伊達娘恋緋鹿子(一) 

菅専助、松田和吉、若竹笛躬の作で八巻。安永二年を1773)四月六日堀江の豊竹此吉座で初演。先行作には紀海音の『八百屋お七』や為永太郎らの『潤色江戸紫』(1744初演)があります。
「火の見櫓」は鑑賞教室やギオンコーナーの演目としてもよく知られますし、その他のミニ公演などを含めて、上演回数だけでいうなら

    文楽最高の頻度

を誇る作品ではないでしょうか。若手から中堅の人形遣いさんは何度も何度もお七を使っていらっしゃると思います。私もかつて某小学校で企画された文楽鑑賞会で吉田簑一郎さんらにお願いして上演に協力したことがありました。
朝から車2台でおいでになって、ぱぱぱっと櫓などを設置して、雪を降らす準備もして午後には上演してくださるのです。人形の段取りなどはイチローさんが左や足の方にほんのひとこと

    「こんなふうにするから」

とおっしゃるだけで、もう終わり。リハーサルなんてありません。とにかく手際のいいこと!

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ただ、いつもこの話の全体はどんなのだったのかわからないままになりがちです。せっかくお七について調べているところなので、この際あらすじを書き留めておきます。
近江高島家の若殿は左門之助。彼は内裏に献上するはずの

    天国(あまくに)の剣

を盗まれてしまいます。家宝の刀を盗まれるというのは文楽ではよくある話ですが、いわば武士の世界。その探索のために庶民の世界にはみ出してきた若者が苦労するのが芝居の常套というところでしょう。
左門之助はすぐに切腹すべきところ、探索のために百日の猶予を与えられます。
若殿のお守役の安森源次兵衛は切腹しましたが、その子吉三郎が許嫁のお雛と結婚する条件で家督は継げることになっています。要するに

    家を存続する

ことができるのです。これも一つのポイントです。吉三郎は家というしがらみに捕われて自由な恋愛は既に無理な状況に置かれています。
吉三郎は江戸吉祥院(「吉祥寺」ではないのですね)の小姓になっていましたが、火事で焼け出された八百屋の娘お七と恋仲になってしまいます。
お七の父久兵衛は焼けた店を再建するために武兵衛から金を借りますが、その金を返済する代わりに武兵衛はお七との結婚を強要します。
このあとが時々上演される「八百屋」の段ですが、それについてはまた。

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