり1か月以上は寒い日が続くでしょうが、春の足音はかすかに聞こえてきたようにも思います。

    春霞立つや遅きと山川の
      岩間をくぐる音聞こゆなり
              (和泉式部)

この時期になるとまず思い出す歌です。
和歌は目に見えるものだけではなく、聞こえるものを素材にすることも多いですが、かすかな音ほど人の心を打つことがあるように思います。これでもかといわんばかりの大きな音、明るい光というのは私はあまり好きではないのです。義太夫節の「これでもかという大きな」声ならいいのですが、中味のない大声の自己主張は勘弁してもらいたいくらいです。
先月のある日、

    御堂筋

を昼間に歩いたのです。ふと街路樹を見ると何かが絡み付いています。ああ、これがあの、と思いつきました。小さな電球のようなものがたくさんついている線が絡み付いていたのです。
15年くらい前でしょうか、あるところで知り合ったおじさんが体調が悪いというのに仕事に行くとおっしゃっていて、何をなさっているのですか、とうかがうと「電気工事や。あんた知ってるか。電飾いうて、チカチカ光るやつ。あれ、もうかんねん。ほな行てくる」と、そそくさと出かけられたのを覚えています。
公共事業というと道路工事やダム建設と思ってしまうのですが、今や電飾が公共事業みたいになっているのですね。
それにしても、線が絡んでいる並木が痛々しく感じられました。

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御堂筋を電飾で飾ろうという催しは、淀屋橋交差点(土佐堀通)~新橋交差点(長堀通)で、1月19日までだったそうです。
並行して市庁舎には「影絵絵巻」というのが映し出されたのだそうです。文楽「曽根崎心中」「冥途の飛脚」「祇園祭礼信仰記」、歌舞伎「義経千本桜」「一条大蔵譚」、能「三番叟」「船弁慶」、狂言「附子」「二人袴」、上方舞、上方落語、漫才、音曲漫才などを影絵で映したのだとか。全然知りませんでした。

    大阪らしい

といえば文楽と落語が双璧でしょうね。
それにしても、イルミネーションというのはほんとうにそれほどすばらしいものなのでしょうか。いや、もちろんお好きな方も多いと思います。ただ、私はかすかな星の光の方がはるかに好きなだけで、いちいち私の好みに世間様を付き合わせる必要はありません。
夏の花火というのも、今日はこちら、明日はあちらと花火大会だらけになってしまいました。お寺といえばライトアップ、さくらまでライトアップで照らされています。
宇宙から見ると、日本の都会は煌々と明るいのだそうで、やれ原発がどうの節電がなんだのと言っている時代に、いつまでこういうのが続くのかなと、ぶつぶつつぶやいているのです。
立春になり、日がどんどん長くなっていきます。もう朝の6時過ぎには明るくなっています。みんな、早寝早起きしようよ・・・。

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