ネズミ 

ゴキブリがいません。少し前まではうちの台所にもしばしば出没していたのですが、どこへ行ってしまったのでしょうか? もうずいぶん長い間ゴキブリホイホイの類も使っていません。
てかてか光った身体で部屋の隅をすばしこく這っていくあの姿は多くの方が歓迎しないものだと思いますが、ここまで姿を見せなくなるとなんだか

    なつかしく

さえあります(笑)。何の罪もないのに出てきただけで嫌われて、場合によっては丸められた新聞紙の餌食になってしまうかわいそうな動物です。
もうひとつ、最近見なくなった動物にネズミがあります。子どもの頃に住んでいた家では屋根裏をドドドッと何かが駆け回るような音がしたことがあり、あれはネズミだと教わりました。もし屋根が抜けてネズミが落っこちてきたらいやだな、と思ったものでした。文楽だと「床下」の大ネズミでしょうか。
当時は家の中を走っているのを見たこともありますし、ドブや川岸などで見かけたこともありました。それほどに身近だったこの小動物を、大人になってからはとんと見なくなりました。おそらく今も私の家にはいないと思います。入り込むすきまがないのですよね。
最近はむしろ、町にイノシシが下りてくるとか、シカが出たとか、かつては山奥にしかいなかった「大動物」が親しくなってきたかもしれません。
今の子どもたちはネズミというと

    ミッキーマウス

を思い浮かべるのでしょうか。子どもたちに「ネズミ色」なんていっても、実際のネズミを見たことがないとするなら理解しにくいかもしれません。「ネズミ算」くらいはわかるのかな?

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長男が生まれたとき、義父が大喜びしてとにかくかわいがってくれました。そしてこんなことを言ったのです。「ネズミにくわせたらいけんよ」。私は一瞬、巨大なネズミが現れて赤ん坊を

    ひと呑み

にしてしまう図を思い浮かべてしまいましたが、いやいや、そういうわけではありません。要するに「ネズミに齧られないようにしなさい」ということだったのですね。「いまどき、齧るネズミがいませんよ」と言いたかったのですが、まあそこは遠慮して「はい、気をつけます」と答えておきました。かなり田舎に住んでいる人ですので、やはりあの当時はまだネズミが身近だったのかもしれません。赤ん坊がネズミに齧られる、というのはありえないことではなかったようで、昔の親たちは必ずそういう意識を持ったのでしょう。やはりミルクのいい匂いがするのでしょうか。それにしてもネズミの強い歯で齧られたりすると相当痛いでしょうね。
平安時代にもネズミは人を齧りました。十五歳(今なら中学二年生くらい)の娘が寝ている間に

    人差し指

を齧られた、ということを藤原実資(ふぢはらのさねすけ)という貴族が日記に書き留めています。けがだけでなく、厄介な病気になってはいけない、ということもあったのでしょう、当時すでに69歳になっていた老父の実資は「薬よ、医者よ」と大騒ぎしたようです。そして、陰陽師に占わせると、なんとあの北野神社の祟りだというのです。道真さん、それはないでしょう、といいながら、実資は幣を奉るなどといったことをしたのかもしれません。

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