伊達娘恋緋鹿子(二) 

「八百屋」の段からあとの話です。
簑笠を着けた吉三郎がお七の店にやってきます。彼は天国の剣が見つからないため、明日には切腹する若殿に殉じて死ななければなりません。これは父の遺言なのです。つまりこの時点では

  死なねばならない

のは吉三郎で、彼があとに残るお七に別れを告げにきているのです。結果的には逆になるのが何とも皮肉ですが。
使いに出ようとした下女のお杉が吉三郎を見つけ、帰ったら何とかするから、今は隠れていてください、と縁の下に隠してやります。
お杉が去るとお七と父の久兵衛が出てきます。久兵衛は「嫌がっているのはわかるがどうしても今夜武兵衛と祝言をしてくれ。決して親のわがままで言うのではない。結婚しないなら我々はすぐに袖乞いにならねばならないが、それはかまわない。私は

    上方の者

で、江戸に落ちてきてこの店に奉公し、先代に可愛がってもらってその娘と結婚して跡を継いだのだ。今ここで家を潰しては先代に申し訳がなく、妻とはいえ先代の娘を路頭に迷わせるわけにも行かない。あんな男と結婚させるのは不本意だが、これも浮き世の義理。前世からの悪縁と思って嫁に行ってくれ」と苦しい胸の内を吐露します。

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お七が吉三郎を捨てることはできないと言うと、久兵衛は「吉三郎殿は許嫁のお雛殿と結婚して家を継がねばならない。それをお前が邪魔しては、吉三郎殿は親の家を潰し、お国の殿様の言いつけを守らないことで切腹しなければならない。もし吉三郎殿が国には帰らないとおっしゃったら吉祥院のご住職が出家させるだろう。そのご出家を女犯の罪に落としたらお前は

    等活地獄

の火の中に落とされるし、吉三郎殿も堕落の罪で無間地獄だ」と脅したりします。
そこに母親が出てきて「武兵衛の嫁になって、嫌われるようにしなさい」と言います。久兵衛も「朝寝して挨拶もしないで金ばかり使って毎晩背中を向けて寝ればいい」と付け加えたりしています。手を合わせて頼む親を見てお七はどうにもならず、泣きじゃくっています。両親はお七が納得したと思って、奥に連れて行きます。
吉三郎は話を聞いて親の言うことに無理はない、嫁に行ってくれと呟きながら手紙を置いて去っていきます。
お杉が帰ってきます。お七が飛び出してくるとすでに吉三郎と逢ったのだと勘違いしたお杉はからかったりしますが、事情を聞いて吉三郎を探しますがどこにもいません。吉三郎の書き置きを見つけたので読んでみると、「父親のいうことを聞くのが互いのためだから嫁に行ってほしい。天国の刀が見つからないので

    明け六つの鐘

を合図に若殿に殉じて自分は切腹する」との内容です。自分も死にたいと狂乱するお七ですが、お杉はそれよりもまず吉三郎を助けねばというのです。そこに丁稚の弥作があらわれ、その刀は武兵衛が腰に差しているものです」と告げます。お杉は何としても盗んでやろうと弥作と一緒に奥に入っていきます。
そしていよいよ火の見櫓になります。剣が見つかっても九つになって木戸が閉まっては届けられず、やむをえずお七は火の見櫓の半鐘を打つのです。
刀は無事に届けられ、左門之助は帰参が叶いますが、お七は処刑されてしまいます。

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