年内立春 

旧暦ではまだ12月です。本日(2月4日)は

     十二月十六日

だそうです。一日遅れの満月で、旧正月(19日)まではまだざっと2週間あります。
そして今日は立春。
こんな具合に、まだ十二月のうちに立春が来ることを

    年内立春

ということがありました。北村季吟に

  年の内へ踏み込む春の日足かな

という俳諧があります。ちょっとした遊びのような句だと思うのです。若き日の芭蕉(19歳の作)も

  春や来し年や行きけん小晦日(こつごもり)

と詠んでいます。この句はどこかで聞いたようなフレーズを含んでいます。平安時代の文学がお好きな方ならピンと来るのですが、「君や来し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てかさめてか」という伊勢物語の歌を借りたのですね。蕪村もまた

  年の内の春ゆゆしきよ古暦

と吟じていますが、これらは古今和歌集にある、在原元方の歌

  年の内に春は来にけり
   ひととせを
    去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ

が根っこにあるようです。

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元方の歌は、古今和歌集の詞書には「ふる年に春たちける日、詠める」とあり、やはり年内に立春があったときにそれをおもしろがって詠んだものです。「去年と言えばいいのか、今年と言えばいいのか」という言葉遊びです。
この歌は正岡子規がひどくけなしたことでも有名です。これはハーフの人を「日本人とやいはん外国人とやいはん」と言っているのと同じで、くだらない、というのが子規の言い分です。
われわれは

    正月=真冬

に馴れきっていますが、昔は一年が365日ではなかったために、正月は冬の終わりから今年のように春の兆しが見えようかという頃にかけてやってくるものでした。
しかし昔は今より寒かったのか、二月頃(今なら3月ころ)でも雪が降っている情景が文学作品にもよくあります。

    猶残れる雪

というのは白居易の詩の一節なのですが、源氏物語では光源氏が二月の早朝に口ずさんでいます。その日は雪が消え残っていたのですね。
今日は立春。まだまだほんとうの春は遠いようです。

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