信貴山 

絵巻物が面白くて仕方がありません。
『伴大納言絵巻』のほかにも『源氏物語絵巻』『粉河寺縁起絵巻』『吉備大臣入唐絵巻』『北野天神絵巻』などいろいろありますが、このほかに忘れてはならないのは

    信貴山縁起絵巻

です。私が小学生か中学生くらいのときに記念切手にこの絵巻の一部が採用され、それを観たときの印象はただならぬものがありました。それ以後、この絵巻には強い愛着があります。『伴大納言』より出会いは古いのです。
信貴山の朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)に伝わる絵巻物で、このお寺がどういう縁起を持つのか(どういう謂れで建てられたのか)について、奇跡的な話を描いています。
『古本説話集』『宇治拾遺物語』に「信濃国聖事(しなののくにのひじりのこと)」という話があり、それと同じ話をもとにして描かれています。
細かいことは面倒なのでごく簡単に内容を書いておきます。
信濃国の命蓮(みょうれん)という僧が東大寺で受戒して、そのまま大和に留まることにして信貴山に堂を立てて毘沙門天を祀ります。
彼は下界の長者の家に鉢を飛ばして米をもらっていました。いわゆる托鉢ですが、法力でそういう奇跡を起こしたのです。
ところが、金持ちはケチですから、そのうちに鉢が飛んできても長者は知らん顔をして、米蔵の中にほうっておきました。すると鉢が倉ごと山に飛んでいってしまったのです。長者は米を返してほしいと頼みに行き、命蓮は倉はそのままにして米だけは長者のところに返しました(米俵が空を飛ぶのです)。
時の天皇、醍醐帝が病気になりました。朝廷では徳の高い命蓮を頼みにしますが、彼は山を降りる気はなく、「山で祈祷をして帝の病が癒えたときには『剣の護法』という童子を遣わしましょう」といます。すると帝の夢に剣の護法の童子が現れ、病気は癒えます。帝は命蓮に僧正にするといいますが、命蓮は位などいらないと辞します。
この「剣の護法」こそが私が子供の頃に見た切手のデザインになっていたものです。
命蓮の姉が弟を案じて奈良東大寺まで来ます。大仏殿の前で、信貴山を訪ねるようにという夢を見ました。尋ねてみると弟がおり、二人はそこで仏に仕える暮らしをしました。

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ということなのですが、この絵巻は普段は奈良国立博物館に寄託されていて、本物を観ることはなかなか難しいのです。絵巻物は開いたり閉じたりしなければならず、それはすなわち物理的な力を加えることですから、傷めてしまいます。できれば本物は蔵の奥にしまっておきたいわけです。実際、寺の霊宝館では平素は模本を展示しています。
しかし、年に一度、わずかな期間ではありますが、信貴山で公開されることがあります。今年は

    10月25日(土)〜11月9日(日)

です。2週間ちょっとですね。
全部で三巻ありますが、今年はそのうちの最初の巻、米蔵が空を飛んでいく「飛倉」の巻が公開されます。
京都国立博物館の「鳥獣人物戯画」とともに、これも行きたいです。

    紅葉の季節

ですが、本格的に美しいのはむしろ11月下旬からのようです。
この秋は関西の日本の古代美術、絵巻物ファンにとってはたまらないですね。

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