アルヨことば 

春休み、仕事をにらみながら勉強や読書をしなければなりません。
昨日書きましたように、最近は金水敏(きんすい さとし)さんの『コレモ日本語アルカ?』(岩波書店)という本を読みました。
金水さんは大阪大学の教授で私と同世代の方です。
私は(ということはおそらく金水さんも)子供のころから、中国人の話すあやしげな日本語として、

  ★あなた、わたし、好きあるか?
  ★たいさん食べるヨロシ

といった言葉遣いを目や耳にすることがありました。関西人にとっては手品のゼンジー北京さんがこれに似た話し方をされることでもなじみがあります。
ただし、北京さんの言葉は、あやしげな日本語を話す中国人の真似をする日本人、という感じですが。
こういう

    「アルヨことば」

などについて文献から用例を集めて考察されたのが金水さんの本です。
幕末から明治になって外国との交わりを持つようになると、やはり言葉は大問題でした。
通訳の専門家はいるとしても、お互いの国のかたことの言葉くらいは使えないと付き合いはうまくいかないものですよね。

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外国との交流の窓口となった横浜では

    横浜ことば

というものがありました。お互いの国の言葉の入り混じったようなピジン(Pidgin)と呼ばれることばです。
この中に「アルヨことば」の源流があるようです。そして、横浜ことばには語彙にも面白いものがあって、「チャブ」(中国語から来たと言われる「食事」のこと)や「ペケ」(マレー語または中国語由来とされる「よくないこと」の意)などは今でも「ちゃぶ台」「(○に対して)×」という形で残っています。一昨日書いた「ポコペン」はこれとは別のものです。
横浜ことばでは、病気のことを「しくしく」といったそうですが、これは英語の sick から来た言葉です。私、昔から気になっていることばに「胃がしくしくする」があります。激しく痛むのではなく、継続的に不快感がある感じでしょうか。「ズキズキ」「キリキリ」なと、痛みを表す擬態語のひとつかとも思うのですが、あるいは横浜ことばの「しくしく」とは関係ないのかな? と気になります。早速調べます。
この「アルヨことば」は

    漫画や童話

を通して長く寿命を保つことになり、今でも北京さんばかりでなく、多くの漫画などで中国人風の言葉として用いられています。手塚治虫、石ノ森章太郎、鳥山明、高橋留美子等々。
中国人を何となくからかったような(差別にもつながりかねない)言葉遣いにも思われ、また愛嬌のある言い方にも思えます。最近では美男美女の遣うかわいげのある言葉というニュアンスも感じられます。
金水さんの本には、満州ピジンなどについても細かく用例が集められてあり、それらを含めて興味深く拝読しました。

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