殺陣師 

子どもの頃、テレビ番組の最後に出てくる「スタッフ」の名前が気になりました。いや、個人のお名前ではなく、どういう仕事がこの番組に関わっているのかに興味があったのです。まずわからなかった言葉が「演出」。「出演」はわかるのですが、それを引っくり返すとどういう仕事になるのか疑問でした。しかも「出演」はたくさんいるのに「演出」はたいてい一人しかいません。「照明」「衣装」「美術」などは字面でわかりますし、「提供」もよくわかりました(笑)。
まったくわからなかったのが、時代劇になると出てくる

    殺陣

でした。小学生でしたから、「さつじん」と読むのが精一杯。こんな物騒な文字のつく仕事があるものだろうかと思いました。
あれは「たて」と読むのだ、と教えてくれたのは誰だったのか、あるいは何か書かれたものによってそういう読み方を知ったのか、それについては記憶にありません。ただ、それを知ったときの衝撃はかなりのもので、国語辞典調べて、この語が出てきた時には一抹の感動すら覚えました。意味もわかりましたから、それ以後はこの文字が出てくると嬉しくなったものです。なお、「殺陣」の語は新国劇に由来するらしく、本来の読みはやはり「さつじん」だったそうです。
私が最初に覚えた殺陣師は主に関西で活躍された的場達雄(まとば たつお)さんです。的場剣友会といったように思うのですが、この人のチームが

    てなもんや三度笠

などで活躍されていたおぼろげな記憶もあります。この番組の冒頭、いわゆるアバンタイトルの部分でも、的場さんを斬った藤田まことさんがいうセリフこそ「俺がこんなに強いのもあたりまえだのクラッカー」だったと思うのです。
殺陣師ではありませんが、最近は斬られ役専門の福本清三さんが映画『太秦ライムライト』の主演を果たして評判にもなりましたね。

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文楽の殺陣、立ち回りは、人形という制約もあってあまりリアルには出来ません。そのかわり「型」があって、それによってリアルな動きを観客に想像(あるいは創造)してもらうことができます。こうして芝居に参加できるのは能も歌舞伎も同じことで、伝統芸能の魅力でもあります。
まだはっきり決まってはいないのですが、今年も幼稚園で文楽人形の催しをするかもしれません。これまでは人形一体(ツメのみ)の芝居だったのですが、今年はできれば「娘」と「ツメ」の二体とも使って、できれば立ち回りをやってみたいのです。今思案しているのはこんな感じです。ごんべえさん(ツメ)が武士になりたいという願いを持ち、夢(?)でその願いが叶います。偉そうな顔をして町を歩いていると、お染(娘)から

    「お父様の敵」

と言われ、そこで立ち回りとなって命からがら逃げていきます。そして、やはり自分は野菜を作りながら生きていこうと思う、というような話です。
かつて吉田勘弥さんからひととおりの型を教わりましたので、それを使いながら、さらにいくらか工夫してみようと思っています。ツケ板を使いながら大時代に演じていただくつもりで、それで幼稚園児に

    想像(創造)してもらえる

かどうか、それがポイントだと思っています。私はいつもえらそうに演出家を気取っているのですが、今年は殺陣師にもなる予定です(笑)。

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