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修復 

喧嘩した人と関係を修復することはなかなか難しいものです。兄弟でも何日も口をきかないということはありうるでしょう。
私には

    三つ違いの

兄さんがいるのですが、彼には子供のころかなりいじめられました。何といっても三つも違うと体の大きさが違いますし、腕力も小さいころは比較になりません。叩かれたり蹴られたりは当たり前、ただ我慢するだけの次男坊でした。
しかし、形勢は変化します。兄は高校のころ身長が170cm弱でストップ。私は中学生でまだまだ小さかったのですが、あちらは止まっていますから、徐々に接近。そのうちに喧嘩をしても負けることはなくなり、私もそこそこ口ごたえもするようになっていました。私が高校生になると背丈では追い抜き、もう一切喧嘩はしません。まあ、年齢的にもあちらは大学生ですから、いまさら喧嘩することもなかったのでしょうが。
兄は理系、私は文系、話は合わず、興味もバラバラ。本当に兄弟なのか、と今でも思うことがあります(笑)。
子供のころの喧嘩は時間が修復してくれたのかもしれません(私は蹴られ損ですが)。

逆に時間が経つと劣化破損して修復が必要になるのが絵画。絵画修復士という人がいますね。

    柄刀一(つかとう はじめ)

さんの小説に絵画修復士を主人公にしたものがありますが、私は小説そのものより絵画修復の話に興味があって読みました。システィナ礼拝堂の最後の審判の修復などが素材になっています。あの絵は全体を眺めると聖顔(キリストの顔)に見えるという説もあって、柄刀さんは聖顔ではなくドクロ(頭蓋骨)に見立てて小説を書いていらっしゃいました。

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レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の修復はまさにその修復家のブランビッラさんが努力なさったわけですが、絵の仕事というよりもとにかくこまごまとした作業をなさるのには驚きます。
長い年月の間にたまった汚れを落とすことをなさいますが、水をかけてじゃぶじゃぶ洗うわけにはいかないのです。細い筆に洗浄液をしみこませて、少しずつ絵の表面をぬぐっていくのだそうです。根気のいる仕事ですね。
この時、汚れを吸い取るのに活躍するのが、なんと、

    和紙

です。和紙は中性またはアルカリ性で、絵の具にやさしいのだそうです。
固まってしまっている汚れはそれでは済まず、場合によってはメスで削り取るそうです。システィーナ礼拝堂の「最後の審判」の修復は13年かかったそうですが、それよりはるかに小さい「最後の晩餐」には、20年になんなんとする年月を要しました。
私がこの修復で一番驚いたのは、人物の後ろ側、両方の壁に描かれている8つの長方形でした。実はタピストリーなのですが、どう見ても黒っぽいだけ。これも実際は花柄であったことがわかり、しかもこのタピストリーを壁に引っ掛けるための

    フック

まできちんと細かく描かれているのにも驚きました。
私はレオナルドの作品というと先年東京だけで公開された「受胎告知」だけを観ました。おそらくもう二度とレオナルド作品の実物を目にすることはないと思いますが、この修復された壁画を訪ねてミラノにも行ってみたいと夢を抱いています(あくまで夢ですので・・笑)。

ところで、あの意地悪な(笑)兄はやがて飛行機乗りになりました。あれはけっこう収入がいいのです。
子供のころいじめたことはもう許すから、本当の意味での関係修復のためにちょっとお小遣いちょうだい、と言いたいのです。

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