裳着の唐物 

『源氏物語』「若菜上」を公開講座で読み続けています。
折に触れてここにメモもしておこうと思います。
昨日読んだのは、光源氏の兄(朱雀院)の娘である

    女三宮

が成人の儀式を行う場面でした。
男性貴族の場合は冠を着ける加冠(元服、首服)を行いましたが、女性は裳というものを着けて髪を上げる儀式です。

    裳着(もぎ)

とか、着裳とかいいます。髪を上げるのは「髪上げ」ともいいますが、まとめて裳着ということも多いと思います。
この儀式には腰結という人が付いて、裳の腰紐を結ぶ役を務めます。
源氏物語の明石姫君(光源氏の娘)のときは秋好中宮(あきこのむちゅうぐう。冷泉帝の中宮。六条御息所の娘)がその役をおこない、女三宮は太政大臣が勤めています。太政大臣と言うのは光源氏のライバルで、物語の初めのほうでは「頭中将」として出てきます。蔵人頭(くろうどのとう)で近衛中将を兼ねた人という意味です。
女三宮はほぼ13~4歳で、大体適齢だと思います。
裳着は「これで大人。これで結婚できる」という意味もあったようです。

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この儀式に際して、女三宮の父の朱雀院は和物ではなく、

    唐物(からもの)

の品々を多数用意します。「唐物」とは舶来品のことです。なぜ唐物にこだわったのか、というとそれは朱雀院がこの娘を光源氏に降嫁させるつもりで、その前提としてできるだけ公式のきちんとした儀式として裳着を行おうとしたからだと思われます。
当時は渤海などからの朝貢があり、その際に献ぜられた唐物があり、また宋との交易によって入ってきたものもありました。
唐物を持つのはかなりの

    ステータス

で貴族たちは好んだのです。
舶来ブランドを好むのは今の人だけではないのです。
鳥獣人物戯画についての記事でも触れましたが、珍獣の類も入ってきました。ほかにも紙、香料、薬品、楽器、貴木、布、瑠璃器、毛皮などが海を越えてきたのです。
平安時代よりさらに古い時代のものが正倉院にあることもよく知られます。
源氏物語にはほかにも唐物が話題になる場面があります。

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