絵姿女房 

竹取物語の話をしているといわゆる「求婚難題譚」が出てきます。昔話によくあるのですが、娘と結婚したいならこれを成し遂げろ、という難題を出されるのです。昔から男たちは苦労したようです。
かぐや姫は、仏の石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、龍の首の玉、燕の子安貝を要求します。前者三つまでは国内にはないものです。いや、あとの二つもありませんが、龍や燕は日本にもいます。え? 龍なんてどこにいるのか? とおっしゃるのですか。いるのです。海や池には。
いずれにせよ、かぐや姫は無理難題を言います。
ところで、かぐや姫の伝承は竹取物語だけではなく、今昔物語集にもあります。そこでは難題は三つ。雷、打たないのに鳴る鼓、優曇華の花です。
このうち、

  打たないのに鳴る鼓

というのは、昔話の「絵姿女房」にもよく似たものが出てきます。

あるところに、美しい妻を持つ商人がいました。彼は行商に出るので、いつも紙に描いた妻の絵姿を持っていて、時々それを眺めていたのです。今ならケイタイの待受画面に奥さんの写真を載せる、文楽なら、勝頼の絵姿を眺める八重垣姫でしょうか。
ところがある日、風が吹いてその紙が舞い上がり、どこかに飛んでいってしまうのです。
紙が舞い降りたのはお城。そしてお殿様がその絵を観てびっくり。
こんな美しい人がいるのか! 

    探してまいれ!

ということになります。
お殿様の家来の捜査能力は大したもので、見事に発見してお城に連れていかれます。絵もきれいでしたが、実物はさらに美しく、お殿様は奥さんにしようとします。よくある話です。

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夫の商人はもちろん困ります。お殿様に「そればかりは」と許しを乞います。
そこでお殿様は、

  打たないのに鳴る太鼓

を持ってきたら許してやろう、と難題を出すのです。
そんなむちゃな、と途方にくれる夫。ところが妻が名案を授けます。
太鼓の中に蜂を入れて持ってきてください、と。
夫が言われたとおりに持ってきたところ、たたきもしないのに、中の蜂が暴れて太鼓の革を裏から叩きます。
お殿様はびっくりして、何か仕掛けがあるのだろう、中にいるものが逃げないように、と蚊帳を吊って中に入り、太鼓を開きました。すると蜂が飛び出し、お殿様は刺されてしまいます。これはかなわん、もう二度とこんなことはするまい、と二人を許したのでした。

今昔物語集ではあり得ない難題として挙げられていますが、昔話ではそれを解決してしまいます。
結婚の条件として難題を出すのは各国に見られる民話のパターンですが、これは結婚を破棄するための難題ですね。

難題譚というと、ある男が

    一石六斗の酒の肴

を持ってくれば娘と結婚させてやろうと言われる話もあります。
困った男は、座頭さんなら物知りだからと相談します。すると座頭さんは見事に正解を教えてくれました。正解は「鳩を二羽」でした。
8斗×2=16斗=一石六斗ですよね。昔話にも寒い(?)シャレは欠かせませんね。

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