文庫本
- 日々牛歩
- | トラックバック(0)
- | コメント(0)
学生時代の文庫本と言うと岩波、新潮、角川がおもなものでした。いわゆる古今東西の名著を集めたもの、という感じでした。岩波文庫の「日本古典」のシリーズにはずいぶん助けられました。何しろ竹取物語や伊勢物語や和泉式部日記なんてあの当時は
★ひとつで70円
でした。★というのは今ではもう通用しませんが、岩波文庫は値段が★の数で表されていて、★ひとつ50円、70円、100円などの時代があったように思います(それより古いことは知りません)。ですから私は岩波文庫で数冊ずつ買って、もうボロボロになるまで書き込みをしていました。新潮や角川も文芸ものではずいぶんありがたかったです。新潮文庫では
谷崎や三島
は全部買いましたし、その後全集を読むようになったきっかけももらいました。外国文学もそこそこ入っていましたので、ほとんど外国文学を読んでいない私が読んだといえばたいてい岩波、新潮、角川の文庫本でした。
文庫といえば中公、講談社、旺文社、文春もありましたが、それぞれに特色がありました。たとえば中公は折口全集や谷崎の源氏物語現代語訳、日本史の通史である「日本の歴史」などがありました。
なぜか知りませんが、文春文庫はこの中では創刊が一番遅かったかな。当初ずいぶん紙の質が悪くてパリパリとした紙だったように思います。小林秀雄などは文春で読んだような気がします。
学生にとっては安くてスペースをとらない文庫本ほどありがたいものはありませんでした。
↑応援よろしく!
夏休みになると「新潮文庫の100冊」(のちに他社も追随)なんていうキャンペーンがありました。そこに選ばれているのはぜひ一度は読んでおきたい本、いわば古典的名著。漱石や鴎外、梶井基次郎の「檸檬」とか志賀直哉とか川端とか、そういう「名作」が含まれていました。
ところが、徐々に文庫に入る本が変わってきたようでした。例えば推理小説。海外ものはハヤカワ文庫がありましたが、角川などが日本の作家のものを積極的に取り入れていきました。横溝正史さんなんて角川文庫と映画で復活した感じでしたし、新進作家だった
赤川次郎 さん
などをどんどん文庫化していきました。私は赤川さんのものはかなりあとになってまとめて読んだのですが全部古書(赤川さん、すみません)。一冊数十円のものばかりでした。
そして「○○文庫100冊」のようなものもいくらか顔ぶれが変わったように思います。
試みにネットで現在の「新潮文庫の100冊」を検索しました。おっ、
「檸檬」
は入っている!
この中で私が読んだものと言うと、村上春樹、梨木香歩、柳田國男、星新一、宮本輝、赤川次郎、井伏鱒二、芥川龍之介、三島由紀夫、ヘルマン・ヘッセ、遠藤周作、吉川英治、谷崎潤一郎、モンゴメリ、夏目漱石、シェークスピア、太宰治、カフカ、ヘミングウェイ、カミュ、堀辰雄、三浦綾子、河合隼雄、宮部みゆき、サン・テグジュペリ、小川洋子、マーク・トゥウェイン、江戸川乱歩、コナン・ドイル、梶井基次郎、角田光代。やはり多くは読んでいません。それどころか、名前を知らない人がいっぱいいます!
文庫本はすこしずつ性格を変えながらも古典をそこそこ入れてくれているのでそれはありがたいです。
最近、私は本は買わずに借りてばかり。新しい作家のものも全部借りています。買えるのは文庫くらいでしょうが、それでも1冊1000円を超えるものもあります。
本棚があふれないからよしとしますけれども。
- [2014/02/27 00:00]
- 日々牛歩 |
- トラックバック(0) |
- コメント(0)
- この記事のURL |
- TOP ▲
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tohjurou.blog55.fc2.com/tb.php/3047-a009b088
- | HOME |
コメントの投稿