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現代のベートーヴェン 

広島には「○○河内」さんという名前が多いのです。私が知っている人では「河内」「小河内(こごうち)」「御堂河内(みどうごうち)」というかたがいます。他にもいろいろあるのだろうと思います。
合併で東広島市になっていますが、以前は河内町という町もありましたし、今でもその名は山陽本線の駅などに残っています。
私も住んでいた五日市(現在広島市佐伯区)の出身だという、やはりこの「河内」を名に持つ方が大変な騒動になっています。ご存じのように、

    ゴーストライター

を雇って作曲をさせていたということです。
ゴーストライターというのはままあることです。
売れっ子作家などが文章を録音して編集者に渡し、それを文字化してもらう、というのはゴーストライターにはならないでしょうね。しかし、タレントさんなどが本を出す時には話だけ聞いて、文章は完全に別人が書くことがあるらしく、これはゴースト。昔、あるタレントさんが本を出してテレビで「どんな本なんですか」と質問されたときに「まだ読んでないのでわかりません」と答えたのだとか。
タレントさんが出るクイズ番組などはあらかじめ答えを教えておくなどというのもよくあることで、うそもある程度は方便として認められているのがこの世の中なのでしょう。
絵や工芸の世界でもそういうことがあるとかないとか言われます。大先生が、弟子の作品を「これは私の名前で出そう」と言って世に出す。するとその先生の名前の効果もあって評価されて高く売れる。これで怒りに狂った弟子が先生を殺すと推理小説にもなりそうです。

今回の騒動は、ある作曲家の作品がゴーストライターによるものだった、というだけのことではないようです。
聴覚障害を持ちながら作曲をした、それも交響曲などという誰にでもできそうなものではない曲をつくったということで、テレビ番組に取り上げられたり、CDが飛ぶように売れたり、コンサートが満員になったりして、

    現代のベートーヴェン

などと持ち上げられていたからです。
しかも、昨日の時点では、その聴覚障害というのも真実ではないかもしれないという話もあり、ここまでくるといくらなんでも、の感をぬぐえません。

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実際に作曲していたのは40代の音楽の先生らしく、多くの人が感動するような音楽を作ったのならそれはそれですばらしいとも思います。しかし「障害を乗り越えて」という

    美談

がついてしまうとそれが嘘であると分かった瞬間にすべてが色あせてしまいます。私は当然ながらこの曲を存じませんからこれ以上は申せませんが、今後この方の作った曲はどのような運命をたどることになるのでしょうか。
案外、いつの日か「今聴いてみよう、あの交響曲」などという催しがあるかもしれません。

障害があって、そのために仕事をさせてもらえない、生活もできない、という苦しみは私もいくらかわかります。学校ならそんなことはないでしょう、と思われるかも知れませんが、なんの、いくらでも差別されます。
こうなったらその障害を逆手に取って自分を売り込もうという気持ちもわかります。私もそれは考えたことがありますから(幸か不幸か私にはなんの能力もなかったので売り込むネタがありませんでしたが…笑)。
ただ、もし、障害はないのに障害を装ったのなら、やはり人を騙したことになります。
昨日あたりはネット上でかなり痛烈な批判が書かれていました。まだ事実がはっきりしないので私はなにも言えませんが、なんとも言えない嫌な思いを抱いてしまったことだけは隠さずに書いておきます。
しかし、私だってろくな知識も能力もないのに

    学校の先生

でござい、と大きな顔をしてきました。まして今は障害まて持って、まともに授業もできていないのですから、あまり変わらないかもしれません。……と、つい自虐的になってしまいます。

昨日は寒かったのです。心も冷え冷えとしました。

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コメント

なんとか河内さんが多いのって、

三角州が多い町だからですか? 川と川のあいだのトコにそんな名前がつくんかしらん

♪えるさん

実は私もそう思っていたのですが、河内という地名は東広島なので、あまり関係ないかな、と。人名も河内さんは東広島のほうに多いです。
広島は見事な三角州ですけどね。

そーなのかー

わたし最初のうちこのひとの名前が読めなかったんですが(テレビみてないから、振り仮名が頼り)、外国人の知り合いから、「サムライと関係ある姓なのか?」と質問されて困りました。もちろん「ない」の即答でいいんだけど、ちょっと根拠とかくっつけようとすると作文がツライ。

子供や外国人の質問って、ときどき、気にとめていなかった点を突いてきますね。

♪えるさん

広島市、と言っても合併したところなのですが、山の中と言ってもいいところにやはり河内の地名がありました。今の地名で言うと広島市佐伯区五日市町大字上河内、あるいは大字下河内。また、隣の市である廿日市市には「市垣内(いちごうち)」と言う地名も。「垣内」も「こうち」と読みますので、あるいは広島市の「上河内」も「上垣内」だったのかも。東広島の河内については地名辞典をあとで見てきます。

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