百鬼夜行 

絵巻物の夜の場面が明るい、ということを先日書きましたが、夜の絵巻物というと、その名もずばり

    百鬼夜行

を描いたものがあります。
京都大徳寺の塔頭の真珠庵(一休宗純が開祖)に伝わる絵巻が現存最古で、室町時代のものです。
実際はもっと古くから描かれていたでしょうが、伝わりません。
百鬼夜行は文字通り妖怪が夜の闇のなかを闊歩するのです。
魑魅魍魎の跳梁跋扈という、難読四字熟語を並べたような絵が次々に出てきます。
人が休んだあとの闇の中のことですから実際は何も見えないわけで、その

    見えないもの

を描くわけです。
いきなり鬼のようなものが鉾を持って疾走し、そのあとには沓(くつ)のお化けや楽器(琵琶、琴、笙など)の変化が現れます。

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こういう妖怪が明るい背景の中で描かれていくのです。
ですから、おどろおどろしさよりも、どこか愛敬があるのです。
他の妖怪を列挙しても、文字では伝わりませんのでやめておきます。
気になるのは、この絵巻の最後の部分です。
絵巻の常として、

    右から左

に行進する妖怪たちだったのですが、さいごに瓢箪や白龍の妖怪が左から逃げるように走ってきます。そのすぐ後が闇なのです。そして闇の中に巨大な火炎が見えます。彼らが怯えて逃げ出したのはこの火焔が原因です。
ここは暗闇の中に赤い火の玉が描かれているのです。これは、

    闇を描く

ことに意味があるのでしょう。ただ、漆黒の闇かというとそうではなく、闇であることを描きながらもまだ明るさも見えるのです。すなわち、画面全体を真っ暗にするのではなく、下の方は薄明かるいのです。やはり完全な闇というのはなかなか描かれないようです。

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