老いの入舞 

蠟燭の最後の一閃というよりはこちらのほうが好きな言葉です。
松井今朝子さんの小説にもまさにこの題のものがあります(松井作品のタイトルは、厳密に書くと『老いの入舞い』)。
舞台からはける前にもう一度中央で華麗に舞うのが入舞(いりまい)。年老いてもうひと花咲かせるのが老いの入舞です。松井作品は、大奥勤めから出た女性が江戸麹町(今の国立劇場の近く)に住み、そこで事件に巻き込まれていく連作です。その最後の一編が「老いの入舞い」で、主人公は

    昔取った長刀

で華麗に舞うが如く立ち回りまでしてみせます。松井さんご自身もそこそこの年齢になられて、いくらか同じ心境になっていらっしゃるのかな、と勝手な想像もしています。しかし松井さんはこれまでに多くの花を咲かせていらっしゃって、その点私とはまるで違います。私の場合は最初で最後でもかまわないのです。ささやかでもいいので、ひとつ

    花を咲かせたい

という思いが強くなっています。
ほんとうは1万部くらい売れる本が書きたいのですが(笑)それは無理です。そもそも才能がない上に、今は本が売れない時代になっています。書籍編集者の人にうかがうとそれはもう深刻で、ごく一部の著名な人が書くものか、奇抜なテーマや内容のものか、その他何か特殊な条件がないと売れないような話です。
文楽劇場を湧かせるような芝居も書きたいのですが、それもまた夢です。

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あれもできない、これもできない、となると、やはり入舞など無理かな、無理に舞ったところで「なんとかの冷や水」で、転んで恥をかくだけに終わるかもしれません。
ただ、何も有名人になるわけではありませんから世間をあっと言わせる必要はないわけで、自分が納得できる入舞をすればいいのです。
このところ、学生への授業と一般の方への講座で、

    毎週9コマ

しゃべっています。1コマあたり90分ですから、810分。13.5時間です。高校の先生は15、6コマ授業をされるのでしょうから、50分授業なら750〜800分。ついに追い抜いてしまいました(笑)。もちろん。高校の先生は担任があったりクラブの顧問があったり、行事があったりしますから私より多く働いていらっしゃいますけれども。
そんな日々にあって、私は仕事面ではかつてないほどいい気分で授業しているかもしれません。学生の反応も(聴いていない者は必ずいますけれども)悪くはなく、

    質問や意見

も山のように出てきます。公開講座にいたっては、当たり前ではあるのですが、すべての受講者の皆さんがとても熱心です。中には90分があっという間だとおっしゃってくださるかたもいらっしゃいます。
今年からは入試の業務を外してもらうように言ってあります(こんな割の合わない仕事はないのです)。
ひょっとしたら、これが私の入舞なのだろうか、と、毎回の授業で乱舞するように話をしているのです。

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