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システィーナの天井画 

システィーナ礼拝堂のことを書いたついでに。
私は以前はヨーロッパに行くなら絶対に

    オーストリア

に、と思っていました。ウィーン、ザルツブルクなどぜひ行ってみたいと思っていました。しかしそれは音楽の都だからという意味でしたので、今の私にはもう無縁です。
それで今はイタリアのローマやフィレンツェなどにぜひ行ってみたいと思うようになっています。もちろん日々の暮らしにも事欠いているのですから、現実には行けるわけがありません。あくまで夢ですから笑って見逃してください。
バチカンにもぜひ行ってみたいです。システィーナ礼拝堂(「シクトゥスの礼拝堂」の意味。創建者であるローマ教皇シクトゥス四世の名による)は、あまりにも見学者が多くて制限する向きもあるようですが、私だってローマに行ったらここに寄らない手はないと思います。
今は祭壇壁画としてあの「最後の審判」がありますが、もともとはあそこは別の絵が描かれていたのだそうです。
上部には窓があってその横にはキリストや聖ペテロなどの絵が描かれていたとようです。
窓の下の部分は左右(方角でいうと南北)の壁に描かれているキリストとモーセの一連の絵の出発点である

    モーセの発見

    キリストの降誕

の絵(いずれもペルジーノ画)が描かれていたのだとか。そして下部の祭壇のところには「聖母被昇天」(ペルジーノ画)。これらの絵があの「最後の審判」のためになくなっちゃったんですね。もったいないといえばもったいないです。ちなみに、天井ももともとはミケランジェロの絵ではなく星がちりばめられていたのだとか。

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となると、初期のシスティーナ礼拝堂は、今とはずいぶん違ったのですね。

天井画は9場面。天地創造、アダムとエヴァ、ノアの3つの大きなテーマから成っています(つまり各テーマ3場面)が、描かれたのはノアの方からだったそうです。ノアというと洪水と箱舟ですが、それ以外には「燔祭(はんさい)」「泥酔」の2場面。アダムとエヴァは神とアダムが指先を触れんとするような構図になっている「アダムの誕生」、アダムのあばらから生まれた「エヴァの誕生」、そして「楽園追放」。全部で9場面ですから、天井のど真ん中にあるのは

    「エヴァの誕生」

ということになります。実はミケランジェロはこの9場面を一気に描いたのではなく、まずノアの3場面と「楽園追放」「エヴァの誕生」の5場面を描いたのだそうです。なるほどそういえばここまでとあとの4場面では印象が変わります。後半の4場面の方がダイナミックで、人(あるいは神、天使)も大きく描かれています。
天井画はアトリエで描いたものをはめ込んだわけではありません。足場を組んで天井に向かってフレスコで描くのです。漆喰を塗ってそれに絵を描き、漆喰が乾くと絵も固定するというわけです。天井に向かって絵を描き続けるなんて大変な作業ですね。1日で描かれる範囲(ジョルナータ)に漆喰を塗って、それが乾かないうちに描くというのですからなかなか大変です。そもそも彫刻家としての自負の強いミケランジェロはあまり

    気乗りのしない

仕事だったとか。
子の天井画で最も有名なのはやはり「アダムの創造」でしょう。白髭の老人ながら力のみなぎる神。まだ弱弱しくて、膝で支えるようにした左手を神に向けながらもその指はだらりと力のないアダム。
観たいです、ほんものを。

また知ったかぶりをしてあれこれ書きました。これも授業で使うネタにしようと思っていて、ここにメモしておいた、というわけです。

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