平安時代の犯罪(5)〜検非違使の犯罪 続 

検非違使の中には悪いやつもいたのです。
『今昔物語集』巻二十九の中から少し話を拾っておきます。
この巻は

    「本朝付悪行」

の内容で、本朝=日本の話で悪行について多く書かれているのです。
その第六話に「放免共為強盗入人家被捕語」(放免ども、強盗となりて人の家に入り、捕はるること)という話があります。
地方官などのキャリアを積んでそこそこ財を蓄えた家がありました。あるとき放免(検非違使の下部。もとは犯罪人であったが、放免されて検非違使に雇われた者たち)が集まって、この家に

    強盗に入ろう

と相談しました。いわば警察の末端職員が犯罪を犯そうとしているわけです。とんでもない話です。
ただ、その家の様子が分からないため、使用人を一人味方に引き入れることにしました。田舎から出てきた下男がいましたので、これに目をつけ、いろいろともてなしたうえで手引きするように依頼します。下男は承知したふりをして詳細を主人に伝えます。
主人は感謝して武士に助けを求め、50人ほどの武者を集めて警備に当たらせます。夕方になって10人ばかりの放免たちが何も知らずにやってきます。
くだんの下男は手引きしたふりをして中に入れ、すべて捕らえられます。こんなやつらはまた同じことを繰り返すからというので、ついに川原で射殺されてしまいます。

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第十五話はこんな話です。
盗人を逮捕するためにそのねぐらに侵入した検非違使が引き上げようとすると、中の一人が「もう少し調べたい」と家の中に戻ってしばらくしてから出てきます。その検非違使の袴を見ると先ほどよりも膨らんでいるのです。検非違使仲間はどうも怪しいと思って(夏のことでしたから)鴨川で水浴びでもしよう」と話し合い、ついにこの男の袴も脱がせてしまいます。案の定、20~30の糸が出てきました。それを見た放免たちが「自分たちは罪人であったからどうってことはないが、検非違使の

    役人もこういうことはするのだ

な」と笑いあったというのです。誠に皮肉な話です。

放免が犯罪を犯すというのも困ったものですが、その放免に笑われて「役人なんてこんなものだ」といわれているのはとても昔の話とは思えません。
古典文学は

    今を写してもいる

のです。
学校の教師でもこういうことはありうると思います。セクハラにしてもアカハラにしても学校の教師が一番してはならないことだろうと思うのですが、それで失敗する人は少なくありません。著名な人でもそういうことをする人は少なくありません。
アカハラを受けたという人が、後日赤の他人を平気で面罵しているのを見たこともあります。自分のことになると気が付かないのですね。

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